もう一人の雷光   作:爆鎮P

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出立ッ!!湯のまち海鳴温泉

白い魔法少女、なのはとの闘いから数日がたち世間ではいよいよ明日から連休という頃。

その日は早めに探索を切り上げ帰りに寄った店で買ったシュークリームを食べながらアルフからの情報により下調べで集めた情報を基作った3Dマップ上で次のジュエルシードの場所に大体の検討をつけていた。

 

「えっと、この辺りは海鳴温泉…温泉街か。」

「その温泉ってのはなんなのさ?」

 

温泉を知らないアルフがリュウに問いかける。

 

「病気や怪我にいいとされる効能のある地下から湧くお湯を使った風呂だな。」

「じゃあその温泉街ってのは何?」

 

今度はフェイトだ。家族で出掛けた記憶はかなり古いものばかりな上この世界の事をあまり調べていないフェイトにはわからないのも当然の事であった。

 

「温泉を引いてそれを売りにしている宿が集まっている地帯だな。どうやら色々あるらしい。」

 

パンフレットを読みながら答えるリュウ。

 

「まぁでも場所がわかったならこれまで通りパパッと行って回収してきちゃえばいいじゃんか。」

「アルフ、今回はそうも簡単にいかないぞ。こうも建物や人が多くて入り組んでちゃ正確な場所の特定は困難だし何より人目が多いから日中は入れない場所が多すぎる。だからプランとしてはどれか宿に泊まって日中はサーチャーばらまいて探索、夜になったら回収という流れにするのが妥当だと思うんだが。」

 

そこで一度言葉を切る。

妙な所で黙ったリュウにいぶかしげな顔を見せるフェイトとアルフ。

 

「なにか問題でもあったのかい?」

「あぁ、どうも世間では明日から連休が始まるということで宿はどこも予約で埋まってるらしいんだ。」

「えっと、つまり?」

「つまり今からとれる宿は無い。」

「ちょっとちょっと、どうするのさ。泊まれなかったらどうしようもないじゃんか。」

「正直言って俺もお手上げだ、どうすりゃいいんだか。」

 

丁度連休が重なること、そして三人とも宿をとることに不慣れなことが彼らの不幸であった。

おおよその場所かわかっていながら行動できない歯がゆさに三人が頭を抱えていると突然、これまで殆ど鳴ることのなかった拠点の備え付け電話が鳴り出した。

 

「電話か、ちょっと出てくる。」

「電話なんて珍しいけど誰からだろう?アルフ、わかる?」

「さあねぇ、でもここの番号を知ってる人ってのはかなり限られてくると思うけど。」

「そっか。ねぇ、アルフ。電話が長そうだったらこのあまった最後の一個、二人で分けない?」

「あたしもいいのかい?じゃあ電話が終わる前にさっさと食べようか。」

 

残されたフェイトとアルフは顔を見合わせいったい誰からなのかと不思議に思うが、電話が長引きそうなのでラスト一個のシュークリーム二人で食べてしまうことにしていた。

一方、電話の応対をしているリュウはと言うと。

 

「はい、もしもし。」

『えっと、はやてです。ちょっと聞きたいことがあるんやけど、時間大丈夫やった?』

「あぁ、大丈夫だが。どうかしたのか。」

『明日から三日間ほど暇やったりせえへん?』

「明日から?そりゃまたどうして?」

『実は商店街の福引きで温泉旅館の二泊三日の宿泊券を貰えたんやけど、一緒にいく相手が居らんくて。それでもしよかったら一緒に行かれへんかなーと思ったんよ。』

「なるほど。」

 

少し考え込むリュウ、しかしすぐさまあることに考えが及ぶ。

 

「その旅館ってのは何処の温泉だ?」

『へっ?海鳴温泉いうところやけど。どうかしたん?』

「あぁいや、こっちの事だ何でもない。それともう一つ質問なんだがその券で何人まで行ける?」

『見る限り四人まで行けるみたいやから妹さん誘うてどうやろうかと思っとったんやけど。』

 

四人までという言葉を聞いてリュウは声を殺して密かにガッツポーズをした。

 

「なるほど。なぁはやて、すまないんだがもう一人追加して貰ってもいいか?実は親戚の姉さんが丁度来ててさ、アルフっていうんだけどいいかな?」

『アルフさん……大丈夫やけどもしかしてその人猫たべたりせえへんよね。』

「猫!?いやそんなことしないが。まぁとりあえず明日から温泉に連れていってくれるってことでいいんだな?」

『そやねー、じゃあ明日の朝駅前で合流って感じで頼みます。』

「明日の朝、駅前だな。了解した。」

『そんなら明日楽しみにしてるわ。』

「あぁ、また明日な。」

 

そうして電話を切りフェイト達に明日から二泊三日で温泉に行くことを伝える。

 

「じゃあ温泉に行けるの?兄さん。」

「あぁ、これで探索が楽になる。」

「はやてって言うとたしかリュウが図書館で知り合った子だったっけ。」

「あぁそうだ。感謝しろよー、あいつのお陰で行けるんだからな。」

「それはそうだけど大丈夫なのかい?その子を巻き込んじゃって。」

「日中はエリアサーチ飛ばすだけに限って夜に回収に行けば大丈夫だろ。多分だが。」

「そういうもんかね、それじゃああたしは早めに寝させてもらうよ。」

「シュークリームはいいのか?三人で分けようと思ってたんだが。」

「あたしは遠慮させてもらうよ。それじゃあ、おやすみ。」

「おう、おやすみ。なんだ、シュークリームいらないのか。それじゃあ二人で食おうぜ、フェイト。」

「わ、私もいいや、おやすみ!」

「あぁおやすみ、っておい。本当にいいのか?……行っちまったな、仕方ないから一人で食べるか。」

 

そこまで来てリュウは一つの違和感を感じ、慌てて包みを覗く。

 

「しまった、やられたか。せっかく一個おまけしてもらえたのに……」

 

二人がそそくさと寝床へ退避した理由を理解しがっくりと肩を落とす。

しかし明日は朝から出かけるため何時までもそうしているわけにもいかず自分の持っていく荷物をまとめてから寝床へむかうのであった。

 

 

 

翌朝、昨夜に荷物をまとめるのをすっかり失念していた三人は慌てて荷物をまとめ待ち合わせ場所へと向かっていた。

 

「ほら、急げってば。早くしないとバスに乗り遅れるかもしれないぞ。」

「荷物まとめてたんだからしょうがないでしょ。」

「だいたいリュウが皆の分の荷物を纏めといてくれればこうはならなかったのに。」

「自分の荷物くらい自分でまとめろよ、何を持ってくか俺にはわからないんだし。だいたい真っ先に逃げたのは誰だったかな?」

「うっ、ソレを言われるとあたしは何も言えないね。」

「見えてきた、あのバス停だよね?兄さん。」

「あぁあれだ、走るぞ二人とも。」

 

ちょっとした言い合いをしながら小走りで向かっていた三人だったが目的地が見えてくるとダッシュに切り替え一気にスパートをかけた。

 

「おはようさん、朝からえらい元気やね。」

 

車椅子の少女はリュウ達を見つけ顔を輝かせ声をかけてくる。

リュウもやや息を切らせながら返す。

 

「おぉはやてか、おはよう。ちょっとゴタゴタしててな。」

「その子がはやてかい?リュウ。」

「そういえば紹介しなくちゃな。」

 

そう言ってリュウはアルフとフェイトに向き直り紹介を始める。

 

「この子が八神はやてだ、今回のスポンサーでもあるんだから感謝しろよー。」

「八神はやてです。よろしゅう頼みます。」

 

紹介に続きはやてはぺこりと頭を下げて挨拶をする。

リュウは今度はそんなはやてに向き直って残る二人を紹介する。

 

「で、こっちが妹のフェイトと親戚のアルフだ。フェイトは多分同い年辺りだし出来れば仲良くしてやってくれ。」

「フェ、フェイトです。よろしくお願いします。」

「フェイト~、そんなに固くならなくてもいいじゃんか。あ、あたしがアルフ、よろしくね。」

「さて、全員挨拶もすんだところでそろそろバスが来るだろうから行くぞー。」

 

とりあえず仲を取り持ち場をしきるリュウであったが疲労からかバスに乗り込んでからはうつらうつらとしておりその耳には時折はやてとフェイトの話す声が辛うじて聞こえるだけであった。

 

「そんな生活、寂しくないの?」

「そら最初は辛かったし寂しかったよ。せやけど遠い異国の地からやけどグレアムおじさんも見守ってくれてるし石田先生もよくしてくれる、リュウさんやっておる。それに今回はフェイトちゃんとアルフさんもおるんやから何も寂しくなんかあらへんよ。」

「はやては強いんだね。」

「そんなことあらへんよ、それにフェイトちゃんかて寂しいやろ。おるのに構ってもらえへんなんておらんのとはまた違う寂しさのはずや。」

「私は兄さんもアルフも居てくれたしリニスもよくしてくれたから……」

 

二人が心を通わせていることに安堵しリュウは微睡みに意識を預けるのだった。




大変お待たせして申し訳ありません。
やることが一杯の中先との統合性や、シーン間の繋ぎ方に悩み気づけばここまでかかってしまいました。次はもう少し早くあげれるよう努力いたします。
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