朝、6時半、学校の正門にはバスが6台停車していた。
「各クラス委員長は人数確認!!!」
見た目が悪そうな学年主任の叫び声が正門前に響き、耀達の乗っているバスに朝潮が人数確認の為に乗ってきた。
「・・・・・・、41・・・、42・・・、43っと・・・。3組、総勢43名、揃っております!!!」
朝潮は人数確認が終了すると、直ぐに学年主任に報告をした。それに続き、2組、4組、5組、1組、6組の順に報告が届き、2年生全員集まったようなので、バスは羽田空港に向けて出発した。
「よーし!!!弁当配るぞー!!!」
羽田空港に到着し、各クラスが整列し終わると、各クラス担任が、クラスの先頭で叫ぶと同時に弁当を配り始めた。
曙は、弁当の製造会社のラベルを見た瞬間、耀の方を向き、「えっと・・・。〝扶桑・山城弁当屋〟・・・。ねえクソ兄貴・・・。今日私達死ぬかも。」と、言うと、耀は曙を安心させるために「大丈夫だよ。多分ね・・・。」と言った。
「えー、保安検査場に6組から順に行ってください!!!あと、最後に、持ち込み禁止品が無いか、金属製の物を身につけてないかもう一度チェックしてください!!!」
旅行会社の社員の声が聞こえると、生徒達の列は保安検査場へと、流れていった。
「曙は、金属の物とかつけてないよね。」
「ふふっ。大丈夫よ。クソ兄貴!!!」
曙は、耀の注意をドヤ顔で返し、金属探知ゲートをくぐった。
ピーッ。
「あ〜。かかっちゃいましたねー。スマホとか持ってないですか?」
ピンク色の髪をツインテールにして、肩に動く不思議なウサギを乗せている保安官が笑いながら曙に近づき、手に持っている金属探知機を頭から足までかざした。すると、腰のあたりでピーッという音が鳴った。曙が服を捲ると、そこには金属のワンポイントが沢山ついたベルトがあった。
「あ〜、ベルト・・・。よく引っかかるんですよぉー。」
曙がベルトを取り、その部分を保安官がもう一度金属探知機を翳すと、金属探知音が鳴らなかった。
「大丈夫ですねー。どうぞ、通ってくださーい。」
保安官にそう促されると曙はただ赤面で俯いているだけだった。
「・・・。」
その次に同じ保安検査場を通った漣が驚いた顔をしていたが、耀は、なぜ驚いていたのかは知らなかった。
出発ゲート
タンタンタンターン『ANA〇〇〇便、沖縄行きをご利用のお客様、現時刻から59番搭乗ゲートより、受付を開始します。』
搭乗ゲートが開くと、耀達は生徒達の列と共に機内へ進んで行った。
「「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」」
飛行機が離陸すると、艦娘達や、生徒達が感嘆の声を上げた。
「クソ兄貴!!!飛んだよクソ兄貴!!!」
曙も物凄い笑顔で耀を見た。
「かなり上機嫌だね。曙。」
「え!?そ、そんな事ないわよ、このクソ兄貴!!!」
「あははははは。曙止めてよー。」
曙は、赤面すると、そう言いながら耀の頭をポカポカ叩きはじめた。それと同時に漣が機内モードにしたiPhoneで動画を撮影していたらしい。
「Okinawaにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
「漣ちゃんうるさい。」
「痛い!!!痛い!!!潮痛いよぉ!!!」
那覇空港に到着した漣はガッツポーズをながら飛び跳ねた為、潮が片手で漣の首根っこを掴み、この後向かうバス乗り場に向かって引きずり始めた。
「先生助けて!!!潮に殺されるぅ!!!」
「はいはい。潮、姉いじりは程々にして早くバスに乗って。バスの中で自由にいじっていいから。」
担任の先生は、ニヤニヤしながら潮と漣に話すと、直ぐにその場から離れて行った。
「え!?先生!!!本当に助けて!!!」
その後、バスの中で漣は魂が抜けたようになっていたらしい。
バスはクラス別の行き先に向かい始めた。修学旅行はまだ始まったばかりだ。