俺は就活戦線を生き抜いて、今日から社会人になった。就職先は鎮守府。ただし、提督とは言ってない。俺は、鎮守府の食堂で働くことになった。
新米なのでかなり緊張してるが、なんか俺の就職先の提督も新米みたいだし、大丈夫でしょ。
「失礼しまーす」
執務室に入ると、中には提督と思われる男が1人と女の子が4人いた。
「お、これで全員揃ったな」
軍服を着た提督っぽい人が言った。どうやら、俺が一番最後だったようだ。
「それじゃ、まずは自己紹介しておこう。提督の秋田だ。深海棲艦を倒して、平和な海を取り返そうと思う」
「あー、えっと、どうも。ここの食堂で働かせていただく、福島相馬です。得意な料理は味噌汁と寿司です」
「川内参上!夜戦なら任せておいて」
「秘書の大淀です。……え、えっと、このメガネはダテじゃありません。あ、いやνガンダムではなくて度入りという意味です」
「工作艦の明石です。……あ、えっと、じゃあこの前バイクの免許取りました」
「給糧艦の間宮です。じゃあ……趣味は料理と掃除です」
まとまりがねぇー……。いや余計なことを加えた俺の所為なんだけどね。あと、あの大淀って人とは仲良くやれそうだ。
「よし、じゃあみんな大体俺たちがここにいる理由は分かってるな?」
提督のその確認に全員頷いた。
「じゃあ、これからよろしく頼む。各自、仕事をしてくれ」
その一言で、提督と大淀さんと川内さん以外の俺たち3人は執務室を出た。うん、ノーマルな人っぽいし、なんとかなりそうだ。
「では、私は工廠に向かいますね」
「あ、はい」
明石さんが早くも俺たちと別れた。残りは俺と間宮さんの二人。………あー、やべっ、どうしよ。こんな綺麗で清楚そうな人なのに胸部にドスケベな爆弾を二つも抱えた人と一緒に仕事すんのか。
「じゃあ、私達も行きましょうか」
「え、あ、はいっ」
間宮さんに微笑みながら言われ、俺は曖昧な返事をしてついて行った。
食堂。割と調理器具は揃っている。
「早速、今日のお昼ご飯作り始めましょうか」
「あ、はい。え?早くないですか?」
一度、同意しておいてから意見してしまった。大丈夫かな、変な男とか思われないかな。
「いえいえ、これから建造もするでしょうし、何人増えるか分かりませんから」
「あ、なるほど」
「何にしましょうか?」
「何でもいいんじゃないすか?」
しまった。少し冷たい返事だったか?女子と話すのなんて中学ぶりだからさじ加減が分からん。
「それ一番困るんですよねぇ……。せっかくですから、皆さんには喜んでいただきたいですし……」
………この人いい人だなぁ。いや、もちろん第一印象を良くするための布石の可能性もあるけど、良い人だと信じたい。
「食材は何があるんすか?」
「えーっと……一通り、というか……お肉に野菜にその他諸々って感じですね」
なるほど、一通りだな。
「じゃあ、とりあえず先にご飯を炊きましょうか。建造されるとして何人分になるか分かりませんけど、多めに10人分くらい」
「そうですね。では、メインの方はお任せします」
え?いや今の流れは俺がご飯炊くからメインは貴女にお任せするつもりだったんだけど……。だが、もう間宮さんはご飯を炊く準備に入っている。
………やられた。そう思うしかないや。まぁいいか、とりあえず安全パイに鳥の唐揚げでもやるか。俺は飯を作り始めた。