ていうか、修学旅行編長くないですかね・・・。
軽い騒動っぽいのがあったり、2日目の夜は何やら騒がしかったが、無事に3日目を迎えた。
3日目は、クラス別行動だった。耀達のクラス、3組はグラスボートに乗るというものだった。グラスボートというのは、船の中央部分の床がガラスになっていて、海の中が見えるというものだ。名護市にあるかしゆりビーチで、そのボートに乗るのだ。
かしゆりビーチは、海岸事務所とコンビニが一体化している珍しいビーチである。一応、コンビニから海岸に直行も出来る(砂は落としましょう)。
かしゆりビーチにある浮き桟橋には小型の船が停泊していた。その船に耀達は乗るのだ。耀達、3組43人が乗ると、浮き桟橋と船を繋いでいた舫いが放たれ、船は動き始めた。
動く船の中で潮の横に座っている青葉は気分が悪くなったのか、蹲っている。
「どうしたの?」
耀がそう青葉に尋ねながら身体を揺さぶると、青葉は
「実は、青葉、船酔いするんです・・・。」
と、青い顔を向けながら答えた。
「え?どうしよう・・・。」
耀が考えていると、青葉の横に座っている潮がある一言を言ったことにより、クラスメイトは全員引くことになる。
「青葉さん、海に吐けばエサになるじゃないですか?だからとっとと吐け。さあ、早く!!!早く吐け!!!」
そう。この言葉だ。海に吐けば魚の餌になるというとってもクレイジーな発想だ。しかも、大人しそうな女の子なのに、「吐け」という汚い言葉を連呼するのだ。これが正常だという女子は神通さんの訓練を受けた人か、変態か、そして男子っぽい人、恥を捨てたなどくらいだろう。
「え!?海に吐けって言うの!?」
「そ。」
青葉が泣きそうな声でいうが、潮は、〝お前は何を言っているんだ?〟と言わんばかりの顔で青葉を見つめている。
「青葉やだよそんなの!!!」
「いいから吐け。」
青葉は重巡洋艦。当然、神通さんの訓練を受けたことがない。そのため、吐くのに恥じらいがあるのも当然のことかもしれない。しかし、潮は、そんな事すら気にかける素振りも無しに海を指さす。
「それだけは止めて!!!エチケット袋とか無いの!?」
「そんな物無いですよ。もし仮にあっても、使わせない。海の魚のエサにしろ。」
青葉は顔を青くしながら必死に海に吐くのを拒否するが、潮は気にせず笑顔で海面を指さす。
「え!?いやぁぁぁぁぁ!!!うっ!!!」
そして、ついに青葉の口から魚の餌がエメラルドグリーンの海原に放出された。クラスメイト達はその場から目をそらしていたが、潮だけニコニコしながらその現場を見ていた。悪魔だ。
グラスボートが乗り終わり、3組43人は、これから民泊をしに糸満市に向かう。青葉は、そのバスの中の隅の席に座っていた。
「青葉。はい。アイス。」
青葉はあるクラスメイトからアイスを受け取った。
「古鷹、ありがとう・・・。」
青葉は、そのクラスメイトにお礼を言った。そのクラスメイトは、
「恥ずかしいんだって・・・。」
そんな大天使古鷹さん(男子達から言われているあだ名)が耀の耳元にぼそっと言った。
「まあ、しばらくはそっとしておこう。」
「そうだね。耀提督。」
古鷹は、そう言いながら耀を見た。その後、クラスメイトの男子から「耀提督ー。」と連呼されたのは言うまでもない。