もう一人の雷光   作:爆鎮P

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旅立ちの夜

とある昼下がり、リュウとフェイトとアルフの三人はリニスによって指定された部屋へと向かっていた。

 

「今日の訓練は無しでいきなり呼び出しだなんてどうしたのかな。」

「さぁな、俺にもさっぱりだ。アルフは何か聞いたりとかしてないのか?」

「あたしかい!?そりゃリニスから直接使い魔としての訓練を受けたりはしてるけどその時には何も聞いてないよ。あたしとしてはてっきりリュウが何か知ってるとばかり思ってたんだけど。」

「そいつは当てが外れて残念だったな。っと、ついたぞ。」

 

三人で呼び出された理由などを話し合っていると目的の部屋に到着した。そこには既に到着していたリニスが三人を待っていたのでこれ以上待たせてはまずいと慌てて駆け寄る。

 

「まったく三人とも遅いですよ。」

「ごめんよぉ、リニス。でもお昼を食べてる時に言ってくれればあたしたちももっと早く来れたんだけど。」

「そうだぞ、おかげで食べてからわざわざ外に出てスタンバってたんだからな。」

 

それに関しては実際その通りで昼食の後、三人はいつもどおりに外に出てバリアジャケットとデバイスを展開しさせウォーミングアップをしていたところにリニスからの連絡があったのである。

 

「兄さんもアルフもその辺にしておこうよ。実際遅かったのは私達なんだし。」

「いえ、こちらもできるなら早めに知らせておきたかったのですが急に決まったことなので仕方なく。」

「昼にはまだ何も無かったってことか。」

「そんなに急な用事なのかい?」

「ええ、急で申し訳ないんですがあなたたちにやってもらいたいことがあるんですよ。」

「やってもらいたいこと……?」

 

リュウ達三人はリニスの言うやってもらいたいことの見当がつかず続く言葉を待ち、リニスはそんな三人の様子に言葉を続ける。

 

「実はとある世界にばらまかれてしまったジュエルシードというロストロギア相当の物品の回収をお願いしたいんです。」

「ロストロギア相当ッ!?そんな無茶苦茶な!」

「無茶なのはわかっています。でもプレシアの研究にどうしても必要な物なんです。さらに言えばばらまかれたエリアが都市部なので早く手を打たなければ危険なことになりかねません。」

 

悲痛そうな表情を浮かべながらも言葉を紡ぐリニスにリュウは事の厄介さを理解し絶句する。

 

(知らない世界でロストロギア相手だなんていくら何でも不確定要素が多すぎる。そんな中でフェイトを守り切れる確証はない。母さんの研究にしたってロストロギアが必要になるレベルまで行っちまってんのかよ)

「私、行くよ。」

「「フェイトッ!?」」

 

フェイトの突然の宣言に驚くリュウとアルフ。しかしそれを気にせずフェイトは続ける。

 

「だって母さんにはそれがどうしても必要なんだ、私は母さんにまた笑ってほしい。だから行くよ。」

「そうだな、都市部にロストロギア並みの物があるなんてほっとけないし、なにより母さんからの初めてのお願いだ。俺も行くしかないな。」

「フェイトが行くってんならあたしも行かないわけにはいかないねぇ。」

 

フェイトの決意にリュウとアルフも腹をくくりジュエルシード回収に向かう覚悟を固める。

リュウの語った言葉に偽りはなく自身がどういう存在であり母の研究の目的を知っていてもなお母を思う気持ちは確かにあるのだった。

 

「ありがとうございます、フェイト、リュウ、それからアルフ。では早速これから向かう世界について今分かっている事を説明します。」

 

そうして空中にウィンドウを開き説明を開始する。

 

「まず向かう先は97管理外世界、現地での呼称は地球です。その世界の極東にある日本という地域の海鳴という都市にジュエルシードはばらまかれたようですね。現地には魔法文明は存在しないようですがそれなりの科学技術を擁しています。三人にはそこで21個のジュエルシードを回収してきてもらいます。」

「質問なんだけど寝泊りする場所とかはどうすればいいんだ?」

「拠点と現地の金銭はこちらで用意しておきますので自由に使ってかまいません。」

「出発は?」

「急ぎですので今夜からお願いします。」

「早いな……リニスはついてきてくれるのか?」

「ごめんなさい、私はこっちでプレシアのサポートをしないといけないので、何かあれば私に連絡してくれれば相談には乗りますから。」

「そうか、ついてきてはくれないのか。じゃあ質問はもう大丈夫、ありがとう。」

 

リニスにいくつか質問をし納得したリュウは準備のためフェイトとアルフに声をかける。

 

「フェイト、アルフ、行くぞ。今夜出発なんだからぐずぐずしている暇はないぞ。」

「そうだね兄さん。行こう、アルフ。」

「あーちょっと待っておくれよフェイト。」

 

部屋を出ようとする三人だがリュウが立ち止まりふり向く。

 

「じゃあリニス。行っていきます。」

「はい、いってらっしゃい。気を付けてくださいね。」

 

そうして一人部屋に残されたリニスはつぶやく。

 

「プレシア、あの子たちは間違いなく強くなって帰ってきます。あなたや残酷な真実に立ち向かえるほどに強く。」

 

ほぼ同時にフェイト達と共に歩くリュウも決意を新たにしていた。

 

(今回回収するロストロギアがあれば母さんの研究は完成してしまうのかもしれない。そうしたら俺たちは本当に必要のない存在になってしまうかもしれない、それでもその先の幸せな光景にフェイトだけでも入れてやりたい。そのためにも絶対に失敗はできないッ!)

 




ようやく原作へ突入
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