ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
俺が希望のはたを立てると、サンデルジュの高台が光に包まれ暖かくなっていく。
アレフガルド全域に光が戻ったとはいえ、やはり希望のはたの光の中のほうが暖かく感じられるな。
希望のはたを立てたことをみんなに伝えに行こうとしていると、またルビスの声が聞こえてきた。
「雄也よ。人が立ち入ることがなかったその地には、今まで見たことのないような素材もあります。それらの素材も使えば、今まで多くの魔物を倒してきたあなたたちなら、必ずサンデルジュに住む魔物を倒すことが出来るでしょう」
確かに地球でも秘境の地には、独自の生態系があることが多いからな。サンデルジュでも同じようなことなのだろう。
新しい道具を作るのに必要になるかもしれないけど、自然をなるべく壊さないように集める必要があるな。
「さあ、雄也。仲間と力を合わせて、この高台に世界の平和を取り戻すための拠点となる砦を築いてください」
俺がそんなことを考えていると、ルビスはそう言って去っていった。
いつもの「すべては精霊の導きのままに」という口癖を言わなかったのが気になるが、ルビスも自分の導きのせいで勇者が世界に絶望し竜王に寝返ったのではないかと考えているのかもしれないな。
そう言えば、サンデルジュに砦を作ることも、俺の使命という訳ではなく、俺への頼み事であるかのような言い方をしていた。
だが、使命でなかったとしても、この世界を救うためならこの地に砦を作るべきだろう。
俺はさっそく砦を作り始めようと、サンデルジュの地を眺めているみんなを大声で呼んだ。
「みんな、希望のはたを立てたからそろそろ砦を作り始めるぞ」
俺の声を聞くと、ピリンたちはすぐに銀色の希望のはたのまわりに集まってくる。
この地には最初から人の住む場所はなかったので一から作らないといけないが、みんなで力を合わせればそんなに時間はかからないだろう。
「もう作り始めるのか。それなら、ワシから提案したいことがあるぞ」
俺の近くに集まってきた後、ゆきのへはそう言ってきた。
提案があると言っているが、何か作りたい武器や建物があるのだろうか?
「何か作りたいものが思い付いたのか?」
俺が聞くと、ゆきのへはサンデルジュの砦は石垣や城のカベなどよりも固いブロックで作るべきだと言ってきた。
「さっきお前さんはこの地には強大な魔物が多く生息していると言ってただろ?だからメルキドにある石垣やラダトームの城壁より、もっと強い壁が必要になってくると思うんだ」
確かに石垣や城のカベは、あくまのきし程度の魔物の攻撃で壊されてしまうからな。
サンデルジュの魔物の攻撃に耐えるには、さらに強力な壁を作る必要があるだろう。
「ああ。弱い壁だったら、一撃で壊されるだろうからな」
「お前さんなら、生半可な魔物の攻撃では傷ひとつつかない壁を思いつかないか?」
そう言われて、俺はさっそく砦を作るための強力なブロックを考え始める。
今まで作ってきた石垣は石材と銅のインゴット、城のカベは石材と鉄のインゴットから作られているので、それよりも固いはがねインゴットを使えばいいかもしれないな。
素材を思い付いた後は、ビルダーの力を使うために砦の壁の見た目についても考える。
そして、磨かれた石材をはがねインゴットで固めた白色の壁を脳内にイメージし、ビルダーの力を使う。
砦のカベ···石材3個、はがねインゴット1個 神鉄炉と金床
それと、城のカベ・地のように壁の一段目に置くためのブロックの作り方も調べた。
砦のカベ・地···石材3個、はがねインゴット1個 神鉄炉と金床
城のカベ・地の下の部分が茶色になっているように、砦のカベ・地の下の部分は黒色になっている。
「城のカベは鉄のインゴットから作られてたし、それより固いはがねインゴットで壁を作ったらいいんじゃないか?」
「なるほどな。確かにそれなら生半可な魔物の攻撃じゃ壊れないくらいの壁を作れそうだ」
思い付いた砦のカベについて話すと、ゆきのへもそれなら魔物を防げると言ってくる。
はがねインゴットも元は鉄だが、強度は鉄のインゴットよりかなり高い。
すぐに作りたいところだけど、はがねインゴットや石材はラダトームの大倉庫にしまっているので、今は取り出すことが出来ないな。
旅のとびらを使えば戻ることは出来るが、かなりの数が必要になるだろうから、探索も兼ねてこの地でも集めておいたほうがいいだろう。
「それなら、この地域の探索もしたいし、今から必要な素材を集めに行ってくるぞ」
「ああ。基本的な建物は今日のうちに作っておきたいし、頼んだぜ!」
鉄などの鉱石は岩山に埋まっているだろうし、壊すと石材になる大きな石も岩山の近くにあった。
岩山はそんなに遠い場所ではないので、すぐに集めてくることができるだろう。
俺はゆきのへにそう言って、サンデルジュの地を囲んでいる巨大な岩山に向かって歩き始めた。
希望のはたの近くを離れると、さっきも見つけたトゲつきの棍棒を持つ魔物、ブラックチャックの姿が見えてくる。
それだけでなく、岩山の近くにはアルミラージの上位種で黒いウサギの魔物である、ブラバニクイーンも何体か生息していた。
「さっきは見つけなかったけど、あんな強い魔物も生息していたのか」
ブラバニクイーンはドラクエ10ではギガデインなども使えるボス級の魔物だったはずだ。
それが多く生息しているのを見ると、改めてサンデルジュでの戦いが厳しいものになると思えてくるな。
「勝てなくはないだろうけど、とりあえず今は見つからないように進んだほうがいいな」
今は砦のカベを作るための素材を集めることが最優先なので、俺は奴らから隠れながらまずは石材となる石がある場所へ向かう。
そして、5分くらい歩いたところで、大きな石がたくさんある場所にたどり着いた。
「ラダトームの時も石材は大量に使ったし、今回もなるべく多く集めておくか」
俺はそこで、ポーチからおうじゃのけんを作る前に使っていたおおかなづちを取りだし、石を砕いていく。
おうじゃのけんでも壊せないことはないだろうが、ハンマーを使ったほうが早く壊しやすい。
俺は高台にあった石の多くを砕き、だいたい40個くらいの石材を集めることが出来た。
「後からもっと使うようになるだろうけど、今はこれくらいあればよさそうだな」
はがねのまもりのような防壁を作ることになれば、さらに大量の石材が必要になりそうだが、今は40個でも十分だろう。
俺は集めた石材をポーチにしまい、再び体勢を低くしながら岩山へ歩いていった。
「あとは鉄を集めれば砦のカベを作れるはずだな」
しばらくして、岩山の目の前にまで来ると、そこには石炭や銅、鉄、オリハルコンといったメルキドの峡谷地帯と同じような鉱物がたくさん埋まっているのが見えてきた。
鉄を加工するために石炭が必要だし、銅も使い道がありそうなので、それらもここで集めたほうがよさそうだ。
「オリハルコンはまほうの玉がないから壊せないけど、それ以外の物は集めておくか」
俺は石材の時と同じように、おおかなづちを使って鉱脈を砕いていく。
魔物との戦いが激しくなるであろうサンデルジュでは今までより大量の金属が必要になる可能性が高いので、俺はポーチが一杯になるくらい鉱石を集めた。
「これくらいあればサンデルジュの魔物との戦いも乗りきれそうだな」
これで砦のカベを作れるので、大量の金属を集めた後、俺はみんなの待つ希望のはたのところへ戻っていく。
今回はオリハルコンを手に入れることは出来なかったが、使い道が限られている金属なので困ることはなさそうだ。
帰り道も魔物から隠れながら歩いていき、10分くらいでみんなの待つ場所へ戻ることが出来た。
希望のはたの前に戻ってくると、さっそくゆきのへは素材が集まった聞いてきた。
「戻ってきたか、雄也。砦の壁の素材が集まったんだな?」
「ああ、大量に素材を集めてきた。すぐにでも作り始められるぞ」
俺はゆきのへにそう言って、さっそく砦のカベを作り始めることにする。
万が一魔物が砦の中に入られた時に被害をなるべく抑えるために、サンデルジュの建物は全て砦のカベで作りたいと思っているので、早く作らなければ寝室や工房などの基本的な建物も建てられないからな。
「まずは万能作業台を使って神鉄炉を作らないといけないな」
俺は最初にルビスから受け取った万能作業台をポーチから取りだし、神鉄炉を作り始める。
神鉄炉には炉と金床を強化するか、直接作るかの2通りの作り方があるが、時間がかからないように今回は直接作ることにした。
直接作る方法では、必要な素材は石材10個、鉄10個、石炭5個なので、俺はそれらを取りだし、ビルダーの魔法をかけていく。
魔法を使った後少し待っていると、素材が加工され合体していき、ラダトームでも見慣れた神鉄炉が出来上がった。
「これでサンデルジュにも神鉄炉が出来たことだし、砦のカベを作り始めるか」
俺は出来上がった神鉄炉を万能作業台の隣に置くと、まずは鉄を鉄のインゴットにして、それをさらに加工してはがねインゴットを作る。
鉄のインゴットのままでも使い道は多いので、20個くらいはがねインゴットを作ると残りは加工せずに残しておいた。
「あとははがねインゴットと石材を組み合わせれば完成だな」
最後に、はがねインゴット1個と石材3個を神鉄炉の中に入れてビルダーの力を使う。
そしてしばらく待つと、俺がさっき脳内でイメージしていた白色の砦のカベが10個出来上がった。
「これで砦のカベが完成したな。10個だけじゃ足りないし、もっと作っておくか」
今まで壁は10個同時に作ることが出来たが、どうやらそれは砦のカベも同じようだ。
でも、それだけでは建物を作ることは出来ないので、俺は次々に砦のカベを作っていく。
石材がなくなるまで作ったので、砦のカベと砦のカベ・地が50個ずつ出来上がっていた。
砦のカベが出来たので、俺はさっそくそのことをゆきのへに伝えた。
「ゆきのへ、砦のカベが出来たぞ」
「もう作ったのか。それなら、さっそくワシに見せてくれ」
ゆきのへも早く見たいようなので、俺は一度ポーチにしまった砦のカベを取り出す。
「これがお前さんの考えた砦のカベか。どのくらい強いのかは見た目だけじゃ判断できないから、ワシのハンマーで叩いて調べてみてもいいか?」
「ああ、俺もどのくらい固いのか気になるからな」
砦のカベを見せると、ゆきのへは耐久力を調べるために鍛冶用のハンマーで叩こうとする。
俺もこれで魔物の攻撃が防げるか不安なので、調べてほしいと言った。
すると、ゆきのへは砦のカベを何度もハンマーで叩きつけ始める。
これで壊れるのなら魔物の攻撃は防げないと言うことになるが、ゆきのへがハンマーを叩きつけても砦のカベはびくともせず、全く壊れる気配がなかった。
「強い力で叩いても大丈夫みたいだな。これなら、魔物の攻撃も防げそうだ」
近づいて見てもひび一つ入っておらず、ゆきのへはそう言う。
ゆきのへは俺の回転斬りと同じくらいの強い力で叩きつけていたので、それでも壊れないと言うことはかなり耐久力が高そうだ。
「俺も最初は不安だったけど、これなら問題なく魔物の攻撃を防げそうだな」
「よほどの強敵じゃない限り壊せないだろうし、これからはこの壁を使って砦作りを進めて行くといいぜ」
無事に強固な砦のカベを作ることが出来て、俺もゆきのへも嬉しそうな顔になる。
これでサンデルジュの魔物との戦いに勝てる可能性も高まるだろうし、本当によかったぜ。
ゆきのへの言う通り、これから本格的に砦作りが始まっていくことになりそうだ。