「今日はここまでだ。みんな頑張ったな。」
寺子屋での授業が終わり、みんな体を伸ばしたり話を始めたりしている。
「チルノ、あとで話がある。」
「うん。」
一晩中考えてベストだと思った考えを早速今日実行する。だけどその前にやらなきゃいけないことがある。
「風人、華、弁当だ。フランのところにいってくる。」
昨日はチルノに対する罪悪感で気がまわらなかったが、フランの体質も変えていた。だからその事を説明しなければならない。
「よう、美鈴。」
「えっ!?あ、信さんでしたか。昨日はすいません。」
急に現れた信に驚きながら謝罪してきた。
「いやいいさ。それよりフランたちに話があるんだ。入ってもいいか?」
「ちょっと待っててください。今確認してきます。」
そういうと美鈴は紅魔館のなかに入っていった。しばらくして出てきた。
「お嬢様の承諾を得られました。どうぞお入りください。」
「それじゃあ、お邪魔しまーす。」
門をくぐった瞬間にレミリアのところに瞬間移動する。
「よう。」
「お兄さまっ!」
どうやら今日はみんなもう食べ終えているらしい。昨日食器があったスペースには紅茶のはいったカップが置れていた。
「今日も一緒に遊べるのっ!」
「ごふっ!」
抱きつきながら聞いてきた。余程楽しみにしていたのであろう。だけど...。
「フラン...、もうちょっと手加減してくれ。」
吸血鬼は身体能力が人間より遥かに高いため結構痛い。
「それと今日は話があるんだ。レミリアたちにも聞いて欲しい。」
フランをイスに座らせ、昨日のことを話始める。
「レミィの嫌な予感が当たったわね。」
「よりによってね。」
「では妹様は...」
「もう外で遊べないの?」
予想通りの反応が帰ってきた。やはりみんな残念そうな表情をしている。だが、
「いや、フランは問題ないと思うぞ。」
「ホントにっ!?」
「でもあなたの話だと、フランにもそのうち体に異変が起きるんじゃないの?」
「チルノの場合は種族が問題だったんだ。あいつの体温が普段すごい低いのを急に俺と同じにしたからな。でもフランの場合は日の光に対する体の反応を変えただけだからな。チルノみたいにはならないはずだ。」
「っていうことは、」
「また遊べるの?」
「あぁ、遊べるよ。」
「やったー!」
「よかったですね、妹様。」
「でも問題ないならどうして話したのかしら?」
「俺なりに責任をとりたかったんだよ。まだわからないことがある俺の能力を浮かれて使っちゃったことにさ。」
「律儀ね。」
「責任逃れは嫌だからな。それじゃあ、遊びにいくぞ。」
「うんっ!いってきまーす!」
「いってらっしゃいませ。」
フランと信はその場から姿を消した。
「当たってなかったはね、レミィの予感。」
「うっ、そ、そんなことより咲夜はよかったの?信とあんまり話せなかったけど。」
「...どうしても彼を前にすると言葉がつまります///。」
「「・・・・・。」」
顔を赤くしながらそういう咲夜をみて、レミリアとパチュリーはお互いの顔を見合わせた。
「「フフッ♪」」
「どうして笑うんですか...。」
2人に悪意はない。ただかわいいと思った。
「戻ったぞー。」
「みんなっ!」
フランがチルノたちの所へ駆け寄っていった。信もその後についていく。
「チルノ、さっきのことだが向こうで話そう。大ちゃんもついてきてくれ。」
「うん。」
「はい。」
「何かあったの?」
「何でもないよ。ちょっと2人と話してくるから先に遊んでてくれ。」
信とチルノと大妖精は林のなかに入っていった。
「大ちゃんはもう聞いたか??」
「はい。それで...話っていうのは?」
「チルノの冷気をどうにかする方法を考えてきた。」
「もうですかっ!?」
「早い方がいいだろ?それでな、その方法はチルノに頑張ってもらうしかないんだ。やるか?」
「もちろんだよ。」
「どのくらいかかるかわからないし、多分大変だぞ?それに本当にできるようになるかはわからない。それでもやるか?」
「できるよ。だってあたい最強だもん。」
「それでこそだ。じゃあ説明するけど、見せた方が早いな。」
そういって信は目を閉じた。
「「っ!?」」
そして信が目を開いたときにはさっきとは明らかに違うところがある。いや、同じところが無い。
「えっ!?えっ!?」
大妖精がチルノと信を交互に見ている。驚くのも無理はない。
「信さん、...その姿って...チルノちゃん..ですよね?」
「あぁ、色々理由があるんだ。」
信の姿は完全にチルノと同じになっていた。
「記憶と人格以外ぜんぶチルノと『共有』した。...大丈夫そうだな。大ちゃん、ちょっと来てくれ。」
「は、はい。」
近づいてきた大妖精の頬に手をつける。
「つめたっ!え?」
「気づいたか?」
「大ちゃんっ!大丈夫?」
「..うん。信さん、もしかして。」
「そうだよ。今俺は完全にチルノとおんなじだ。でも、大ちゃんに触れてる。どういうことかわかるか、チルノ?」
「トーショーになってない。」
「そういうことだ。つまりだ、冷気自体はチルノ自信で押さえることはできる。まあ、体温は雪みたいなままだけど人に害を与えるほどじゃない。」
「どうやってるのっ!?」
「お前の能力だよ。」
「あたいの?」
「あぁ。お前の冷気を操る程度の能力を使えば冷気は解決できる。」
「でも...今まで出来なかったし。」
「多分おまえはまだじぶんの能力を制御できてないんだ。だから能力をちゃんと使えるように俺が教えてやる。あとはお前次第だ。俺は厳しいからな、覚悟はいいか?」
「うんっ!」
覚悟のこもった目をして、チルノは力強く答えた。
信くんの能力使えば裸とか見ほうdごふっ!!(無言の腹パン)