戦闘シーンを描いていたら意外と大ボリュームになってしまいました
【補足事項】
「」 普通に話している場合
() 心の声など相手に聞こえない場合
『』 通信やバルキリーを外から見ている描写の場合
ランカが伝説のロックバンド
ミレーヌ・ジーナスと出会ってから数日後
マクロスフロンティアが向かう宙域で赤い瞳が瞼を上げ眼を開く…
―美星学園 芸能科・教室内―
はぁ~…と大きいため息が一つ教室中に響く
「おいおい…シェリル、まだあの話を引きずってるのか?」
「あたり前でしょ!そう簡単に諦められるワケないわ…!!」
「とはいえ、シェリル嬢。その話のせいで俺たち酷い目に遭ったんだぜ?」
「そうですよ、オズマ隊長の耳に入っちゃったせいで、
ボクなんかここ数日、情報収集に駆り出されてるんですから…」
金髪でメガネの青年ミシェルとコンピュータを片手に幼さの残る少年ルカが愚痴をこぼした
「愚痴をこぼす暇があるんだったら、アンタたちも情報の一つでも持ってきなさいよ!!」
「ご、ごめんなさいっ」
「やれやれ、恐ろしいねぇ銀河の妖精様は」
「皆さん、お忙しそうですねぇ…」
遠巻きに見ていた豊満なバストと眼鏡をかけた少女ナナセは呟いた
「私がお兄ちゃんに話しちゃったから広がっちゃったんだよね…
ナナセちゃんは知ってる?FIRE_BOMBERっていうロックバンドなんだけど」
「いえ…私、ロックは聞かないものですから…」
お役に立てずごめんなさいと軽く顔を下げた
「おい、お前ら、そろそろ行かねぇと飛行訓練に間に合わねぇぞ」
アルトは立ち上がり二人に声をかけて廊下に出ていった
「あっ、ちょっと待ってくださいよ!アルト先輩」
「今行きますよ、アルト姫」「てめっ、オイコラ、ミシェル!!」
廊下からは、美星学園名物のアルトとミシェルの喧嘩の声が
「さて、私たちも娘々に向かいましょうかランカさん」
「そうだね、アルトくんたちの差し入れのまぐろ饅を取りに行かないとね!」
「「おー!」」と二人も教室を後にする
アンタたちなんとか言いなさいよと俯いていたシェリルが顔をあげると教室には誰も居なかった
「ちょ…、アタシは銀河の妖精シェリル・ノームなのよー!!」ナノヨー・・・ナノヨー・・・―
虚しく声が鳴り響いた
…グレイスぅ
涙目になりながらマイク型の携帯電話を手に取るシェリルであった
―美星学園 屋上・カタパルト―
「
「今日は天井に頭ぶつけてくるんじゃないぞ、姫」
「だれが姫だ!!ふぅ…―
北北西の風秒速4メートル、ランチャーカタパルト接続…エンジン良し、フラップ良し!」
―…テイクオフ!!
カタパルトから勢い良く放たれたアルトはスピンをかけつつ
クルッとターンを決めグリフィスパークの丘方面へと飛び立った
「風に乗った…!」
ルカは空を見上げ笑みをこぼす
「…ったく、歌舞伎あがりのクセにホント、空を飛ぶのは一級品だよな」
口笛を吹いて、ポツリと呟いた
「たまにはソレ、本人に言ってあげたらどうですか?」
やだねと手をヒラヒラと振りながらミシェルは飛び立つ準備を始める
「しかし、FIRE_BOMBERは本当に来ているのかねぇ」
「あのランカさんが嘘を吐くとは思えませんけど…
シェリルさんのマネージャー、グレイスさんの方でも何一つ情報が上がってないみたいですし」
ルカは何か新しい情報はないかとコンピュータを開く
「どちらにせよ早く隊長をどうにかしないと俺たちの身がもたないぜ?」
「それはそうですけど…どうにかって言ったって…」
ルカが「あっ」と大声をあげる
「いきなりどうしたんだよ、ルカ?」
驚いたミシェルは振り向き問いかける
「そ、それが…アルト先輩のEX-ギア、システムは良好なんですけど、
エネルギーがあまりチャージされてないみたいで…」
普通の訓練メニューで帰ってくれば問題ないんですけどとルカは付け加えたが
「あの飛行バカにゃムリだろうな…」
ミシェルは頭を抱え俯いた
「まぁ、アルトの腕なら滑空だけで降下出来るだろ」
迎えに行くから案内してくれと言いかけた矢先
ビーッビーッ!!
二人の携帯電話のアラームが鳴り響く
「チッ、こんな時に噂の
「アルト先輩には自分で帰って来てもらうしかないですね」
んな事言ってないで行くぞ!とミシェルはカタパルトから飛び出した
―アイランド1 周辺宙域―
『司令部より通達!何者かによって哨戒中のバルキリーが撃破された』
『敵の詳細は依然不明――強力な電磁妨害をかけてくるためプロテクトレベルを7に変更』
『目標を見つけしだい、これを撃破せよ』
「お前ら!!フロンティアを脅かすような大馬鹿野郎共だ
容赦なんていらねぇぞ、
「了解です、隊長!」
『全機、
数十秒後、ミサイルは起爆し戦場が静寂に包まれる
『各機!気を抜く――』
ビッと一筋の光線が仲間を貫いていく
「なっ…」
『何だ!?ミサイルが当たら――』
「お前らッ!!…なんだってだクソッ―…のわっ?!」
―サンフランシスコエリア―
娘々へと差し入れを取りに向かったランカは
「アルトくんたち、喜んでくれるかなぁ!」
と小走りに美星学園へと急ぐ…だが
「きゃぁ!!」…大きな音と共に揺れが起こる
時は、少し遡り
―グリフィスパークの丘 付近・上空―
何も知らないアルトはアクロバット飛行しつつ折り返し地点を過ぎようとしていた
「こんなヌルいメニューじゃ訓練にもなりゃしねぇよ…」
とぼやく、だが突如モニターに警告文が流れる
「なっ、エネルギー不足だと?!…のわっ」
出力が落ちた為、ガクッと体勢を崩しクルクルと急降下する
チックショォ…ッ!!と持ち直し滑空を始めたアルトだったが、
ふと目の前に意識を向けると大樹が聳え立っていた
ガンッと大きな音がした、それからバキバキと枝を折りつつ森に落ちていく
気が付くとアルトは蔦に絡まっていた
「いっ…てて…蔦のおかげでなんとか止まったか…」
EX-ギアをなんとか動かそうとするが蔦はほどけない
仕方なくEX-ギアを脱ぎ、飛び降りた
「はぁ、ここはどの辺りだ?しばらく待ってりゃ流石にアイツらが来るとは思うが…」
―…うるせぇなぁ、昼寝も出来やしねぇじゃねぇか
木陰から、むくりと起き上がり大きくあくびをした男がそう言った
「あ、あぁ、すまない、機体の不調で騒がしてしまって…」と言いかけると
「なんでもいいが、俺の昼寝を邪魔しないでくれよ。お嬢ちゃん」
ぼりぼりと頭をかきながら男は言う
「だ、誰がお嬢ちゃんだ!俺は男だ!!」
アルトは我慢できずに言い放った
「おっと、男だったのか、そりゃ悪いことしたな」
と汚れたズボンをぽんぽんと叩きながら大樹の根の上に立ち上がり
「詫びがわりだ、俺の歌を聴いてけよ MY SOUL FOR YOU」
アコースティックギターを手に持ち男は歌い出す
お前が…―!
(おいおい、いきなり歌いだしやがった…なんなんだよ、コイツは…??)
カモン ピーポ…ドゴォンッ!!!
突然の爆音と揺れに蔦に絡まっていたEX-ギアが落ちる
そして、サイレンが鳴り響く…―
「敵襲の警報だと?そんなまさか、こんな宙域で敵なんて…」
「へっ、どこの誰だか知らねぇが俺の歌を聴きにきたってワケだな…
わりぃな、演奏の続きは
そう言うと男は軽やかに飛び降り森の更に奥深くへと消えていった
「一体何者なんだよ、アイツは…〈ドゴォンッ!!!〉ぐぅ…っ!」
「状況は分からないが、とりあえすここを離れるか…EX-ギアは?」
アルトは、衝撃で落ちてきたEX-ギアに駆け寄り状態を確認する
「よし…飛べはしないが、ローラーで移動くらいは出来そうだ」
EX-ギアを装着しアルトは丘を下った
Bパートに続く