ハイスクールD×D 和平ってなんですか?   作:SINSOU

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実際は2話で構成しようと考えましたが、一緒にしちゃいました。
もしかすると、2話として分けるかもしれません。


歪んだ〇〇

「・・リィ!?な・・ん・・・ろに・・。どう・・!?だい・・・か!?」

「いやぁ!?アー・・お・・さま!しっか・・・くだ・・!」

 

声が聞こえる。

誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。

あれ、私はどうしたんでしたっけ?

 

「しt・・し・!・い!お・ろ!」

「おね・・・・・ら・を・・てく・・・!」

 

ああ、そうでした。私、商店街に行ったのでしたね。

それから学び舎に行こうと足を運んで・・・それから迷子になって・・・。

全く、自分の迷子癖にも困ったものです。

 

それで公園に出ってしまったのでしたね。

 

それから・・・それ・・・から・・・何かいて・・・黒・・・黒・・・そして赤・・・!?

 

「くまぁぁぁぁぁぁ!!」

「きゃっ!?」

「どうした!?」

 

そうだ、私は公園で悪魔に出会い、そして首を縊って殺した。

ですがまだ他にもいるはずです。早く悪魔を探さなければ、民間人にひが・・・!?

アーリィは、すぐさま動こうとするが、身体に走る痛みに呻いた。

 

「・・・が・・・・!」

「動いちゃだめです!傷を癒したばかりなんですから!」

 

無理に動かそうとし、身体の激痛に呻くアーリィを誰かが抑えた。

ふとアーリィが目を動かすと、それは昨日別れたアーシアだった。

 

「アーシ・・・ア?」

「はい!アーシアですよ」

 

アーリィはどうしてアーシアが目の前にいるのか理解できなかった。

昨日別れたアーシアがここにいるわけがなく、何より自分は公園にいたのだ。

そんなところにアーシアが来る可能性はほとんどないと言ってもいい。

 

「どう・・・して・・・?」

「結界に何かしら反応がありまして、

 それを追っていたら、傷だらけのお姉さまが倒れていて・・・。

 私、お姉さまが死んでしまうんじゃないかと心配で、必死に直そうとして・・・」

 

アーシアは相当に不安だったのだろう。

 

「ありがとう、アーシア。心配かけてごめんね」

 

泣きじゃくるアーシアを、アーリィはそっと抱きしめ頭を撫でた。

 

「本当だ。私だって取り乱したんだぞ」

 

アーシアとは異なる声を聞き、

アーリィがアーシアの頭を撫でながら顔を動かすと、

そこには教会の戦友、ゼノヴィアがいた。

彼女の方も、若干涙ぐんでおり、アーシアと同じように心配してくれたのだろう。

 

「ゼノヴィアさんもごめんなさいね。私、2人に心配させてしまいまして」

「まったくだ、あんなものを見るのは二度と御免だ」

 

少し怒った顔のゼノヴィアに、アーリィはその優しさに顔を綻ばせる。

 

そしてアーリィは、自分が悪魔と戦っていた公園ではないことに気付いた。

 

まず見えるのは天井だ。この時点で自分は屋内にいると察する。

そして次に見えるのはベッドだ。

ホテルのようにふかふかし、寝心地は良いのだろうが、

今はそんなことを気にすることではない。

そして、部屋に置かれている家具や備品といった物が目に入ってくる。

女の子らしい可愛い備品と、質素を体現したような備品。

ある意味、対称的な様相の部屋だ。

 

「ここは一体・・・?」

「ここは私やゼノヴィアさん、他の方々がお世話になっている一誠さんのおうちです。

 そして、今いるのが、私とゼノヴィアさんのお部屋になります

 お姉さまが心配で、ここまで連れてきちゃったんですけど・・・」

「ありがとう。アーシアが気にすることではありませんよ」

 

自分の言葉に、ぱぁーっと笑顔になるアーシアに、

アーリィはアーシアにいぬ耳と尻尾が生えた幻覚を見た。

ちょっとかわいすぎです。

そんな2人の和やか空間に1人除け者状態が嫌になったのか、

ゼノヴィアが2度咳をしてから、アーリィに尋ねた。

 

「ところで、どうしてアーリィはあそこで倒れていたんだ?

 しかもあんな手傷を負うなんて」

「そうですね、まずはお話しませんと・・・」

 

アーリィは2人に、商店街の散歩から、悪魔との討伐に関して包み隠さず話した。

若干、商店街の時に顔を引き攣らせていたのはなぜでしょうか?

 

「偶然に悪魔と接触して、民間人を守る為に討伐するも、手傷を負ったというわけか。

 アーリィ、人を守るのは結構だが、だからといって君が無茶をするのはダメだ。

 幸いにも私たちが来たから良かったものの、少しでも遅れていたら・・・」

 

「そうです!お姉さまは自分を大事にしてください!

 私、傷だらけのお姉さまを見て、本当に取り乱して・・・」

 

「はい、解りました。解りましたからゼノヴィアさんは睨まないでください!

 アーシアは涙目にならないで!私、本当に反省していますから!」

 

アーリィの反省する態度に満足したのか、2人はにっこりと笑う。

 

 

「しかし、いったいなぜ悪魔が侵入してきたんだ。

 ここは部長の管理地区だというのに・・・。

 それに、昨今における人間界での悪魔の出現率の多さといい、

 どうしてこうもおかしくなってきているんだ」

「それは教会が悪魔を討伐できなくなったからですよ」

 

ゼノヴィアの呟きが耳に入り、アーリィはそれに答えた。

その言葉に2人は驚愕する。

当たり前だ、魔物を討伐する教会が、悪魔を討伐出来ないとはどういうことなのか。

 

「天使から司教様にお告げがあったのです。

 我ら天使は、悪魔・堕天使との永きに渡る負の連鎖を断ち切る為、2陣営と同盟を結ぶ。

 今から、彼らは我らの良き隣人となった・・・と。

 結果、今まで討伐してきた悪魔と堕天使に対し、教会は討伐することが出来なくなりました。

 なにせ、天使からのお告げですから、無下になんてできませんわ

 教会という抑止力が無くなったことで、 

 今では悪魔が大手を振って人間界に進出、人間への被害が増加に繋がったわけです」

 

アーリィの言葉に、2人は再度驚く。

和平会談の場にいた2人を含むリアスたちは、同盟に対して素直に喜んでいたのだ。

それがまさか、そんなことになるなんて・・・。

だがアーリィの言葉に、ゼノヴィアは違和感を抱いた。

ならなぜ、目の前のアーリィは先ほど重傷を負ったのか。

 

「いや待ってくれ。ならアーリィはどうなんだ?

 君は悪魔を討伐したんだぞ。それが本当なら、君はどうして・・・」

 

ゼノヴィアの疑問はもっともだ。

教会の戦士ならば、なぜアーリィはその掟に逆らっているというのだ。

ゼノヴィアの問いに、アーリィはわらって答えた。

 

「掟を守っても、目の前の人を助けられないなんておかしいじゃないですか。

 掟を守っても、人間への被害がなくなるなんてこともありません。

 掟を守っても、神様が助けてくれるわけでもありませんので。

 

 それに私、教会の戦士として悪魔を殺している訳ではありませんよ。

 

 私の意思で、悪魔を殺しているのですから」

 

アーリィの言葉に、2人は言葉を失った。

その時のアーリィの眼は、酷く濁りきって輝やいて見えたからだ。

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、

アーリィ達が会話をしている部屋から少し離れたリビングルームにて、

駒王町の管理者であるリアスと、彼女の眷属たちが集まっていた。

 

集まった理由としては、

数時間前にゼノヴィアにおぶされて、アーシアに支えられて運ばれたアーリィことである。

結界に何かしら反応があり、

偶々自由時間であったアーシアとゼノヴィアに調査を行かせたのだ。

そして、アーリィを背負って帰ってきたというわけである。

 

彼女は、体中が傷だらけであり、衣服は所々裂けていた。

また、出血したのが原因か、顔色が真っ青だった。

半ばパニックを起こしている2人を宥めつつ、

アーリィをアーシア達の部屋で休ませることを提案。

家の主の息子である一誠に許可を取り、

アーシアとゼノヴィアがつきっきりで彼女の看病をするに至るというわけだ。

 

リアスは、アーリィがボロボロになった理由を確認しようと、

彼女の後をつけさせた監視悪魔を呼び戻し、今日の彼女の行動を観察。

監視悪魔に映っていた映像を見て、リアスはアーリィの危険性を知る。

こうして、アーシアとゼノヴィアに監視役(本人たちには言っていない)をさせ、

他の眷属メンバーでアーリィの危険性について話し合っているというわけだ。

アーシアとゼノヴィアを除いた他のメンバーは、

先ほど集められた際に、監視映像を見せられていた。

 

「それで皆、さっきの映像から、彼女について思うところがあれば言ってほしいの」

 

ソファにもたれかけながら、リアスは自分の可愛い下僕たちの発言を促す。

そうした中、一番手となったのは、頼れる『ナイト』木場裕斗だった。

 

「僕からすると、彼女は僕と同じ、技術方面が強みに思えます。

 肉体面で悪魔に劣っているようで、それを手数で補っている印象です。

 ですが、やはり人間ですので、

 僕のスピードについてこられる可能性は低いと思います。

 それに、彼女の用いていた剣に関しては、確かに威力はありますが、

 魔剣創造のようなものではないと思います。

 それに、聖魔剣に太刀打ちできるものではなさそうです」

 

裕斗の言葉に、リアスは満足げに頷く。

アーリィは手数を用いるものの、裕斗の及ばないということだ。

次に、手を挙げたのは肉体面において最高の攻撃力と耐久力を誇る『戦車』搭城小猫だ。

 

「裕斗先輩の言うように、アーリィさんは肉体はただの人間です。

 ですので、持久戦に持ち込んでしまえば、元々の肉体の差で勝てます。

 もちろん、短期戦を行うにしても、全力でねじ伏せることも可能だと思います」

 

つまり、肉体面に関しては小猫に劣るというわけだ。

ガタガタとダンボールから手を挙げたのはギャスパーだ。

というか、段ボールから手だけが見えるのは、いささかホラーである。

 

「み、見たところ、ぼ、僕の邪眼で、と、止められると、お、思います」

 

ギャスパーの邪眼、『停止世界の邪眼』は、文字通り対象の時間を止めてしまうものだ。

和平会談の際に、禍の団の戦略によってギャスパーを利用され、

自分自身がその効力を味わったリアスからすれば、通じるだけでその脅威は下がる。

 

次はリアスの友人にして、恋のライバル『女王』姫島朱乃だ。

彼女は、先ほどの映像を見た後、酷くがっかりしていたように見えていたが・・・。

 

「力不足も良いところですわ。

 あんな悪魔に苦戦しているようですから、本人の能力も相当低いと思います。

 まぁ、あんなに傷だらけになっても、倒れることなく、

 必死に足掻こうとする姿に関しては、私個人としてはとても興味を抱きました。

 酷く無様で、滑稽に見えましたし。

 どうやったらあの顔を酷く歪ませられるか、楽しくなりますわね」

 

相変わらずの朱乃の言葉に、リアスは苦笑を禁じ得なかった。

他の眷属も苦笑いや、目が点になっているのだが。

 

そして、最後は自分の愛しい下僕にして、自分を救ってくれた大事な人。

現代の赤龍帝にして、最高の『ポーン』兵藤一誠だ。

 

「俺は、他の皆みたいに観察できてるわけじゃないですけど、

 でも、ライザーやコカビエルに勝った俺たちが、

 悪魔を平気で殺す奴に負けるはずがないと思います

 あの修道女がどれだけ強くても、俺たちみんなが力を合わせれば、

 どんな奴だろうと負けるわけありません!

 それに、俺が皆を守ります!命に代えてでも!」

 

一誠の言葉は、他の眷属たちの心に響いた。

ああ、やっぱり一誠は自分たちを元気づけてくれる。

どんなに苦しくても、一誠がいれば大丈夫と思えてくる。

私を救いに一人でライザーに立ち向かい、

自分の復讐に親身になり、

汚らわしい堕天使の血を持つ私を受け入れ、

恐ろしい力を制御するために一緒に特訓してくれて、

変態だけど、私たちを守ってくれる。

そんな一誠が、リアスたちにとっては何より大きな存在だった。

 

リビングにいる眷属たちの言葉を聴き、リアスは結論付けた。

アーリィは、悪魔を殺す危険な思想を持っているが、実力的には自分たちに劣る存在である。

つまり、彼女がなにかしても、自分たちだけで対処が可能な存在というわけだ。

そう結論付けたリアスは、

他の眷属たちにもアーリィの監視と彼女が何かした際に対処について話し合い、

その場を解散した。

 




DODやニーア等、音楽聴きながら書くと、集中できて進む感じがする。
やはり音楽の力は偉大だと思う。
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