デレマスキャラを現実のテレビ番組にぶち込んでみた 作:ドラ夫
地の文=ナレーションとか字幕です
凛はラブライカの二人と同期(CP)。
奈緒加蓮は後輩、という設定です。
『アイドルの人にバレたくない秘密を知ってしまったら、人はごまかすのか? ごまかさないのか?』
そんなテロップと共に、今夜のニンゲン観察バラエティ『モニタリング!』が始まった。
ニンゲン観察バラエティ『モニタリング!』とは、毎週木曜夜八時に放送されている大人気番組だ。内容は所謂ドッキリ系というやつで、日常ではあり得ないことが起きた時、人はどういった行動をとるのかを観察する、というのが番組の趣旨である。
「今回のモニタリングの対処になったのは、三代目シンデレラガールの渋谷凛ちゃんをセンターに据えた実力派クールユニット、『Triad Primus』よ!
メンバーはさっきも紹介した渋谷凛ちゃんを筆頭に、若い子の憧れの的北条加蓮ちゃん、コアなファンが数多くいる神谷奈緒ちゃんの三人よ!」
司会の声とともに、『今回のモニタリング方法はこちら!』というテロップが流れた。
「応援してくれるファンのみんなの前ではいつも華やかなアイドル。でも、裏の顔があるかもしれないわよね?
今回のモニタリング方法は、ターゲットを偽番組の収録と言ってスタジオに呼びだすの。そして、共演者のアイドルの楽屋に挨拶に行ってもらうわ。すると……なんと!アイドルの知られざる秘密を目撃してしまうの!
そんな人に見られてはいけない秘密を目撃したら、人はどんな行動をするのか?というのが今回のモニタリングよ。わかったかしら?」
そう司会者が尋ねると、撮影現場にいた全員が『わかるわ』と答えた。司会者はそれを満足そうに聞くと、続きを話し始める。
「みんな、今回の仕掛け人が誰だか気になってるわよね?わかるわ。仕掛け人をやってくれるのは、今大人気のこの二人よ!どうぞ!」
「「「おおっ!?」」」
司会者の呼び出しによって出てきたのは、舞台やドラマで大活躍中のアイドルユニット『ラブライカ』の二人である。
「現在絶賛放送中のドラマ『生存本能ヴァルキュリア』で主演のヴァルキュリア役を演じている新田美波ちゃんと、6月公開予定の舞台『オルゴールの小箱』で海外から来た謎の留学生上坂スミレ役を演じているアナスタシアちゃんが来てくれたわ」
「アナスタシアです。アーニャ、とお呼びください」
「新田美波です!ラブライカ共々、よろしくお願いします!」
「はい、よろしくね。今回二人ともバラエティで仕掛け人初挑戦ということだけど、どうだったかしら?」
「はい!とっても緊張しました。ドラマやライブなんかのお仕事は、『理想の私』をお客さんに見てもらってるじゃないですか。でも今回のお仕事は『普段の私』を演じなきゃいけなくて……」
「あーそうよね。わかるわ。普段の生活をやって、て言われると、逆に困るわよね。しかも今回は、普段の生活だけど、ちょっと違う普段の生活だものね」
「そうですか?私は、普段ミナミと一緒に居る時と、あまり変わらないと思いました。私とミナミは、いつも仲良しです」
「そ、そう。いいわね」
あはは、と笑う司会者。
「そんな仲の良いラブライカの二人だけど、今回はどんな設定を演じるのかしら?」
「はい。あの、ちょっと恥ずかしいんですけど…… その、私とアーニャちゃんが」
「ミナミ、どこも恥ずかしい所ありません。堂々と、言って下さい」
「う、うん。ありがとう、アーニャちゃん。美波、頑張るね!今回は私とアーニャちゃんが、お付き合いをしている、という設定を演じさせていただきました!」
「そう、実は今回、美波ちゃんとアーニャちゃんの二人がデキてる、という設定をなのよね。そしてターゲットは、偶然二人が楽屋でイチャついてる現場を見てしまうのよ。そんなスキャンダラスな場面を見て、ターゲットはどんな反応を示すのか?
それじゃあ、モニタリングスタートよ!」
◇◇◇◇◇
「ほら、やっぱりお弁当用意されてるじゃん!なのにジャンクフードなんか買ってえ!太るぞ、加蓮!」
「奈緒心配しすぎ。毎日ダンスレッスンしてるんだから、そんなに太らないって」
「そうだよ奈緒。太くなるのは奈緒の眉毛だけだよ」
「あたしの眉毛は生まれつきだ!」
ラブライカと共演する偽番組の収録と言われやってきた三人。仲睦まじく雑談しているが……?
「ダメだよアーニャちゃん、こんな所で……」
「Нет、ダメじゃありません。最近会えなくて、アーニャ寂しかったです」
「!?」
「えっ、これって……」
そう、この楽屋は元々一つだった部屋に敷居を立てただけであり、天井続きになっている。その為、隣にいるラブライカの会話が聞こえてしまうのだ。
ラブライカの会話を聞いた三人は、
「ここ、声聞こえちゃうな……」
「奈緒、シーッ!」
「おい加蓮、盗み聴きする気か?」
「だって気になるんだもん。凛は?」
「私もちょっと気になるかな」
と興味津々!
神谷さんもなんだかんだ言って聞き耳をたてているようだ。するとそこに!
「スイマセーン」
「あ、はい」
「今日はよろしくお願いします」
「「「こちらこそ、よろしくお願いします」」」
スタッフがトライアドプリムスの楽屋へ。
勿論、このスタッフも仕掛け人だ。
「今ラブライカのお二人挨拶大丈夫なので、もし良かったら」
「あ、行きます。ホラ、加蓮、凛行くぞ」
「はーい」
年長者らしく率先して挨拶に行く神谷さん。
一方その頃ラブライカのお二人は、
「ミナミ、カワイイですね」
「んっ、いや!アーニャちゃんダメ……」
「ココはダメって言ってないですよ?ミナミィ」
絶賛準備中ーー!
そこへ入ってくるトライアドプリムスの三人。
「失礼します」
「おはようござい──あっ」
「えっ!?」
「ненавидеть!」
アナスタシアさんと新田さんが××××している、まさかの光景を三人で目撃!
「あ、いえ…その〜。今日はお世話になります、神谷奈緒です。よろしくお願いします!」
何事もなかったかのように挨拶する神谷さん。頭を下げながら、目で他のメンバーにも挨拶するよう促す。
「ほ、北条加蓮です。よろしくお願いします」
「今日はよろしくね、アーニャ、美波」
「新田美波です、お願いします……」
「Спасибо……よろしくお願いします、ね?」
少し気まずいながらも、挨拶を交わす五人。しかし楽屋に帰ると!
「あの二人、やっぱりそういう関係だったんだね」
「CPにいる時から噂されてたよ」
あっさり食いついていた!
すると再びラブライカの楽屋から。
「やっぱりこんな所で良くなかったよ、アーニャちゃん……」
「でも、こんな場所くらいでしかミナミに会えません。アーニャ、寂しかったです」
「それは私もだけど……」
それを聞いたトライアドプリムスの三人は?
「……」
「……」
「……」
三人共黙り込んでいた。
先輩アイドルのとんでもない現場を目撃し、沈黙する三人。すると何故かラブライカの二人がトライアドプリムスの楽屋へ。
「新田です。失礼します」
「アーニャも、失礼します」
「あっ、はい。どうぞどうぞ」
「……まあ座ってよ、美波、アーニャ」
お互い向かい合う形で席に着くトライアドプリムスとラブライカ。
何とも言えない空気が流れる。
「あの、見ましたよね?」
「べ、べつに何にも見てません。だよな、加蓮?」
ブンブンと手を振って否定する神谷さん。分かりやく動揺している。
北条さんに目で圧力をかけながら問いかける。
「えっ、私?普通に、じゃれ合ってるな、って思いましたけど」
「私も、別にそんな不味いものは見てないよ」
何も見ていないと誤魔化す三人。しかしそんな三人に、ラブライカかが畳み掛ける!
「あの、図々しいお願いなんですけど…… 私達のこの関係を人に言わないで欲しいんです!お願いします!」
「ミナミ……」
「私は、私はいいんです!でも週刊誌にでも載ったりして、アーニャちゃんがアイドル続けられなくなったらと思うと、私、わたし!」
突然ワッと泣き出す新田さん。それを支えるアナスタシアさん。
そんな二人を前に、トライアドプリムスの三人は……?
「……」
「……」
「……」
目を下に向け沈黙。高校生には重すぎる会話だ。
しかしここで、神谷さんが歳上の意地を見せる。
「あの、私達別に人に言ったりしないんで、安心して下さい。約束します」
人に絶対に言わないと約束する神谷さん。だが、新田さんがさらに攻める!
「……信用できません」
「えっ?」
「口で約束する事なんて、誰でも出来ます」
「ほ、本当です!本当に誰にも言いません!な、加蓮、凛」
コクコクとうなづく二人。
「でも、私達楽屋で××××してたんですよ?それを言わないって出来ますか?お友達にも言わないって、出来るんですか?」
「いや、あの……」
「私、やっぱり信用出来ないんです。どうしたら、約束してもらえますか?約束してもらわないと、アーニャちゃんが……」
「えっと、その……」
口籠もる神谷さん。すると突然、今まで静かだった北条さんが、
「それはやっぱり、お金って事ですか?」
なんと金銭交渉を始めた!
「それで、約束して貰えるのなら」
それに乗る新田さん。更に、渋谷さんまで。
「私達は人に言う気無いよ、全然ね。でも、二人がそれで納得出来ないっていうなら、形にするのもアリなのかな」
「……分かりました。いくらですか?」
「ちょっと待て!お金で解決するのは、なんか違うだろ?!」
頑なにお金を受け取る事を固辞する神谷さん。しかし、他の二人は?
「でも、他に解決する方法もないし。仕方がないんじゃない?」
「美波は、支払うならいくら位だと思ってるの?」
とノリノリ!
そうこの流れ、実は──
◇◇◇◇◇
「はーい、今日はよろしくね。加蓮ちゃん、凛ちゃん」
「北条加蓮だよー。みんなよろしくね」
「渋谷凛です。よろしく」
そう実は、この二人も仕掛け人だったのだ。
「今回は同じユニットの奈緒ちゃんを騙す訳だけど、何かあるかしら?」
「奈緒はとっても可愛いから、また新たな可愛い一面を見れたらな、て思います!」
「奈緒は恥ずかしがって、あんまり自分の事を話してくれないから、今回のドッキリで何か掴めたら嬉しいな」
「二人共騙す気満々ねー」
四人の仕掛け人に囲まれた、神谷さんの命運や如何に!
◇◇◇◇◇
「美波は、支払うならいくら位だと思ってるの?」、
「……一人10万円で約束してもらえないかしら?」
「10万円!?いいですいいです!本当に大丈夫ですからっ!」
慌てて否定する神谷さん。
ここで一旦ラブライカのお二人は退場。
トライアドプリムスだけになった楽屋で、二人が攻める!
「私、新しいマニュキュアが欲しいんだよねー」
「なぁっ!?加蓮、お前!!」
「でもさぁ奈緒、他に解決方法なくない?向こうとしても、お金渡したら“約束”から“契約”になる訳だし。安心出来るんじゃない?」
「そういう事じゃないだろ!大体、“約束”の何が悪いんだ?!記者さんにバレたとかならともかく、同じアイドル同士なんだぞ?それで十分だろ!!黙ってないで、凛もなんとか言えよ!」
「……私も加蓮に賛成かな」
「はぁ!?おま、はああぁ!?」
「だって今のままだったら平行線じゃない?引きずったまま番組の収録するの?それはファンのみんなに失礼じゃない?」
「それはそうかも知れないけど!でもさ、お金を貰う方がファンのみんなに嘘をついてるだろ!」
「そう?」
「そうだよ!」
白熱する三人だが、なんとここで、
「グスッ…えぐっ、ヒック」
神谷さんが泣き出してしまった!
「ど、どうしたの奈緒?」
「凛と、か、加蓮が…ヒック、酷いこと言って、でも嫌いになれなくて、でも今はモヤモヤして、こんな状態で番組の収録したら、グス…楽しみにしてるファンのみんなに申し訳ないと思ったけど、解決方法も思い浮かばなくて……うわああああん!」
ここでモニタリング終了!急遽スタッフがネタバラシへ。
「奈緒ちゃん、泣き止んで」
「ヒグッ…えっ、川島さん?」
「TBSのモニタリングよ」
「へ?」
◇◇◇◇◇
「いっその事あたしを殺してくれえええ!」
「奈緒ちゃん、可愛かったわよ?」
「なんだよもー!あたし、ドッキリなのに本気で泣いちゃったよ!」
あらあら、奈緒ちゃん大分恥ずかしかったみたいね。
「ごめんね、奈緒ちゃん」
「Я сожалею あー、ゴメンなさい」
「ごめんね、奈緒」
「ごめん奈緒」
「慰めんなよ!また泣くぞ!あーでも、本当にドッキリで良かったよ。……安心したら腰が抜けてきた」
奈緒ちゃんがへたりこんじゃったところで、今回のモニタリング終了よ!
『モニタリング結果』
・神谷さんはファンを大事にしてる
・神谷さんは可愛い
「今回みたいな仕事、またミナミとシたいです」
「「「!?」」」
次回のモニタリングは、
もしも『速水奏』が他の人には見えないものを見たら無視する? 無視しない?
よ!次回もお楽しみ!