ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
ゲンローワたちに清めの光薬を飲ませた後、俺はこれから何をするか考えていた。
しかし、リムルダールはもう全て探索しており、今すぐに作らなければいけない物もない。
特に何も思いつかず、俺は座り続けていた。
だが、ぼうっとしている俺のところに、ヘイザンがやってくる。
「ここにいたのか、雄也。実は、大事な話があるんだ」
いつもより真面目な顔で、大事な話があると言ってきた。
そう言えばこの前ヘイザンは、ビルダーハンマーにも匹敵する強力な武器を考えていると言っていたな。
もしかしたら、その武器の作り方が思いついたのだろうか?
「この前言ってた、強力な武器の話か?」
「そうなんだ。エルが邪毒の病の薬を考えている間、ワタシは新しい武器を考えていた。それでついにさっき、武器の詳しい作り方を思いつくことができた」
ヘイザンが長い時間をかけて考えた武器だから、きっと強力な物になるだろう。
俺はゲンローワたちが回復したらリムルダールを去るつもりだが、マイラに行っても役立つことになりそうだ。
今日はこれから時間があるので、俺はさっそく作り方を聞いていく。
「今日はまだ時間があるから、さっそく作って来るぜ。詳しい作り方を教えてくれ」
「ワタシが考えたのはビルダーハンマーと同じ、ビルダーの名を冠する斧…ビルダーアックスだ。ビルダーハンマーと同じく、なるべく素材の必要数も減らしたつもりだ」
ビルダーアックスか…これからは、ビルダーの名を冠する2つの武器を振るって、魔物と戦っていくことになりそうだ。
素材の必要数も少ないのなら、今日中に作ることも出来るだろう。
しかもヘイザンは、ビルダーハンマーの最大の欠点も改善したと話した。
「それに、ビルダーハンマーと違って、鉱石を採掘することもできるんだ。戦闘でも採掘でも、役に立つ物になるはずだ」
ビルダーアックスがあれば、鉱脈の採掘がかなり楽になりそうだな。
鉱脈をそのまま入手してしまうという、ビルダーハンマーの強さの代償までもなくしてしまうとは、ヘイザンはもう師匠のゆきのへを超えているのかもしれない。
そんなことを考えていると、ヘイザンはビルダーアックスの作り方を詳しく話す。
ヘイザンの話を聞きながら、俺はビルダーの魔法で必要な素材を調べていった。
ビルダーアックス…オリハルコン3個、さびた金属3個、はがねインゴット1個、金1個、木材1個 仕立て台
他の斧と同じで、仕立て台で作ることができるようだな。
木材とさびた金属はすでに持っており、金もさっき行った鉱脈で採掘して来れば良さそうだ。
オリハルコンとはがねインゴットはリムルダールにはないが、小舟でメルキドに向かい、メルキドの大倉庫から取り出せば集められるだろう。
時間はかかるが、今日中に作ることが出来そうだな。
ヘイザンは本当は、黒いオリハルコンを使いたかったとも言った。
「本当は黒いオリハルコンを使いたかったんだけど、普通のオリハルコンとは性質が変わっているから、うまい加工方法がまだ思いつかなかった…すまないな」
「このビルダーアックスでも、十分強いと思うぜ。強力な武器を考えてくれて、本当にありがとう。完成したら、すぐに見せに来るぜ」
ヘイザンは謝るが、今のビルダーアックスでも十分な強さだろう。
こんな強力な武器を考えてくれるヘイザンには、感謝してもしきれない。
必ず彼女の考えたビルダーアックスを形にして、見せに来よう。
俺はヘイザンの話を聞き終えると、まずはメルキドでオリハルコンとはがねインゴットを回収するために、小舟に乗りに行った。
いつも通り魔物たちから隠れながら、岩山の向こうの海へと歩いていく。
今日はまだあまり疲れてはいないので、15分ほどで海にたどり着くことが出来た。
海に出ると、俺はポーチから小舟を出して漕ぎ出していく。
「メルキドまでは遠いけど、頑張らないとな…」
メルキドの町まで行かなくても、メルキドの4つの地域のいずれかに上陸すれば、大倉庫から物を回収することが出来るはずだ。
しかし、ここから最も近い峡谷地帯まででも1時間くらいはかかるので、かなり腕が疲れそうだ。
でも、早くビルダーアックスを作りたいので、俺は腕に力をこめて、メルキドの峡谷地帯に向けて小舟を進めていった。
そして、思っていた通り1時間くらいで、俺の目の前にメルキドの峡谷地帯が見えてくる。
ほとんどのオリハルコンが黒変しているが、まだ海に面した崖には普通のオリハルコンが残っていた。
俺の腕にはかなりの痛みが走っているが、小舟を漕ぎ続けて上陸する。
「オリハルコンとはがねインゴットを手に入れたら、リムルダールに戻ろう」
俺は峡谷地帯に立つと、ポーチを通じてメルキドの大倉庫からオリハルコンとはがねインゴットを回収した。
離れた場所からもアイテムを取り出せる大倉庫は、本当に便利だな。
二つの素材を取り出すと、俺はまた小舟を漕いでリムルダールに戻っていく。
今度は休みながら行ったので、1時間半くらいかかって町の東の岩山までたどり着いた。
リムルダールの町に戻って来ると、今度は金を集めに緑の旅のとびらに入っていく。
「金も集めたら、ビルダーアックスが作れるな」
金の鉱脈の場所は分かっているので、すぐに向かうことが出来るな。
早く集めてビルダーアックスを作り、ヘイザンに見せよう。
俺は緑のとびらを抜けると、魔物から隠れながら金の鉱脈へと歩いていった。
鉱脈にたどり着くと、おうじゃのけんを使って、金を採掘していく。
「他にも使うかもしれないし、たくさん採掘しておくか」
金は今後ビルダーアックスだけでなく、さまざまなことに使うかもしれない。
リムルダールでは使わなくても、マイラやラダトームで必要になる可能性もあるだろう。
また採掘に来なくてもいいように、俺はたくさんの金を手に入れ、ポーチにしまう。
金の採掘も終えると、俺はビルダーアックスを作るために、リムルダールの町へ戻っていった。
リムルダールの町に戻って来ると、俺は仕立て台のある部屋に入っていく。
そこで必要な素材を取り出し、ビルダーアックスを作り始めた。
ビルダーの魔法がかけられると、木材とさまざまな金属が合わさり、斧の形に変わっていく。
ビルダーハンマーと同様、加工にはかなりの時間がかかっていた。
「時間はかかってるけど、その分強力な武器になりそうだな」
でも、その分強力な武器になることは間違いないはずだ。
ビルダーの力を使い続けると、黄金のオリハルコンの刃を持つ斧が出来上がってくる。
この刃があれば、ほとんどの魔物は簡単に斬り裂くことが出来るだろう。
そして、ビルダーアックスが出来上がると、俺は手に取って、ヘイザンに見せに行った。
「これでビルダーアックスが出来たか…強そうな上に、持ちやすいな」
そこまでの重さもなく、戦いの時に使いやすそうだな。
強い上に軽い武器を考えるのも、ヘイザンの技術なのだろう。
ヘイザンは町の中を歩いており、俺は話しかけながらビルダーアックスを見せた。
「ヘイザン、ビルダーアックスを作って来たぞ」
「おお!ワタシが考えていた通りのビルダーアックスだ。作ってくれて、本当にありがとう」
完成したビルダーアックスを見ると、ヘイザンは驚きの声を上げた後、嬉しそうな顔になる。
自分の考えたことが形になった瞬間というのは、みんな嬉しいものだろう。
俺も強力な武器を考えてくれたヘイザンに、改めて感謝の言葉を言った。
「こっちこそありがとう。ビルダーアックスのおかげで、これからの戦いに勝てる可能性が上がったと思うぜ」
マイラではどのような魔物が待ち受けているか、それはまだ分からない。
だが、ビルダーアックスのおかげで、確実に勝ち目は上がっただろう。
俺がそんなことを考えていると、ヘイザンはゆきのへが鍛冶屋を引退しようとしていることを伝えてきた。
「雄也は知らないかもしれないけど、親方はエンダルゴや元勇者との戦いが終わったら、鍛冶屋を引退するらしいんだ。だからそれまでに、親方と同じくらいの技術を身につけたかったんだ」
確かにゆきのへはかなりの高齢なので、鍛冶屋を引退してもおかしくはないだろう。
昔リムルダールにいた時もゆきのへは、そろそろ鍛冶屋を引退して農業を始めようかと言っていたな。
ヘイザンは、もうゆきのへと同じくらいの鍛冶屋になれただろうかと聞いて来る。
「そうだったのか…確かに、ゆきのへももう高齢だもんな…」
「雄也、ワタシは親方と違って、伝説の鍛冶屋の家系じゃない。それでも、親方と同じくらいの鍛冶屋になれたと思うか?」
確かにヘイザンはゆきのへの娘ではなく弟子なので、伝説の鍛冶屋ゆきのふの血を継いではいない。
だが、彼女はアレフガルド各地で鍛冶屋の修行をし、ビルダーアックスも考え出すことが出来た。
伝説の鍛冶屋を継ぐ資格は、十分にあるはずだ。
「もちろんだ。ヘイザンなら、必ず伝説の鍛冶屋を継げると思うぜ」
「そう言ってくれてありがとう。また新しい武器が必要になったら、いつでも呼んでくれ」
俺がそう言うと、ヘイザンは今まで以上に嬉しそうな顔になった。
たとえ伝説の鍛冶屋の血は途絶えたとしても、技術はずっと受け継がれていく。
ヘイザンはこれからも修行を続け、立派な伝説の鍛冶屋になるだろう。
俺はヘイザンと別れた後、メルキドまで出かけた疲れを癒すために、寝室へと戻っていった。