ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
ゆきのへとショーターが仲間に加わった翌日、今日もロロンドから呼び出しを受けた。またメルキド録の解読が進んだのだろう。
「雄也よ。お主がゆきのへを救出に行っている間にショーターから聞いたのだが、お主が行ったドムドーラと言う地域には、多くの宝が隠されたピラミッドが存在するという」
ピラミッドか、かなり目立ちそうなものだけど、これまで見たことがないな。宝って、財宝などがあるのだろうか?
「その宝ってどんな物なんだ?」
「それを今から言おうと思ってな。メルキド録によると、そこには火をふく石像がおいてあり、それを使えばこれまで以上に強力な防壁を作れるようになるのだ!」
なんだ、財宝のことじゃないのか。でも、拠点の防衛に必要なのなら取っておいて損はないな。
「で、それを取ってきて欲しいってことか?」
「そう言うことだ。この町の防壁を強化するために、ドムドーラにあるピラミッドから、火をふく石像を2体持ってくるのだ」
ピラミッドに潜入して、石像を回収するか。この世界に来てから初めての潜入って感じだな。準備を整えて行こう。
「それと、火をふく石像は恐ろしく固い。強力な武器を持って回収に向かうのだぞ」
確かに、石像って言われたら固いイメージがあるな。今ある武器だと、おおかなづちがあれば壊せそうだな。
俺は潜入のために一応この前閃いた砂漠の箱を作り、おおかなづちを持って砂漠地帯へ出かけた。
「まずはピラミッドを探さないと」
俺は美食家やゆきのへがいた場所より奥のほうに進んでいった。それでも、広大な砂漠が続いているだけだ。途中にいるいっかくうさぎやおおさそりを倒したり、鉄を採掘しながら進んでいった。しばらくすると、幅10メートルくらいの川があった。
「これは、川か。ん、あれがピラミッドか?」
川を渡った先には、大きな三角形の建物があった。ロロンドが言っていたピラミッドはそれのことだろう。
「石の守りの時ほどじゃないけど、結構遠かったな。」
少なくとも、2~3キロメートルは歩いた。このまま何事もなく火をふく石像を回収できればいいのだが。
俺は濡れるのは嫌だが、川を渡るしか方法がなさそうなので、仕方なく泳いで向こう岸に着いた。
「ここは砂漠だし、しばらくしたら乾くだろうな」
向こう岸には、今まで戦ったことはあるが非常に強力であった魔物、よろいのきしやてつのさそりがいた。集団で囲まれたら危険だな。
「砂漠の箱を使うか」
俺はポーチから砂漠の箱を取りだし、被りながら動く。箱を被っても見つかる可能性はあるので、敵の視界を避けて、ピラミッドまで進んでいった。ピラミッドは高さ30メートルほどで、地球のエジプトにあるものよりかなり小さかった。だが、中に入る入り口があり、何かが隠されている感じがした。
「この中に火をふく石像があるのか。まずは中の様子を見てみよう」
俺は砂漠の箱を取り、ピラミッド内部の通路を見渡す。地球のピラミッドに比べると広い通路で、両端にかべかけ松明がかけられていた。しかし、気になることがあった。
「敵の姿が見えないな···」
普通、大事なものを隠している場所なら、警備の魔物がいてもおかしくないはずなんだが。そんな状況で、俺はかえって不安になる。いないように見せかけて、待ち伏せしている可能性もある。
「何があるか分からない。気をつけていこう」
俺はとりあえず、ピラミッドの中に入った。途中、通路に曲がり角があり、敵がいないか確認した。しかし、何の姿も無かった。
「ここにもいないな、一体どうなってるんだ?」
俺は油断せずに、ピラミッドの内部を進んでいく。かなり奥まですすんでも、一向に魔物は現れない。
「ん、ここだけ土の壁だな」
ピラミッドの最深部に近づいてきたあたりで、回りは固い壁なのに一ヶ所だけ土ブロックで出来ている壁があった。こういう場所には、隠し通路があることが多い。
「壊してみるか、この先に火をふく石像があるのかもしれない」
俺はおおかなづちで土ブロックの壁を叩き壊した。すると、予想通り壁の反対側に通路があった。
「絶対お宝がありそうな感じだ」
ピラミッドの隠し通路を進むと、途中で二手に別れている場所があった。まっすぐ進む道と、左に進む道だ。
俺はまず、まっすぐ進む通路に行った。つたが付けられていて、登れる場所があったが、何もなくてすぐに行き止まりだった。
「こっちには何もないな。左のほうの道に行くか」
俺は今度は左のほうの通路を進んでいく。すると、まっすぐ進んだ時と同じように、つたで登れる壁があった。
「さっきは何も無かったけど、ここも一応確認しておくか」
俺はそのつたを登り、奥へ進んでいく。
「また行き止まりだな。でも宝箱があるな」
その場所もすぐに行き止まりになっていたが、1つの宝箱が置いてあった。この中に火をふく石像が入っているのかもしれないと思い、俺は宝箱を開けた。
「あれ?何か靴が入っていたぞ?」
その宝箱には、火をふく石像ではなく、靴のような物が入っていた。非常に固い金属で出来ているようで、防御力が高そうだ。
「足に攻撃を食らっても、これなら耐えられそうだな。高い所から落ちても大丈夫そうだ」
おそらくはドラクエ世界の伝説の金属、オリハルコンで出来ているのだろう。俺はその靴を履き、ピラミッドの探索を続ける。
隠し通路の更に奥を目指して、何百メートルも歩く。さっきは分からなかったけど、かなり大きなピラミッドだな。隠し通路の突き当たりには、1つの宝箱が置いてあった。今度こそ火をふく石像か?と思っていたが、どうでもいい物が入っていた。
「何か、暖炉が入っているな。別に要らないけど、もらっておくか」
大事なものが入っていそうなのに、そこにあったのはただの暖炉だった。
「火をふく石像はないみたいだな。一旦もとの通路に戻ろう。」
俺は長い通路を歩いて、土ブロックの壁があったところまで戻ってきた。隠し通路ではない、もう1つの道があったので、そこに進むことにした。そこには、階段があり、ピラミッドの最深部につながっているようだった。相変わらず魔物がいないので、俺はその階段を登っていった。
そして、俺が階段を登った先で見たのは、異様な光景だった。
「な、何だこの空間は?」
たくさんの人が、何かに祈りを捧げていた。俺が声をかけても、返事はしてこない。彼らも、偽ピリンと同じように魔物が化けているのだろう。
「この魔物どもは、何に向かって祈りを捧げているんだ?」
俺は、彼らが見つめている方向を見てみた。そこには、魔物が象られた大きな石像があった。
「これが火をふく石像か···それにしても俺の予想どおり、内部で待ち伏せしていたのか。それも人間に化けて」
その石像には口があり、火をふく石像という名前から考えて正面を通ると燃やされるだろう。俺は石像の後ろにまわり、破壊、回収を始める。
「でも、こんな大量の魔物がいたら、確実に見つかるな」
さすがにこの狭い空間でたくさんの魔物の誰にも見つからないというのは無理がある。だからと言ってコイツらを一体でも殺せば、本気で襲いかかってくるだろう。
俺はしばらく考えて、石像の回収を優先させることにした。石像を後ろからおおかなづちで殴る。4回殴ると、壊れてポーチに入った。
「まだ人間の姿のままか···。でももうひとつ回収しないといけない」
俺は、もう片方の石像も後ろから忍び寄り、叩き壊す。すると、やはり周囲の奴等は変身を解き、魔物の姿となった。
「我らの祈りを妨げるとは、人間め、許しはせぬぞ!」
がいこつの色違いの中でも上位種であるしりょうのきしが6体、まほうつかいが2体、その上位種のまどうしが1体、合計9体が俺を狙っていた。
「一人でこの数を相手にはできない。逃げるぞ!」
俺はピラミッドの出口に向かって走り始める。その俺をしりょうのきしは剣を振って追いかけてきて、まほうつかいやまどうしは魔法で攻撃してくる。
「メラ!」
「メラミ!」
俺は飛んでくる火の玉をかわしながら、ひたすら走る。しりょうのきしの走る速度はかなり速く、少しでも気を抜くと追い付かれる。
「くそっ、何て早いんだ!?」
通路を戻っている間にも、メラやメラミが飛んできて、走りながらかわすのは大変だった。かわしていると、すぐにしりょうのきしが迫ってくる。
「コイツらを足止めしないとキツいな、回転斬り!」
俺はしりょうのきしに回転斬りを放った。しかし、倒れることはなく、少し動きが止まっただけだった。俺はその隙に逃げ、魔法が来るたびにかわし、追いかけてくるしりょうのきしを回転斬りで足止めした。何度もそれを繰り返し、ようやくピラミッドの出口が見えてきた。
「もう少しだな!」
俺は全力で疾走し、ピラミッドの外へ飛び出した。ピラミッドの外に出ると、奴らも追いかけてこなくなった。
「奴らが消えたか。何とか助かったようだな。」
最初は敵に見つからずに回収する予定だったのに、大変なことになった。俺は全力で走って疲れたし、危険な魔物が多い砂漠をもう一度移動するのは嫌なので、キメラのつばさを使い、メルキドの町へ飛んだ。
「生きて帰ってこれたか。火をふく石像のことをロロンドに教えないとな」
俺は個室にいたロロンドを呼び出し、火をふく石像のことを話した。
「おい、ロロンド!魔物に追いかけられたりして大変だったが、火をふく石像を取ってきたぞ」
俺が話をすると、相変わらずのテンションでロロンドは喜ぶ。
「おお、素晴らしいぞ!火をふく石像があれば、メルキド録に書かれた鋼の守りが作れるだろう」
鋼の守りか、石の守りよりずっと頑丈なものなのだろう。
「これがあれば、メルキドを復活させ、この地域を支配する魔物の親玉を倒すことも夢ではあるまい」
「そうだな、今すぐその鋼の守りを作るか?」
「いや、まだメルキド録の鋼の守りに関する記述を完全に解読できていないんだ。我輩も早く作りたいが、もう少し待ってくれ」
まだ解読が出来ていなかったのか。早くできればいいな。
「分かった。解読ができたら教えてくれ」
強力な設備があれば、魔物の親玉だって必ず倒せるはずだ。俺は、まだ鋼の守りが作れないにしても火をふく石像が強そうなので、石の守りの両端に火をふく石像を置いた。弱い魔物なら、トゲわなで刺され、石像に焼かれ、すぐに倒れるだろう。
メルキド 魔物の集会所
「ついに、我が同族からも、犠牲者が出てしまったか···」
ピリンに変身していたあくまのきしが倒された顔を聞き、他のあくまのきしたちは深刻な顔をしていた。
「どうすればいいものか···このままではメルキドが人間たちの手に」
「なんとかしないといけないな」
話の途中、3体いるあくまのきしの一体が、立ち上がった。
「我が砂漠にいる強力な魔物を率いて、あの町を潰しにいく。てつのさそりやよろいのきしはかなりの戦力になるはずだ」
その話を聞いて、別のあくまのきしは止めようとする。よろいのきしもてつのさそりもビルダーに倒されたことがあるからだ。
「待て、奴等は相当強いぞ。いくらお前とはいえ危険だろう」
「いや、かなりの数の魔物が我と共にメルキドを攻めたいと言っておる。前回のよろいのきしの軍勢よりも多い。それに、本気を出せば我らは人間などにやられるはずがない!」
そのあくまのきしは、絶対に勝てると確信していた。前のあくまのきしが倒されたのは不意の攻撃を受けたからだと聞いているからだ。他のあくまのきしも、そう思っているし、実際にそうだった。
「心配だが、そこまで言うのなら良いだろう。必ず人間どもを駆逐しろ」
「ああ、任せておけ。出発は明日だ」
翌日の朝、あくまのきしは多数のよろいのきし、しりょう、おおさそり、てつのさそりを連れて、メルキドの町へ向かった。