東方家族録   作:さまりと

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第36話【何度でも VS魔理沙】

信「体重のかけ方も意識するんだ。バランスは崩すなよ。」

「「「押忍っ!!」」」

 

妖怪達とケンの稽古をしている。今日は学校が休みだから午前中からやっている。

 

「おーい、しーーん!」

信「ようっ魔理沙。」

魔理沙「うわっ、本当に妖怪達に武道を教えてるのか?」

信「人を食わないことを条件にな。で、なにか用か?」

魔理沙「そうだったぜ。弾幕ごっこだぜ信。今日こそ勝ってやる!」

信「今はちょっとキツいんだよな。こいつらに教えてる最中だし。」

魔理沙「そう言ってずっとやってくれないじゃないか。今すぐやるんだぜ!」

信「ん~~。」

ジン「行ってこいよ信。俺たちはちゃんとやってるから。」

信「そうか、じゃあ行ってくるよ。すぐ戻る。」

魔理沙「よしっ!それじゃあ向こうでやるんだぜ。」

信「はいはい。」

 

~~~~移動~~~~

 

信「今日のルールはどうする?」

魔理沙「今日は連続して3発以上くらった方が負けなんだぜ。」

信「わかった。今日も勝たせてもらう。」

魔理沙「いいや、今日こそ私が勝つんだぜ!」

 

信「『運任』〈ドキドキわくわく抽選会〉!」

魔理沙「やっぱり最所はそれなのか。」

信「もちろんこれだ。」

信がスペルを唱えた瞬間何枚ものスペルカードが信を中心に円状に並ぶ。そしてそのうち1枚が燃え、1枚が赤い光を帯び、他のカードと一緒にゆっくりと消えた。

信「今回はこれか。じゃあ行くぞ!」

 

大量の弾幕を魔理沙に向かって放つ。

 

魔理沙「待ちくたびれたんだぜ!」

 

それに対して魔理沙も弾幕を展開し応戦する。お互いの弾幕がぶつかり合い、消滅する。

 

信「こっちから行かせてもらうぞ!『迷惑』〈刃の舞〉!」

魔理沙「それにはもう引っ掛からないんだぜ!」

信「『光符』〈豪華絢爛〉!」

魔理沙「うっ!これはまずいんだぜ。」

信「さあ、無数の刃が襲ってくるイタッ!」

魔理沙「お前もくらってんじゃないか!」

信「見えないんだから仕方ないだろ!『束縛(そくばく)』〈黒棺(くろひつぎ)〉!」

魔理沙「このタイミングでそのスペルは!」

 

その瞬間魔理沙が霊力によって作られた赤い箱のようなものに閉じ込められた。その箱の中にはいくつもの手裏剣が共に閉じ込められている。

 

フェリーチェ『赤いじゃん。』

信『気のせいだ。』

魔理沙「マスタースパーーーーーーク!!!」

信「『怪符』〈破壊光線〉!」

 

黒棺から出てきたマスタースパークを相殺する。

 

信「今のは仕留めるつもりでやったんだけどな。さすがはパワー主義の第一人者だ。」

魔理沙「そう思うなら無双乱武を使うんだぜ!」

信「そう簡単に使うわけにはいかなねえよ。『花符(かふ)』〈千本桜(せんぼんざくら)〉!」

 

何本もの桜の木が現れる。だがそれは霊力で作られており、花びらだけでなく木そのものが薄いピンク色の柔らかい光を放っている。

 

魔理沙「相変わらず綺麗なんだぜ。でも今そのスペルを使ってもなにも意味はないはずだぜ?」

 

このスペルは何本も生えた桜の木そのものが花びらに変わりながら散っていくというものだ。つまり飛んでいる相手にたいして全くと言っていいほど効果がない。

 

信「いつもならな。でもドキドキわくわく抽選会で選ばれたこいつは一味違うぞ!」

 

信は右手を魔理沙に向かって振り払うように動かした。それに合わせるように花びらは魔理沙の元に向かっていく。

 

魔理沙「な、まさか...。」

信「そのまさかさ。強化された千本桜は操作可能。さらに追加だ!『迷走(めいそう)亡霊達(ぼうれいたち)(あゆみ)〉。」

 

信を中心にして大量に弾幕が放たれる。すべて不規則に動いているように見えるが...。

 

魔理沙「さすがに多すぎるんだぜ。」

信「わかってると思うが亡霊達の歩は相手もしくは弾幕に当たるまで消えないぞ?」

魔理沙「しかも千本桜が操作可能だから信の弾幕同士がぶつかり合うことはない...か。少しエグくないのぜ?」

信「こっちはそれなりに戦略を考えてるんだ。そう簡単に負けられないよ。」

魔理沙「くそっ!『魔符』〈スターダストレヴァリエ〉!」

魔理沙もこのまま負けまいとスペルを使う。だが...

信「少し遅すぎたな。」

 

魔理沙のスペルを千本桜で相殺する。だが魔理沙の弾幕が全て無くなってもまだまだ弾幕は大量にある。

 

魔理沙「くっ...『魔符』〈ミルキーウェイ〉!!」

苦し紛れにはなったスペルは亡霊達の歩によってほぼ全てが相殺される。

信「これで...」

 

右手で千本桜を操作して魔理沙の囲むように配置する。

 

信「おしまいだ。」

 

それらを魔理沙に向けて集束させる。

 

魔理沙「うっ!」

 

そのまま無数の花びらが魔理沙を襲い、勝敗が決した。

 

 

 

(ああ...また負けちまったのぜ。)

 

千本桜を食らった魔理沙はそのままじめんにむかって落ちていた。

 

(一体どうやったらあいつに勝てるんだ?)

 

信は魔理沙と弾幕ごっこをする度に戦略を変えている。今回のようにスペルカードをいくつも使う場合もあれば1つしか使わない場合もある。

 

魔理沙「やっぱりもっとはやく動いて撹乱すれば...。」

信「よっと。」

魔理沙「え!?え、えっ!?」

信「いつ体勢を立て直すかと思ったらそのまま落ちてくんだもんな。結構焦ったぞ。」

魔理沙「え?あ、ああ。」

 

そういわれて下を見てみるともうそこには地面があった。

 

信「前にも言ったがもっと自分を大事にしたらどうなんだ?」

魔理沙「す、すまないんだぜ。...!!」

 

信に諭され冷静になると、あることに気がつく。今自分は高所から落ちてきて信に受け止められた。信は一体どうやって受け止めたのか。簡単だ。年頃の女子なら誰もが夢見て、意中の相手に1度でもやってほしいと思うもの。それは...

 

(お姫様だっこおおおおおっ!?)

魔理沙「信っ、下ろすんだぜ。」

信「うおっ!どうした急に。」

魔理沙「いいから早く下ろすんだぜ!!」

 

そう言いながら無理矢理地面に降りた。

 

魔理沙「覚えとくんだぜ信。つ、次こそは私が勝つんだからな。」

 

そのまま逃げるように立ち去る。突然のことに心臓は鼓動を大きくしていた。

 

(まったく...心臓がもたないんだぜ。)

 

顔赤くして全速力で逃げるなか、どうしても考えてしまう。

 

(...明日もここに来れば会えるのかな?)と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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