BRAVE10S~二つの力   作:花札

24 / 65
才蔵達の目の前にいる者……


かつて、才蔵達を苦しめた者……


業火

「どうも、こんにちは」

 

(服部半蔵!!)

 

 

その姿を見た才蔵は、剣の束を握り半蔵に攻撃しかけてきた。

 

 

 

 

何かの気配を感じ取ったアナスタシア……

 

 

「おーい!聞いてんのか?

 

俺様が熱烈に、愛を囁いてるっつーのに、どこ見てんだよ!?」

 

 

その気配のもとへ、アナスタシアは向うべくその場から立ち去った。

 

 

「!!

 

おい、アナ!!」

 

 

 

 

「?」

「!」

 

 

紫苑の煙管を弄っていた明日花は、その手を止め外を見た。同じ様にして優助も、手入れをしていた刀を置き、空を見上げた。

 

 

「二人共、どうかした?」

 

「……嫌な気配」

 

「二度と、感じたくもない気配……」

 

 

 

 

剣を振り回す才蔵……

 

 

その剣を半蔵は、右腕で難なく受け止めた。

 

 

(硬い……義手!!)

 

 

右手にはめられていた義手の堅さに驚いていると、半蔵は剣の束を引っ張り飛び上がり剣の上へと乗った。才蔵はされるがままに、その場に倒されてしまった。

 

すると、そこへ奇の幹を蹴った佐助が半蔵に飛び掛かった。そんな佐助に気付いた半蔵は、才蔵から離れ攻撃を避けた。

 

 

「これが、助太刀に入った人間に対する態度ですか?

 

俺よりそっちでしょ、そっち!」

 

「……」

 

「ね!」

 

 

笑みを浮かべる半蔵……

 

 

転がっていた袋を、佐助はすぐに口を開け大助を出した。

 

 

「プハァ」

 

「ご無事か!?」

 

「さらわれてんじゃねぇよ!くそガキ!!」

 

「っ……」

 

「才蔵!!」

 

「お怪我がなくて、よかったですね!

 

この俺のおかげ!ね!」

 

 

大助に笑みを浮かべる半蔵に、大助は状況を掴めず、半蔵を見上げた。

 

 

「我、大助様連れて、帰城する。

 

後、任せた」

 

「応」

 

 

大助を抱え、佐助はその場から立ち去った。

 

 

佐助が居なくなると、半蔵は才蔵に手を伸ばした。

 

 

「お宅の若様の所に、連れて行ってくださいよ!

 

信用してねぇでしょうから、手縛ってどうぞ!」

 

「……テメェが助太刀とか気色悪ぃ……

 

オッサンに何の用だ?何が目的だ?」

 

「再就職先を、探してるんですよねぇ」

 

「……」

 

「俺、雇い主に対しては、死んじゃったことになってるんですよ。

 

ま、ずっと勝手に動いてたうえに、しばらく姿晦ませてたんで、当然ちゃ当然ですけど!

 

で、あの狸(徳川家康)、さっさと別の忍を召し抱えちゃいまして、仕事熱心で有能なのに、俺は正式に解雇って訳です。

 

可哀想でしょ?」

 

「ハァ!?」

 

「雇われが私欲で、動いちゃうとこうなるんですよねぇ……

 

しかもこの世情でしょ。先行き不安で、物価は上がるし……

 

 

いやぁ参りました!近頃は懐事情が苦しくって」

 

「完っっっ全に、自業自得じゃねぇか!!」

 

「それで、何かと縁がある真田に、再就職しようかなぁと」

 

「縁なんかねぇよ!!

 

一方的に攻め込んできただけじゃねぇか!!」

 

「何を怒ってるんです?

 

その時はそれが、お仕事だっただけですよ?忍なんだから」

 

「テメェ……ふざけるのも(こいつのせいで、俺達は!!)」

 

「抜かないんですか?」

 

「……

 

 

ここで斬りたいのは山々だが、まずはオッサンに……」

 

 

半蔵と話していると、辺りの空気が突然冷え込み異様な風が吹き出した。

 

 

「おや?」

 

 

その時、何かが割れるような音が響き、それと共に木の上からアナスタシアが姿を現し、半蔵に飛び掛かり乗った。

 

 

「アンタ!!何で!!」

 

「こんにちは。

 

氷漬けにして、殺したと思ってました?

 

 

残ぁぁ念!」

 

 

その言葉に、キレたアナスタシアは手に冷たい空気を集めた。

 

 

(ヤベェ、巻き込まれる!!)

 

「伊賀亜流氷術!!永久凍士(ヴェーチナ・ミヨールズスチ)!!」

 

 

半蔵を氷漬けにしたアナスタシア……

 

 

 

 

その氷の山を、甚八は近くの森から見ていた。

 

 

「なーんだ?ありゃ」

 

 

 

 

氷漬けになった半蔵から、離れ一息つくアナスタシア……

 

 

「俺まで氷漬けにする気か!!……!?」

 

 

突然アナスタシアは、降りてきた才蔵の服にしがみ付いてきた。

 

 

「どういうことなの!?

 

どうして、あの男が生きていたのよ!!」

 

「落ち着けよアナ。

 

俺も良く分かんねぇんだ」

 

 

才蔵の服を握るアナスタシアの手は、震えておりそれに気づいた才蔵は、アナスタシアの顔を見た。

 

 

「お前……」

 

 

「火術迦楼羅炎!!」

 

 

氷漬けにされた半蔵は、火を放ちアナスタシアの氷を溶かしでてきた。

 

 

(アナの氷が!!)

 

「知らなかったでしょ?

 

俺の『業火』。

 

 

ま、忍は手の内を全部明かさないもんですよ、敵にも味方にもね」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告