ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
雄也が闇の戦士を撃退し、虹のしずくの原料を手に入れようとしているその頃···
魔物の王 竜王の間
ラダトームは竜王の城に近いので、雄也が闇の戦士を撃退し、虹のしずくの原料である魔力の結晶を手に入れようとしていることを知った魔物は、すぐに王である竜王に報告に来ていた。
報告に来た魔物は、このままでは竜王や魔物たちが危ないと焦っている。
「竜王様、大変でございます。ビルダーが闇に堕ちた者を撃退して、魔力の結晶を手に入れようとしています!」
「何だと!?元勇者であるはずのあいつも、ビルダーごときにやられたと言うのか?」
虹のしずくの原料を手に入れたと言うことは、アレフガルドの復興が最終段階まで進んだことを意味していた。
それに、これまで何度も力を試してきて雄也のことを危険な存在だと思っていた。
そこで竜王は、今度こそビルダーである雄也を本気で殺すべきだと判断する。
そして、竜王はラダトームの魔物の話を聞いた後、自身の4体の影を呼び出した。
「竜王様、あのビルダーをどうなさるおつもりですか?」
「全ての魔物のためにも、わしの影を送り込んであのビルダーを始末する。このままでは、人間が世界の支配者となってしまうだろう」
竜王がビルダーを始末すると聞いて、ラダトームの魔物は竜王に礼をして去っていく。
「ありがとうございます、竜王様。あの者を生かしておく訳にはいきません」
それと同時に、4体の竜王の影が雄也のいる闇の戦士の城に向かっていった。
魔物たちは竜王の城に近いラダトームなら旅のとびらを封じることが出来るので、必ずビルダーを殺すことが出来ると確信している。
しかし、ビルダーである雄也はそのことに全く気づいていなかった。
俺は逃げ出した闇の戦士に投げつけたおうじゃのけんを拾った後、奴の玉座の隣にあった宝箱を開ける。
中を見てみると、虹色に光っている結晶のようなものが入っていた。
見たことのない物だが、どうやらこれが虹のしずくの原料みたいだな。
俺がそれを取り出して手に持つと、頭の中にルビスの声が聞こえてきた。
「雄也よ、闇に堕ちた者を撃退し、虹のしずくの原料である魔力の結晶を手に入れられましたね」
ムツヘタは言っていなかったけど、これは魔力の結晶という物なのか。確かに名前の通り、結晶からは強い魔力が感じられるな。
俺が魔力の結晶をポーチにしまおうとしていると、ルビスは話を続けた。
「あとは三賢者の持ってきた道具を使って聖なるほこらを再建すれば、世界は闇に覆われる前の状態に戻るでしょう」
闇に覆われる前と言うことは、ドラクエ1の冒険が始まった時のような状態にまで戻ったと言うことか。
ついにルビスが言っていた2つの責務である、ラダトーム城の再建と竜王を倒す準備を両方達成できたみたいだな。
だが、竜王と逃げていった闇の戦士を倒さなければこの世界に平和は戻らないだろう。
「これであなたの責務は全て終わりました。本当によくやりましたね」
「でも、まだ闇の元凶である竜王と闇の戦士が残っているぞ」
せっかくここまでアレフガルドを復興させてきたのに、ここで終わると言うのは、絶対に嫌だな。
ルビスは次の勇者が竜王を倒すというが、それでいいとは思えない。
それに、もし勇者が現れるとしてもどれだけ先のことになるのだろうか?
「竜王はやがて現れるであろう、勇者の伝説の血をひく者が打ち倒すでしょう」
「じゃあ、その勇者はいつになったら現れるんだ?」
俺はそう聞くが、ルビスは自分にも分からないと答えた。
「それは私にも分かりません。何百年後かもしれませんが、その時は必ず訪れます」
勇者が現れるのがそんなに後だったら、今まで復興させてきた町の仲間たちはみんな死んでいるだろう。
次の勇者も人々の期待に耐えられず世界を裏切る可能性もあるし、やはり俺が戦いに行くべきだと思えてくる。
そう伝えようと思ったが、ルビスは俺の言葉をさえぎって続けた。
「兎に角聖なるほこらを再建し、最後に虹のしずくを作り出してください。全ては精霊の導きのままに···」
そして、ルビスは俺の話を聞かずにいつものセリフを言って去っていった。
ここまで魔物と戦ってきた俺なら必ず竜王も倒せるはずなので、ルビスが何を言おうと戦いに行くぜ。
俺がラダトーム城に戻るために闇の戦士の城を出ようとしていると、外からとても恐ろしい気配がし始めた。
何だと思っていると突然城が激しく揺れだし、壁に捕まっていないと立てないほどになっていく。
どうやら、何者かがこの城を攻撃しているみたいだな。
「いきなり揺れるなんて、何が起こってるんだ!?」
俺が壁に捕まって倒れないようにしていると、再びルビスの声が聞こえてきた。
しかし、その声は闇の力に遮られているらしく、とても聞こえにくかった。
「雄也···私の声が聞こえますか?」
「ああ、急に城が揺れ始めたんだけど、何が起こっているんだ?」
俺が聞くと、ルビスはこの地に竜王の影が迫っていると言ってきた。
「竜王の影です···今回はこれまでとは違い、本気の殺意を感じられます」
竜王も俺が虹のしずくの原料を手に入れたことに気づいたみたいだな。
今なら倒せないことはないだろうが、この前のように逃げて旅のとびらに向かえばよさそうだ。
「じゃあ、いつものように旅のとびらまで逃げればいいんだな」
「いいえ···ここは闇の力が強く、竜王の影は旅のとびらを封じることも出来るでしょう」
ラダトームは竜王の呪いの影響が強いから、旅のとびらまで封じることが出来るのか。
そうなったら、戦って奴らを倒さなければ生きて帰ることは出来なさそうだな。
「あなたが生きて帰らなければ虹のしずくを作ることはできません。とても厳しい戦いになると思いますが、勝利を祈っています」
竜王の影を倒すことが出来れば、ルビスも俺が竜王と戦いに行くのを認めてくれるかもしれない。
奴らを倒すため、俺はおうじゃのけんとはがねのつるぎを持って闇の戦士の城の外に出た。
すると、小さな竜王の影が3体、その後ろにいる大きな竜王の影1体が暗黒の杖を降り、俺に襲いかかってくる。
「必ずこいつらを倒して、竜王本体も倒しに行くぜ」
そして、俺も持っている武器を奴らに向けて、竜王の影たちとの決戦が始まった。
最初に、3体の小さな竜王の影のうち、真ん中にいる奴が俺に杖で殴りかかってきた。
俺は攻撃を弾き返して体勢を崩させようとおうじゃのけんで受け止めるが、竜王の影は闇の戦士と同じくらいの攻撃力があり、弾くことはできなかった。
でも、奴らは杖しか持っていないので
左腕に持っているはがねのつるぎを使えば防げないだろう。
そこで、俺は竜王の影の攻撃を受け止めている途中にはがねのつるぎを降り下ろす。
すると、倒すことは出来なかったが竜王の影にダメージを与えることが出来た。
「強い奴らだけど、二刀流で戦えばなんとか勝てそうだな」
竜王の影は攻撃を受けて怯み、その隙に俺はおうじゃのけんで奴を思いきり斬り裂いた。
その後、回転斬りを使って一気に弱らせようと思ったが、まわりの竜王の影が呪文を唱える声がした。
「メラミ!」
竜王の影が放つメラミはだいまどうなどが放つ物より大きいので、すぐにかわさないと直撃してしまう。
俺は目の前にいる奴への攻撃を中断して、ジャンプして後ろに下がった。
そこへ俺と戦っていた竜王の影が杖を素早く降り下ろしてくるが、もう一度ジャンプして避けて、奴にさらなる攻撃を加えた。
他の竜王の影がメラミを使ってくるので連続では攻撃出来ないが、このままなら倒せそうだな。
俺は飛んでくるメラミの火球を避けながら目の前の竜王の影を何度も斬りつけていき、かなり弱らせることが出来た。
「こいつも弱ってきたみたいだし、そろそろとどめをさすか」
こいつを倒しても竜王の影はまだ3体いるが、少しは戦いが楽になるだろう。
だが、奴にとどめをさそうとしていると周りにいた竜王の影が俺に近づいて杖を振り回してきた。
竜王の影もメラミでは俺を倒すことが出来ないと分かったようだな。
「囲まれないように回転斬りを使って、一気にあいつらをなぎはらうか」
囲まれると危険なので、俺は奴らから距離をとって回転斬りを溜めようとする。
竜王の影は結構動きが速いが、すぐに追い付けない距離にまで離れることが出来た。
でも、回転斬りを溜めている俺のところへメラミよりさらに大きな火球が飛んでくる。
「メラゾーマ!」
後ろにいた大きな竜王の影がメラゾーマの呪文を唱えたみたいだな。
メラゾーマの火球は他の竜王の影を巻き込むほどの大きさなので今までは使えなかったけど、俺が奴らと距離をとったので使えるようになったようだ。
さすがにメラゾーマは走ってかわすことが出来ないので、俺は大きく飛んでなんとか直撃を避ける。
かわすことは出来たが、立ち上がる暇もなく小さな竜王の影が迫ってきた。
「メラゾーマは避けられたけど、囲まれてしまったか」
俺はかげのきしと戦ったときのように攻撃を避けながら斬りつけていこうと思ったが、竜王の影は攻撃のスピードが速すぎてその隙がほとんどなかった。
だからと言って距離を取れば大きな竜王の影がメラゾーマを唱えてくるので回転斬りも使えないだろう。
それに、俺は攻撃を避け続けて体が疲れてきて、動きが鈍くなっていた。闇の戦士との戦いの後だということもあって、このままだと攻撃を避けきれなくなるな。
そんな俺の様子を竜王の影は見逃さず、3体同時に杖を降り下ろしてくる。
左右にいた奴らの攻撃は二刀流で受け止めることができたが、真ん中の奴の攻撃は防げず、俺は地面に叩きつけられた。
「くそっ、このままだとやられるな」
このまま倒される訳にはいかないので、俺は次の攻撃が来る前に立ち上がる。
奴らから距離を取った後、大きな竜王の影が唱えるメラゾーマを避けた後すぐに回転斬りを溜めれば倒せそうだが、ジャンプで避けた後体勢を立て直すのには時間がかかってしまう。
なので俺は一か八かでジャンプせずにメラゾーマを避けることにした。
「走ってメラゾーマを避けたら、すぐに回転斬りを溜めればいいな」
俺が小さな竜王の影たちから離れると、予想通り大きな竜王の影はメラゾーマの呪文を唱えてきた。
とても大きな火球だが、俺は走ってかわそうとする。
足の体力も限界なので全力で走ることは出来ず、背中にやけどを負ったが、何とか直撃は避けられた。
背中が激しく痛むが、俺は必死に我慢してこれまでで最大の力を腕に溜める。
そして、小さな竜王の影3体が近づいてきた瞬間、その力を解き放って奴らをなぎはらう。
「これでどうだ、回転斬り!」
おうじゃのけんは強い光を放って奴らを斬り刻んでいき、はがねのつるぎがさらなるダメージを与える。
俺が弱らせていた真ん中の竜王の影は青い光を放って消えて、左右にいた奴らも大ダメージを負って怯んだ。
ここで体勢を立て直されると今度こそやられるので、俺は今のうちに2体にとどめをさす。
「お前らもこれで終わりだ!」
俺は奴らに深く剣を突き刺していき、体の中を思いきりえぐった。
既に弱っていた竜王の影は耐えきることができず、2体とも光になって死んでいった。
これであとは、大きな竜王の影だけになったな。
「さっさとあいつを倒して、虹のしずくを作ってやるぜ」
今度は大きな竜王の影は、メラゾーマを唱えるのではなく俺に向かって突進してきた。
スピードが速く攻撃力もかなり高そうだが、俺は避けきれないと思っておうじゃのけんとはがねのつるぎで防ごうとする。
疲れていた俺は吹き飛ばされそうになったが、腕に残っている最後の力をこめて受け止めた。
竜王の影もさらに力を強めてくるが、俺は攻撃を受け止め続け、一瞬だけ動きが止まった。
「もう体力は限界だし、今のうちに倒してやるぜ!」
俺はその一瞬で竜王の影を真っ二つにしようと両腕に持つ剣を降り下ろす。
それでも奴は倒れず、左手に持つはがねのつるぎをはたき落としてきた。
腕にもの凄い痛みが走ったが、俺は動きを止めずに次の攻撃が来る前におうじゃのけんを竜王の影の心臓に突き刺した。
「これで終わりだ、竜王の影!」
そこでついに竜王の影は力尽き、倒れて消えていった。それと同時に、辺りに満ちていた闇の気配も消えていく。
厳しい戦いだったけど、何とか生き残ることが出来たみたいだな。
「これで竜王の影を倒すことが出来たな。すぐに城に戻って、虹のしずくを作ろう」
戦いの後、俺は足を引きずるように歩きながらラダトーム城へと戻っていった。