もう一人の雷光   作:爆鎮P

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剣と拳

「どうしたもんかかなぁ……」

 

リュウは一応の習得に至った技術、断空について考えていた。

足先から練り上げた力を拳から打ち出す技術であり理論上はそれ以外の部分からでも打ち出す事は可能であり魔力=火力が足りていないリュウのは願ってもない技であった。が、しかし習得したとは言っても今はまだ直打、又は撃ち下ろしとして叩き付けるくらいしか使えない。更に力を練り上げるために若干の隙が出来てしまう為、実戦レベルとは言いがたいものであった。

それだけではなくこの断空拳を中心としたベルカ式戦闘術である《覇王流》は当然の事ながら魔法の使用にベルカ式を求めてきている。その点に加えてまだ魔法は基礎しかまともに教わっていないためミッド式に染まっておらず、更に魔法にあまり頼らず自身の近接技術で戦うのであれば魔導師よりはベルカの騎士の方が合っているだろうとの判断によりリニスにベルカ式アームドデバイスの作成を頼んだ。

そこまではいいのだが先にフェイトのデバイスであるバルディッシュを組み上げていたとはいえリニスにベルカ式のデバイスを作るノウハウは無く、仕方なく資料を睨みながら二人で組みあげる事になった。そうして遂に完成した最初のデバイスである曲刀型アームドデバイス《ハバキリ》はインテリジェントデバイスに見られるようなAIは積んでおらず変形機構及びカートリッジシステムも搭載していない試作機である。

だかしかし我流とはいえ剣のたんれんもしており構造も単純であったため刀型にしたが、無手で戦うことが前提の覇王流とは噛み合わないと言う結果になってしまった。

それ故に果たしてこのままの方針でいいのか、あるいは今あるハバキリを生かす戦闘スタイルに方向転換するべきなのか。頭の中はその事で一杯になってしまっていた。

だからだろうか、妹の接近に気付けなかったのは。

 

「兄さん、深刻そうな顔をしてどうかしたの?」

「ッ!?っと、なんだフェイトか。別になんでもないぞ。」

(フェイトを守ると決めたのに何も出来ずあげく心配をさせてしまうだなんて。)

 

表面上は平気な顔を取り繕うも胸中で心配をかけてしまったことを悔やむ。

 

「でも、何か悩んでいたように見えたから。」

「わかった、正直に言おう。どうしたらフェイトみたいに強くなれるかなーって考えていたんだ。」

 

あえて軽く、深刻な事でないように白状した。隠す程の事でもなく、言ったところでどうにもならない事であるためこれくらいなら大丈夫かと判断をしたためである。

 

「ほら、俺って魔力も全然無いし色々やってそれでも一人前を名乗れるかすら怪しいし。」

「私は無理に強くならなくてもいいと思う、兄さんは私に勉強で解らない所があったら教えてくれたりして十分凄いよ。それにもし何かあったとしても私とアルフで兄さんを守るから。」

「なーに言ってんだ、ちょっとは兄さんにかっこつけさせろよ。そもそも本当は俺がお前を守らなくちゃいけないんだからな。」

 

そういって頭をを撫でる。これでまたちょっとは頑張れる気力が湧いてきた気がする。

 

「フェイト、ありがとな。」

 

一瞬キョトンとした顔をするも何を言われたかを理解し笑顔を咲かせる。

そうしてフェイトに別れを告げリニスの下へ向かう。

 

(あの笑顔を絶対に守り抜く。やはり妥協は無しだッ!)

 

思い出すのは先程のフェイトの笑顔。その笑顔と決意を胸にリニスと共に新たなデバイス製作に励みその甲斐あって籠手型ベルカ式アームドデバイス《アガートラーム》は一応形にはなった。

 

 

 

しかしデバイス完成させるまでの間にフェイトは新たに使い魔と契約をはたしアルフと名付けていた。

 

「これむしろ実力差開いてるような気がする……」

 

その日よりリュウの鍛練は一段と厳しいものとなった。

 




という訳でベルカの古武術は覇王流でした。

簡単なデバイスの解説
《ハバキリ》
ベルカ式アームドデバイス
見た目はごく普通の日本刀とたいして変わらない。
AIの搭載もなく、ベルカ式デバイスによく見られる変形機構やカートリッジシステムは採用しておらず、あくまで高い演算能力と本体強度に特化させた物となっている。
また演算能力が高くレスポンスも非常に早いため術式を記録させておけばとっさの場合に自分で魔法を使うより早く使用できるため非常に重宝する。

《アガートラーム》
ベルカ式アームドデバイス
見た目は両腕を肘まで包む白銀の腕だが装着していてもたいして重さを感じさせない作りとなっている。しかしながら強度は十分でバルディッシュと打ち合える程度の強度はある。
こちらはAIを搭載しており、変形機構も搭載されている。
変形は片手が筒状に変わりそこから魔力刃を出すことができる。しかしそんなものを使っていてはすぐに魔力切れを起こしてしまうのでカートリッジの使用を前提とした機能である。
その状態の見た目はロックマンエグゼのカーネルの腕をイメージしてもらえれば大体あってます。
カートリッジシステムは前述の通り搭載はしているがまだ不安定なため使用できない。
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