ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode191 勇気の温泉

トレーニングルームと食事場を作った2日後、マイラに戻って来てから6日目、まだアメルダは新兵器を開発していなかった。

だが、確実に発明は進んでいるだろうし、あと数日で作れそうだ。

それまでに、トロルギガンテが襲って来ないよう祈るしかないな。

そう思いながら町の中を歩いていると、ギエラが話しかけてきた。

 

「ねえ、雄也。アネゴの兵器の開発も進んで、トロルギガンテとの決戦が近づいて来たでしょ?戦いの前に、アタシから提案したいことがあるの」

 

「別にいいけど、また筋肉に関することか?」

 

荒くれの言うことだから、また筋肉に関することだろうか。

だが、そう思っていると、ギエラは温泉を飾り付けたいと言ってきた。

 

「いいえ。雄也にはこのアジトの温泉を、さらにグレードアップして欲しいのよ。トロルギガンテは強力よ…最大限に士気を高めて挑まなければ、勝ち目はないわ」

 

そう言えば昔もギエラは、温泉に関する提案を何度もしていた。

みんなの士気を上げるために行った温泉のグレードアップも、ついに4回目になるな。

確かにみんなの士気が高くなければトロルギガンテには勝てないだろうし、ギエラの頼みを聞いておこう。

今回は、どんな壁掛けを温泉につけるつもりなのだろうか。

 

「それで、今回も温泉を飾り付ける壁飾りが欲しいのか。どんなのを考えて来たんだ?」

 

「アタシたち荒くれが、勇ましくブラッディハンマーを振り上げている絵よ。これがあれば、心の底から勇気が湧いてくると思うわ」

 

勇ましい荒くれの絵か…それなら、まじんのカベかけよりも勇気が出るかもしれないな。

本物そっくりのブラッディハンマーを描くなら、ブラッドインゴットが必要になりそうだ。

ブラッドミスリルは新兵器にも必要になるだろうし、これから集めに行こう。

そう思いながら、壁掛けの詳しい作り方を聞いていく。

 

「結構いいと思うぜ。どうやって作るんだ?」

 

俺に聞かれて、ギエラは新たな壁掛けの詳しい作り方を説明し始める。

やはりギエラは俺が思った通り、ブラッディハンマーを描くのにブラッドインゴットを使うつもりのようだった。

作り方を聞くと、俺はビルダーの魔法で素材の必要数を調べていく。

 

勇気のカベかけ…ブラッドインゴット2個、鉄のインゴット1個、染料2個 マシンメーカー

 

まじんのカベかけは炉で作れたが、こちらはマシンメーカーを使うみたいだな。

染料を作るためにスライムから油を集め、ブラッドミスリルを採掘して来れば作れるので、あまり時間はかからないだろう。

さっそく素材を集めに行こうと、俺はギエラに言った。

 

「どうなの、作れそう?」

 

「ああ。そんなに時間はかからないし、さっそく素材を集めてくるぜ」

 

筋肉を鍛えて、その上士気が高まった荒くれたちがいたら、トロルギガンテでもきっと倒せるはずだ。

俺はそんなことを考えて、まずはスライムの油を集めに町から出ていった。

 

あおい油を落とすスライムは岩山のバリケードの向こうを、あかい油を落とすスライムベスは町の近くをうろついている。

まずはあかい油を倒そうと、俺はスライムベスを探していく。

スライムベスは体力が低いので、背後から斬りかかれば一撃で倒せるだろう。

俺はスライムベスを見つけると後ろから忍び寄り、ビルダーアックスを叩きつけた。

 

「一撃で倒せたな…このまま集めていこう」

 

思った通り一撃で倒れて、奴はあかい油を落とした。

俺は油をポーチに回収すると、他のスライムベスも狙っていく。

染料を作るためには、それぞれの油が3つずつ必要だからな。

次々にスライムベスに背後から斬りかかっていき、十分なあかい油が集まると、俺は南の荒野へと向かっていく。

 

「あかい油は集まったし、今度はあっちでスライムを倒そう」

 

スライムも同じくらいの生命力だし、すぐに集めることが出来るはずだ。

俺は岩山のバリケードを越えて10分くらいで南の荒野にたどり着き、スライムを見つけては背後からビルダーアックスを叩きつけていく。

 

「こっちも順調に集まってるな。後はガライヤでブラッドミスリルを採掘しよう」

 

あおい油も手に入れると、ブラッドミスリルを採掘しに行くために一度マイラに戻った。

鉱脈はたくさんあるだろうし、まほうの光玉もまだ残っているので、たくさんのブラッドミスリルを手に入れられそうだ。

町の隅へと歩いていき、そこから赤い旅のとびらを使ってガライヤに向かった。

 

赤色のとびらを抜けると、俺の目の前は一瞬真っ白になり、雪の降るガライヤ地方へと移動する。

ブラッドミスリルの鉱脈も鉄と同じで岩山にあるだろうから、俺はまた黒い岩で出来た山へと向かっていった。

 

「よく見たら、ここの魔物も昔と大して変わっていないな…」

 

今日はこの前来た時より魔物をよく見ながら進んだが、ここに生息しているのはイエティやホークマンばかりで、新種の魔物は見られなかった。

改造された魔物を除けば、この地方では新種の魔物は少ないみたいだな。

俺は奴らを観察もしつつ、見つからないように進んでいった。

黒い岩山にたどり着くと、俺はさっそくブラッドミスリルの鉱脈を探す。

 

「岩山に着いたな…ブラッドミスリルの鉱脈はどこだ?」

 

ミスリルはもう全てブラッドミスリルに変えられているだろうから、すぐに見つけることが出来るはずだ。

岩山に沿って歩いていると、案の定1分ほどで鉱脈を発見することが出来た。

ブラッドミスリルを発見すると、俺はまほうの光玉を取り出して設置する。

 

「今後も使い道は多いだろうし、大量に集めておかないとな」

 

ブラッドミスリルは今回以外にも使うだろうし、集められるだけ集めていく。

一つの鉱脈を採掘し終えると他の鉱脈にも行き、そこでもまほうの光玉を使っていった。

30個ほどブラッドミスリルが集まると、俺はマイラへ戻っていく。

 

「町に戻ったら、さっそく勇気のカベかけを作ろう」

 

町に戻ったら勇気のカベかけを作って、温泉の中に設置しよう。

これを置くことで、荒くれたちの士気が高まるといいな。

また魔物たちから隠れながら、旅のとびらへと入っていった。

 

ガライヤから戻って来ると、俺はまず染料を作りに行く。

染料を作るのには料理台が必要なので、俺はろうやのとびらを開けて、この前作った食事場へと向かっていく。

俺はレンガ料理台の前であかい油とあおい油、石炭を取り出し、ビルダーの力を発動させた。

 

「料理台で染料を作るのは、どうも違和感があるぜ」

 

ちょうどいい温度だから仕方ないが、料理台で染料を作るのは妙に感じるな。

ここで染料を作ったからと言って料理に混じることはないので、そこまで気にする必要もないが。

俺はそんなことを考えながら、染料を完成させていった。

 

「染料は1度で5個作れるから、これで十分だな」

 

染料は1回の魔法で5個出来るので、これ以上作る必要はない。

染料をしまうと、俺はポーチにしまっていき、今度はマシンメーカーのある工房に向かっていった。

そこではまず、エネルギー物質とブラッドミスリルを使い、ブラッドインゴットを作り出す。

 

「エネルギー物質は残り少ないけど、カベかけを作るには十分だな」

 

エネルギー物質は残り4つしかないが、これでも10個のブラッドインゴットを作ることが出来る。

もし足りなくなったら、今度集めに行って来よう。

ブラッドインゴットが出来ると、俺はそれを使って勇気のカベかけを作っていく。

 

「ブラッドインゴットも出来たから、後はカベかけだな」

 

俺がブラッドインゴットと鉄のインゴット、染料をマシンメーカーに乗せてビルダーの魔法をかけると、勇ましくハンマーを振るう荒くれの絵に変わっていく。

これをギエラたちが見たら、確かに士気が高まるかもな。

しばらくしてカベかけが出来上がると、俺は温泉に持って行こうとする。

 

「これが勇気のカベかけか…結構かっこいい絵だぜ。そう言えば昔の温泉には、剣のカベかけもあったな」

 

だが、勇気のカベかけは作れたが、昔のマイラの温泉には2つの剣のカベかけがあったことも思い出す。

剣のカベかけもあれば、より荒くれたちの士気が上がるかもしれないな。

そう思って俺は炉と金床の前に立って、剣のカベかけも2つ作っていった。

 

「剣のカベかけも出来たし、今度こそ温泉に向かおう」

 

剣のカベかけも出来ると、俺は工房を出て、温泉に向かっていった。

今の温泉は修復されたばかりの状況で、タオルとたらいくらいしか置かれていない。

俺は温泉の壁にまず勇気のカベかけを設置し、その左右に剣のカベかけをかけていく。

温泉に入りながらこれらを見れば、俺でも気分が高まって来そうだ。

 

「本当に気分が高まって来る絵だな…これで設置出来たし、ギエラを呼ぶか…ギエラ、勇気のカベかけを作って来たぞ!」

 

俺はさっそく勇気のカベかけをつけたことを、ギエラに大声で伝える。

ギエラは建物の外を歩いていたが、その声を聞くとすぐに温泉に駆け込んできた。

剣のカベかけも設置されているのを見て、ギエラは大きな喜びの声を上げた。

 

「やるじゃない、雄也!剣のカベかけも作りなおしてくれたのね!これなら、最大限の士気でトロルギガンテに挑めそうだわ」

 

「昔のマイラにあったからな、今回も置いたほうがいいと思ったんだ。アメルダの発明もあれば、勝ち目は大きく上がるはずだぜ」

 

これからは疲れたらこの温泉で体を休め、士気を高め、戦いに備えよう。

ギエラは感謝の言葉と共に、昔のマイラでも言っていたあることを提案してきた。

 

「昔も今も雄也には、本当に助けられてるわ。お礼をしたいから、アタシのとっておきの技、筋肉ぱふぱふを受けてかない?がったいまじんを倒してすぐにここを去ったから、前は出来なかったでしょ」

 

筋肉ぱふぱふか…昔のギエラも言っていたが、どんな技なのだろうか。

ぱふぱふは好きだが、筋肉とつくと嫌な予感しかしないな。

この前は嫌な表情をしても期待してると勘違いされたが、完全に断っても申し訳ないので、今はしないと言っておいた。

 

「今は別にいい。グレードアップした温泉を楽しんで来てくれ」

 

「分かったわ。でも、したくなったらいつでも言ってね」

 

俺がそう言うと、ギエラは一緒に温泉に入るためにガロンたちを呼びにいった。

筋肉ぱふぱふはしたくないが、世界の光が失われた後もこんな話を欠かさないギエラたちは、本当に明るいな。

彼らがいれば今後の世界はより楽しくなるだろうと思いながら、俺も部屋に戻っていく。

荒くれたちが上がった後は俺も温泉に入り、勇気のカベかけを見て闘志を高めていた。

 

そして、温泉をグレードアップした翌日、マイラに戻って来てから7日目、俺は昨日作ったブラッドインゴットを作り、新たな赤魔の弾丸を作っていた。

 

「ブラッドインゴットが手に入ったから、弾丸も補充しておかないとな」

 

ブリザレイムやデュランダルは弱点に当てても数発は耐えるが、それでも強力な武器だ。

少しでも戦いを楽にしようと、たくさんの弾丸を作っていく。

弾丸だけでなく、大砲の弾も作れないかと、俺はビルダーの力で調べていった。

 

赤魔の砲弾…ブラッドインゴット1個 マグマ電池2個 マシンメーカー

 

ブラッドインゴットを使った大砲の弾なら、強力な魔物にも大きなダメージだろう。

 

「マグマ電池は持ってるし、大砲の弾も作っておこう」

 

俺はこの前作ったマグマ電池を使って、赤魔の砲弾を作っていった。

たくさんの弾丸と砲弾が出来ると、俺はそれらをポーチにしまっていく。

その後、今日はこれから何をしようかと考えながら、工房から出ようとした。

 

しかしそんな時、建物の外からガロンの叫び声が聞こえてきた。

 

「アネゴ、みんな!大変なことになっちまったぜ、早く来てくれ!」

 

こんなに慌てているということは、この町に魔物が迫っているのかもな。

俺たちが取り返したこの町を、再び奪い返しに来たのかもしれない。

トロルギガンテがいるかもしれないが、それでも負けるわけにはいかないので、俺は工房を飛び出してガロンのところに向かう。

 

「どうしたんだ、ガロン?魔物が襲ってきたのか?」

 

「ああ。町を占領した時ほどじゃねえが、かなりの数だぜ」

 

ガロンは今までも魔物が襲ってくる方向であった、町の西を見ていた。

俺もそちらを見ると、そこにはブリザレイムが15体、デュランダルが10体、ボストロールが6体、ギガンテスが4体、メギドロイドに似た真紅の機械の魔物が4体、ダークトロルが1体の、合計40体の魔物がいた。

トロルギガンテはいないようだが、あの真紅の魔物は気になるな。

他のデュランダルとは色だけでなく、形状も少し異なっている。

俺とガロンが魔物たちを見ていると、ベイパーとギエラもやって来た。

 

「叫び声を聞いた時はまさかと思ったが、結構な魔物だな」

 

「アジトを乗っ取られた時には2体のダークトロルがいたけど、もう1体もやって来たみたいね」

 

俺はマイラの町が占領された時のことはよく知らないが、2体のダークトロルがいたのか。

この前1体は倒したが、もう1体との戦いになるみたいだな。

荒くれたちに続いて、アメルダとシェネリも武器を持ってやって来る。

 

「せっかく町に戻って来たのに、大変な戦いになりそうですね…」

 

「ああ…ただ、あの赤い機械はどうも気になる。だいぶ昔、どこかで見た気がするんだ」

 

アメルダは真紅の機械の魔物を見て、そんなことを言う。

そう言えば俺も、あの4体の機械には、どこかで会ったような気がするな。

どこだったのかは、よく思い出せないが。

 

「俺もあの機械はどこかで、見た気がするな…一体何なんだ?」

 

「分からない…でも、ここに近づいているからには、倒すしかないよ。行くよ、みんな!」

 

確かに正体は気になるが、ここに近づいている以上戦うしかない。

アメルダの掛け声でみんな武器を構えて、魔物たちの方に向かっていく。

俺もまずはサブマシンガンを構えて、前衛のブリザレイムを狙っていった。

 

「ああ。とりあえずはあいつらを倒して、この町を守り抜こう」

 

気になることもある中、俺が参加する中では9回目の、マイラの防衛戦が始まった。

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