ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode14 伝説の鍛冶屋

レンガ料理台を作った翌日、希望の旗のところにまた新しい人が来ていた。ロッシやケッパーと同じくらいの年齢と思われる男だ。

 

「やっとたどり着けました。この光のあふれる場所に」

 

「見たことない顔だな、あんた誰だ?」

 

その男は、町というものが珍しいのだろう、不思議そうに町を見回していた。

 

「あなたも、ここに住んでいる人なのですか?きれいな建物にたくさんの人、これが噂に聞いた町というものなのでしょうか?」

 

「そうだ、お前の思ってるとおり、これが町って奴で、俺を含めて今は5人が住んでいる。」

 

最初は1人だったのに、もうそこまで増えたんだな。この男も仲間になってくれれば6人目だ。

 

「それにしてもこの町は、誰が作ったのですか?まさかまさか、あなたがお作りになったのですか?」

 

「みんなで作ったんだ。でも、最初に町を作り始めたのは俺だな」

 

「おお!ということは、あなたはあの伝説のビルダーなのですね!?これはなんという感動、なんという興奮だ!」

 

この男も、ロロンドみたいにテンションが高いな。それにしてもビルダーの伝説って言うのは、本当に誰でも知ってるんだな。

 

「ああ、俺は精霊ルビスからビルダーって呼ばれている。昔ここにあったメルキドの町を復興させろって言われたんだ。」

 

「なるほど、ここは巨大なゴーレムを守り神として栄えた、メルキドの跡地なのですね」

 

やっぱりゴーレムはメルキドの守り神なんだよな。そう考えると、ゴーレムがメルキドを滅ぼしたとはやはり考えにくい。だが、ロッシの言い方を見ると、嘘とは思えない。

 

「あの、何かありましたか?」

 

その男が俺に声をかける。ゴーレムのことを考えていて、表情が変わっていたからだろう。

 

「なんでもない。俺は影山雄也。いつもは雄也って呼んでくれればいい。」

 

俺は男に返事をした後、名前を名乗った。彼も仲間になってくれそうなので、教えておかないとな。

 

「雄也と言うのですか。私の名前はショーター。とほうもなく長い間歩き続けてきた旅のものです。」

 

「ショーターか。よろしくな」

 

「なんのとりえもありませんが、各地で見聞きした情報をお伝えできると思います。お願いします!どうか今日からここに住ませてください!」

 

情報を持ってるってだけで、十分なとりえだと思うが。長い旅をしているのなら疲れていそうだし、役に立ってくれるのならもちろん歓迎だ。

 

「もちろんだ。今日からお前もこの町の仲間だ。」

 

「ありがとうございます!がんばりますね」

 

ショーターとのあいさつを終えるころ、ロロンドが俺たちのところへやって来た。おととい受けた傷も、きずぐすりの力で治ったようだ。

 

「おお、また新しい人が来たのか。これでメルキドの町もさらに発展するな」

 

「この人もこの町の住人なのですか?」

 

俺はショーターにロロンドのことを紹介した。

 

「ああ。ロロンドって言うんだ。」

 

「ロロンドですか、私はショーター。よろしくお願いします」

 

自己紹介の後、ロロンドはショーターに質問をした。前に言っていた、伝説の鍛冶屋の子孫についてだ。

 

「ところでショーター、お主、伝説の鍛冶屋、ゆきのふの子孫について何か知らないか?」

 

「ああ、そのことなら知っていますよ。旅の途中に訪れた、ドムドーラという砂漠に、その男がいたはずです」

 

ドムドーラは、ドラクエ1で竜王に滅ぼされた町だったな。赤い旅のとびらから行ける先は砂漠だが、そこのことなのかも知れない。

 

「ドムドーラの砂漠地帯か。でも、今はそこには行けぬな」

 

ロロンドは怪我を負ったから、旅のとびら·赤が手に入ったことを知らないのか。

 

「いや、おとといのよろいのきしを倒した後、新しい旅のとびらが手に入ったんだ。それは砂漠地帯につながってたから、そこのことかもしれないぞ」

 

と言うか、アレフガルドには砂漠はドムドーラにしか無かったはずだから、間違いないはずだ。

 

「そ、それは本当か!?町に鍛冶屋がいればより強い武器や防具、町を守る設備も作り出すことが出来るであろう。その新しい旅のとびらの先で、その男を探してきてくれ」

 

「私の持っていた情報が役に立ちましたか。良かったです」

 

ショーターは早速活躍してくれたな。役に立てて本人も嬉しそうだ。

 

「分かった。伝説の鍛冶屋の子孫を探してくる」

 

後は、砂漠地帯でその男を見つけるだけだな。俺はてつのつるぎを持ち、旅のとびら·赤に入った。

 

「この砂漠のどこかにいるはずなんだよな。でも、ここは結構広いし」

 

この砂漠地帯を一周するのは大変だ。俺は、高さ10メートルほどの砂と岩でできた小さな山に登り、全体を見回すことにした。

 

「誰かいないのか?ん、なんだあれは?」

 

美食家がいたオアシスの近くに、小さな牢屋のようなものが見えた。しかもその前に、ピリンがいたのだ。

 

「何でここにピリンがいるんだよ?さっき町にいたはずなのに」

 

さっきてつのつるぎを取りに作業部屋に入った時、ピリンを見かけた。そしてその後すぐに俺は旅のとびらに入った。だからここにピリンがいるはずがない。恐らくは、何らかの魔物が化けているのだろう。

 

「怪しまれれば、本来の魔物の姿に戻ってしまうはずだ。普段と同じように接しないとな」

 

何の魔物が化けているかは分からないが、まともに戦うと勝ち目のない相手の可能性もある。俺は怪しまれないように、偽物のピリンのところへ行った。

 

「ピリン、こんなところで何をしているんだ?」

 

俺は普段ピリンに話しかける時と同じように偽ピリンに話しかける。偽ピリンも本物と同じように俺に話しかけてくる。

 

「あ、雄也!こんなところで何をしているの?」

 

「伝説の鍛冶屋の子孫を探しているんだ。ピリンこそ何をしているんだ?」

 

すると、偽ピリンは自らが偽物だと言うかのようなことを言った。

 

「へえ、ロロンドに言われて鍛冶屋を探しているんだ。相変わらず、あのヒゲおやじに馬車馬のように働かされていたんだね」

 

何を言っているんだ?ピリンはロロンドにも協力している。こんなことを言うはずがない。

 

「それで、何が言いたいんだ?」

 

「あんなヒゲの使いっぱしりはやめて、わたしといっしょに逃げちゃわない?実はわたし、あの町の人たちが、邪魔で邪魔で仕方がないの」

 

俺は呆れた。仲間のことを大切に思っているはずのピリンがこんなことをいうはずがない。いくら見た目を真似していたとしても、性格は全く真似できていない。

 

「1つだけお前に言いたいことがある」

 

「ん?なあに?」

 

「お前のどこがピリンなんだよ!」

 

俺は左手で偽ピリンの首を絞めて、右手にてつのつるぎを持った。

 

「うっ···何をするの、雄也」

 

そして俺は偽ピリンの喉にてつのつるぎを突き刺し、思い切り引き裂いた。メタルギアでは拘束して△ボタンで使える、CQC·喉切りという技だ。まさか実際にこれをやるとは思ってもいなかった。偽ピリンは、変身状態だと言えども喉を引き裂かれたら耐えられないようで、青い光になり、消えていった。

 

「やっぱり魔物だったか。鍵を落としたな」

 

偽ピリンは、金属でできた鍵を落とした。すぐ後ろにある、牢屋の鍵だろう。俺はその鍵を拾い、牢屋の扉に使った。

 

「お、ここの鍵で合ってるみたいだな」

 

俺の予想通り、その鍵で牢屋の扉を開くことができた。牢屋の中には、ハゲの中年の男が捕まっていた。彼がゆきのふの子孫なのかもしれない。

 

「誰だ、お前さん?あの扉を開けたってことは、まさかあくまのきしを倒したってのか?それにしたって、ここでなにをしているんだ?」

 

あれはあくまのきしだったのか。あくまのきしはよろいのきしの上位種のはずだな。まともに戦ったら危ない相手だった。変身を解かれる前に倒せて良かったな。

 

「俺は伝説の鍛冶屋、ゆきのふの子孫を探しているんだ。もしかして、あんたがそうなのか?」

 

「その通りだ、ワシが伝説の鍛冶屋の子孫、ゆきのへだ。」

 

ゆきのふの一文字違いなのか。ゆきのふは代々受け継がれていく名前のはずだから、時代が立つにつれて、一文字が変化したのだろう。

 

「良かった。俺は仲間たちと町を作っているんだ。それで町を強化するために鍛冶屋の子孫を探していたんだ。とにかく、見つかって良かった。俺の町に来てくれるか?」

 

「行く場所もないし、分かった。お前さんの町とやらに連れて行ってくれ。お互いの話は道すがらするとしよう」

 

ゆきのへも町の仲間になりそうだ。ロッシとケッパーが来た時のように、1日で二人仲間が増えることになる。

俺とゆきのへは牢屋から出て、旅のとびらへ歩き始める。ゆきのへは長い間捕まって体力を消耗しているが、なんとか歩けるようだ。

 

「お前さん、町を作っていると言ったが、もしかしてあの伝説のビルダーなのか?」

 

「ああ、そう呼ばれてる。俺の名前は影山雄也。雄也って呼んでくれればいい」

 

「雄也か。お前さんがビルダーっていうのは、簡単には信じられないな」

 

俺は自己紹介などをしながら、歩いて町へと戻った。ゆきのへは町につくとすぐさま、俺たちの作った建物を見た。

 

「ここがお前さんたちの作り上げた町か。結構にぎやかな場所だな。どうやらお前さんが伝説のビルダーだってのも、本当のようだな」

 

この町を見て、ゆきのへも俺をビルダーだと信じるようになったようだ。

 

「それにしても、ここに巨大な城塞都市、メルキドがあったとはな。巨大なゴーレムによって滅ぼされたという話は本当なのか?」

 

ゆきのへも、ゴーレムがメルキドを滅ぼしたと思っているのか。ロッシのような奴から聞いたんだろうな。それでも、ゴーレムがメルキドを滅ぼすなんてやっぱり信じられないが。

 

「いや、ゴーレムはメルキドの守り神のはずだ。それがメルキドを滅ぼすなんてあり得るのか?」

 

「さあな、メルキドが滅びたのは何百年も前だ。何があったのかはワシも知らん。ただ、メルキドの生き残りが語り継ぐ話だ、間違いはないと思うぜ」

 

ゆきのへも、真相は知らないようだ。だが、もしもゴーレムがメルキドを滅ぼしたとすれば、何の為なんだ?

 

「とりあえず、ワシを少し休ませてくれ」

 

そうだった、ゆきのへは牢屋に捕まっていたんだった。真相も気になるが俺はゆきのへを作業部屋で休ませた。後でショーターとゆきのへの分の個室を作るよう頼んでおかないとな。光の範囲の中にはもうスペースないけど、外に部屋を作るのもかわいそうなので、どこかの建物に二階を付けよう。ゆきのへは作業部屋でロロンドやピリンとあいさつをしていた。

 

「これで鍛冶屋も仲間になったな。でも、魔物がピリンに化けていたのが気になるな。」

 

5分くらい後、ロロンドが作業部屋から出てきたので、そのことを話すことにした。

 

「なあ、ロロンド」

 

「どうしたんだ、雄也よ?」

 

「ゆきのへを救出に行った時、ピリンに化けた魔物がいたんだ。無事に倒せたけど、これって魔物が俺たちを監視しているってことじゃないのか?」

 

「そうか。魔物たちは我らを警戒しているようだな。それゆえに我らのことを知り、ゆきのへを捕まえていたのだな。これはますます油断ならん。さらに町の守りを強化せねばならんな」

 

メルキドの魔物でも上位の魔物であろうあくまのきしを倒したと言うことは、相当魔物たちは俺たちを危険に思っているはずだ。これからはさらに強力な魔物がここに攻めこんでくるだろう。

 

「ああ、そうだな。後、ショーターとゆきのへの個室を作っておいてくれ。どこかの建物を二階立てにすれば作れるはずだ」

 

「分かった。ピリンたちにも伝えておこうぞ」

 

ピリンやロロンドは、二人の個室を作り始めた。どうやら、大倉庫部屋と着替え部屋に二階をつけているようだ。その間、俺はゆきのへに呼び出された。

 

「どうしたんだ、ゆきのへ?」

 

「さっきは言ってなかったけど、伝説のビルダーのお前さんに鉄の武器や防具の作り方を教えようと思ってな。」

 

てつのつるぎはもう作れるが、それ以外の武器についても知っているだろう。防具もあれば、怪我を負いにくくなるし、聞いておこう。

 

「さっそく教えてくれ」

 

ゆきのへは、俺の知っているてつのつるぎの他に、武器のおおかなづちと防具のてつのたてとてつのよろいの作り方や形を教えてくれた。俺はそれらの作り方を魔法で調べる。

おおかなづち···鉄のインゴット2個

てつのたて···鉄のインゴット1個、木材1個

てつのよろい···鉄のインゴット2個、毛皮1個、ひも1個

どれも、今持っている素材で作れるようだな。

 

「さっそく作ってみるか」

 

俺はゆきのへから作り方を教えてもらった後、おおかなづち、てつのたて、てつのよろいを作った。作業部屋の外では、ショーターとゆきのへの個室が出来上がっていた。

 

「これが私の部屋ですか。ありがとうございます。」

 

「他の人も、物を作る力を取り戻しているのか、俺も早く鍛冶屋として役に立たないといけないな」

 

個室を作ったピリンやロロンドに、二人は感謝している。もう日が沈みかける時間だったので、俺たち7人は夕食にパンなどを食べて、眠りについた。

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