風の巫女、駆ける   作:妖香屋

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間違えが無いよう頑張っていきます


プロローグ1

私の名前は、龍愛信翠。高校三年生だ。私の家は、ずっと昔から風を操る神「風神」様を信仰している。そして、私の御先祖様はその風神様を祀る為に神社を建て、代々神主を務めてきた。確か私で15代目だったと思う。親は、私が高1の時に事故で死んでしまい、親戚にこの神社を半ば押し付けられてしまった。頼れる親戚もおらず、天涯孤独だ。なので私1人でこの神社を運用している。

 

「良し、これで準備完了!行ってきまーす!」

 

誰も居ない家に声を掛け、家を出た私は思いっきり駆け出した。学校の制服にバッグ、そしてエナメルバッグを肩に掛けた。私は、陸上部に所属している。今年最後の大会に向け、猛特訓をしている。去年は、全国大会の切符を掴むことが出来なかったから必死なのだ。暫く走ると、向こう側に制服姿の友達が見えた。碧と朱音だ。私は2人に思いっきり手を振った。

 

「おはよう!」

「おはよう〜翠」

「遅いぞ」

「もう碧ったら!別に急がなくたって学校は逃げないよ」

「そういう事を言ってんじゃない」

「まぁまぁ〜じゃあ皆揃った事だし、行きますか〜」

「誰が学校に速く着くか競争だー!」

「お前は子供か!?」

「もしかして……負けるのが怖いとか?」

「朱音!翠に変な事言うな!」

「怖いの?」

「誰が怖いって言った!良し分かった!そこまで言うならやってやんよ!」

「えっ、ちょ、フライングは無しでしょ!」

「2人とも待ってよ〜!置いてかないで〜!」

 

私達は全速力で学校へと走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ〜部活終わった〜!」

「明日がいよいよ大会か……」

「頑張ろうね!」

 

部活が終わった私達は、帰りにコンビニに寄ってアイスを食べていた。

 

「ねぇねぇ!せっかくなら、今から私の家に来ない?神社でお参りしようよ!」

「良い考えかも!碧はどうする?」

「良いんじゃないか?たまには」

「あら、珍しく実力主義の碧が神頼みに賛成してる!」

「もしかして遂に碧も風神様を信じたの?!」

「んな分けないだろ、翠の成績が思わしくないから神にも縋りたい気持ちなんだよ」

「なにそれヒドイ!」

「あ!大会が終わったら、皆で遊びに行こうよ!」

「朱音、行くって何処に?」

「海で泳ぎたい!」

「翠、お前は魚か。まだ海開きも始まって無いんだぞ」

「ケチ」

「んだと」

「まぁまぁ……あら?あそこにいるのって……」

 

私と碧は、朱音が指差した方を向く。そこには、見覚えのある人影だった。

 

「もしかして、黄依子じゃない!?」

「珍しいな、こんな時間に帰ってるなんて」

 

黄依子は、半年前まで私達と一緒に陸上部に所属していた。しかし、ある日突然部活を辞めてしまったのだ。私達に何も言わず。理由を聞こうにも避けられている様で、なかなかゆっくりと話せないのだ。

 

「黄依子〜!」

 

私達は黄依子の元に駆け寄る。黄依子は少し体を震わせた。少し様子がおかしい。

 

「久しぶり!元気にしてた?」

「うん……」

「たまには部活にも顔出しに来いよ。後輩が待ってるぜ?」

「後輩達が1番懐いてたのは、黄依子だったもんね」

「時間があったら来るよ……じゃあね」

 

そう言って黄依子はそそくさとその場を離れてしまった。私は耐えきれず、黄依子の腕を掴んだ。

 

「黄依子……何かあったの?」

「えっ……?」

「何か様子が変だよ……」

「辛い事があったら、私達に言ってくれよ」

「な、何でもないよ……平気だから、ね?」

「……本当に?凄く辛そうだから、不安なの」

「だから、大丈夫だって……」

 

黄依子はそう言って私の腕を振りほどき、走ってしまった。

 

「待って!黄依子!」

「翠!?」

 

私はカバンとアイスを投げ捨て、黄依子を追いかけた。後ろから2人の声が聞こえたが、構っている暇は無い。少し見失いそうになったが、なんとか交差点近くの路上で黄依子に追い付いた。

 

「はぁ……はぁ……やっと追い付いた……」

「……何で着いてきたの」

「心配なんだ、黄依子の事が」

「何それ……そんな事全然思っても無い癖に……あんたのせいよ……」

「えっ……?」

 

私は耳を疑った。優しい黄依子がそんな言葉遣いをするとは思えなかった。私は黄依子の顔を見る。あの優しい黄依子の顔が歪んでいた。まるで私を親の仇とでも言いたい様な。私は信じられなかった。黄依子は一体何があったのだろうか。

 

「黄依子……?」

「もううんざりなのよ!あんたがいるせいで、私は……私は……」

「私がいるせいで……?何かあったの!?」

「うるさい!もう関わらないで!」

 

そう言ってその場を離れようとする黄依子の手を握った。

 

「何の真似よ……」

「お願い!少しだけでも良いから話し合おう!もし、黄依子に何かあったんなら、私も一緒に解決していこう?だから、1人で抱え込もうとしないで!」

「うるさい……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!2度と私に関わるなぁ!」

「黄依子!」

 

私は必死に黄依子の手を握った。しかし、黄依子の方が力が強かったみたいで、私は黄依子に突き飛ばされた。

 

「いっ……!」

 

私は、道路の方に倒れ込んだ。その瞬間、トラックのクラクションが鳴り響いた。まずい、トラックがこっちに来る。逃げなきゃ、でも身体を強く打ち付けて上手く動かない。誰か……

 

「ガシャンッ!!!」

 

身体中に激痛が走り、意識が朦朧としている。トラックに撥ねられたみたいだ。黄依子の顔が見える。目を見開き、口を必死に動かそうとしている。遠くに、碧と朱音が見える。必死に名前を呼んでいる。確か、人は死ぬ直前まで耳が聞こえるらしい。だからか、あの2人の叫び声が聞こえるのは。もう……力が……

 

「がはぁっ!」

 

目の前が真っ暗になった

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