新・魔法少女リリカルなのは-Requiem- 作:エディさん
これ戦闘?と思うかもせれませんが、どうかよろしくお願いします。
では、スタートです
轟音と閃光が止み、再び距離を取る3人。
「なのは、前に出るから援護お願い」
「うん!」
そう言って先に動いたのはフェイト。後ろでなのはも桜色の光を放つミッドチルダ式を展開させている。
「行くよ、バルディッシュ」
《Yes sir》
フェイトも戦斧となったバルディッシュを構え、目前にいるルナを見つめる。
(…構えた?この距離で?)
ルナとフェイトの距離は目視で約4メートル。構え方や武器からして接近戦タイプだ。
(この距離を埋める方法があるのか?いくらなんでもアイツみたいな事ができるわけが…)
そう考えながらルナはバルムンクを構える。右手でバルムンクを掴んで構え、足を大きく広げていつでも攻撃できるようにする。それを見てフェイトは足を広げ、体を少し前に傾かせた。
「ハァッ!」
足で地面を擦る音が聞こえたその瞬間、フェイトはルナの前に跳躍していた。その距離、約1メートル。バルディッシュの戦斧を振り上げていた。
「…!」
少し反応が遅れて後ろに飛びながら距離を取るルナ。下がった瞬間に戦斧の刃が胸部手前を通り過ぎる。
「っとと」
バク転の要領で体勢を整え、再びバルムンクを構えようとすると…
《Accel Shooter》
なのはの周りに複数の魔力弾が浮遊し、レイジングハートの先をルナに向けた。
「シュート!」
なのはの声と共に魔力弾が上へ高く上がり、雨の如くルナの頭上から降り注ぐ。
「チッ、バルムンク!」
《Lord Cartridge》
バルムンクの柄頭から弾を撃ち込む音と共に空の薬莢が地面に落ちる。
「『風牙一刃』っ!」
魔力弾に向けてルナがバルムンクを振るう。そこから現れたのは銀色の風の刃。桜色の魔力弾とぶつかり、爆発と衝撃波が辺りに舞い、近くにあった建物の窓ガラスに亀裂が走って粉々に割れた。
「まだだっ!」
爆発によって起きた煙の中からルナが姿を現し、真っ直ぐになのはへと向かう。間合いを詰め、バルムンクを上段に構えて振り下ろす。
「させないよ!」
声と同時にバルムンクの剣が黄金の魔力光の前で止まる。何事かと確認すると、目の前に居たのはなのはではなく、いつの前にかフェイトが立って障壁魔法を張っていたのだ。しかもなのはを守るようにして前に立ちながら。
「なのは!」
「了解っ!レイジングハート!」
「チッ!」
再びなのはの周りに複数の魔力弾。ルナはそれを見て舌打ちしながら後方へと大きく下がった。
《Sonic Move》
なのはとフェイトから距離を取ったはずのルナだが、何故か目の前にまたしてもフェイトがいた。
「ハァッ!」
フェイトは体を回転させる要領でバルディッシュの戦斧を横に一閃する。
「ッ!」
ルナもバルムンクでフェイトのバルディッシュを受け止めた。
(…なるほどな。今のでだいたいわかった)
剣と戦斧の鍔迫り合いをしている中、フェイトに視線を向けてルナは心の中で呟いた。
(このフェイトって奴は高速戦闘型…後ろにいるなのはって奴は後方支援…か?射撃も良い線行ってる…)
なのはとフェイトについては戦闘前からあらかた調べてはいたが、戦闘の動き関してはルナの予想していた動きよりもずっと早く、攻防の切り替えも早い。
(レイズとリンの、ある意味ではアイツらの戦闘型の理想の動きと言ってもいい…それほどの実力だ)
ルナは純粋に2人の実力を認めていた。フェイトの高速戦闘、なのはの射撃。単純な連携だが、互いに信頼し合って無ければこうはいかない。たった数分の戦闘とは言え、これほど胸を踊らせる強さを持つ者と戦える。強い者と戦える…ルナにとってはある意味では至福の時だった。だがそれ故に、残念である。
「あぁ…残念だ」
「…?」
ルナの呟きに警戒を解くことなく視線を向けるフェイト。
「本当に残念だ…ここでお前らを潰しておかなきゃいけないことをな!」
そう叫ぶルナは鍔迫り合いの状態から力任せにフェイトを押し飛ばした。
「ッ!?」
思わぬ行動にフェイトは慌てて体勢を整えて再び構えた。
(なんて力…純粋な力だけで私の体を押し飛ばした)
フェイトのバルディッシュを握る手が僅かに震えている。硬い何かを叩いたかような痺れがフェイトの手を震えさせる。
(今ので確信した…この人はまだ手を隠している)
より一層警戒を強めるフェイト。痺れも徐々に薄れていき、改めてバルディッシュを握り直した。
「今度はこっちの番だ…行くぜ」
「…!させない!」
フェイトの後ろにいたなのはの魔力弾が、今度はルナの全方位から雨のように襲いかかる。
「…バルムンク」
《Wind Wall》
バルムンクがカートリッジを一発撃ち込む。するとルナの髪が風に靡くようにして揺れた。否、揺れているのだ。風がやがて強く吹き荒れ、それは嵐のように激しく吹く。
「…!」
「風!?」
風の強さに思わず後ずさる2人。その間にもなのはが放った魔力弾は嵐により起動を変えてルナの足元辺りに着弾した。
「どうした?この程度で参ったのか?」
余裕の表情のルナは風に目もくれずにその場に何事も無いように立ち続けている。
「来ないならこっちから…行くぜ!」
バルムンクを担ぐようにして構えながら真っ直ぐになのはとフェイトの元へ走る。その間にカートリッジを一発撃ち、その刀身に再び銀色の風を纏う。
「『風牙一刃』!」
風を纏った刀身を振り下ろす。荒ぶる暴風となった銀色の風がなのはとフェイトに襲いかかる。
「「ッ!」」
2人は危険を察知し、咄嗟に飛行魔法を使って空へと飛んで回避。自分達が居た場所に暴風が通り過ぎていき、風が止むと地面や建物の壁などありとあらゆる物が抉られたような痕が残されていた。
「よく避けたな。流石と言うべきか」
声に振り向くといつの間かなのはとフェイトの前にルナは居た。
「伊達に『エース』を名乗っているわけじゃないってことか…」
「今の風は…」
フェイトの呟きにルナは小さく笑みを浮かべた。
「バルムンクの力さ…『風』の魔力変換機構を搭載したアームド・デバイスだ」
つまりルナ自身の魔力を風に変換して先ほどの技を放ったり、なのはの魔力弾の軌道がルナから逸れたのも、全てはデバイスの力といえことか。
「さて、続きと行こうか!」
ルナは再びカートリッジを撃ち、刀身に風を纏わせる。
「ッ!バルディッシュ!」
《Haken Form》
フェイトのバルディッシュもカートリッジを撃ち込む。戦斧が変形し、金色の魔力光が現れ、それは鎌のような形へと姿を変えた。
「なるほど、お前自身は雷の変換資質を持ってるのか。なら雷と風、どっちが強いか…試してみるか?」
言葉が終わると同時に動き出すルナ。バルムンクを担ぐようにして構え、全てを壊さんとする風をぶつけようとする。
「…!ハァッ!」
対するはフェイトの雷光を放つ金色に輝く鎌。荒ぶる風を止めんと輝きを強めていく。
「オラァァァッ!」
「ハァァァァッ!」
2人の叫びと同時にぶつかり合う互いの魔力。風は吹き荒れ、雷光は辺りに激しく迸る。風と雷光は更に激しさを増し、距離のあるなのはの元まで届いてその力の波動を放つ。
「きゃっ!」
「…!なのは!」
なのはの声に思わずルナとぶつかり合いながら後ろを振り向く。そんな単純な行動が欠点となった。
「目の前の敵から視線を外すなんて余裕だな…」
ルナはバルムンクのカートリッジを今度は連続で撃つ。それに気付いて視線を戻すフェイトだが、最早手遅れだった。
「今更おせぇよ!」
カートリッジによって風の威力が増し、雷光が打ち消されていく。
「…!」
「戦場じゃそんな油断が命取りになるってこと…その体に刻んでやるよ!オラァァァッ!」
勢いが強くなった風を利用してフェイトの体を押し飛ばす。
「きゃっ!」
フェイトが建物の壁まで押し飛ばされ、慌てて体勢を整える。
「まずはお前からあの世に行け!『風牙一刃』!!」
バルムンクを振るうルナ。すると先ほどとは威力が段違いの風の刃がフェイトに襲いかかる。
「フェイトちゃん!」
なのはも駆け寄ろうとするが、距離が遠いために間に合いそうにない。
「しまっ…!」
体勢を整えたばかりのフェイトの体は動けず、バルディッシュを構えることすらできない。
(やられる…!)
フェイトの頭に死が浮かび上がる。向かってくる爆風にただ目を向けるだけしかできなかった。
だが、その死は訪れることはなかった。なぜなら…
「『紫電一閃』ッ!」
なぜならフェイトの前に立って現れたその人物からの放たれた炎の剣が見事風の刃を打ち消したからだ。
「なっーー!?」
突然の事に驚くルナ。フェイトの前に現れたその人物に視線を向ける。騎士甲冑を纏い、背中辺りまで伸びた桜色の髪、女性でありながらも凛とした瞳は真っ直ぐに目の前に居るルナに向けられている。
「無事か?テスタロッサ」
「貴女は…!」
「…何者だ?」
ルナは目の前にいる騎士甲冑を纏った女性に目を向けた。
「…夜天の書の守護騎士シグナム。お前を倒す者だ」
烈火の将、シグナムが炎の魔剣を携えて参戦した。
いかがでしたでしょうか?シグナムも参戦して、新たな盛り上がり?を見せると思いますのでどうか最後までお付き合いください。
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