東方家族録   作:さまりと

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はじめまして、さまりと といいます
たくさんの誤字、分かりにくい文章、不定期更新となると思いますが精一杯やらせていただきます。


第0話 【始まった幻想】

「明日から夏休みか~」

 

1学期の最終日、俺達3人は一緒に帰るところだった。

 

「今年の夏休みは有意義に使って見せる!!」

「勉強?」

「目指せ、東方プロジェクト完全攻略!!」

「「またそれか~」」

「信にいも一回やってみてって。すげぇ難しいから」

「時間があったらな。てか受験生、勉強しろ」

「正直、高校受験は楽勝」

「足元すくわれなきゃいいけど」

 

一緒に帰っているのは男の方は弟の(まこと)、女の方は妹の(ちか)。2人は双子で中学3年生。今年受験だが、まあこいつらの学力なら問題ないだろう。本番に緊張してテンパったりさえしなけば....

 

「確かに東方は難しいからな~。アリス可愛い」

「美鈴最高!!」

 

二人は東方プロジェクトというゲームが気に入っているらしかった。今までもよく話題に上がっていたし、二人以外からもよく勧められていた。そろそろ話題に乗れないのも嫌になってきたので手を付けてみようかと思う。

 

「悟空最強!!」

 

でもまあ今知らんから乗れないけどな。話題

 

「「東方じゃないしww」」

「そもそもどういうゲームかもよくわかってないからな?俺。……そろそろやってみようかな」

 

と、少しわざとらしく流し目で話してみると

 

「マジ!?じゃあ晩御飯の時に話すよ!!今日から信にいを東方厨にして見せるから!」

 

こんな風にやたら嬉しそうに言った。

 

「晩御飯の時だったら恭助も一緒になりそう……いやなるね。覚悟しといた方がいいよ?信にい」

「真も恭助も燈もそんなにハマるんだから面白いんだろ?望むところだよ」

「今夜はパーリーだああ!!!」

 

 こんな他愛のない話を家族とするのが心地よかった。

 

「でもゲームばっかりやってられないよ。父さん達しばらく帰ってこないから」

「いきなり世界一周ボランティア旅行に行くんだもんな。しかもじいちゃんばあちゃん達も」

「2年後だっけ?」

「うん。まあ、家事はだいたい俺達の仕事だからな。どうにかなるだろ」

 

 俺達の両親、両祖父母は5月の始め頃に突然海外ボランティアに向かってしまった。

 保護者組は家事が全くできないので今までの暮らしとすごく変わると言うこともない。お金も十分残してくれているので金銭面で困ることもなさそうだ。

 

「俺夕飯の食材の買い出しに行ってくる。風呂掃除と洗濯物の取り入れよしく。コトとモコのさんぽもな」

「おk」

 

 そういうことで俺は2人と別れた。

 

 今夜は何にしようかと迷ったが、献立を決め材料を買った。おびただしい量の買い物も今じゃすっかり地域の人たちも慣れてしまっている。

 買い物を済ませ、スーパーを出て大量の食材を持ち、俺は帰ろうとした。帰ろうとしたんだ。だけど……。

 

「ここは……どこだ?」

 

 全く知らない森の中に俺は立っていた。

 

 




次回から本格的な主人公のステータスがわかります

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