BRAVE10S~二つの力   作:花札

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幸村の部屋へ来た信幸……

しかし、幸村の部屋の襖には、『面会謝絶』と書かれた紙が貼られていた。


真田の兄弟

「幸村ぁぁ!!」

 

 

怒鳴りながら、信幸は襖をぶち壊し入ってきた。部屋には布団が敷かれており、布団の中には幸村が潜っており、幸村は隙間から震えながら手を出した。

 

 

「……今日は、調子が悪くて、起き上がれませぬ……

 

また別の日に、訪ねてきて下さらぬか……」

 

 

そんな幸村の態度に、信幸は遂に堪忍袋の緒が切れ、大声を出しながら布団を持ち上げ幸村を出した。

 

 

「この、愚弟が!!

 

 

それが、兄を迎える態度か!!」

 

「誰も、訪ねてきてくれと、頼んだわけじゃない……

 

 

あっ痛て……

 

兄上の顔を見たら、本当に腹が痛くなってきた……」

 

「お前という奴は……

 

 

そこに直れい!!」

 

 

幸村のだらしない態度を見た信幸は、大声を上げて幸村を怒鳴った。幸村は信幸の前で、渋々正座をした。

 

 

「……相変わらず、張りのある声でいらっしゃる……」

 

 

そんな幸村を、部屋の外から伊佐那海達はその光景を覗き見ていた。

 

 

「ふええ……

 

あの幸村様が、正座してるぅ……」

 

「おっかない人だねぇ……」

 

「相変わらず、激しい怒鳴り声」

 

(怖いもん……あったんだな……)

 

 

 

 

しばらくして、二人は上田城城主であり、二人の父上である真田昌幸の部屋へ行った。

 

昌幸は、呑気に笑いながら二人を出迎えていた。

 

 

「ホッホッホ!信幸よ。

 

お主がここに来るとは、珍しい……して、どうした?」

 

「どうしたもこうしたも、この先の上田の行く末を案じて、参上したのです。

 

今、世は豊臣に就くか、徳川に就くかで大きく揺れております。

 

 

父上!真田はどうする、おつもりですか」

 

(面倒だなぁ……)

 

「寄らば大樹ではありませぬが、徳川の力の方が遥かに大きい」

 

「ふうん……」

 

「徳川に就けば、真田も安泰でしょ!」

 

「ふうん……」

 

「父上!!」

 

 

そんな会話を、天井裏から才蔵は盗み聞きをしていた。

 

 

(それを言いに、わざわざ来たのか……)

 

 

一通り信幸の話を聞いた昌幸は、奥義を広げまた呑気に笑った。

 

 

「それは、幸村に任せておるわ」

 

「は?」

 

「……」

 

「では、儂はこれにて……

 

後は、そちらで話し合えい」

 

 

 

そう言いながら、昌幸は部屋を出て行った。昌幸が居なくなった途端、信幸は隣にいる幸村を睨んだ。信幸は、膝を立て平然とした態度で答えた。

 

 

「儂は、徳川には就かんぞ」

 

「待て、幸村!!」

「よし!話は終わり!」

 

「この、戯けが!!」

 

 

幸村の答えにキレた信幸は、畳を持ち上げ幸村に投げつけた。幸村は投げてきた畳を間一髪避けた。

 

 

(何だアイツ……大名のくせに、半端ねぇ腕力)

 

「お主!!真田を滅ぼすつもりか!!」

 

「なぜ、そうなる?」

 

「分からぬか!!

 

俺は上田を案じておる!!

 

 

かのような、小さき領地……

 

徳川にかかれば、一捻りだぞ!!」

 

「そうはいかぬ。

 

儂には、紫苑と優助と約束したこともあるし……

 

 

それに、うちには優秀な守り人がおるからな。

 

上田を守るくらい楽勝だ」

 

「……ほう、楽勝とな」

 

「おうおう。

 

だから上田の心配は無用だ」

 

「ならばそれを、見せてもらおう!」

 

「見せたら、もう口を出さぬか?」

 

「おお!良かろう」

 

「良し!決まりだ!」

 

(何か、嫌な予感が……)

 

「俺の用意する手練れと、お前の守り人で死合ってもらおう。

 

無論、優助と紫苑にもだ!!」

 

「!!」

 

(まさか……)

 

「して、それは何人おる?」

 

「……」

 

(まさか……まさか……)

 

「十人……だ…」

 

(俺達かぁ!!)

 

「男に二言は無いな!!」

 

「う……うむ……」

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