機動戦士ガンダム0084 ―砲撃戦線―   作:リゼルC型

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第8話「終わりの始まり」

「こちらヴァイス・トート隊所属、リーシュ・クリエル。現在、連邦軍基地の管制を制圧。救出願います、救出願います」

そう言ってリーシュは基地の座標を送信した。

自分達が向かうはずだった基地への救助信号を送る。向こうでは既に救出行動が始まっているだろうか。それとも・・・

見捨てられているだろうか。

「こちらは人質を取っている!彼らに危害を加えられたくなければ、ただちに武器を捨てろ!」

アレシアが、管制室にいた通信兵達に銃を向けながら叫んでいる。

恐らく連邦兵が管制室まで来たのだろう。

通信兵達を殺さずに人質に取ったのは正解だった。こちらは4人しかいないのだ。戦闘になればどちらが不利かは目に見えている。

救出が来るか、来ないか。

ユイも、アレシアも、リーシュも、ひたすら祈りながら戦っていた。

しかしただ一人、隊長のセリエズだけは、焦りを見せなかった。

「リーシュ、この基地のMSのデータは?」

管制室内部で、セリエズが聞く。

「今すぐ動かせる機体は・・・陸戦型ガンダム3機、陸戦型ジム2機、量産型ガンキャノン4機、ガンキャノンⅡ1機、ガンキャノン重装型2機、ガンキャノン重装型Dタイプ1機、ガンタンクⅡ2機、量産型ガンタンク3機、ジム・キャノン4機、装甲強化型ジム1機、ジム改3機。補給予定に、強襲型・・・?タンク系の機体が補給として送られるようです」

「なるほど・・・基地攻略には充分すぎる戦力だな。うちの基地をどうしても落としたいらしい・・・そして、俺たちが増援に送られるという事は、これだけの戦力を持っているにも関わらず、うちの基地をまだ落とせていないという事か・・・。救助は来るだろうな」

「隊長!なんで救助は来るって言い切れ・・・」

「わからない?ジオン残党は何としても守りたいんだ、基地を。まだ基地が落ちてないという事は、それだけ防衛も厚いって事。そして・・・俺たちは『エース部隊』だろ?それをわざわざ送り込んだって事は、俺たちが必要だって事。基地の防衛戦力に損害が出たか何かの理由があるんだろう」

「って事は・・・」

「まとめると、ジオンはどうしても基地を守りたくて、そのための戦力が必要なんだ。なら『エース部隊』の俺たちをむざむざ見捨てはしないって事さ」

セリエズが言い終わった後、振り返る。

「人質作戦も限界だな、相手もしびれを切らしてきた」

連邦は、「人質は見捨てる」という方針に固まったらしい。

「いかにも連邦らしいな・・・!」

そういいながらセリエズは銃を手に取った。

リーシュがそれに続く。

「いいのか?人質の命は保障しないぞ?」

管制室のドア付近でのにらみ合いは限界に達していた。

人質が、助けてくれと言わんばかりの表情で味方を見ているが、それを無視して連邦兵達は銃を構えた。

「なるほど、それがそちらの意思か」

アレシアが言い、人質に銃を向ける。

人質となった通信兵達が、絶望と懇願の表情を浮かべ・・・

その顔が吹き飛んだ。

「味方を撃ちやがった!」

アレシアがそう言いながらドアを盾にして隠れた。

他の3人も同様にした。

人質さえいなくなれば、どちらが不利かは目に見えていた。

セリエズ達が管制室のドアの陰に隠れながら応戦する。

「くそっ、こんなやり方で・・・!」

アレシアが言った時、ドアの隙間から何かが投げ込まれた。

「手榴弾・・・!」

セリエズが叫ぶ。

4人がドアの側から飛びのくと同時にそれは爆発した。

「ぐぅっ・・・!」「きゃっ!」「・・・っ!」「ちくしょっ・・・!」

致命傷を負うことは無かったが、4人が爆風に吹き飛ばされる。

「まずい・・・!」

セリエズが呟いたその時。

連邦軍基地に轟音が響き、衝撃が辺りを揺らした。

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