ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
メルキドの7回目の防衛戦の二日後、メルキドに戻って来てから11日目の朝、俺は朝早く起きて、町の外の様子を眺めていた。
昨日は疲れを癒すために一日中休んでいたので、悠久の竜との戦いの疲れはなくなっている。
町のまわりをうろつくドラゴンの数は減っており、しばらくの間襲ってくることはなさそうだ。
「ドラゴンも数が減ってるな…メルキドの2度目の復興は達成したし、そろそろリムルダールやマイラにも行こうかな」
メルキドのみんなは自分たちの力で、この町をこれからもっと発展させていくだろう。
飛天斬りを習得でき、まほうの光玉やメルキドウォールと言った強力な兵器の作り方も覚えたし、本当に良かったぜ。
そろそろ次なる復興のため、リムルダールやマイラに向かおうと俺は思う。
「何が起きてるか分からないけど、みんな無事だといいな」
ルビスの死後、それらの町にも強力な魔物が襲って来ているだろうが、何とか無事であって欲しい。
俺がこれからのことを考えていると、後ろからロロンドが話しかけてきた。
「起きていたか、雄也よ。お主に伝えたいことがあるのだ」
振り向いて見ると、ロロンドはとても嬉しそうな顔をしていた。
昨日ロロンドが何をしていたかは分からないが、何かあったのだろうか。
「どうしたんだ、ロロンド?」
「実はな、我輩が以前からずっと解読し続けてきたメルキド録…それを昨日ついに、全て読み終えることが出来たのだ」
古代の文字で書かれており、ロロンドが大切に持ち歩いているメルキド録。
かなり大きな書物のようなのだが、ついに解読を終えることが出来たのか。
あの書物に記されていることは、これからのメルキドの発展にも役立っていくだろう。
「あんなに大きな本を全部読んだのか…本当にすごいな、ロロンドは」
「メルキド録は20万ページもある書物でな、我輩も何度も断念しそうになった。だが、あの書物に書かれたことは町のために必要だと思い、諦めずに読み続けたのだ」
自分だったら、20万ページもある古代の書物を読み解くなんて、どれだけの時間があっても無理だろう。
ロロンドはメルキド録の昨日読んだ部分に、俺と一緒に作りたい施設が書かれていたとも話す。
「昨日読んだ部分には、メルキドを盛り上げるのに役立ちそうな施設も記されておった。今日はお主とその施設を一緒に作りたい」
メルキドでの最後の活動として、その施設を作るのもいいかもしれないな。
施設が完成したら、ピリンやヘイザンと共にリムルダールへ向かおう。
俺はロロンドに、どんな施設を作るのか聞いてみた。
「それなら俺も作りたいけど、どんな施設なんだ?」
「木や草、花が生え、水が流れている美しい庭園、メルキドガーデンだ。庭園があれば、みんな心が安らぐだろう」
メルキドガーデンか…そう言えばドラクエ1のメルキドの中央部にも、水が流れている庭のような場所があったな。
大きな庭園のある町というのも、確かに良さそうだ。
俺はさっそく、メルキドガーデンの作り方をロロンドから教えてもらう。
「結構良さそうな施設だな。作り方を教えてくれ」
「メルキド録には、10本の花と5本の草、1本のブナの木、かがり火、広めの水場、そしてベンチが必要だと書かれておった。水場を用意するには水路を掘って、近くの池から水を引かなければならぬ。池はこの町より低い位置にあるから、メルキドガーデンも地下に作らねばならんだろう」
花や草はその辺に生えている物を草花スコップで回収すればいいし、ブナの木も森から取ってこれば良さそうだな。
だが、庭園が作れるほどの広さの地面を掘って、さらに水路を作って池から水を引いてくるというのは、かなり大変そうだ。
池からメルキドの町までは少し距離があるので、かなりの体力を使うことになるだろう。
そう思っていると、ロロンドは自分が地面を掘り、水路を引いてくると俺に言う。
「我輩は地面を掘って、池から水を引いて来ようと思う。お主は町の外に行って、草花や木を集めて来てくれ」
「分かった。かがり火とベンチも作って来るから、そっちは頼んだぞ」
地面を掘るという力仕事は、確かにロロンドの方が得意そうだ。
俺は町の外から植物を集めて、ベンチとかがり火を作って来よう。
俺は簡単に作れそうなベンチを想像し、ビルダーの魔法を発動させた。
ベンチ…木材2個、ひも1個 石の作業台 木の作業台 鉄の作業台
木材はブナの木と一緒に集めて来て、ひもは大倉庫にある物を使えば良さそうだ。
ロロンドが地面を掘る作業を始めたのを見て、俺は植物を集めにメルキドの町の外へと歩いていった。
メルキドの町の外に出ると、草や花が生えているところがないかと、俺は辺りを見渡す。
すると、さっそく町の近くに緑の草が生えているところを見つけて、それを集めに歩いていった。
町の近くのドラゴンは減っているので、あまり慎重に進まなくても大丈夫そうだ。
俺は草原の箱を被らずに歩いていき、草の生えているところに近づいていく。
「スコップを使えば、草も回収出来るだろうな」
緑の草は剣で斬ると、じょうぶな草という素材になってしまい、庭園に植えることは出来なくなる。
でも、草花スコップを使えば姫の寝室を作った時の花飾りのように、植物そのものの形で回収出来るはずだ。
俺はポーチからスコップを取り出して、草のまわりにある土を掘っていった。
緑の草は形を保ったまま回収可能な状態になり、俺はそれをしまっていく。
「草は5個必要って聞いたけど、すぐに集まりそうだぜ」
草を1本手に入れると、俺は他の草も回収し始める。
近くにも同じ草がたくさん生えているので、5個くらいならすぐに集まるだろう。
俺はスコップで地面を掘り続けて、次々に緑の草を回収していく。
草を5本集めることが出来ると、俺は次は10本の花を集めに行った。
「これで草は集まったし、次は花だな」
もう一度周りを見回すと、俺は花畑のようにたくさんの白い花が生えている場所を見つける。
俺はスコップを持って、そっちへと向かっていった。
白い花はきずぐすりの素材として使われる物だが、庭園に並べて鑑賞するのも良さそうだ。
白い花のまわりにある土を掘って崩して行き、花の形を壊さないように集めていく。
花は10本も必要なので、その場では集まりきらなかった。
「さすがに一箇所で10本集めることは出来ないか」
俺は町から少し離れたところに花畑を見つけ、そこにスコップを持っていく。
その辺りには昔からいた魔物、スライムも生息していたので、俺は少し慎重に歩いていった。
そこに着くと、俺はまた草花スコップを使って白い花を回収していく。
2箇所をまわることで、俺は10本の白い花を集めることが出来た。
「10本の花が集まったし、今度は森に行こう」
俺は手に入れた花をポーチにしまい、ブナの木が生えている森に向かう。
1本の木から複数の木材も苗も手に入るので、木は1本切れば良さそうだ。
俺はまたスライムたちに気をつけながら、ブナの森へと向かっていった。
5分ほどたって森に辿り着くと、俺はスコップをしまってビルダーハンマーを取り出す。
木は草花スコップで掘り起こすことは出来ず、回収するには剣やハンマーで破壊しなければいけない。
「結構大きめだし、この木にしよう」
俺は近くにあった大きなブナの木に近づき、何度もハンマーを叩きつけた。
数回叩きつけると木は砕け散り、3つのブナ原木と切り株を落とす。
「確か切り株を壊せば、苗が手に入ったな」
俺は3つの原木を回収すると、切り株もビルダーハンマーで叩きつけていった。
切り株は破壊されると、庭園に植えられるブナの苗に変わる。
その苗も拾うと、俺は森を出てメルキドの町へと戻っていった。
「これで植物は集まったし、あとはかがり火とベンチだな」
俺が植物を回収している間、ロロンドの作業もかなり進んだことだろう。
スライムやドラゴンに気をつけながら、俺は10分くらいで町に歩いていく。
メルキドの町に戻って来ると、俺はベンチとかがり火を作りに工房に入っていった。
石の作業台の前にまず先ほど手に入れた原木を置き、木材へと加工していく。
2つの木材が出来上がると、俺は大倉庫に入っていたひもと合わせてベンチを作った。
「このベンチなら、二人くらい一緒に座れそうだな」
そんなに大きいベンチではないが、二人一緒にくらいは座れそうだ。
ベンチが出来上がると、俺はかがり火も作っていく。
大倉庫にしまってある石材と石炭を取り出し、ビルダーの魔法を使っていく。
かがり火も出来上がると、俺はロロンドがさっき地面を掘っていた場所に向かった。
「かがり火も出来たな…ロロンドの作業はどのくらい進んだんだ?」
ロロンドがメルキドガーデンを作ろうとしているのは、町の外側だ。
そこに行って見てみると、町の地面より数メートル下にある空間が、数十平方メートル作られていた。
「地面は掘り終わったみたいだな…今は水路を作りに行っているのか」
その空間にはさらに1段低くなっているところもあり、そこに水場を作るのだろう。
ロロンドはここにはおらず、どうやら池の方から水路を掘っているようだ。
降りるための段差も作られており、俺はそれを使ってこれからメルキドガーデンとなる空間に降りていった。
「ロロンドが戻って来る前に、草花とベンチを置いておくか」
ロロンドが水路を掘り終えるのにはもう少し時間がかかるだろう。
俺はそれまでに出来る限りのことをしようと、作ったベンチとかがり火を空間の隅に設置していく。
それらを設置すると、俺は手に入れた植物をまわりに植えていった。
水場となる場所の近くに草花を配置し、その近くにブナの苗も植えていく。
もう町の中にもルビスの加護はないが、この苗も長い時間をかければ、森にあるブナの木と同じくらいの大きさになるだろう。
「これで植物は、みんな植えられたな」
集めて来た植物を全て植えると、俺はその場でしばらく休んでいた。
そうしていると、水場の壁が砕け散る音が聞こえる。
何が起きたのかと振り向いて見ると、ロロンドが水路を完成させてこちらにたどり着いたようで、話しかけてきた。
「おお、雄也よ!そちらも作業は終わったようだな。我輩も今、水路を完成させたところだ」
「ああ。これでもうすぐ、メルキドガーデンも完成だな」
メルキドガーデンが完成すれば、俺はいよいよリムルダールに旅立つ。
ロロンドたちとも、しばらく会えなくなるだろう。
俺がそんなことを思っていると、ロロンドは水路に水を流しに行った。
「我輩はこの水路に水を流し、外から町に戻って来る。もう少し待っておれ」
自分が濡れないようにするため、水路を完成させた後に水を流すことにしたようだ。
俺はロロンドが戻って来るまでの間、他に何か出来ることはないか考える。
「ここに降りやすくするために、階段をつけたほうがいいかもしれないな」
そこで俺が思いついたのは、メルキドガーデンへ降りる段差に階段をつけることだった。
1メートルもある段差を庭園に行くたびに何段も登り降りするのは大変だろう。
階段があれば、かなり移動が楽になるはずだ。
「さっそく作って、設置して来よう」
俺は階段を作りに庭園から出て、再び工房に向かっていく。
工房に入ると、俺はまた大倉庫から3つの石材を取り出して、石の作業台の前に置いた。
そして、ビルダーの魔法を使って階段の形に加工していった。
しばらく魔法をかけ続けると、5つの石のかいだんの完成だ。
5つあれば十分だろうから、俺はそれらを持って庭園に向かっていった。
「もう水が流れているな…もうすぐロロンドも戻って来そうだ」
庭園に戻って来ると、もうロロンドが水路に池の水を流したようで、水場にきれいな水が貯まっていた。
ロロンド自身も、もうすぐメルキドの町に帰ってくることだろう。
これで必要なものは全部作れたし、メルキドガーデンは完成だな。
俺は完成したメルキドガーデンに入る途中、石のかいだんを設置していった。
「これがメルキドガーデンか…落ち着く場所だな」
メルキドガーデンは静かな場所で、ロロンドの言う通り心が安らぎそうな場所だ。
メルキドでの最後の活動として、これを作ることが出来て良かったぜ。
俺はメルキドガーデンのベンチに座り、しばらく草花や木、水場を眺めていた。
5分くらいベンチに座っていると、上からロロンドの声が聞こえてきた。
「おおお!階段もつけてくれたのだな。ありがとう、雄也よ。これでメルキドガーデンも完成だ」
「階段があった方が、登り降りしやすいと思ったんだ」
ロロンドは完成したメルキドガーデンを見て喜び、さっそく俺が作った階段を降りて中に入って来る。
ガーデンの中に入ると、彼はベンチの俺の隣に座って来た。
そして、俺にもう一度感謝の言葉を言って、メルキドがこれからも発展し続けてほしいと話す。
「改めて言うが、これまで本当にありがとう、雄也よ。お主のおかげで闇のドラゴンを倒し、メルキドガーデンを作ることも出来た。我輩はこの町が、これからも永遠に発展していくことを願っておる」
「ロロンドたちなら、絶対に出来ると思うぞ。また魔物が襲って来たとしても、必ず勝てるはずだ」
精霊亡き世界では魔物もいずれまた襲って来るだろうし、メルキドが発展し続けることは難しいかもしれない。
どんなに人々が頑張って作った物でも、一瞬にして壊されてしまうかもしれない。
しかし、人々の心に復興の意志がある限り、壊れた物は何度でも作り直すことが出来る。
そうして、仲のいい人々が住む美しい町、メルキドはずっと続いていくだろう。
「ああ。何が起こったとしても、我輩たちは力を合わせて、メルキドの町を作り続けていく」
ロロンドたちの仲の良さと復興の意志は、決して失われることはないだろう。
俺はロロンドと共に、メルキドの未来を思いながらメルキドガーデンで時間を過ごしていた。
しばらくした後、俺とロロンドはメルキドガーデンを出る。
もう日が登っており、みんなも起きている時間になっていた。
メルキドガーデンを作り終えた俺は、ロロンドにこれからリムルダールに行くことを伝えようとする。
だがその時、ロロンドは北の空を見て言った。
「雄也よ、あの黒い流星のようの物は何なのだ?」
突然どうしたんだと思ったが、確かに北の空を眺めると、黒い流星のようなものが見える。
それはだんだん地面に近づいていき、衝突して消えた。
黒い流星が衝突したのは、ラダトーム城がある方向だ。
「俺にも分からない…でも、ラダトーム城の方角に落ちたぞ」
黒い流星の正体は分からないが、もしラダトーム城に落ちたのであれば、城は無事では済まないだろう。
これからリムルダールに向かおうとしていたが、少しラダトーム城が心配だな。
みんなの安否を確認するために、1度ラダトーム城に向かった方がいいかもしれない。
「心配だし、ラダトーム城を見に行って来る」
ラダトーム城のみんなは、共に魔物たちと戦った大切な仲間だ。
みんな無事であってほしいが、もしもという物も考えられるな。
俺はロロンドにそう告げて、メルキドの町を出て北の海へと向かっていく。
メルキドを出て15分くら経つと俺は海に辿り着き、小舟をこぎ始めていった。
「みんな、無事であってくれよ…」
ラダトームに落ちたと思われる、黒い流星の正体も突き止めたい。
俺は力いっぱい小舟を動かし、ラダトームへと向かっていった。