ボツネタ集   作:ばいどるげん

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!注意!


この話はブツ切りトンボになっています。
先の展開的に面白くなさそうなのでやめました。

というか、私にしては一話に対する文章量が多すぎで、
テンポが悪くなりそうなのでやめました。


話が途中で終わっていること意外で、
何かおかしな点がございましたらどうぞご報告ください。


妄想二百景

 その美しき身姿は万人を虜にし、未来永劫に渡り語り継がれる()の巨星となるであろう。マソソン・真裸(モロー)と言う名のその女性は幾億の人々を魅了し、彼女こそ優美の巨人と崇め奉られた。

 彼女は魔性の女と呼ばれ、こんにゃく男女デジキャラット、デジ子もかくやの愛されボディーには誰もが癒され、抱きしめ殺してやりたくなるほどの愛に狂う。

 

 人生を狂わされた人々の数は知れず。彼女の追っかけに徹しグッズを買い漁り全てを貢ぎ続けた者たちは、何人たりとも彼女から一心の愛を授かる事はなかった。

 夢に裏切られ現実を突きつけられ、ついでに金と家族にも裏切られる彼らは、しかしそのような境遇とは裏腹に()()()()ように果てると言われている。彼女の狂信者(ファン)を友人に持つ男性によると、彼女に貢いだ証(グッズ)に囲まれたその顔は、誇り高き(もののふ)の其れであったと言う。

 

 

 

 

 これはそんな魔性の女に魅入り人生を狂わされてもなお愛を求め続けた、

 一人の気高き勇士のお涙頂戴物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マソソン・真裸(モロー)。体重321kg、身長180寸。

 BHWは上から253、210、246cm。

 

 これらの数値からも分かるとおり、彼女はとてつもない愛されボデーである。麗しきパッチリおメメにヒトコブラクダな上腕二頭筋、駄菓子屋のきなこ飴を思わせるぶっ()いのぼぼんとした両足が愛らしい。

 

「はぁ~、最高にお()つくしい……。いつ見てもあの愛らしさは衰えを知らないな」

 

 彼女の熱狂的信者である『草餅(くさもち)こんぶ』は、壁にマソソンのタペストリーをぶら下げた部屋で一人セコセコと動画視聴に勤しんでいた。

 初めて彼女を目にしたのは彼が中学二年生の時、学校の帰りにビルの大型ディスプレイへと目を向けた事が切っ掛けであった。まるで二次元からそのまま飛び出してきたかのような最高にハイな姿は、14歳のこんぶ少年にトラウマを植えつける。

 耳にコンプレッサーを突っ込まれる感覚に頭の中でゴッドタイフーンが炸裂する。こん分の脳内で悠々と漂うノアの箱舟は、六日どころか一分と待たずして沈没した。脳内を毒電波にシェイクされた彼に、このときより精神汚染が始まっていたのだろう。

 

「だけど、どうしたら彼女に振り向いてもらえるんだ。僕はただの一ファンで終わりたくない、どうしても彼女に僕の気持ちを伝えたい……!」

 

 そろそろ結婚と言うものを考え始めなければいけない彼ではあるが、未だに洗脳者(はつこい)相手に淡い想いを抱えていた。住む目線(せかい)が違う彼女にとって、所詮こんぶなど温泉利用客にとってのマーライオンに過ぎない。

 

「お願いします神様。どうか僕に、彼女を束縛するほどの力をお与えください……!」

 

 神にではなく画面の中で荒ぶるマソソンへと祈る。さすがの神もその光景には呆れを隠せない。触らぬ神も祟りなし、神は何も見なかったし何も聞かなかった事にする。

 そんな神のご加護を享けられぬこんぶであったが、突如として部屋中が光り輝く。あまりにも唐突な出来事に流石のこんぶも目を白黒させる。

 

「Woooooooo!! なんだぁ、この光は!?」

 

 彼の目の前に置かれたパソコンから突き刺すような光が漏れている。その輝きと同調するように放電現象(スパーク)が起こる。白と黒が相まって幻想的で攻撃的な光景を創り出す。

 

「うわああああ!」

 

 一層激しい瞬きと共にこんぶは椅子ごと背から倒れこむ。こんぶが座っていた場所を突っ切るように、パソコンの画面から一直線に何かが飛び出した。

 

「くそったれぁぁあああ、モニターがお釈迦様じゃないのよ!! 野郎どこのメリケン野郎だ、出てきやがれ!」

 

 

「じゃじゃーん、呼ばれて飛び出てバビロニア! クズな人類の願いを叶えるために、妄想二百景より遥々参上! 神をも恐れぬ三千世界の超越者『めるせるたちゃん』でーす!」

 

 

 

 たかが一人寂しい男の願いなど神でなくとも聞き入れることは出来る。古来この世界には神に敵対しその神性を奪われた者たちが居る。

 

 天と勢力を二分する畏れと信仰を集う者。人はそれを『悪魔』と呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ―― 最終話 巨人と悪魔のラグナロック ~ 『哀・戦士』編 ~ ――

 

 

 こんぶの部屋に甲高い声が響く。しかし確かに口より発せられたであろうそれはどういう訳かこんぶ自身の脳へと直接響いてくる。

 こんぶは脳にヒビが入る錯覚を覚え溜まらず外耳を押さえるも、不躾なサイコミュ・ジャックはこんぶのN(ニート)タイプ能力を無効化する。桃髪の小人は宙に浮いたままこんぶへと話を続ける。

 

『なんですかなんですかー? 耳を押さえたって無駄無駄ァ! 私の声はあなたの脳へと直接干渉しているのですよ。私を妄想の産物、もしくは幻か何かと思っているようですがそうではありません! 今こうして話していることからわかるでしょうが、私という存在は……』

 

「うるせぇええ!」

 

 こんぶは時速120kmの弾丸鉄拳を撃ち放つ。チーター張りの速さの拳で殴りつけられた小人は「ぇくぼぉ!」と叫びつつパソコンの画面へ叩きつけられた。潰れたトマトのように液晶へと張り付くナマモノを見て、こんぶは未だモニターが健在である事を知る。

 しかし彼の怒りは収まらない。

 

「てめぇ、いきなりマソソンちゃんの前に飛び出して来るとは何て不届きなヤローだ! マソソンちゃんの美しさをドブネズミよろしい汚辱に塗れた図体で汚すんじゃねぇ!」

 

『ごふっ。ね、熱烈な歓迎をありがとう。あと私は野郎じゃないんだけど』

 

 極小サイズの人体は既に視覚修正を求められるほど無残な形状をしているが、声が聞こえると言うことは辛うじて生きているのだろう。今まで五十匹のネコを殴り殺してきたこんぶも「ほぉ」と感嘆の意を示した。

 ()()()()()()()をモニターから引き剥がし、今度は床に叩きつけて思い切り踏み潰した。ぶちゅりと言う生々しい音と共に「ひぎぃっ」と断末魔の叫びが上がるが、生憎こんぶの耳には届かなかったらしい。

 

『さ、流石に出会って10秒で殺されたのは初めてだわ……』

 

 弱りきった声が再びこんぶの脳へと振動する。先ほどのようなカキ氷をかっ喰らったような痛みは無いが、他人の声が内側から発せられる感覚には不快感を拭えない。

 

「しぶてぇな、まだ生きてやがるのか!」

 

『ちち、ちょっと待った! 敵意は無いからやめて! まずは落ち着いて話し合おう!?』

 

「ならさっさとその()()()な声を止めろ!」

 

『耳障り……ああ、なるほど』

 

 得心したのかこんぶの単語を復唱し言葉を噤む。脳内雑音(ノイズ)から解放された事に気付いたこんぶは急いで六畳間を見渡す。確かに殴り、叩きつけ、踏み潰したはずの元・小人が以前と変わりない様子でパソコンのモニター前に姿を現していた。

 

「先ほどは大変失礼しました。あの、お願いですから、まずは握り締めたその右手をお収めください」

 

 こんぶは反射的に飛び掛って殴ろうとしていたが、その言葉を聞き入れ何とか衝動を収める。それを確認した小人は胸を撫で下ろしつつ深くため息を吐いた。

 

「えっと、まずは改めて自己紹介をさせて欲しいのですが、少々お時間をいただけますか」

 

「好きにしろ」

 

「それではお言葉に甘え……私はあなたの願いを聞き取り、それを叶えるためにこことは異なる世界よりやってきました。名前を『めるせるた』と申します」

 

 先ほどのこんぶの狂気によほど参ったのか、当初と打って変わり『めるせるた』の自己紹介はとても丁寧である。めるせるたは先ほどの行為の発端が自身の砕けた自己紹介のせいだと考えているが、こんぶが殺戮劇を演じたのはあくまで脳内レイプのせいに過ぎない。

 勿論、出会って10秒で殺された小人めるせるたがそんな事を悟れるはずも無い。

 

「俺の願いを叶える……? わけわかんねー事ほざきやがって、お前頭パーンしてんじゃねぇのか」

 

「それ先ほど貴方が私にしたことですよね!? 残念ですが復活した私はいたって正常です。あっ! ちなみにですね、先ほど殺されてしまった私ですが実は何度でも復活する事ができ――」

 

 『めるせるた』が嬉々として口を開こうとすると、プロレスラーをも驚嘆させたこんぶの平手打ちが飛ぶ。窓ガラスに貼り付けられたカエルのような『めるせるた』に対し、こんぶが向ける眼はさながらヘビのそれである。

 

「余計な話はいいから、用件を言え用件を」

 

「う、うす……」

 

 重力に沿ってガラスを滑り『めるせるた』がズリ落ちる。小鹿のように震える足腰を何とか起き上がらせるも、吐血するほどの威力にヒットポイントは尽きる寸前だ。

 

「がはっ。で、では遅ればせながら説明させて頂きたき候。私()()は本来この人間界とは別の世界に存在しています。しかし今回どうしても人間界に訪れなければいけない事情ができたのですっ、がふ」

 

「お、おいおい。いきなり別の世界がどうとか切り出されても訳わからないぞ。ファンタジーじゃあるまいし、そんな物信じられるか。証拠見せろよ、証拠!」

 

 お前の目の前で証拠が血ぃ吐いて苦しんでるだろうが。

 『めるせるた』は苦しさによりツッコむ気力すらない。第一、ツッコんだ所で殺されるのがオチだ。

 

「わ、私たちは人間の望みを叶える事により対価としてのエネルギーを得ることができます。そのエネルギーを糧に、私たちはひっそりと自分たちの世界で暮らしているのです。ですが人間に私たちの存在が知れることは好ましく無く、掟として度の過ぎた干渉は固く禁じられています」

 

 先ほどの自己紹介を思い出しどこが「ひっそり」なのかと首を捻るこんぶだったが、口に出すなど野暮な事はしない。ただ単に興味が無いだけにも捉えられるが。

 

「しかしこの度、私たちの世界の者が人間界にて傍若無人に振舞っている『不届き者』が居ると分かったのです。掟に背き、そんな楽し……節度の無い行動を取っている者を、同じ世界の住人として羨ま……見過ごす訳にはいきません!」

 

 『めるせるた』が空を仰ぎ握る拳に力を込める。しかしこんぶの眼に映る彼女顔は、新しい玩具を与えられた子供のようであった。

 

「ほーん。それで、俺の所にやってきたワケは?」

 

 鼻をほじりつまらなそうに問いかけるこんぶだが、彼としては他人の事情など心底どうでも良い。ニートは常に今を生きている。時代の最先端に追いつき追い越され、外世界の情報を犠牲にしてでも貫くべき信念と志を持っている。

 「常日頃から遥かなる至高を求めるニートは(両親の財産と寿命的な意味で)常人以上に時間に追われている。ニートとは孤高の戦士、伊達で自宅警備員を()っているワケではないのだ。」

 

「いや、何ナレーション風に言ってるんですか。全然格好良く無いし、それって思い切りクズの思考ですよね」

 

「うるさい。僕はマソソンちゃんに身も心も捧げるって決めたんだ。お前みたいなちんちくりんに構っている暇は無い、他を当たってくれ」

 

 こんぶは倒れたチェアを立て動画視聴に戻ろうとする。『めるせるた』はにやりと不適な笑みを浮かべると、自分へと背を向ける青年に対し魅力的な提案をした。

 

 

『アナタのその想い。叶えて差し上げましょうか?』

 

 

 ねっとりと脳に絡みつくような美声がこんぶブレインへと電気信号を伝える。マソソンキグ()イのこんぶと言えど、突然人が変わったような妖艶な囁きに意識せざるを得なかった。

 振り向けば其処にいるのは、相も変らぬちんちくりん。しかしこの空間でこんぶへと声を掛けるものなど、正面で浮いている『めるせるた』の他にはいないだろう。

 

「言ったはずですよ、『私たちは人間の望みを叶える事により対価としてのエネルギーを得ることができる』と。私の役目を果たすにはエネルギーが足りません。私があなたの前に現れたのは、あなたの願いを叶え『不届き者』を送り返すほどのエネルギーを集めるためです」

 

 







どなたでも良いので頭のおかしい小説を教えてください。
私のようなインテリでは書くことができません。
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