ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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7章の最終回で、ついに合計文字数が100万文字を超えました。

最初はここまで長くなるとは思っていませんでした。


Episode181 邪毒を祓って

ほしふるうでわを作った後、俺たちは邪毒を浄化する装置について話し合っていた。

町の中の空気を浄化し、水も清める装置を作るとなればかなりの素材が必要になるだろうが、それでもこれからのリムルダールには不可欠な物だ。

ケーシーの浄水の知識やエルとゲンローワの薬の知識も生かしながら、俺たちは考えを進めていった。

さすがに一日では思いつくことが出来なかったが、翌日も朝から話し合いを続けることで、浄化装置の見た目や作り方が、頭の中に浮かぶようになってきた。

 

そして、ほしふるうでわを作った翌日、リムルダールに来てから12日目の昼、俺たちはいよいよ邪毒を浄化する装置を作り始めようとする。

 

「ついに装置を思いつくことが出来ましたね。これで、空気や水がきれいになるといいのですが」

 

「確かに効果があるかは不安だけど、みんなが考えてくれた物だ…あると信じて、必要な素材の数を調べてみるぜ」

 

これで装置を思いついたが、エルはこれで邪毒を浄化出来るのかまだ不安だという。

俺も不安だが、清めの光薬も効果があったんだし、今回も大丈夫なはずだ。

エルにそう言った後、俺はリムルダールのみんなで考えた高さ数メートルの塔のような形をした大型の浄化装置、清めの宝塔を作るのに必要な素材の数を調べ始めた。

 

清めの宝塔…金5個、液体銀10個、清めの光薬5個、じゃり石10個、綿毛10個、石材10個 木の作業台

 

石材で浄化装置の形を作り、金や銀、それらの金属の力を使って作られた薬である清めの光薬の力を使って邪毒を浄化し、さらにじゃり石や綿毛も使って汚染を取り除くといった仕組みだ。

単にそれらの素材を組み合わせるだけでなく、どうしたら最も浄化作用が高まるかも、昨日から考え続けている。

金と液体銀は大倉庫にたくさん入っているし、あとは青の旅のとびらの先でじゃり石、綿毛、石材を10個ずつ集め、清めの光薬を作れば良さそうだ。

清めの光薬に必要な素材で足りていないのはピンクの花びらだが、それは町の近くでも集めることが出来る。

 

「どうじゃ、作れそうか?」

 

「ああ。素材集めには行かないといけないけど、そんなに時間はかからない。今から集めに行って来るぜ」

 

恐らく今日中に清めの宝塔を作り、リムルダールを去ってマイラに行くことも出来るだろう。

俺はゲンローワにそう言うと、さっそく素材を集めるために寝室から出ていく。

まずは石材とじゃり石、綿毛を集めるために、青の旅のとびらへと入っていった。

 

青の旅のとびらを抜けて草原地帯にやって来ると、俺はさっそくこの前作ったビルダーアックスを構えて、素材を探していった。

ビルダーアックスは重さもそこまでではないので、採取にも使いやすい。

石材とじゃり石、綿毛は旅のとびらのすぐ近くにもたくさん生えているので、俺はすぐに集めていくことが出来た。

 

「それぞれ10個ずつ必要だけど、そんなに時間はかからないな」

 

10個ずつ集まると、俺はそれらをポーチにしまって、1度リムルダールの町に戻ろうとする。

これで後はピンクの花びらを集めて清めの光薬を作れば、清めの宝塔を完成させることが出来るな。

だが、じゃり石や綿毛はともかく、石材はこれからも必要になるだろうから、俺は大きな石を砕いてさらに多くの石材を回収しながら、旅のとびらへと歩いていった。

 

「これで集まったけど石材は使い道が多いし、もう少し集めておくか」

 

町に戻ってきた時には、合計30個くらいの石材を集めることが出来ていた。

次は町の南に向かい、ピンクの花を手に入れようとする。

町の南にはまだ多くのドロルリッチが生息しているので、気をつけないといけないな。

俺は体勢を低くして魔物たちから隠れながら、ピンクの花が生えている場所を探していった。

 

そして、町を出てから20分くらい歩き続けて、何度も通ったことがある枯れ木の森の近くのところで、俺はピンクの花を見つけることが出来た。

清めの光薬は5個必要なので、ピンクの花びらも5個集めれば良さそうだ。

 

「ここにピンクの花があったか。この花を集めたら、いよいよ清めの宝塔が作れるな」

 

俺はビルダーアックスを振って次々にピンクの花を刈り取っていき、花びらを拾ってポーチに入れていく。

ここにはかなりの数のピンクの花があったので、ここだけで5枚の花びらを集めていくことが出来た。

 

「これで5枚集まったか…戻ったらさっそく作り始めよう」

 

ピンクの花びらを集め終えると、俺は来た道を引き返して、リムルダールの町へと戻っていった。

みんなも待っていることだろうし、早く清めの宝塔を作らないとな。

 

また20分くらい経ってリムルダールの町に戻ってくると、俺はまず清めの光薬を作りに調合室に入っていく。

いにしえの調合台の前に立ち、さっきのピンクの花びらに加えて、他の必要な素材も取り出していった。

素材をすべて調合台に乗せると、俺はビルダーの魔法を使って薬へと加工していく。

5つ必要とは言え、あまり加工に時間はかからないので、すぐに清めの光薬を用意することが出来た。

 

「清めの光薬も出来たな…後はこれを作業台に持って行こう」

 

これで、清めの宝塔を作るのに必要な物は全て揃ったな。

俺は出来た光り輝く薬をポーチにしまって、木の作業台がある部屋に向かっていった。

 

俺は木の作業台の前に立つと、ポーチから多くの素材を取り出して、清めの宝塔を作り始めていく。

再びビルダーの力を発動させると、まずは石材が加工されて、塔のような形に変わっていった。

次に金や銀、清めの光薬、じゃり石、綿毛によって、浄化装置の内部が作られていく。

 

「今回は結構、加工に時間がかかっているな」

 

大きさや内部構造の複雑さのせいで、清めの宝塔を作るのには時間がかかっていた。

メルキドウォールを作る時も10分くらいかかっていたが、今回はさらに必要な時間が多かった。

しかし、加工を始めてから20分くらい経って、無事に清めの宝塔が完成していく。

 

「時間はかかったけど、清めの宝塔が完成したみたいだな。これで邪毒を浄化出来たらいいな…」

 

完成はしたものの、これで邪毒が浄化出来るかはまだ不安だな。

それを確かめるために、さっそく清めの宝塔を置いてみよう。

水の浄化も行いたいので、置くなら町の中にある水場がいいだろう。

 

「町の中の水場に置いて、効果を確かめてみるか」

 

俺は1度清めの宝塔をポーチの中にしまいこみ、リムルダールの町の水場に歩いていく。

魔法のポーチには、清めの宝塔のような大きなものでも簡単に入った。

水場にたどり着くと、俺は邪毒に染まった水に落ちないように気をつけながら、清めの宝塔を設置する。

 

「無事に置けたな…効果はすぐに現れないと思うし、しばらく待つか」

 

例え効果があったとしても、設置した直後に現れるものではないだろう。

俺は清めの宝塔のまわりの空気や水に何か変化がないか、しばらくの間観察を続けることにする。

そうしていると、清めの宝塔が設置されたことに気づいたエルが、後ろから話しかけて来た。

 

「おお、雄也様!清めの宝塔を作って下さったのですね…!」

 

エルもまだ不安だろうし、早く効果が現れるといいな。

エルの声を聞いて、ゲンローワたちも俺たちのところに集まってくる。

 

「わしらの考えが、ついに形になったようじゃな。どうじゃ、空気や水はきれいになったか?」

 

「まだ分からない…しばらく観察を続けないと、効果は出てこないと思うからな」

 

「では、私たちもここで見ていましょう」

 

俺がゲンローワにそう答えると、エルも一緒に清めの宝塔を見ていると言った。

町にとって大事な設備なので、他のみんなも目を離さずにいる。

効果があることを祈りながら、俺たちは数分間清めの宝塔のまわりに立っていた。

 

そして、清めの宝塔を置いてからしばらくすると、禍々しい黒になっていた水の色が、少し薄まった気がした。

これは宝塔を置いた時からだんだん浄化されていき、ついには目に見えるほどの変化になったということだろう。

俺が声を上げる前に、エルが大声を出して水場を指さす。

 

「おお、皆様!水場の水が、さっきより薄い色になっております!」

 

「あたいにも見えたよ…まだまだ飲めそうにはないけど、確実にきれいになってるね」

 

ケーシーの言う通り、飲める水になるにはまだ時間がかかりそうだが、清めの宝塔の効果は確実にあった。

俺たちが水を見ていると、空気の淀みも晴れて来ているとミノリが言った。

 

「そう言えば皆さん、空気の淀みも晴れてきていませんか?今までより、息がしやすい気がするんです」

 

水場に集中していたので気づかなかったが、確かに空気もきれいになって来ている気がするな。

今までは気持ちが悪いほどに空気が淀んでおり、息をするのも苦しかったが、少しは改善されている。

さすがにメルキドやサンデルジュほどのきれいな空気にはならないだろうが、邪毒の病に感染することはなくなるはずだ。

 

「ああ、水も空気も確実にきれいになってる。今までは不安だったけど、清めの宝塔の効果があったみたいだな」

 

みんなの力を合わせて考えた物が、また大きな役に立つことになったな。

俺は少し前、エンダルゴやアレフを倒したところで何も変わらないではないかとも思ったが、みんなの力を合わせれば、世界をよりより方向に持っていけるだろう。

人々が力を合わせれば、出来ないことなどないのかもしれない。

 

心の中で希望を感じていると、エルも嬉しそうな顔をして言う。

 

「それでは、病の発生も抑えられるということですね…!おお、なんという、なんということでしょう!」

 

エルのこの感動の声を聞いたのは、マッドウルスを倒した時以来だな。

例えこの先新たな病が発生したとしても、エルたちなら必ず治すことが出来るだろう。

ゲンローワも、きれいな水と空気になったこの町を、亡くなったみんな分も発展させていきたいと話す。

 

「本当に良かったのじゃ…ノリンたちにこの感動を見せられなかったのは残念じゃが、彼らの分もこの町を発展させよう」

 

確かに、この瞬間を全員で迎えられなかったのは心残りだ。

でも、そう思ったところで彼らが戻って来ることはないので、俺たちに出来るのは4人の分も生きて、町を発展させることだけだ。

 

「みんななら、必ず出来るだろうぜ」

 

これからも、リムルダールのみんなの力でこの町を大きくしていくことだろう。

だが、リムルダールの復興を手伝いたいが、俺はこれからマイラの2度目の復興を行い、エンダルゴとアレフを倒さなければいけない。

リムルダールにも十日以上滞在したし、今日のうちにもマイラに向かいたいな。

 

「そうだ…リムルダールの邪毒を消せるようになったところで、言わなければいけないことがある」

 

「どうしたのですか、雄也様」

 

ちょうどみんなが集まっている時なので、俺はリムルダールを去る話を始める。

嬉しそうな顔をしていたみんなもいつもの顔に戻り、俺の方を見た。

 

「リムルダールの2度目の復興も進んだことだし、俺はそろそろマイラの地に向かおうと思う。みんなともう少し一緒にいたいけど、マイラのことも心配だからな…」

 

「私も共にリムルダールの発展を続けたかったのですが、そういう訳にもいきませんよね…今度はいつ、戻ってくることが出来ますか?」

 

俺がリムルダールを去ると聞いて、みんなは少し暗い表情になってしまう。

小舟があるとはいえ、今はマイラの復興やエンダルゴとアレフの討伐を急ぎたいので、リムルダールに戻ってくるのもそれらが終わった後になるだろう。

 

「世界を裏切った勇者がルビスを殺して、エンダルゴという最強の存在を生み出したという話はしただろ?その勇者とエンダルゴを倒したら、またここに戻ってくるぜ」

 

「竜王の時より厳しい戦いになるでしょうが、生きて帰って来てくださいね」

 

エンダルゴやアレフとの戦いから生きて帰れる保証はないが、みんなのためにもなんとか勝って、生きて戻って来ないとな。

俺はエルの言葉にうなずいて、ピリンたちを連れて出発しようとする。

 

「ああ、もちろんだ。もう出発するから、一緒に行くぞ、ピリン、ヘイザン」

 

「ここを離れるのも寂しいけど、マイラも心配だもんね。これからも一緒に頑張ろう、雄也!」

 

「エンダルゴを倒す武器を作るためには、まだまだ修行が足りないからな…マイラでも腕を磨くぞ」

 

マイラの復興も終われば、ヘイザンはラダトームでゆきのへと一緒に、伝説を超える武器を開発することになるだろう。

それまでに、腕をさらに上げられるといいな。

急な別れではあるものの、俺はみんなに手を振って、小舟に乗るために海に向かおうとする。

 

「必ずまたリムルダールに戻って来るから、それまで待っていてくれ。みんな、またな!」

 

俺たち3人がリムルダールの町を離れていく間、みんなも手を振りながら別れのあいさつをしてくれた。

 

「また会いましょう、雄也様!」

 

「怪我のないようにじゃぞ!」

 

「困ったことがあったら、いつでも戻って来てくれよ!」

 

「生きて帰って来るって、信じています!」

 

「短い付き合いだったけど、ありがとうな」

 

「助けてくれてありがとう!キミも頑張って」

 

「そなたのおかげで弟子の仇を討てた。本当に感謝しておる」

 

「死ぬンじゃナイぞ、雄也!」

 

今度戻ってくる時にリムルダールがどのくらい発展しているのか、楽しみだな。

俺はリムルダールのみんなに繰り返し手を振りながら、枯れ木の森の近くにある海へ向かっていく。

まだドロルリッチなどの魔物がたくさんいるが、俺たちは20分くらいで海にたどり着くことが出来た。

海に着くと、俺たちは小舟に乗って、世界地図を見ながらマイラの町を目指して漕ぎ始めていった。

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