東方家族録   作:さまりと

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おはこんばんにちわ。さまりとです。
私は東方のキャラの弾幕を詳しく知らないので、描写は省かせていただきます。
許してくださいッ!なんでもしますから!
では、ゆっくりどうぞ


第4話【弾幕ごっこ】

夕飯の後始末が終わり、信と魔理沙は庭で、霊夢とアリスは縁側で食後のお茶を楽しみつつ二人の様子を見守っていた。

 

「これからお前に教えるのはこの幻想郷で勝ち負けを決める際に行われる『弾幕ごっこ』についてだ。そんでもって、弾幕ごっこで一番大事なのがこれだ!」

 

 手を仰向けに突き出したかと思うと青いエネルギーの様な球体をポンと出した。優しく光る美しい物体である。

 

「おぉ」

「こいつを弾幕にしたりして勝負を決めるんだぜ!ちなみに私やアリスの場合は魔力を。霊夢の場合は霊力が元になってるんだぜ。慣れれば色々形を変えたりも出来るし面白いもんだぜ!」

 

 と言いながら弾幕を星形なんかに変えて見せる。目を輝かせながら縁側の二人に目をやると、アリスは魔理沙と同じ青い球体を、霊夢は赤い球体を出して見せてくれた。色こそ違うがやはりそっちも優しく光る美しいものだ。

 

「まずはこの弾幕を出すところからだな」

「なるほど。どうやるんだ?」

「フッとやってポンだ」

「アリスさーん。交代お願いします。」

「なんでだぜ!?」

「逆になんで出来ると思ったんだよ?」

「だってぇ」

「まぁ、こうなる気がしてたわ。私のイメージだけど教えるわね」

「よろしく頼む」

 

 仕方のなさそうに立ち上がると、持っていた上海人形を宙に浮かべ、それに自分が放出した魔力を薄い膜を張るように纏わせる。

 

「いい?魔力や霊力っていうのは、血液みたいに管を通ってるわけじゃないの。皮膚の下を薄い膜を張るようにして流れているわ。まずはその存在を感じ取れるようにならないといけないから、一番感覚を集中出来るところに意識を集めてみて」

 

 そう言われた信は自分の掌に意識を集中させた。皮膚の下を覆っている。そして流れているということは動いているのだ。彼女の言葉から自分なりに感覚を確かめていった。

 

「お!」

「感じたかしら?」

「これを外に出す。これを外に出す。これを外に出す」

「じゃあ次にそれを外に出す為に」

「待てアリス!」

 

 魔理沙の制止によって彼女は気が付いた。自分の言葉が既に届かなくなってしまっている事に。

 

「でも魔理沙、確かに集中力はすごいけど今霊力の存在を知ったばっかりの人がそれを操るなんて……」

「確かに簡単けど、もしかしたらもしかするかもしれないぞ?」

 

 面白そうに話す魔理沙にはいはいと今は言うことを聞くことにした。ただ、やはり無理な物は無理だと感じながら目の前の彼を見守る。時間が少し過ぎ、やはり無理だったと三人が思い始めた時だ。

 

「出た!」

 

 なんと出た。彼の手から赤く光る美しい霊力弾が確かに。しかし、それ以上の異変にその場の全員が感じ取る。

 

「なんだ……力が溢れて……抜けていく……!?」

「おいおいなんだこのとんでもない量の霊力は!?」

「私の倍、いや、それ以上かも」

 

 この場を一瞬にして大量の霊力が覆いつくす。それは間違いなく、今まさに彼からあふれ出ている霊力そのものなのだ。

 

「でも他にもなにか……じゃなくてどうするの?このままじゃ不味いわよ!」

「え、何が!?」

「あなたの霊力駄々漏れになってるのよ。このままじゃすぐに底をつくわ」

「底をつくとどうなる?」

「最悪死ぬわ。」

「え、やだ死にたくない!」

「なんとか自分で押さえるしかないわね」

「おk。やってみる」

「ずいぶん軽いな」

「死ぬのは嫌だからな」

 

 再び信は異常な集中力を発揮した。膨張している全身の筋肉を沈めるように、深く長く息をしながら。

 

「ふぅぅぅ」

「すごいわね。ほんとに出来てる」

 

 汗を流しながら少しずつ、しかし確実に周囲に漏らしている霊力が薄れていく。そして最終的には栓をしっかり閉められた蛇口のように一切彼の意にそぐわない放出が行われる事は無くなった。

 

「ふぅ。これでどうだ?」

「もう大丈夫よ」

「それにしてもあの霊力の量。信は何者なんだぜ?」

「一般的な外来人?」

「正直信じられないわね」

「で、どうするの?弾幕ごっこやるの?」

「あぁ。魔理沙、相手頼む。」

「いや、まだ説明しなきゃならないことがあるんだぜ」

「まだあるのか?もう命の危機は嫌なんだが……」

「大丈夫だぜ。スぺルカードっていう弾幕ごっこにおける必殺技のような物なんだぜ。あらかじめ決めた動作や性質を一瞬で展開するんだ。この白紙のカードにイメージを埋め込んで作るんだぜ」

「なるほど。ちょっと時間くれ」

「おう!」

 

 

---------考え中------------

 

 

「出来た!!」

「じゃあ早速やってみるぜ。スぺルカードは3枚。先に三発被弾した方が負けだ」

「OK」

 

 準備万端というように今か今かと始まりの合図を待つ信だが、その相手は顎に手を添えて何かを考えている。

 

「けど普通にやってもつまらないな……そうだ!負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くことにするんだぜ!」

(ん?今なんでもって...)

「沈黙は肯定だな!じゃあ始めようぜ!」

 

 相手の返事も聴かずに魔理沙の合図で弾幕ごっこを始める為、持っていた箒にまたがり空高く浮かび上がる。信もそれに反応して構えをとる。

 そしてついに、彼が幻想郷に来て最初の弾幕ごっこが開始された。

 

「早速いくぞ!!『運任うんまかせ』〈ドキドキわくわく抽選会どきどきわくわくちゅうせんかい〉!!」

「いきなりなんだぜ!?スペカはここぞってときにとっておくのが普通なんだぜ!」

「このスペカはこれでいいんだよ」

 

 スぺルカードが発動されると、三枚のカードが現れ彼を中心に周回し始める。そして一枚がまるで燃えたように消滅し、1枚が赤い光を纏った。残された二枚は優しい光に包まれて再び姿を消していく。

 

「どういう効果なんだぜ?」

「それをばらしちゃ面白くないからな。後のお楽しみ!」

 

 言葉とともに霊力弾を狙いを定めて放出する。しかし相手は空中を高速で徘徊するため、そう簡単に被弾はしてくれない。

 

「おっと初めてにしては中々やるじゃないか。こっちからもいくぜ!」

「多すぎないか?」

 

 信は一発一発をマシンガンのように連続して放っていたが、魔理沙は彼女を中心に全方位にそれを放つ。また、量に関しては信を完全に圧倒している。

 

「こんなの普通だぜ。信ならそのうちできるだろ」

「いや、今すぐやってやる!!」

 

 いやまさかと他三人は一瞬感じたが、即座に彼を中心にして霊力弾による弾幕が展開される。どうやら先程の魔理沙の弾幕を模倣することでイメージを補強してるようで軌道や感覚が少し似ていた。

 

「うわっ!本当にやりやがった……しかもこれは……!?」

「よしって危ない!」

 

 弾幕を張る事だけに集中していた為か目前まで迫っていた魔力弾を想定外にギリギリのところで回避しようと体を捻らせた。

 

「まずっ!!」

 

 ある程度相殺しているとはいえ、量が量だ。すべてを回避することはかなわず一発をわき腹に食らってしまう。

 

「畳み掛けるぜ!!『魔符』〈スターダストレヴァリエ〉」

 

 それを好機と見たか魔理沙は初めてスペルカードを展開する。情報が多い中やはり信の集中力は異常で、弾幕を張ることを一時中断し回避に専念し始めた。

 飛べない人間とは思えない動きで次々に襲い掛かってくる星型の魔力弾を回避し続ける。もうすぐそのスペカも終わろうとしている時、両者は同時に新たなカードを手に取った。

 

「畳み掛けるぜ!『魔符』〈ミルキーウ」

「させるかよ!『光符こうふ』〈豪華絢爛ごうかけんらん〉!」

 

 瞬間、あたりが一瞬昼間になったかと思うほどの眩い光が神社を包む。夜の暗さに目が慣れていた魔理沙はその眩しさに思わず目が眩んでしまう。

 

「くっ!目が。でもこれくらいじゃm」

「目がああああああ!!!!!」

 

 しかしそれは魔理沙だけではない。光源はあくまでスペルカード。近ければ近い程その被害を受ける為、初同社は某サングラススーツの人の様なリアクションをとっていた。

 

「なんでお前も食らってるんだよっ!!」

「そういうスペカだ。それに両者が視覚を使えない時は、俺の方に分がある!」

 

 両社目が見えない状態の為、今こそ弾幕を張ることが一番の得策と思えるが、信はそうしない。見えていない筈なのに空中に浮かぶ少女に向けて単発の霊力弾をいくつか放出した。

 

「わっ!なら今度こそ『魔符』〈ミルキーウェイ〉」

「ちょっとそれはきついなっ!」

 

 お互いの視力が回復しきらないうちに両者攻撃を試みる。そしてどちらも手ごたえを感じると共に相手の弾幕に被弾してしまう。

 

「くっ!また一発もらっちまった」

「こっちもさっきので2発食らったんだぜ」

 

 これで両者の被弾数はニ。次に被弾してしまった方が負けるというお互いが崖際の勝負となる。しかし、魔理沙の表情は勝利を確信するようにニヤリと笑っていた。

 

「最後にいいこと教えてやるぜ」

 

 帽子の中から小さな八卦炉の様なものを手に取り、それを信に向けこう言い放った。

 

「弾幕は、パワーだぜ!『恋符』〈マスタースパーク〉!!!」

 

 突き出された手から放たれたそれはいわば極太レーザー。恐ろしい速度の光の集合体が、無駄な小細工は必要が無いと示す様にまっすぐ信に向かっていく。

 本来なら絶望的状況。だが、魔理沙と同じく信の表情は勝利を確信していた。

 

「パワーか。なら俺の勝ちだ!!」

「なにっ!!」

 

 奇しくも似た構えで右手を対象に突き出す。まっすぐ襲い来るレーザーから目を離さず、今まさに直撃するかと思われたその時だ。

 

「『怪符かいふ』〈破壊光線はかいこうせん〉」

 

 彼から同じく極太のレーザーが放出される。しかし、それは魔理沙の物とは二回りほど太さが違い、圧倒的なパワーによってマスタースパークは押し返されていく。

 

「嘘だろ!?なんなんだぜこのパワーは!」

 

 みるみる押し返されていく自分の必殺の一撃に注意を向けられてしまったが為、それが命中するまで彼女は回避をすることが出来なかった。

 勝敗は明白。それでも喜びを隠せなかったのか、もしくは自身の勝利をより明確にしたかったのか。それは分からないが、勝者は天高くに右手を突き出しこの勝負を終わりを示した。

 

「俺の勝ちだな!」

 

 




次回は主人公の能力が明らかに!チートにするつもりです。
魔理沙になにさせようかな~。
次回も楽しんでいっていただけたら幸いです。

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