ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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今回からオリキャラが登場しますが、サンデルジュには人間が住んでいない設定なので、スラタンやチョビのようなモンスター仲間になります。

今まで復興させてきた町に戻る第6章では、人間のオリキャラも登場させるかもしれません。


Episode111 謀反の射手

ブラバニクイーンたちとの戦いの翌日、サンデルジュに来て3日目の朝、俺は朝起きると今日は何をしようかと考えながら高台から下を見下ろしていた。

すると、俺はサンデルジュに生息する魔物に異変が起こっているのに気づいた。

昨日も1体しか襲って来ず、岩山の近くに少しだけしかいなかったはずのブラバニクイーンの個体数が明らかに増えて、草原のところだけでも数十体生息していたのだ。

 

「どうなってるんだ?ブラバニクイーンの数がかなり増えているな」

 

それに、異変が起きているのは草原だけではなく、森の中には今まで見かけなかったじんめんじゅの上位種、エビルトレントの姿も見かけられるようになっていた。

エビルトレントはリムルダールで戦った強敵、マッドウルスも使ったドルモーアの呪文を使える、非常に強力な魔物のはずだ。

 

「俺たちが昨日の戦いに勝ったから、魔物も戦力を強化しているみたいだな」

 

奴らも俺たちが設備を強化しているように、戦力を強化しているようだが、これでサンデルジュでの戦いはさらに厳しいものになっていきそうだな。

もしブラバニクイーンやエビルトレントが複数襲撃してきたら、砦のカベや飛び出し式トゲわなだけで守り抜くことは不可能になるだろう。

 

「今の設備では勝てると思えないし、今度は何を作るかみんなに相談しに行ってみるか」

 

俺はさらに厳しい戦いになるであろう今後のために、新しい兵器の相談に行こうとする。

みんなもそろそろ起きている頃だろうし、寝室に戻って話をするか。

 

寝室に行こうとしていると、俺と同じように下を見下ろしていたピリンが話しかけてきた。

ピリンの方からも、俺に何か相談したいことがあるのだろうか?

そう思っていると、彼女は森の方から、戦いが起こっている音が聞こえると言い始める。

 

「ねえ、雄也。さっきから森で誰かが戦っているような音が聞こえて来ない?」

 

俺は新たな魔物が現れたことに気を取られて気づいていなかったが、確かに耳をすませると森から音が聞こえて来るのが分かった。

それも、弓を撃つ音や固い物がぶつかり合う音など、戦いの時に聞こえる音だ。

「確かに戦っている音が聞こえるけど、ここには俺たち以外誰もいないはずだぞ?」

 

「そうだけど、雄也にも聞こえてるってことは、気のせいじゃないよね」

 

秘境の地であるサンデルジュに人間はいないと、ルビスも言っていたはずだ。

どう言うことなんだ?と思っていると、ピリンはこの地にも人間の味方をしてくれる魔物がいるんじゃないかと言ってきた。

 

「もしかして、スラタンやチョビみたいに、人間好きな魔物がいるんじゃない?」

 

人間の味方をしてくれる魔物か···サンデルジュには闇の戦士の配下の魔物がほとんどだが、そんな魔物がいないとも限らなさそうだ。

 

「確かにその可能性もあるな。どっち道気になるし、見に行ってくるぜ」

 

もし人間の味方をしてくれる魔物であれば、砦作りの仲間になってくれる可能性もあるな。

それなら闇の戦士の配下との戦いに勝てる可能性も上がるし、助けに行ったほうがいいだろう。

外には危険な魔物だらけの状態になっているが、隠れて進めば安全にたどり着けるだろう。

 

「雄也。何が起きているのか分からないけど、気をつけてね」

 

俺が武器を用意してさっそく出発しようとすると、ピリンはそう言って俺を見送る。

 

「ああ、もし人間の味方の魔物だったら、ここに連れて来るぜ」

朝早くから大変だが、俺はピリンにそう言ってサンデルジュの砦を出て、森に向かった。

 

戦いが起きているので急いだほうがいいが、敵に見つかると危険なので俺は姿勢を低くして歩いていく。

ブラバニクイーンの生息数は多いが、視界に入らずに進むことも不可能ではないので、俺は奴らの眼を盗みながら急いで森へ近づいていく。

砦を出発して5分くらいたち、森の入り口にたどり着いた頃には、戦いの音はさっきより激しくなっていた。

 

「やっぱり戦いが起きているみたいだな。何がいるかは分からないけど、進むか」

 

森の中に入ると、俺は耳をたよりに音が聞こえる方向へ進んでいく。

エビルトレントの姿も何回か見えたが、森の木に隠れて進めば見つかることはなかった。

探索をしている暇はないが、歩いている間に異形に変異している大きな白い花を見つけることも出来た。

 

「こんな変わった花も生えているんだな。今度ゆっくり探索をする暇があったら取りにくるか」

 

ルビスはサンデルジュには見たことのない素材があると言っていたし、恐らくはきずぐすりの原料になるしろい花が独自の進化を遂げたものだろう。

俺は独自の植物が生えている森をさらに奥へと進んでいき、音の聞こえる場所に近づいていく。

そして、戦いの音がしていた場所に着くと、1体のアローインプが4体のキースドラゴンに襲われているのが見えてきた。

「わたしはただ、人間が本当に悪い存在なのかって聞いただけなのに」

 

ピリンによく似た口調のアローインプは、そう言いながらキースドラゴンへ弓を放ち続けている。

あんなことを言っているということは、アローインプの方が人間の味方なのだろう。

アローインプの使う矢には麻痺の効果があるらしく、連続で矢を受けた1体のキースドラゴンは動きが出来なくなった。

そこでアローインプはそのキースドラゴンにさらなる追撃をかけて、とどめをさす。

だが、残り3体のキースドラゴンに囲まれて、危険な状態に陥っていた。

 

「このままだと危ないし、助けに行かないとな」

 

助ければ砦作りの仲間になってくれるかもしれないし、俺はキースドラゴンの背後に回って斬りかかる。

アローインプとの戦いに集中していたキースドラゴンは俺に気づかず、背中を斬られて大きなダメージを負った。

 

「もしかして、人間···?何でこんな森の中に人間が···?」

 

急に戦いに乱入してきた俺を見て、アローインプは驚いた顔をする。

 

「戦いの音が聞こえて来てみたらあんたが襲われてたから、助けに来たんだ」

 

「昔から疑ってたけど、やっぱり人間が悪しき生き物というのは間違ってるようね」

 

俺が助けに来たことを伝えると、アローインプはそう言う。

このアローインプは完全に人間の味方という訳ではないが、多くの魔物が持っている「人間は倒すべき敵だ」という認識を疑っていたということみたいだな。

そんなことを考えていると、大ダメージを受けたキースドラゴンは俺にも襲いかかってくる。

説得して俺たちの砦に連れていきたいが、まずはキースドラゴンを倒さないといけないな。

 

「兎に角、このキースドラゴンたちを倒すから、手伝ってくれ」

 

「わたしが麻痺の矢で動きをとめるから、あなたはその間に攻撃して」

 

俺がおうじゃのけんをキースドラゴンに向けると、アローインプはそう言って再び矢を放ち始めた。

キースドラゴンはかなりの巨体なので麻痺の矢を避けることは出来ず、次々に傷を受けていく。

だが、キースドラゴンは麻痺耐性が高いらしく、奴らの内の1体がアローインプに向かってブレスを吐こうとしていた。

そこで、近縁種のダースドラゴンと戦ってだいたいの動きは分かっているので、俺はブレスを阻止しようと奴の頭に向かって斬りかかる。

 

「お前らの動きはだいたい分かってるんだ。アローインプに攻撃させはしないぞ!」

 

そして、おうじゃのけんで頭を斬られたキースドラゴンは大きく怯み倒れこむ。

さっきの背後から襲いかかったのもあって、キースドラゴンはかなりの大ダメージを受けているようだった。

俺はとどめをさすためもう一度剣を降り下ろそうと思うが、他の奴らもブレスを吐いて阻止しようとしてくる。

だが、ここで攻撃を中断すれば体勢を崩したキースドラゴンが起き上がってしまうので、俺はジャンプをしてブレスを避けながら倒れている奴を斬り裂いた。

そして、既に弱っていたキースドラゴンはその一撃で生命力が尽き、青い光に変わっていった。

 

「これで残り2体になったし、このまま倒していくか」

 

キースドラゴンは強力な魔物であるが、呪文は使えないのでそこまで苦戦はしない。

なので、俺は残りのキースドラゴンにも攻撃を避けながら近づいていき、剣を叩きつけていく。

追い詰められた奴らは、怒り出して激しい勢いで紫色の毒のブレス何度も放ってくる。

でも、俺が近づくことが出来なくなってもアローインプの放った麻痺の矢が突き刺さり、奴らはさらなる傷を受けることになる。

それに、キースドラゴンにも力の限界はあるようで、ブレスの勢いもどんどん弱まっていき、ジャンプすれば回避しながら近づくことが出来そうになっていた。

「奴らも疲れてきているみたいだし、近づいて攻撃できそうだな」

 

俺はブレスが弱まってきたのを見て、ジャンプで避けながら近づいて攻撃する。

キースドラゴンたちは素早く爪を叩きつけようとしてきたが、奴らの体は突然動かなくなった。

どうやら、弱っている体に麻痺の矢を受けて、ついに体が痺れてしまったようだな。

 

「麻痺の矢で動きが止まったみたいね。あなたも、今のうちに攻撃して倒して」

 

「ああ、言われなくても分かっているぞ」

 

俺はアローインプに返事をしてから腕に力を溜めていく。

そして、キースドラゴンたちの動きが再開する前に、力を解き放って奴らをなぎはらう。

「回転斬り!」

 

回転斬りを受けてもキースドラゴンはまだ倒れなかったが、起き上がる前にアローインプは目を射ぬいていく。

そして、再び大きく怯んだ奴らの背中に、俺は両腕に持っている武器を叩きつけた。

すると、巨体のキースドラゴンもさすがに耐えきれず、さっきの奴と同じように消えていった。

 

「なかなか手強かったけど、倒せたみたいだな」

 

「誰か分からないけど、ありがとうね。あのまま一人で戦ってたら危なかった」

 

武器をしまっていると、アローインプは俺に感謝の言葉を言ってくる。

俺はその後、どうしてキースドラゴンに襲われていたのかを聞いてみた。

「あんたは人間を敵だと思っていないみたいだけど、それで襲われていたのか?」

 

「そんな感じね。キースドラゴンたちが人間の砦を襲おうとしていたから、本当に人間は倒すべき敵なのかって聞いたの。別に人間の味方をしたかった訳じゃないけど、謀反を企んでいると思われて襲われることになった」

 

キースドラゴンが俺たちの砦を襲おうとしているのを止めたってことか。

確かに、人間に自由に生きる道を奪われた闇の戦士や、奴の配下にとっては間違いなく人間は倒すべき敵なので、それを少しでも疑う者は許せないということなのだろう。

謀反を企んでいる訳ではないと言うが、この後このアローインプはどうするつもりなのだろうか?

「そうだったのか。それで、これからあんたはどうするんだ?」

 

「あなたに助けられて人間は敵じゃないと思えたし、闇の戦士様の手下を止めようと思う」

 

人間の味方ではないことを証明するためにここで俺を倒すなんて言ってきたらどうしようかと思ったが、それなら良かったぜ。

このアローインプはもう闇の戦士の配下が住む森では暮らせないだろうし、こちらの戦力を増やすことにもなるので、俺は一緒に砦に来ないかと誘う。

 

「それなら、あんたがさっき言ってた砦に来ないか?そこで俺たちは闇の戦士の配下を倒すための設備を作っているんだ」

 

「あなたには助けてもらった恩があるし、そうする。だけど、あなたの仲間はアローインプのわたしを嫌がるんじゃない?」

 

俺が砦に行くことを提案すると、アローインプはそう言ってくる。

そう言えばスラタンも、魔物の自分が人間の町に言っていいのか不安になっていたな。

でも、スラタンの時もチョビの時もみんなは受け入れてくれたので、今回も大丈夫だろう。

それに、どうしてもその姿が嫌ならチョビのように人間に化ける術を身に付ければよさそうだ。

 

「気にするな。俺たちには他にも仲間の魔物がいるけど、みんな受け入れてくれてるぞ」

 

このアローインプも来てくれるのなら、これで魔物の仲間は3人目になるな。

俺がそう答えると、アローインプは喜んで砦に行くことを決めて、名前を名乗り出す。

「みんなが受け入れてくれるなら良かった。わたしはルミーラ、よろしくお願いね」

 

ルミーラという名前から考えて、やはりこのアローインプはメスみたいだな。

俺も自分の名前を名乗らなければいけないと思い、いつもの自己紹介をする。

 

「まだ言ってなかったけど、俺は影山雄也だ。いつもは雄也って呼んでくれればいい。こっちこそ、よろしく頼むぞ」

 

アレフガルドの全域を回ったことだし、あと何回この自己紹介をすることになるのだろうか。

俺はそんなことを考えながらルミーラと一緒に森を出て、みんなの待つ砦へと戻ってきた。

 

30分くらい歩いて砦へ戻ってくると、俺の帰りを待っていたピリンが気づいて出迎えてくれた。

ゆきのへとヘイザンも俺のとなりにいるルミーラに気づいて、走って近づいてくる。

 

「おかえり、雄也!もしかして、本当に人間好きな魔物がいたの?」

 

「メルキドにもスライムがいたが、今度はアローインプか。仲間をしてくれる魔物も結構いるんだな」

 

今まで2匹いたとは言え、仲間の魔物が来たことにみんな驚いているようだった。

そこで、俺はさっそくみんなにルミーラのことを紹介する。

 

「ルミーラっていうんだ。俺たちの砦作りや闇の戦士との戦いに協力してくれることになった」

「わたしは人間じゃなくて魔物だけど、よろしくね」

 

ルミーラもそう言ってみんなにあいさつをする。

すると、みんなもスラタンの時と同じように歓迎のムードになっていた。

 

「魔物でも仲良く暮らしてくれるんだったらもちろんいいよ!」

 

「ワシらが戦いに勝てる可能性も上がることだし、もちろん歓迎するぜ」

 

「ワタシからも、よろしくお願いするぞ!」

 

みんなに歓迎されて、ルミーラも嬉しそうな顔をする。

これでサンデルジュで戦える人が3人になったし、ゆきのへの言う通り戦いの勝ち目も上がるだろう。

俺はルミーラとみんなとの話が終わった後、少し休もうと部屋に戻っていった。

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