鎮守府の食堂で働く   作:アルティメットサンダー信雄

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川内夜戦

 

 

翌日、艦娘は初出撃。その間は暇なので俺は広い食堂を一人で使ってゲームをする。このだだっ広い食堂が、女の子で溢れる事になるんだよなぁ。その中に俺と提督の男は二人。どこの監獄学園だよ。まぁ、覗きはしてないし、憲兵にも副会長にもお世話になることはないだろう。

 

「あー。暇だー」

 

そんな事を思ってると、チョンチョンと肩を突かれた。振り返ると、頭にリボンを付けた女の子が立っていた。というかすごい格好してる。スカート短っ。

 

「こんにちは!おじさん」

 

「うん?おじさん?俺の事?」

 

なんだ?聞き違いか?

 

「え?うん」

 

「まだ22歳で若さ溢れてて高校三年生と言っても通用しそうな俺のこと?」

 

「うん!」

 

さっきより元気に返しやがった。

 

「そっか……じゃあ、ちょっと待ってて。人参たくさん持ってきてあげるから。アレ目に良い食べ物なんだよね。まずはその腐った目を修正してやるからね」

 

「やめなさい。大人気ない」

 

後ろから間宮さんが声をかけてきた。

 

「あ、間宮さん」

 

「その子は島風ちゃんよ。多分、建造されたんじゃないかしら?」

 

「うん。初めまして!おじさんは?」

 

「間宮さん、この子幽霊が見えてますよ?」

 

「現実を受け止めなさい」

 

「いやでも俺よく高校生くらいに見えるって言われてて、ちょっとプライドが……」

 

「……………」

 

「はい、すいませんでした」

 

この人の無言の圧力怖い。

 

「お兄さんは福島相馬だよ、お兄さんは。よろしくな島風」

 

「うん!おじさん」

 

「よし、間宮さん。今日のお昼は人参のステーキにしましょう」

 

「やめなさい……。大人気ない」

 

呆れたようにため息を吐く間宮さん。

 

「それで、島風ちゃんはどうしたの?」

 

「さっきてーとくに挨拶して、今日は休みとか言われたからみんなで鎮守府を見学してたんだけど、みんな遅いから置いてきちゃった」

 

「みんな?」

 

「今日建造された子たち」

 

「あらそう……。ちなみに他には誰が増えたの?」

 

「神通さんと皐月ちゃんと吹雪ちゃん」

 

やっべ、誰も分かんね。

 

「ねぇ、福島さん!」

 

「何?」

 

「あそぼ!」

 

「は?何して?」

 

「かけっこ!」

 

めんどくさっ。

 

「悪い。今、アキレス腱切れてっから」

 

「いいわよ島風ちゃん」

 

「いやなんで間宮さんが答えてんすか」

 

「すぐバレる嘘をつくのが悪いんです」

 

「じゃあ、先に外で待ってるねー」

 

「あ、おい」

 

俺の静止など無視して島風は行ってしまった、

 

「ちょっとどうするんですか間宮さん」

 

「福島さん。実は、島風ちゃんって姉妹艦がいないんです」

 

「姉妹艦?」

 

「ええ。艦娘には……例えば、川内型なら、一番艦から三番艦まであるんですけど、当然一番艦から造られたわけだから、順番に姉、妹、末妹ってなっていくんですけど、他の子と違って島風ちゃんは一人しかいないんです」

 

「……」

 

「だから、なるべくなら遊んであげてもらえませんか?」

 

まぁ、確かに友達がいないってのは辛い。高校とかなら友達いなくても慣れれるけど、島風の年齢は小学校高学年〜中学くらいだし、1人は確かにキツイかもしれん。

 

「………はぁ。分かりましたよ」

 

「ふふ、宜しくお願いします」

 

俺はグラウンドに向かった。

 

 

1

 

 

その日の夜。晩飯が終わり、新しく入ってきた艦娘の紹介も終わった。すでに名前を覚えきれなくなってきてるけど、まぁそこら辺は慣れだろう。

明日の朝飯の仕込みだけ間宮さんと終わらせ、俺は鎮守府の外で缶コーヒー(微糖)を飲んでいた。ちなみにブラックは飲めない。

しかし、夜の海ってのは割と初めて見るな。海面に星空が反射して綺麗だ。

 

「よーっす!何してんのー?」

 

元気の良い声とともに、俺の横に座って来たのは川内だ。

 

「川内さん。どしたのこんな時間に」

 

「さんは付けなくていいよ。私、夜が好きだからさ」

 

「ふーん」

 

「夜は良いよね。夜はさ」

 

「俺も夜は好きかな」

 

「! ほんと⁉︎どうして⁉︎」

 

「静かだから。俺、あんま騒がしいのは好きじゃないんだよね」

 

「そうなんだ……。意外」

 

「え、なんで?」

 

「うーん、何ていうか……雰囲気的に割とゲーセンとかにいそうだから」

 

「ゲーセンは別だ。人の声が逆に聞こえないから好き。というか人の声が嫌い」

 

「なんでさ」

 

「『ウェーイwww』だの『それなw』だのそういう言葉がなんかむかつく。リア充っぽくて」

 

「ふーん……変なの。じゃあ福島さんは非リアなんだ?」

 

「おう。リア充は人間じゃないからな。リア充って生き物だから」

 

「ごめんそれは何言ってるか分からない」

 

「お、おう……」

 

割とものをはっきり言う子なんだな。

 

「あ、なんか飲むか?」

 

「え、奢り?ラッキー!じゃあコーヒー!」

 

「微糖?黒?」

 

「ブラックのこと黒って言う人初めて見た……。ブラック」

 

なんか呆れられたよ。つーかブラック飲めるとか大人ですね。

近くにある自販機でブラックコーヒーを買って、飲み干した自分の缶コーヒーは捨てた。

 

「ほれ」

 

「ありがとー!これで、バリバリ夜戦が出来るね!」

 

「………ああ、カフェインか。あんま騒いでやるなよ。昨日の夜もだけど」

 

「分かってるって!」

 

それわかってないやつの返事だからな。まぁ、言ったところで無駄だろうけど。

「姉さん。こんな所にいた……あっ、福島さん……」

 

後ろから神通さんが声を掛けてきた。

 

「あ、どうも」

 

「こんばんは。姉さんがすみません……」

 

「ちょっと、神通!別に何も迷惑掛けてないよー!」

 

「本当ですか?って、そのコーヒーは……」

 

「これは福島さんの方から買ってくれるって言ってくれたんだよ」

 

「まったく……。ちゃんとお礼は言いましたか?」

 

「言ったよ!」

 

どっちが姉かわかんねぇな……。まぁ、妹が来たならもういいか。俺はまた自販機でリアルゴールドを買った。

 

「ほれ、神通さん」

 

「あ、すみません……」

 

「いいよ。じゃ、俺寝るから」

 

「はい、おやすみなさい」

 

「おやすみー!」

 

さて、寝るか。

 

 

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