新・魔法少女リリカルなのは-Requiem- 作:エディさん
初めての方、初めまして。覚えてる方はおひさしぶりです。感想や誤字脱字報告などお待ちしておりますわ
前に書いたリリカルなのは小説をリメイクしてここに投稿していこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。
そこは砂漠と朽ちた遺跡しか存在しない世界。そう、ここは全てが終わりを告げた世界。人は存在しない…そう、存在しないはずだった。
「…」
遺跡が広がるその場所に一人の人間が立っていた。目が隠れるくらいの長さを持つ黒い髪に、赤いラインの入ったバイザー状の仮面、身体を包むようにして白いローブを纏った、一人の男が立っていた。
「…」
男はゆっくりと足元に顔を下げた。そこにあったのは、苦しそうな表情をして横たわる男だった。その男だけではない。よく見ると辺りには足元にいる男と同じように横たわる男がたくさん居た。
「そっちも終わりか?」
「…?」
陽気な男の声に振り返ると、そこには肩の上まで伸びた銀色の髪に宝石のように緑に輝く瞳をし、男と同じ白いローブを纏っていた。
「よっ」
「あぁ…そっちも終わったんだ。怪我はない?」
「お前はオレのお袋か?見ての通りだよ」
フンっと息を吐きながら胸を張る男。
「『ルナ』らしいな」
男は口元を緩め、小さく笑った。どうやら銀髪の男はルナという名前らしい。
「そういやそっちはどうだった?あったか?」
「探そうとした途端これだよ」
男は足元に視線を向け、倒れている男を見てため息をついた。
「…殺したのか?」
「そんなヘマはしないよ。そっちが目的じゃないから…ただ」
「ただ?」
「…ここまでやったんだから、そろそろ探している人が出てきてもいい頃だとは思う」
男は仮面に手を当て、赤いラインの下から見える目が僅かに細くなった。それを見て、ルナの目も少しだけ目を細めた。
「そいつはお前の…『バルス』の姉さんの仇、だっけ?」
「…半分正解、ってところかな?」
仮面の男…『バルス』は小さく笑った。
「で、話は戻るけど…結局探してないってこと。そっちは?あったの?」
「状況はお前と一緒だ。全く探してない。こいつらがあまりにも邪魔だったから、半殺ししておいた」
「半殺しって…」
「別に殺してないからいいだろ?本当なら、あんな奴ら生かしておきたくなかったのを必死で我慢したんだからよ」
口では陽気なように言うが、目は先ほど輝いていた緑の瞳は暗く濁ったような瞳に変わっていた。『殺意』…ルナの瞳にはそんな言葉を思わせるような瞳だった。
「ルナ」
「…悪かった…すまん。あいつのこともあったからな…」
「そんな事ないよ。大切なものが奪われた気持ちは…オレにも分かるから…」
そう言いながら、バルスはローブの下で拳を強く握り締めた。
「あ、そうだ」
ルナが何か思い出したように両手を出して叩いた。
「バルス、お前に命令が入ったぞ」
「そうなの?」
ルナはあぁと行って頷き、足元に魔法陣を展開させた。その魔法陣はミッドチルダ式でも、ベルカ式でもない、円の中に逆十字架が描かれた魔法陣だった。それを見たバルスはルナの元にも近付き、一歩手前で立ち止まった。
「ドクターからの話でな…お前の探している人間の関係者が居るらしい世界を見つけたらしくてな。そこに少し行ってみろということだ」
「…!その場所は?」
少し驚いたようにして聞くバルス。それを見て、ルナも小さく深呼吸をした。
「第97管理局外世界…惑星『地球』。そこにある小さな島国にある『海鳴』と言う街らしい…」
「…海鳴」
ルナの言葉をくり返すようにしてバルスは呟き、その瞬間、二人はその世界から完全に消えたのだった。
『P・T事件』…
『闇の書事件』…
いくつもの出会いと別れ、喜びと悲しみを重ねてきた彼女達も、少しづつだがそれぞれの夢へと向かって歩き出していた。
一人は空への憧れを持ちながら、正しい魔導を教える者として…
一人はかつて自分と同じ境遇の者を助ける為に、幾多の世界の海へと向かう者をして…
一人は自分と同じ悲しい夜が誰にも来ないようにするため、家族と共に大地を守る者として…
だが、そんな彼女達の前に再び戦火が舞い降りる。
その戦火の終焉の先には一体何が待っているのか…?
誰もが望んだ『幸せ』か…?
誰もが望まぬ『絶望』か…?
今、全てを滅ぼす為の閃光が世界に照らされようとしている…
『鎮魂歌』と言う名の光が…
まだ序章のため短いですが、最後まで読んでくだされば幸いです。よろしくお願いします