ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
石の守りの設計図を手に入れ、町へ戻った俺は、さっそくロロンドに見せにいった。
「ロロンド!石の守りの設計図を手に入れてきたぞ」
「おお!本当か、早く我輩に見せてくれ!」
俺はポーチから石の守りの設計図を取りだし、ロロンドに手渡す。
「うむ、素晴らしいぞ!ところで雄也、お主、どことなく顔つきが変わりはせぬか?ほんの少したくましくなったというか、何かが吹っ切れた感じがすると言うか···。」
「メルキドの町を復興させたり、魔物を倒したりして、少しは強くなってきているのかもな。」
地球にいたころの自分だったら、この前のてつのさそりなどの強力な魔物には勝てなかっただろう。少し強くなって来ているのが、顔に現れたということか。
「とにかく、この設計図も古い文字で書かれているからな、我輩が解読しておく。分かったら教えるぞ」
俺は詳しくは見なかったが、この設計図もよく分からない文字で書かれていたな。メルキド録と同じ文字なのだろう。
ロロンドが解読を始める前に、俺はもうひとつ分かったことも教えた。
「あと、お前が調べたいと言っていた、なぜメルキドの町が滅びたかと言うことについて、分かったことがある」
「滅びた理由が分かったのか!?」
完全に分かった訳ではないのだが、ロロンドは期待して俺の話を聞いた。
「今日行ってきた城は、城というより魔物に襲われた人間たちが立てこもったシェルターだったんだ。メルキドの町自体は、魔物の襲撃で滅びたってことだった。でも、なぜシェルターのなかにいた人間が滅びたのかは、まだ分からない。」
「あの城はそう言う目的で立てられたのか。シェルターと言うくらいだから、かなり強固に作られているはずだな。それを突き破るほど恐ろしい魔物でもいたのか?」
「いや、あのシェルターの中で見つけたメモには、シェルターに魔物は入って来られなかったと書いてあった。」
俺は、兵士の幽霊が言ってたシェルターの中に現れた魔物というのが気になるな。だが、ロロニアの言っていたように、人間同士で殺しあって自滅したと考えるべきか。
「でも、そのシェルターの中では、人間同士が殺しあっていたようなことも書かれていた。人間が自滅したっていうのが、俺の推測だな」
「そのようなことが書かれていたのか。我輩もまた調べてみよう。だが今は石の守りの設計図を解読するのが先だな」
確かに、今考えても仕方のないことだな。ロロンドは、自作の家具がおいてある個室に入り、設計図の解読を始めた。
「しばらく時間が掛かりそうだし、俺は部屋に置く家具でも作るか。」
俺は作業部屋で自分用の石のいすと石のテーブルを作って自室に置いた。自室でもいすとかがあったほうがいいよな。
ロロンドはその日の夜、一晩中石の守りの設計図の解読を行った。朝日が登ってくるころ、ようやく解読を終えた。
メルキドに来て15日目の朝、俺が個室から出ると、拠点の旗の近くで、ピリンとロロンドが話していた。
「ねえロロンド!わたし、みんなのために新しい服を作ってたの。着替えてみて」
「ピリン、公衆の面前で着替えは出来んぞ。」
新しい服?ピリンはそんなものを作っていたのか。これが前言ってた、集中して作っているものか。そういえば俺は15日間、一度も着替えをしていない。他のみんなはもっと長い間着替えをしていないだろう。かなり服が汚れてきているので、そろそろ着替えをしたかった頃だ。
「あ、雄也おはよう!聞いてたと思うけど、実はわたし、みんなへのプレゼントとして、お洋服を作っていたんだけど、ロロンドに渡したら、公衆の面前で着替えは出来ん!って怒られちゃったんだ···。」
普通着替えは一人でするものだろう。ピリンはこんな世界で生きてきたからなのか?まだその事を分かっていないようだ。
「それなら、個室で着替えをすればいいだろ。みんなの個室があるから、それぞれが一人で着替えられるぞ」
「そうだけど、服をたくさん作ったから、しまって置くための部屋がいると思うの。」
確かに個室の地面は土ブロックなので、あまり服を置きたくはないな。服を収納するための部屋も、あったほうがいいかもしれない。
「部屋には、落ち着いて着替えをするためのいすが2つと、服をいれておく家具が欲しいんだけど、雄也、何か作れない?」
「服を入れる家具か、思い付いたら作ってみるぞ」
「前と同じように、わたしが土ブロックで壁を作っておくから、中におく家具やとびらをよろしくね」
ピリンは、町の空き地にブロックを積み始めた。町の空き地はもうほとんどないので、これからは光の外に作るか、二階を作るかだな。ゲームと違って、光の範囲の外に作ったものでも、みんな使えるからな。
「俺は家具を作らないと、服を入れる家具か···」
俺は、地球にいるときクローゼットに服をいれていたので、ビルダーの魔法でクローゼットの作り方を調べた。
石のクローゼット···木材3個、石材1個、銅のインゴット1個、ボロきれ3個、ひも1個 石の作業台
この世界のクローゼットは石で出来ているのか。それにしても、5種類の素材が必要なのか。木材と石材はみんなで集めたのでたくさんあるし、銅のインゴット、ひもも作ってある。ボロきれという奴は、一度目の防衛戦やケッパー救出の時のがいこつが落とした。いずれも、在庫がある素材だったが。
「素材は足りてるな。」
俺は5種類の素材にビルダーの魔法をかけ、姿を変化させていく。すぐに、高さ2メートルほどのクローゼットが出来上がった。
「これが石のクローゼットか、あとはわらのとびらと石のいす2つを作ってピリンが建てた部屋に置けばいいな」
石材と毛皮を使って石のいすを作り、じょうぶな草とふとい枝を使ってわらのとびらを作る。今は有り余っているこれらの素材も、足りなくなるときがくるのだろうか?
俺はそんなことを考えたが今は大丈夫だな。出来上がった石のクローゼット、石のいす、わらのとびらを持って、ピリンの建てた部屋に設置した。
「ありがとう、お着替えができる部屋が出来たね!ロロンドもロッシもケッパーも雄也もわたしも、ここに来てからずっと同じ服を着てるでしょ?」
こんな世界では、替えの服を持っていること自体珍しいだろう。日本で生きてきた俺には考えられないことだが。
「すれ違うたびに、こうばしい匂いがして、鼻をつきさして我慢出来なくなっていたの。でも、これでお着替えしてもらえるね!さっそくみんなを呼んで来るよ!」
着替え部屋が出来たことを喜び、ピリンはロロンド達を呼びに走っていった。1分くらいで、みんなが着替え部屋に集まった。
「ロロンド、ここなら着替えができるでしょ」
「ああ、部屋の中なら問題ないぞ」
俺たち5人は、順番に着替えをして、新しい服になった。俺とロロンドは同じ形、同じ色の服だが、新しくなって汚れもついていない。俺の服は魔物の攻撃で所々破れているが、これで安心だ。
「おお、我輩のお気に入りの服と同じものを作ってくれるとは」
「ピリンの服を作る才能はスゴいな」
ロロンドは俺以外の中で唯一最初からしっかりした服を着ていた。ほぼ同じ物を作れるとはな。俺の地球から来てきた服も、しっかり再現されていた。
最初ぼろぼろの服を着ていた3人は、キレイな服に着替えていた。ピリンは赤色の服とスカート、ロッシは緑色の帽子と服、ケッパーは兵士の服とそれぞれに似合った服になった。
「おお、こりゃ悪くねえな」
「かっこいい服だね」
ロッシやケッパーも、新しい服を気に入っていた。みんながきれいな服に着替えて、町の雰囲気も明るくなった気がする。
「みんな気に入ってくれたね!」
「良かったな、ピリン」
みんな喜んで、今日の活動を始めた。
「着替えが出来てうれしいのは分かるが、我輩から話がある」
俺が新しい服に着替えてテンションが上がっているところに、ロロンドは真面目な話を始めた。
「どうした、ロロンド?」
「雄也よ、昨日我輩は石の守りの設計図を一晩中解読していたのだ。そして、石の守りをどうやって作るか突き止めたぞ。」
一晩中かかったとはいえ昨日手に入れた設計図をもう解読できたのか。さすがはロロンドだ。
「この手がかりを見るに、石の守りには石垣とトゲわながいるようだ。」
石垣とトゲわなか、あの兵士の幽霊もそんなことを言っていたな。石垣で魔物の攻撃を防ぎ、トゲわなでダメージを与える、攻撃と防御、両方が出来る装置だ。
「そして、お主が手に入れた石の守りの設計図を少しアレンジし、この町に合った石の守りの設計図を書いたぞ」
ロロンドは、手書きの設計図を渡してきた。そこに書かれている石の守りは、シェルターにあったものより少し大きめだった。
「我輩も石垣とトゲわな設置を手伝う。お主はそのために石垣とトゲわなの作り方を見つけてくれ」
「それくらい簡単だぞ。ちょっと待っててくれ。」
石垣もトゲわなも、形状はシェルターで見たので分かっている。俺は魔法で作り方を調べた。
石垣···石材3個、銅のインゴット1個、石炭1個 炉と金床
トゲわな···銅のインゴット3個 炉と金床
これも在庫があるもので作れるようだ。だが、石垣が40個、トゲわなが16個とかなりの数が必要だ。もしかしたら、一度にいくつか出来るパターンかもしれないので、試しに石垣とトゲわなを作ってみた。
「お、一度に10個もできたぞ」
すると、石垣もトゲわなも、一度に10個出来上がった。これなら素材も足りる。もし一度に一個しか作れないのなら、素材が足りなくなっていた。
「トゲわなは16個で良いみたいだけど、6個だけ作ることは出来ないからな、合計20個になるけどまあいいか」
トゲわなを20個、石垣を40個作り、ロロンドと話した。
「石垣とトゲわなは出来たぞ。」
「もう作れたのか!早いな。」
確かに、5分もかからずに石垣とトゲわなをそろえた。普通の人から考えれば早すぎるだろうし、俺も早すぎると思う。
「では、さっそく石の守りを作るぞ!設置場所は魔物がよくやって来る、町の西がいいだろう。」
そういえば、これまでの2回の防衛戦では、どっちも町の西から襲ってきたな。町の西に置いてあった看板にも、いつも魔物はこっちから来るって書いてあった。
「分かった。半分ずつ石垣とトゲわなを置いていこう」
俺はロロンドに石垣20個とトゲわな8個を渡し、作業を始めた。俺は北西の部分に、ロロンドは南西の部分に石垣を置いていき、高さ2メートルの壁が出来た。石垣は、おおきづちで殴っても一撃では壊れなかった。そんじょそこらの魔物には、壊すことは出来ないだろう。
「次はトゲわなだな」
自分に刺さらないよう、慎重にトゲわなを設置していく。俺とロロンドが協力して、短い時間で作ることが出来た。ゲームでは一人でやらないと行けないのかもしれないな。でも、ここではロロンドと共同で作った。
「ロロンド、これでいいか?」
「おお、設置図の通りの石の守りが完成したな!」
シェルターにあったものと同じような防壁が完成した。もし次の襲撃が来たとしても、勝てる可能性が上がる。
「これで、町の防御力が一段と上がったな!素晴らしい!」
ロロンドは、いつ見てもテンションが高い。それがロロンドのいいところではあるのだが。
「それと、メルキド録に書いてあったのだが、このメルキドにはこの地を支配する魔物なるものがおり、その魔物の親玉を倒せば、空の闇が晴らすことが出来るらしいのだ」
魔物の親玉か、ゲームで言うボスモンスターって奴だな。一体どんな奴なのだろうか。
「雄也よ、もうひとつ大きな目標が出来たな!絶対に魔物の親玉を倒し、メルキドに光をとりもどそうぞ」
メルキド 魔物の集会所
「あの人間ども、なんて力を持っているんだ。オレの同族も、けっこうやられちまったぜ」
「仇を討ってやりてえぜ!」
人間たちに多くの仲間を奪われたブラウニーやがいこつは、なんとしても彼らを潰そうと思っていた。
「だが、不用意に突っ込んでは返り討ちに遭うだけだ。これ以上犠牲を出すわけにはいかない」
強力な魔物であるよろいのきしが、今すぐメルキドの町に行こうとする彼らをひき止めた。
「では、どうしろって言うんだ?このままだともっと被害が大きくなるぞ」
よろいのきしは少し考えたのち、立ち上がった。
「自分も行こう、人間たちなど、この斧で絶ちきってくれるわっ!」
一刻も早く人間たちを潰そうと、よろいのきしの軍団がメルキドの町に向かった。