~~~控え室~~~
美琴は、フェイス・レスに言われた通りに控え室まで来ていた。
龍亞「あっ、美琴さん。美琴さんも、ここに来てたんですね?」
ルイズ「あのヘンテコマスクは、一緒じゃ無いのね。と言うか、貴方達が一緒にいる所って、見た事無いよ。」
美琴「あの人は今、取り込み中なの。それよりルイズちゃん、少しの間だけ龍亞くんを借りても良いかしら?」
美琴がそう聞くと、ルイズは腕を組み少しだけ考えた。
ルイズ「まぁ、貴方なら大丈夫だね。良いよ、その代わりこれから試合だから、あんまり長くならないでよね?」
そう言ってルイズは、控え室から出ていった。
残された龍亞は、少しだけ居心地が悪いのか周りをキョロキョロ見渡し始めた。
それに気づいた美琴は、クスクスと微笑んだ。
美琴「そんなに緊張しなくても良いのよ。別に試合に出れなくする訳じゃないわ。」
美琴がそう言うと、龍亞は恥ずかしそうに頭をかいた。
美琴「単刀直入に言うわ。私としては、貴方にはこれ以上デュエルはしてほしく無いの。」
美琴の言葉に、龍亞はムッとした。
龍亞にとってデュエルは、ルイズ達と知り合えたきっかけであり、自分と仲間達を繋ぐ物だからである。
美琴「ごめんなさい。少し言葉が足りなかったわね。私が止めて欲しいのは、貴方がこれまでしてきた、危ないデュエルの事よ。」
美琴「貴方はこれまで、この世界を護るためにデュエルをしてきたわ。
でも、今の私にとって貴方は私とあの人の大切な子供の様な存在なの。
だからこれ以上、そんな命がけのデュエルを止めて欲しいのよ。」
美琴の悲しそうな顔を見て、龍亞は申し訳ない気持ちになっていた。
自分をここまで心配してくれる大人は、鬼柳達以外にはいなかった。
そして美琴から感じるものは、鬼柳達の様な仲間や部下としての優しさではなく、今まで感じた事のない。だが、胸が満たされる優しさだった。
龍亞(この感覚…、フェイス・レスさんが言いたかったのって、この事だったんだ。
俺が望んでいたもの…、俺が欲しかったのが何だかわかったよ。)
龍亞「美琴さんの言いたい事はわかります。でも、それでも俺は今までの生き方に後悔はしていない。
俺に課せられた運命に、俺自身の力で打ち克って生きたいんだ!」
龍亞の真っ直ぐな熱い眼差しを見て、美琴はため息を吐いた。
美琴「そういう所、あの人に本当にそっくりね。わかってる…貴方がそう答えるのはわかってたわ。
なら仕方無いわね。でも覚えてて?私だって、貴方の事を想ってるのよ。」
そう言って美琴は、ルイズを呼ぶために控え室から出ていった。
龍亞「ありがとうございます美琴さん。ありがとう…。」
龍亞は、心に浮かんだ言葉を言おうか迷っていた。
これを言ってしまえば、自分は本気にしてしまう。
本気で美琴を望んでしまうと、確信していたからだ。
だが、それでも龍亞は我慢が出来なかった。
龍亞「ありがとうございます…お母さん。」
自分が望んでた事を、龍亞はしっかりと理解しましたね。
やっぱり、両親があんなだったから美琴の様なお母さんが欲しかったんでしょうね。
美琴なら、立派なお母さんになりそうですよね?