ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode186 融合せし氷炎の魔物

岩山のバリケードを越えてから10分ほど歩き続けて、俺たちは占拠されたマイラの町のすぐ近くにまで戻ってくる。

城の入り口の前には、フレイムとブリザードが合体した魔物が15体、あくまのきしが12体、デュランダルが6体、ギガンテスが2体の、合計35体の魔物がいた。

奴らを倒しても城内にはまだ多くの魔物がいるはずなので、長丁場になりそうだ。

まずは戦いの前にコルトたちを隠れさせようと、俺は指示を出す。

 

「コルト、ピリン、ヘイザン。そろそろ俺たちは戦いに向かうから、魔物に見つからないように隠れていてくれ」

 

「分かりました。皆さん、気をつけてくださいね」

 

コルトはそう返事をすると、ピリンたちを連れて近くの枯れ木の裏に隠れる。

俺たちが戦っている間、コルトたちが魔物に見つからなければいいな。

3人が隠れると、俺はポーチからサブマシンガンを取り出して構え、一緒に戦うみんなに声をかけた。

 

「厳しい戦いになるとは思うけど、必ず生きて俺たちの町を取り返そう」

 

「心配することないよ。アタシたちには新しい武器がある…あんな魔物たちなんて、蹴散らしてみせるさ」

 

アメルダは自身に満ち溢れた様子で、そんなことを言う。

一度は勝てなかった魔物たちであるが、荒くれたちも怯えた様子は見せなかった。

最初は臆病で、仮病で戦いから逃げていたガロンも、もうその時の面影は全くない。

 

「ああ。行くぞ、みんな」

 

俺たちはルビスの加護を失っても魔物たちとの戦いに勝ち、メルキドとリムルダールを立て直すことが出来た…マイラの2度目の復興も、必ず達成できるはずだ。

俺もそんなことを考えながら、マイラを占拠している魔物のところに向かっていく。

 

俺たちが近づいて来るのに気づくと、魔物たちも武器を構えて戦いの準備をする。

そして、城の入り口の前に立っている2体のギガンテスが、改造された魔物たちへと指示を出した。

 

「お前たちは、人間!?まさか、自分たちから戻って来るとはな」

 

「ビルダーと合流したようだが、無駄なことだ。力を見せつけてやれ、デュランダル、ブリザレイム!」

 

フレイムとブリザードが合体した魔物は、ブリザレイムと呼ばれているみたいだな。

マイラのみんながビルダーである俺と合流したことを知っても、魔物たちは引く様子はなさそうだ。

先にブリザレイムが近づいてきて、その後ろにデュランダルたちが続く。

そして、マイラの町を奪還するための戦いが始まった。

 

俺は赤魔の弾丸をサブマシンガンに詰めて、ブリザレイムに向けて撃っていく。

フレイムもブリザードも弾丸を当てると一撃で倒れたので、奴らも簡単に倒せるかもしれないな。

ブラッドインゴットから作られた銃弾は、ブリザレイムたちの体を貫き、大きなダメージを与える。

 

「結構なダメージのはずだけど、すぐには倒れてくれないな…」

 

だが、サブマシンガンを連射しても、なかなかブリザレイムは倒れる様子を見せない。

どうやら炎と氷の融合によって、生命力も大幅に強化されたみたいだな。

サブマシンガンを持っていることを危険視し、15体のブリザレイムのうち5体が俺の方を狙って来る。

奴らは、炎と氷が合わさったブレスを吐いて、俺を攻撃しようとしてきた。

 

「あんなブレスを吐いて来るのか、気をつけないと…」

 

フレイムやブリザードのブレスより範囲が広く、がったいまじんのメドローアほどの威力はないが、当たればかなり危険だろう。

俺はほしふるうでわの力を使って素早く動き、奴らの攻撃をかわしていく。

そして、動きながら武器をやみよのつるぎとブラッディハンマーに持ち替えて、ブリザレイムたちに殴りかかった。

 

「なんとか近づけたか…でも、剣とハンマーでもまだ倒れないな」

 

攻撃を受けたブリザレイムは怯んだが、まだ生命力が尽きる様子はない。

ブレスがブリザレイム同士に当たるのを防ぐため、奴らは今度は腕で俺を殴りつけようとしていた。

攻撃速度はかなり素早く、ほしふるうでわがなければ5体の攻撃を避け続けるのは不可能なほどだ。

 

「腕での攻撃も結構素早いんだな…ほしふるうでわがあって助かった」

 

ガロンたちは相手しているブリザレイムの数が2体なので、腕輪なしでもかろうじて腕での攻撃を受けずに済んでいた。

腕輪の力を持ってしても多くの体力を使うが、俺はジャンプも使いながら、剣とハンマーでダメージを与えていった。

マイラの奪還までは長い…こんなところで、傷を負うわけにはいかないな。

攻撃を続けると、高い生命力を手に入れたブリザレイムたちも、少しずつ弱って来ているようだ。

 

「体力は多いけど、確実に弱って来ているな」

 

炎と氷の融合に成功しても、無敵にはさすがになれなかったようだ。

ブリザレイムたちが追い詰められているのを見て、後ろのデュランダルたちも移動速度を上げてくる。

デュランダルは機械音声を放ちながら、銀色の剣を振り上げて来た。

 

「ビルダーメ、カナラズホロボシテヤル!」

 

魔物から見たら最大の障害である俺を、奴らは何としても排除したいのだろう。

だが、俺もこんなところで負けるつもりはない。

デュランダルが来る前に1体でもブリザレイムを倒そうと、俺は攻撃の手を強めていった。

最も弱っている奴に連続で攻撃を与え、とどめをさしていく。

 

「何とか倒したか…デュランダルと他のブリザレイムもこのまま倒せるといいな」

 

フレイムやブリザードをはるかに凌ぐ生命力を持つブリザレイムも、ついに力尽きて消えていった。

もう一体くらいブリザレイムを倒しておきたかったが、もう間に合わない。

俺の至近距離までデュランダルが近づいて、飛び上がって剣を叩きつけて来た。

 

「くっ、ジャンプ攻撃か…これもかなり強そうだ」

 

俺は大きくジャンプして剣をかわすが、当たったら真っ二つになっていたかもな。

すぐに体勢を立て直して、追撃して来ようとするブリザレイムたちを斬り裂いていく。

攻撃の手をやめないことで、4体の奴らもかなり追い詰められていた。

しかし、ブリザレイムたちを守るために、デュランダルも激しい連撃を行ってきた。

 

「デュランダルも、かなりの攻撃速度だな…」

 

デュランダルの攻撃速度はブリザレイムたちよりも速く、ブリザレイムの腕も見極めながら剣を避けるのはかなり難しかった。

ほしふるうでわの力を持ってしても、長くは持たなさそうだな。

なるべく早く魔物の数を減らそうと、俺は腕に力をこめて攻撃を続けていった。

 

「早く倒さないと、攻撃を食らってしまうな…」

 

瀕死になっているはずなのに、なかなか倒すことができない。

マイラの町を奪って改造された魔物は、やはり強力だな…。

 

だが、危険な状態になっている俺のことを、アメルダが助けに来ようとする。

 

「雄也がビルダーだからって、そんなに大勢で取り囲むとはね…今助けに行くよ!」

 

アメルダはガロンたちほどの筋肉はないが、軽やかな動きで魔物たちを翻弄していく。

戦っていた2体のブリザレイムのうちの一体に集中して、何度も鋭い斬撃を与えていった。

そしてその奴が倒れると、俺と戦っているブリザレイムの背後に近づき、やみよのつるぎを突き刺す。

 

「怪我する前に間に合ったね…大丈夫かい、雄也?」

 

「今のところはな…助かったぜ、アメルダ!」

 

俺の攻撃で弱っていたところに背後から突き刺され、ブリザレイムは倒れる。

アメルダは気を緩めずにすぐに別の奴にも攻撃を加え、俺を囲んでいるブリザレイムは2体になった。

このくらいの数なら、デュランダルと一緒でも相手することが出来るな。

俺は残った奴らにもとどめをさそうと、剣とハンマーを振り回していった。

 

「このくらいの数になれば、安定して戦えるぜ」

 

深いダメージを受け、今まで攻撃を続けてきた疲れもあり、ブリザレイムたちは攻撃速度が落ちていく。

そこで俺はさらなる攻撃を続け、俺の目の前にいるのはデュランダルになった。

デュランダルは相変わらず、斬れ味の鋭い剣を素早く叩きつけて来る。

 

「残りはデュランダルだけになったか…このまま倒してやる」

 

しかし、デュランダル1体であれば、もう苦戦することはないはずだ。

俺は奴の剣を確実にかわしつつ、装甲に両腕の武器を叩きつけていく。

キラーマシンの装甲より硬かったが、今の武器を使えば傷つけることが出来ていた。

 

「結構な硬さだ…この武器がなかったらキツかったかもな…」

 

ブラッドインゴットの武器がなければ、かなり苦戦していたかもな。

マイラの奪還に向かう前に、やみよのつるぎとブラッディハンマーを作ることが出来て良かった。

体中に傷を負ったデュランダルは、俺を止めようと全身の力を腕に溜めていく。

メタルハンターも使っていた、回転斬りの構えだな。

俺は少し走った後大きくジャンプして当たらずに済んだが、今までの魔物と比べて溜め時間がかなり短かった。

 

「くっ、こんな短時間の溜めで回転斬りを使うのか…」

 

ほしふるうでわがなければ、武器で受け止めるしかなかっただろう。

デュランダルにも回転斬りの後には動きを止めていたので、俺はこの隙に走って大きく離れ、ポーチから超げきとつマシンを取り出す。

がったいまじんにも大ダメージを与えたこの車なら、デュランダルも怯ませることが出来るだろう。

俺はすぐにアクセルを踏んで、マシンの先端についている2本の角を突き刺した。

 

「このマシンを使うのも、かなり久しぶりだな」

 

デュランダルの硬い装甲に当たったことでこちらにもかなりの衝撃が加わったが、何とか投げ出されないようにしがみつく。

装甲を傷つけられたところに超げきとつマシンの攻撃を受け、奴は倒れ込んだ。

俺はすぐに体勢を立て直して、デュランダルに近づいて両腕に力を溜めていく。

そして、奴が立ち上がる前に力を解放して大きく飛び上がり、とどめをさしていった。

 

「今だ、飛天斬り!」

 

新武器の二刀流での飛天斬りを受けて、デュランダルは壊れて消えていく。

ブリザレイムもデュランダルもかなり強力だったが、俺を囲んでいた奴らは何とか倒すことが出来たな。

 

ガロンたちもその力強さで奴らの攻撃を弾き返したりしながら追い詰め、アメルダも素早い動きでブリザレイムたちを全滅させていた。

だが、荒くれたちよりは戦闘に慣れていないシェネリは、まだ魔物たちを追い詰めることが出来ず苦戦している。

俺は今度はシェネリを助けに行こうと超げきとつマシンに乗り、彼女を襲っているデュランダルの後ろにまわって突撃した。

 

「まずはシェネリを助けて、それからみんなも援護しに行こう」

 

超げきとつマシンを使うのは久しぶりだが、うまく使えて良かったぜ。

シェネリに集中しているところに背後から勢いよく突き刺され、デュランダルは大きく怯む。

まだ倒すことは出来なかったが、大きなチャンスが出来たな。

 

「ありがとうございます、助かりました!」

 

「俺がデュランダルにとどめをさすから、その間ブリザレイムを引き付けていてくれ!」

 

ブリザレイムだけなら、シェネリでも十分に引きつけることが出来るだろう。

俺はシェネリにそう指示を出すと、超げきとつマシンから降りて両腕の武器を構える。

そしてデュランダルを何度か斬り裂いた後、再び両腕に力を溜めていった。

飛天斬りを当てれば、こいつも倒すことが出来るだろう。

 

「飛天斬り!」

 

渾身の飛天斬りを受けて、デュランダルの装甲は砕け散る。

ボロボロの状態になっていたが、まだ倒れずに起き上がり、剣での攻撃を続けてきた。

 

「ビルダーメ、ココニモキタノカ!」

 

「倒しきれなかったか…でも、確実に弱ってるな」

 

だが、ダメージを受けたことで攻撃速度は落ちており、もう少しで倒すことが出来そうだ。

俺は攻撃を回避してやみよのつるぎを構え、奴の核へと突き刺した。

急所に深い傷を負って、このデュランダルも力を失い倒れていく。

奴らの数も、確実に減ってきているな。

 

だが、魔物たちが追い詰められているのを見て、ギガンテスたちも巨大な棍棒を構えて近づいて来た。

 

「人間のくせに、ここまでやるとはな…」

 

「予想外のことだが、お前たちを中に入れる訳にはいかない。我らに踏み潰されるがいい!」

 

2体のギガンテスだけでなく、あくまのきしたちも近づいて来る。

戦い慣れているあくまのきしは苦戦しないだろうが、ギガンテスは改造された魔物にも劣らない強敵のはずだ。

少しでも戦いを楽にしようと、俺はシェネリと戦っているブリザレイムを倒しておこうとする。

 

「ギガンテスも来たか…先にこいつらを倒そう」

 

奴らは2体とも、シェネリの攻撃で少しは弱っているはずだ。

2体同時に倒そうと、俺は今度は回転斬りを放っていった。

 

「少しでも数を減らす、回転斬り!」

 

ブリザレイムも回転斬りを耐えて、反撃しようとして来たが、シェネリが残った体力を削り取っていく。

俺たちに傷を与える前に倒れて、青い光を放って消えていった。

自分と戦っていた魔物が全て倒れて、シェネリは改めて感謝の言葉を言ってくる。

 

「何度もありがとうございます、雄也さん。これで、敵も追い詰められていますね」

 

「ああ。でも、まだ油断はできないぞ」

 

後はこのギガンテスたちを何とかすれば、マイラの城の中に入ることが出来るだろう。

俺はシェネリにそう言うと、ギガンテスたちに向けて武器を向けた。

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