ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode208 人に救われし魔物たち(後編)

オーロラウンダーたちを倒した後、俺たちは次に迫ってくるドロルリッチたちのところに向かう。

ドロルリッチはそこまで強くもなく、数も少ないので、すぐに倒すことが出来るだろう。

俺は走りながらアサルトライフルに持ち替えて、奴らに向けて連射していく。

 

「今度こそドロルリッチだな…こいつらも遠距離攻撃が使えるし、こっちもまたアサルトライフルで対抗していこう」

 

リムルダールで戦ったドロルリッチは、俺たちに向けて広範囲に炸裂する毒液を吐いて攻撃していた。

遠距離武器で少しでも数を減らさないと、近づくのは難しいだろう。

距離を詰めながら、俺ははがねの弾丸で奴らの体を貫いていった。

 

「まあまあの耐久力はあるけど、そこまで倒し辛くもないか」

 

ドロルリッチは光が消えた後に現れただけあって、かなりの耐久力があった。

しかし、アサルトライフルを頭に当てれば、7発ほどで倒れていく。

1体が倒れると、俺は他のドロルリッチに向けても攻撃を続けていった。

奴らもだんだん俺たちのところに向かって来て、毒液を吐き出して来る。

 

「やっぱり毒液を使ってきたか…気をつけて近づかないとな」

 

リムルダールの奴らと同様、毒液は着弾とともに炸裂し、広く撒き散らされる。

ドロルリッチの毒はかなり強力だろうから、俺たちはジャンプも使って回避しながら少しずつ近づいていった。

攻撃を避けながらも、俺は銃を連射して少しずつ奴らを弱らせていった。

すると、ドロルリッチたちも俺を最大の脅威とみなし、8体が毒液を集中させてきた。

 

「集中攻撃して来ても、今なら何とか避けられるぜ…!」

 

かつては毒液の集中攻撃に苦戦していたが、今ならかわしながら戦い続けることが出来ていた。

だが、さすがに走って全てを避けるのは難しいので、俺はジャンプも使っており、かなりの体力を消耗してしまう。

それを見て、ルミーラも麻痺の矢でドロルリッチの頭を撃ち抜いていった。

 

「雄也がまたたくさんの敵を引き付けてくれてるし、わたしも頑張らないとね」

 

ドロルリッチの移動速度は遅く、ルミーラの矢を回避することは出来ない。

ドロルリッチは毒の魔物であるため、麻痺毒にもかなりの耐性があるようだったが、少しずつ生命力を削られていっていた。

 

「みんなもだんだん近づけてるし、このまま倒せるといいな」

 

攻撃範囲の広い魔物なので、俺とルミーラだけで全員を引きつけることは出来なかった。

しかし、ゆきのへたちも毒液を大きくジャンプしてかわしながら、ドロルリッチに近づくことが出来ていた。

このままみんなで攻撃を続ければ、奴らはすぐに倒しきることが出来るだろう。

 

だがそう思っていると、ドロルリッチたちの背後にいるまどうしやだいまどう、しにがみのきしたちもだんだん迫ってくる。

 

「でも、後ろの魔物もどんどん近づいて来ているな…」

 

奴らも戦い慣れた魔物であるが、ドロルリッチを先に倒しておいた方が、より安全に戦うことが出来る。

俺とルミーラは遠距離攻撃で奴らに順調にダメージを与えられているが、ゆきのへたちはまだ接近出来ていない。

みんなが接近出来たころには、しにがみのきしたちも戦いに加わって来ることだろう。

そう思っていると、突然1体のドロルが急いでドロルリッチたちに近づいていき、そちらも毒液を使って、奴らの攻撃を撃ち落としていた。

そのドロルは、敵のドロルリッチたちと違い、人間の言葉を流暢に話す。

 

「ワタシは人間の姿の方が気に入っていたのですが…皆さんを守るためなら仕方ありません!」

 

また、さっきまで剣を持って戦っていたチョビの姿が見えなくなっていたことにも気づいた。

あのドロルは、変身の呪文を解いて元に戻ったチョビみたいだな。

チョビはドロルの姿の時から言葉を話すことができ、今の人間の姿の時より流暢に話すことが出来ていた。

ドロルの姿のままだと人間に馴染めないかもしれないと変身したチョビだが、元の姿に戻って戦う日が来るとはな。

 

「ドロルに対抗するには、ドロルの力を使うのが一番です!」

 

チョビはそう言いながら、ドロルの姿で魔物たちに急接近していく。

何度か毒液を撃ち落とせず、浴びてしまっていたが、ドロル族同士にはあまり効果がないようだった。

チョビは洞窟の奥から俺に助け出された後、ラダトーム城のみんなと長く一緒に暮らしていた。

ルミーラやバルダスと同様に、彼も人間たちを守りたいと強く思っているだろう。

戦闘能力も人間の姿の方が高く、本人もドロルの力は役に立たないと思っていたのかもしれないが、こうしてそれを使って戦う時が来た。

 

「ワタシはただのドロルですが…同時にラダトーム城の兵士でもあります。あなたたちに負ける気はありません!」

 

通常のドロルであるチョビが、上位種のドロルリッチを相手に懸命に戦っている。

チョビは至近距離にまで近づくと、再び人間の姿に化けて飛び上がり、思い切り剣を叩きつけていた。

飛天斬りのような凄まじい威力であり、ドロルリッチは大きく怯む。

人間の姿に変わった後は、またしゃべりにくそうにしていた。

 

「ドロルノ姿ニ戻るノハ久シぶりデシたが、うまく行きマシたね」

 

怯まなかったドロルリッチたちは、体当たりでチョビに攻撃しようとして来る。

しかし、チョビは横に跳んだりして回避して、剣でさらなるダメージを与えていった。

毒液が飛んで来なくなったことで、ゆきのへたちも一気に近づいていく。

 

「よくやったぜ、チョビ!ワシらも一緒に潰しに行くぜ!」

 

「後ろのしにがみのきしも迫って来ている…急ぐぞ!」

 

みんなはしにがみのきしが来る前にドロルリッチを倒し切ろうと、全力で攻撃をしていった。

チョビとラスタンの剣、ゆきのへとラグナーダ、バルダスのハンマーでの集中攻撃を受けて、ドロルリッチたちは次々に倒れていく。

自分たちの前にいた奴らが全て倒れると、近づいてきたしにがみのきしに向けても武器を向ける。

 

「お前さんたちが来る前に、金色のドロルどもは全員倒してやったぜ」

 

「わしらの城を守るために、お主たちとも戦おう…!」

 

しにがみのきしたちも、斧を振り上げてみんなを叩き斬ろうとして来る。

 

「あいつらが早く倒されることは想定外だったが、貴様らに勝ち目はない!」

 

「我らが斬り刻んで、首をエンダルゴ様に差し出してやろう」

 

しにがみのきしも30体おり、ゆきのへたちのところにはそれぞれ4体ずつが向かい、俺とルミーラのところには10体が近づいて来ていた。

俺がラダトームを去った後もしにがみのきしとの戦いは何度もあったようで、みんな戦いに慣れており、4体同時でも苦戦せずに戦うことが出来ていた。

俺とルミーラもしにがみのきしに近づかれる前にドロルリッチを倒し切って、奴らとの戦いに備える。

 

「ビルダーに裏切り者のアローインプめ!貴様らのような厄介な存在は、ここで消し去ってくれる!」

 

「城に隠れた弱き者共も、我らが葬り去ってくれよう!」

 

俺は再びふめつのつるぎとビルダーズハンマーに持ち替えて、しにがみのきしに斬りかかっていった。

奴らの鎧もかなりの硬度を誇るが、今の武器なら貫くことは容易だ。

 

「しにがみのきしも強力な魔物ではあるけど、戦い慣れているから大丈夫そうだな」

 

何より俺も戦い慣れている魔物なので、攻撃力は高いもののうまく避けながら戦っていくことが出来る。

何度も斬り裂いていくと、しにがみのきしのうちの2体が怯んで動かなくなった。

俺は動けなくなった奴らに大して、とどめとして連続攻撃を叩きこんでいく。

2体のしにがみのきしは力尽きて倒れ、俺は残りの奴らにも両腕の武器を叩きつけていった。

 

「まずは2体だな…残りの奴らにも攻撃を続けていこう」

 

残り3体の鎧も貫いたり叩き潰したりして、かなりのダメージを与えていく。

ルミーラも麻痺の矢でしにがみのきしの動きを止めることが出来ており、その隙にさらに体力を削っていった。

みんなもそれぞれの武器を叩きつけて、奴らを追い詰めていく。

しにがみのきしとの戦いも、あまり苦戦せずに終わらせることが出来そうだった。

 

しかし、しにがみのきしを追い詰めている俺たちの側方や後方に、30体近くのまどうしたちがまわって近づいて来る。

まどうしはだいまどうの下位種であり、今までの防衛戦には現れなかった。

体力も低く簡単に倒せるだろうが、しにがみのきしとの戦いを妨害されるのは厄介だな。

 

「ここまでの魔物に囲まれて、まだ戦いを諦めないとは…!」

 

「我らが消し炭にしてやる、メラ!」

 

まどうしたちはメラの火球を放って俺たちを焼き尽くそうとして来る。

メラ自体をかわすのは大して難しくはないが、しにがみのきしの斧にも同時に対処しなければならなくなるので、少し厳しい状況になったな。

早くまどうしたちを倒さなければ、攻撃をくらってしまうかもしれない。

残り弾数は少ないが、俺はアサルトライフルをポーチから取り出して、奴らに向かって撃っていった。

 

「まどうしのメラは厄介だな…アサルトライフルで、さっさと数を減らそう」

 

まどうしは生命力も低く、3発当てれば青い光を放ちながら消えていった。

しにがみのきしの攻撃もかわさなければいけないが、腕輪があるのでそこまで厳しいものでもない。

ルミーラもしにがみのきしを3体倒した後、まどうしに向けて矢を撃ち放っていく。

 

「この炎は厄介だね…早く倒しておかないと…」

 

まどうしも何度か矢を受けると麻痺して体が動かなくなり、その間にルミーラはとどめを刺していった。

アサルトライフルや弓での攻撃を続けていくと、まどうしのメラが俺たちに集中して来る。

 

「やはりビルダーは危険な人間だ…!集中攻撃で焼き尽くせ!」

 

「魔物のくせに人間に味方する、あのアローインプの小娘もだ!」

 

何度か火球や斧が当たりそうになってしまったが、俺とルミーラはまだダメージを負わずに戦い続けていた。

 

「こっちに集中して来たけど、何とかかわし続けないとな…」

 

みんなもメラで焼かれるのを心配する必要がなくなり、しにがみのきしたちを何体も倒していく。

だが、しにがみのきしやまどうしを倒しきる前に、30体ほどのだいまどうも俺たちの側方に動いて来た。

だいまどうの群れの奥には、変異体である暗黒魔導も混ざっている。

 

「くそっ、だいまどうと暗黒魔道も近づいてきたか…俺たちだけだと引き付けきれないな…」

 

だいまどうたちはメラミを使えるので、しにがみのきしと戦っているみんなも、しにがみのきしとまどうしに何とか応戦している俺たちも、相当苦戦することになりそうだ。

だいまどうを全員を引き付けるというのは、今の俺でも不可能だろう。

さらに暗黒魔道も入って来れば、一気に戦況が悪化する危険性すらある。

その状況を見て、ゆきのへがだいまどうに殴りかかりにいこうとしていた。

 

「このままだと焼き尽くされちまうな…ワシがだいまどうどもを倒しに行くから、誰かしにがみのきしを引き付けてくれ!」

 

「分かったぞ!だいまどうも慣れた魔物ではあるが、炎に気をつけてくれ」

 

ゆきのへの声を聞いて、ラスタンがゆきのへと戦っていたしにがみのきしにも斬りかかっていく。

それぞれがまだ2体ずつと戦っていたので、ラスタンは4体の奴らを相手することになる。

しかし、4体とももう弱って来ていたので、ラスタンは苦戦している様子は見かけられなかった。

だが、ゆきのへだけで30体のだいまどうを押し切るのは難しい。

バルダスもそう思ったようで、ゆきのへと共に奴らを潰しに行くと言った。

 

「ゆきのへだけじゃ大変だから、ボクもだいまどうと戦いに行く。チョビ、しにがみのきしたちを引き付けていて!」

 

バルダスは、近くで戦っていたチョビに呼びかける。

チョビは戦いが始まった頃と比べて、少し動きが鈍くなってきていた。

恐らく、ドロルの姿で受けたダメージが、人間の姿での動きにも影響しているのだろう。

ドロル族同士なら毒は効かないといっても、全くの無傷では済まされないはずだからな。

しかし、チョビは苦しい戦いでもやらなければいけないと思い、しにがみのきしたちを引き付けていく。

 

「分かリマシた、バルダス。そっちハ、任セまシタよ!」

 

チョビも、4体の奴らを同時に相手して、だんだん弱らせていった。

動きが鈍ってきたチョビを倒そうとしにがみのきしは斧での攻撃を強めて来るが、彼は力の限り動き続け、攻撃を回避していった。

 

「どれだけでやって来ても、ワシらを焼き尽くすことなど出来ねえぜ!」

 

「みんなを守るために、ボクは戦い続けるんだ!」

 

兵士たちにしにがみのきしを引き付けてもらったゆきのへとバルダスは、ハンマーを振り上げながらだいまどうたちに近づいていく。

だいまどうたちも、メラミの呪文を唱えて二人を燃やそうとして来た。

 

「近づこうとしても無駄だ、メラミ!」

 

「貴様らを灰にして、完全なる魔物の世界に変えてやる!」

 

だが、アレフガルド各地の厳しい戦いを生き延び続けてきたゆきのへは軽々とかわし、奴らに近づいていく。

暗黒魔道もゆきのへの方にメラゾーマで攻撃していたが、まだ彼を止めることは出来ていなかった。

さっきのメガンテの爆風で傷を負ったバルダスは、体の何ヶ所かを焼かれてしまっていたが、変異体の持つ強大な生命力で耐え伸びていた。

ブラックチャックたちに言っていた、訓練の成果というのも大きいだろう。

だいまどうは生命力や攻撃力は低いので、一度近づくことが出来れば簡単に倒せる。

俺とルミーラもしにがみのきしの攻撃をかわしながら、まどうしたちを倒していった。

 

「まどうしたちを倒したら、ゆきのへたちの援護に向かおう」

 

まどうしの方が残った数は少ないので、早く倒し終えられるだろう。

そうしたら、ゆきのへたちのところに援護に向かわないとな。

今はまだ大丈夫そうだが、暗黒魔道のメラゾーマもかわし続けていたらゆきのへの体力も尽きてくるだろうし、バルダスもさらなるダメージを受けてしまうはずだ。

 

そう思っていると、俺とルミーラのところに、自身が戦っていたしにがみのきしを倒し終えたラグナーダが近づいて来る。

そして、俺たちを狙っているしにがみのきしにハンマーを叩きつけていた。

 

「雄也よ、ルミーラよ。お主たちは、まどうしとの戦いに集中してくれ」

 

ラグナーダは、合計5体の奴らの注意を引き付ける。

しにがみのきしの注意を引き付けてもらえば、まどうしやだいまどうと戦いやすくなるな。

俺が感謝の言葉を言うと、ラグナーダはこれも恩返しの一つだと話してくる。

 

「助かったぜ。ありがとう、ラグナーダ」

 

「お主はわしらのことを助けてくれた…これも恩返しの一つだ。わしは大丈夫だから、そっちは頼んだぞ」

 

大型の船作りや戦いでの援護…ラグナーダはたくさんの恩返しをしてくれるな。

おおきづちの里が全滅寸前という状況から救い出されたことが、ラダトーム城でみんなと仲良く暮らせたことが、それだけ嬉しかったのだろう。

人間とおおきづちは、これからも協力しながら生きていく。

ラグナーダはまだ大きな傷を負っておらず、動きも鈍って来ていないので、きっと無事にこの5 体のしにがみのきしも倒し切れるだろう。

 

「分かった。無事でいてくれよ、ラグナーダ」

 

「ラグナーダの期待に応えるためにも、まどうしを集中して倒そう」

 

俺とルミーラは、アサルトライフルと弓を使ってのまどうしとの戦いに集中していった。

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