十年後……
風で煽られる草木……森にヒッソリと立てられた墓標。そこへ、人影が現れ墓標の前に菊の花を二本置いた。
「……ったく……
何で俺が、テメェ等のガキの面倒見なきゃイケねぇんだが。
まぁ……つまんなくは無いからいいか」
「誰と話してんだ?」
「頭の親と、俺等の前の主に話してんだよ」
「え?頭にも、親いたのか?!」
「誰にでもいる。
……恐らく、一族の中じゃアイツだけだろう。
親を誇りに思ってるのは」
弱い風が吹き、菊の花弁が風に乗りどこかへと飛んでいった。
とある戦地……
「何で真田丸を、取り壊されてんだよ!!アホか!!オッサン!!」
「オッサンがオッサン言うな!!お主だって、いい歳だろうが!!」
「やーい、言われてやんの!」
「テメェは黙ってろ!!いい歳して!」
「いい歳でも、三十にはまだ遠いし!
まだ、ピチピチの二十代だし!」
「ンの野郎!!
子持ちのくせして、いい気になりやがって!!」
「子供は関係ないでしょう!!
それに、私に攻撃してみな。
あそこで待機してる仲間の攻撃が、一斉に才蔵目掛けて飛んでくるから」
「っ……」
「家康は、茶臼山に陣張ってるらしいですよ」
「おお!そうか!
あの狸、一発打ん殴って」
「その様な、策でないような策、おやめなさい」
「キツイのう……歳を取って、さらにキツイのう」
「その口、糸で縫い合わせましょうか?」
「それプラス、両手両足縛って地中に埋めちゃう?」
「儂を殺す気か!?」
「殺しても大丈夫!
跡継ぎの大助がいるから!」
「っ……」
「アラ~、皆さんどうも~」
「敵方が気安くこっち来んじゃねぇよ!!」
「お前が来たせいで、全員攻撃構えてるし!
コラー!!まだ、指示出てなーい!!」
「いやいや~、どう見ても徳川が有利じゃねぇっスかぁ。
『服部半蔵』に返り咲いといて良かったぁ。俺、先見の明ありまくり!
おっと!」
「去れ」
「いい加減失せろ!」
「お~怖。じゃあね皆さん!
後で戦場で、会いましょう!
あ、才蔵は俺がぶっ殺すんで!」
「お前を殺すのは、私の役目だけどねぇ!」
「お主はいつもモテるのう」
「嬉しくねぇっつの」
「モテモテ才蔵!」
「うるせぇ!!」
「そろそろ刻限」
「さーて、やるかぁ」
「うちの仲間は皆、戦闘態勢入ってるよ。
後は、大将の指示次第」
「戦の世を終わらせるのが、今地上にいる我等の役目よのう。
あの竜も、今度は間違う巻いて」
「その竜なら、血気盛んに最前にいるようで」
「……あ奴らしいのう」
「本当」
「では、参りますか」
「おう」
「おーい!
俺も交ぜろって、才蔵!!」
「遅せぇよ!オメェ(鎌之介)」
「鎌之介ー!早くー!」
(完)