ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
Prologue 異世界での覚醒
世界は、ブロックで出来ていた
さあ、アレフガルドを作り直す冒険に旅立とう
俺は影山雄也。俺はメタルギアソリッドのファンだが、それ以外のゲームもたくさんプレイしている。
今日は、ドラゴンクエストビルダーズと言うマイクラなどのサンドボックスゲームの要素を融合した、新しいタイプのドラクエを買ってきた。
俺はこのゲームの体験版をして面白そうだったので製品版をすることにする。
だが、早くプレイしたくてダッシュで家に帰り、自室に戻ると、急に激しいめまいがした。
「なんだ、急に目の前が···!」
俺は立っていることも出来ず、その場に倒れふした。
どのくらい時間が経ったか分からないが、俺は無事に意識を取り戻した。いや、無事では無かった。
「ど、どこだよここー!!!」
俺は暗い洞窟の中で目覚めた。俺は自宅で倒れたはずなのに。
「まさか、誘拐された!?」
急に謎の場所に来てしまった俺はパニックに陥ってしまう。
だが、こんな場所では騒ぐとかえって危険だ。俺はなんとか自分を落ち着かせる。
「落ち着け俺!冷静になるんだ!」
そう自分に言い聞かせ、とりあえず周りを見渡す。松明が沢山掛けられていて、壊れた階段や大きな切り株がある。
俺は、なんとなくこの洞窟に見覚えがあった。
「この洞窟は見覚えがあるな、なんだっけな?」
よく考えると、ドラクエビルダーズの開始地点の洞窟に似ている。いや、どう考えても、その洞窟だ。
「何で俺がドラクエビルダーズの世界にいるんだよ!」
夢じゃないかと思い、自分の顔を叩いてみる。しかし、なにも起こらない。
やはり、現実に起きていることのようだ。
「目覚めましたね、雄也。見つけましたよ。あなたのことを」
さらに、突然脳内に謎の声が聞こえた。ドラクエビルダーズの体験版では、こんな風に精霊ルビスから話しかけら、チュートリアルが始まる。
「お前、精霊ルビスか?」
「ええ。ようやく見つけましたよ。あなたのことを。ここはアレフガルド、とある戦士の忌まわしき選択のせいで、荒廃した世界です。」
やっぱりそうか。俺は本当に異世界に来たようだ。
「何で俺を異世界に転送させたんだ?俺はただのメタルギアファンの高校生だぞ」
「荒廃したこの世界を復活させるため、あなたの力が必要なのです」
人間なんていくらでもいるのに、なぜ俺は選んだんだ?
「俺より有能な人間なんて、いくらでもいるだろ」
「あなたのメタルギアソリッドや、他のアクションゲームをプレイしているのを見て、この人なら沢山の物を作り、魔物と戦うための力や知識があると思ったのです」
確かに俺はメタルギアオンラインで最高ランクを取ったりしたことはあるが、それはあくまでゲームの話。現実でできる訳ではない。
「これは現実だろ?俺はリアルでもそれなりに運動は出来るけど、大したことでもないぞ。強いのはゲームの世界だけだ。後、俺は物を作る技術なんてないぞ」
「ここは地球ではないのです。技術が無くても、知識さえあればビルダーの魔法の力を使い、物をいくらでも作るこが出来るでしょう。」
「でも俺、魔物とは戦えないぞ」
「そこであなたのメタルギアソリッドの知識が生かされるのです。メタルギアソリッドはステルスアクション。それをしていたあなたなら、敵に見つからずに進むことも出来るはずです。」
それでメタルギアファンの俺を選んだのか。まあ、見つかってもスライムくらいなら倒せそうだな。どう考えても危険なので、断りたいがルビスは絶対に俺をビルダーにする気だ。
「魔法とメタルギアの知識か、それでもかなりキツそうだな」
「大丈夫です。ともに復興を行う仲間もいるはずです。あなたも彼らと協力すれば、必ずアレフガルドの復興を成し遂げられるでしょう」
「断っても、聞いてはくれないんだろ?」
「当然です。ビルダーにふさわしいのはあなたしかいないのです。」
やっぱりな。俺しかいないと言うのは言い過ぎだと思うが、断れないのなら、仕方ないな。本当にひどい精霊だな。
「分かった分かった。なるべく頑張ってみるよ。」
「よろしい、では、早速ビルダーの魔法の力を教えますね」
俺が仕方なく承諾すると、ルビスは説明を始めた。魔法の力か···。どんな感じなんだろう。
「まずは、このあなぐらに落ちている白い花びらを3つ集めて下さい。」
確か、白い花びら3つで傷薬を作れるんだよな。どういう原理かは分からないが、それが魔法の力だろう。
俺は、辺りを見渡して、白い花びらを探した。
白い花びらは洞窟の一角に、3つまとめて置いてあった。
歩いて取りに行こうとすると、途中で高さ1メートルの壁があった。ドラクエビルダーズの世界はブロックで出来ているからだろう。一メートルの壁は余裕で登れるので、白い花びらのところにたどり着くことが出来た。
「これが白い花びらか、本当にこれからどうやってクリーム状の傷薬を作るんだ?」
魔法の力らしいが、いまいち分からない。
「白い花びらをてに入れられましたね。それをそこにある切り株に乗せ、ビルダーの魔法を使うのです」
その場でも使えるんじゃないかと思ったが、作業台が無いと魔法が発動しないようだ。
俺は白い花びらをすぐ近くにあった切り株に乗せた。
「雄也、白い花びらが傷薬になるよう、強い念をかけるのです」
俺は白い花びらを見て傷薬になれと願った。すると、白い花びらはみるみる形を変えていき、3秒くらいで傷薬が出来上がった。
スゴいな、これがビルダーの魔法か。
「傷薬が出来たようですね。このようにして、素材を集め、作りたいものの事を考えて、強く念じれば素材を変化させる、それがビルダーの魔法です。」
これなら、楽に物を作れそうだ。魔法の力は本当に便利だ。
「分かった。こんな風に物を作り、アレフガルドを復興させればいいんだな」
「その通りです。では次にこのあなぐらから脱出しましょう。」
そういえば、驚く事が多くて、自分が洞窟にいる事を忘れていた。いつまでも洞窟にいるのは嫌なので、そろそろ外に出てアレフガルドの大地を見たい。
この洞窟の出口に繋がる階段は、所々壊れており、ブロックを置いて修復しなければいけない。
「ブロックを集めて、足場を作らないとな」
「はい、ブロックを壊しやすいよう、まずはひのきのぼうを作りましょう。」
ひのきのぼうの原料は太い枝のはずだが、その太い枝はここにない。
しばらくしていると、うえから太い枝が落ちてきた。もちろん俺にぶつからないようにだが、もしぶつかったら危なかった。
「危ねえなあ。とりあえず、こいつに魔法をかけるか」
俺は太い枝に魔法をかけ、ひのきのぼうに変化させた。武器としては弱めだが、土を壊すには十分だろう。と言うか、どう見ても太い枝はひのきではないのに、何故ひのきのぼうになるのか。本当にこの世界はワケわからん。
「ひのきのぼうが出来たようですね。では、さっそくそれを装備してみましょう」
装備と言っても、単に手に持つだけでいいんだけどな。ゲームではいちいちメニューから装備欄を開かないといけないけど。現実のほうがめんどうなことは多いが、ゲームのほうがめんどうなことも存在する。
俺はひのきのぼうを持ち、次の指示を待った。
「ひのきのぼうを装備できたようですね。それを使って土のブロックを壊し、持ち運び可能な状態にするのです。そして、その土のブロックで足場を作り、このあなぐらから出るのです。」
持ち運び可能な状態、ゲームで言う、アイテム化した状態ってことだな。
それにしても、ようやくこの洞窟から出られるのか。暗い場所はもう嫌だ。俺は足元にあった土のブロックをひのきのぼうで攻撃した。4回ほど攻撃を加えると、他のブロックとくっついたブロックが離れ、そこに転がった。
ゲームとは違い、それに触っても勝手にポーチの中にしまわれること無かった。俺はポーチを持ってないし、例え持っていたとしても、1立方メートルの大きさのブロックがポーチの中に入る訳がないので当然だが。
「ん、こんなデカイブロック、どうやって運ぶんだ?」
試しに持ち上げようとすると、余裕で持てるほど軽かったが、やはり大きさのせいで持ちにくい。
「おお、そう言えばこれをわたすのを忘れていましたね」
俺がブロックの持ち運びに困っていると、また何かが落ちてきた。腰につける形のポーチのようだ。
「あのー、これはありがたいんだが、こんな小さいポーチに土ブロックなんて入るわけないぞ」
「大丈夫です。それは魔法のポーチなので、それをつけてアイテムを触ると、自動的にこの中に回収されます」
これも魔法かよ···。魔法のない世界に生まれた俺にとっては理解できない。俺は半信半疑でポーチを腰につけ、さっき壊した土のブロックに触った。
すると、急にブロックが小さくなり、吸い込まれるようにポーチに入っていった。
「出したいときは、出したいもののことを考え、ポーチに手を入れるのです。もういくつかブロックを手に入れ、壊れた階段の所へ行ってみましょう。」
ゲームでは確か十個集めるんだったな。でも、このあともっと必要になるだろうし、100個位は集めておくか。自分のいる場所の土ブロックを全部壊すと、大体100になった。
「これを階段に持っていけばいいんだな」
壊れた階段は、一つ土のブロックを置けば上れるようになるな。俺はポーチに手を入れ、土のブロックが出るよう念じた。今は、土のブロックしか入っていないので、念じる必要は無かったかも知れないが。
ブロックを取り出すと、元の1立方メートルの大きさに戻った。それを壊れた階段の所に置き、足場を作った。
「足場が出来たようですね。この足場や階段を使い、出口に向かって下さい。」
俺は1メートルの段差を登って上がり、そこからは階段を使って上へと上がっていった。10メートルほど登ったところで、もう一ヶ所階段が壊れている場所があったので同じように壊し、さらに登って行く。
そして、ようやく外の世界に出る扉を見つけた。
「ここか外に出られるんだな。早く外の世界の空気を吸いたいぜ」
俺は扉を開け、アレフガルドの大地へ踏み出した。そこは人気のない寂しい場所だったが、空気はとてもキレイだった。日本と違い、排気ガスや工場の煙などがないからだろう。
「雄也、うまくあなぐらから出られたようですね。では、あらためてあなたに与えられた責務を言います。それは、あなたの持つ物作りの力で、アレフガルドを復活させることです」
さっきも聞いたんだが。大事なことだから二回言うってことか。
「空気はキレイなんだけど、空が暗いな。ここは、メルキドか?」
ゲームでは物語はメルキドで始まる。俺がいまいる場所も、そんな感じの場所だ。確かドラクエ1では大きな都市があったんだよな。今は裏切り勇者や竜王のせいで完全に壊滅しているけど。
「はい。ここはメルキド。昔はここに大きな城塞都市がありましたが。今は破壊しつくされ、見る影もありません。」
「まずはここを復活させろとってことだな」
「はい。そのためにあなたには、魔物と戦った者たちが最後まで掲げていた旗を渡しましょう」
今度は俺の前に黄色い旗が落ちてきた。ゲームで言う、希望のはたってやつだな。
「確か、これをメルキドの跡地に刺すと、光が溢れてあんたの加護をうけられるんだよな」
「そのとおりです。まずは、メルキドに旗を建てましょう」
俺は希望の旗を持ち、メルキドの跡地に向かった。途中、崖があったので、1ブロックずつ、慎重に降りて行く。崖を降りた所は草原が広がっていて、スライムが何体か生息していた。今は戦う必要がないので、刺激しないよう歩いていった。
メルキドの跡地たどりつくと、家だったと思われる廃墟がいくつもあった。もちろん、人は居ないが。
「ここがメルキドか。誰もいないけど、本当に大丈夫なのか?」
「人々はいろいろな場所に散らばって暮らしています。ですが、希望のはたからあふれる光につられて、やってくる人がいるはずです。」
まずは、希望の旗を刺せってことだな。廃墟の中心にそのための台座のようなものがあったので、そこに向かう。
「いよいよ、アレフガルド復興が始まるんだな」
俺は台座にたどりつくと、抜けないようにしっかり希望の旗を刺した。すると、そこから光があふれ、メルキドの跡地を照らした。それに、少し気温が上がった気がした。
「希望の旗を掲げられたようですね。ここに集まって来た人々と共に、新たなるメルキドの町を作り上げるのです。」
「ああ、もちろんだぜ!」
さっきは危険だから止めようと言っていた俺だが、今はわくわくしていた。自分の力で世界を復興させていく、大変だろうけどとても楽しくもあるだろう。