ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode216 諦めない心

それぞれの武器を振り回し、ゆきのへたちはエンダルゴにダメージを与え続けていく。

俺もさらなる攻撃を与えようと、白花の秘薬で回復した身体を動かして奴に近づいていった。

 

「結構弱って来ているはずだし、今のうちに追い詰めよう」

 

バルダスたちも、全力を使って走り、ハンマーを振り上げながらエンダルゴのところに向かっていく。

しかし、エンダルゴもこのままでは倒されまいと、俺たちが接近する前に体勢を立て直す。

そして、ゆきのへたちに向かっては爪や剣を叩きつけ、俺やルミーラたちには呪文を唱えて再び攻撃をしていた。

 

「あれほどの闇を受けても、誰1人として倒れぬとは…だが、貴様らの力にも限界があるはずだ」

 

メラガイアーやマヒャデドスの攻撃範囲はやはり非常に広く、接近するのが困難になってしまう。

だが、ゆきのへたちもかなり消耗しており、このまま援護をしなければ押し切られてしまうだろう。

白花の秘薬で回復したことにより、俺はさっきよりは素早く動くことが出来ていた。

何度か身体に傷を負ってしまったが、少しずつエンダルゴのところに向かっていく。

 

「くっ…やっぱりすごい呪文だな。でも、何とか近づけそうだぜ」

 

「少しは回復したようだが、無駄なことだ…炎と氷に包まれ、消え去るがいい!」

 

近づいて来た俺を見て、エンダルゴは呪文を詠唱する速度を上げていく。

巨大な火柱や氷柱が突き上がる頻度が上がり、俺もバルダスたちもさらなる傷を負ってしまった。

だが、エンダルゴと言えども詠唱速度には限界があり、腕輪の力を最大限に使って俺はジャンプをし、出来るだけ呪文を回避していく。

詠唱している僅かな隙に近づいていき、至近距離まで来たところで俺は両腕の武器を振り上げ、奴のドラゴンの頭に叩きつけた。

 

「もう1回近づけたし、これでゆきのへたちを援護出来るぜ」

 

「まさかあの炎と氷の嵐をしのぎきるとは…さすがはビルダーだが、貴様自身もかなりの力を失っただろう。近づいたところで、貴様の負けは変わらぬのだ!」

 

エンダルゴは近づいて来た俺にそう言い、左腕の杖で俺を殴りつけようとする。

奴の言う通り、俺は呪文を回避しながら近づくのにかなりの体力を使い、再び動きが鈍って来そうになっていた。

今はまだ回避しながら攻撃を続けられているが、奴を倒し切れるかは不安だな。

バルダスたちも近づけばさらなるダメージを与えられるだろうが、彼らはまだエンダルゴの呪文に苦戦しているようだった。

 

「エンダルゴはやっぱり強いけど、絶対に倒してみんなのところに戻るんだ!」

 

「ビルダーや人間どももまもなく死に絶える…貴様らは一足先に逝っているといい!」

 

変異体であるバルダスはまだしも、ルミーラやラグナーダはかなりの重傷を負っていた。

このままエンダルゴに立ち向かっていれば、彼らはこのまま殺されてしまいそうだ。

俺はそう思い、バルダスたちにこの空間から逃げ出すように指示を出した。

 

「バルダスたち、このまま無理に近づこうとしていたら、奴の魔法で殺されてしまう…。俺たちは大丈夫だから、この場所から早く逃げてくれ!」

 

「わしらのことなら気にしなくていい…まだエンダルゴに近づける可能性は十分にあるのだ」

 

俺たちがここでエンダルゴを食い止めたら、奴はルミーラたちを追うことは出来ない。

しかし、ラグナーダは俺の指示を聞かずにそう言った。

ルミーラやバルダスも決して逃げようとはせず、エンダルゴに立ち向かい続けている。

俺たちの役に立とうと無理をしているのではないかと思ったが、3人には作戦があるようだった。

 

「ルミーラ、バルダス…まだ不完全な物ではあるが、チョビから教わった技をここで使うのだ!」

 

「どれくらい持つか分からないけど、弓が使えない以上あれしかないね…」

 

ラグナーダたちはエンダルゴの攻撃をかわしながら、何かの呪文を唱えていく。

その呪文が唱えられると、3人のまわりが煙に包まれ、煙の中で彼らが人間のような姿に変わっていく。

 

「あれはチョビも使っている、人間に化ける呪文か…!」

 

ラダトーム城でチョビから教わった人間に化ける呪文を、ここで使ったみたいだな。

魔物の姿では戦い辛い相手でも、人間の姿なら少しは戦えるようになるかもしれない。

本来は人間の城で暮らしやすくなるために教わっているものだが、こんな時に役立つことになるとはな。

煙が晴れると、ルミーラとバルダスとラグナーダはそれぞれ、緑髪の少女と黒髪の少年、紫髪の老戦士に変わっていた。

 

「この姿なら足も素早く動く…エンダルゴに近づいて、雄也たちを援護するのだ」

 

「剣が持ちやすくなったし、これでわたしもようやく戦えるね」

 

「今度こそボクのハンマーで、あいつを倒してやるんだ!」

 

3人ともチョビとの訓練の時に、人間の姿で動くことにも慣れていたみたいだな。

足の短いおおきづちやブラックチャックの姿より素早く動くことができ、少しずつエンダルゴに迫っていく。

ルミーラは今まで使わなかったものの剣を持っていたようで、それを構えて近づいていった。

エンダルゴは人間の姿への変身に驚いていたが、今までと同じように攻撃を続けていった。

 

「裏切り者の魔物どもが、人間に化ける呪文までも覚えているとはな…だが、どんな姿になったところで我が滅ぼしてくれる!」

 

「どんなに強い魔法を使われたって、ボクたちはお前を倒すんだ!」

 

人間の姿でもさすがに全ての呪文をかわしきることは出来ず、ルミーラたちはさらなる傷を受けていた。

だが、それでも次の呪文を唱えるまでの隙に今まで以上に素早く動き、エンダルゴに確実に近づいていく。

エンダルゴもかなり魔力を消費して来たのか、俺が近づいた時ほど素早く攻撃はしなかった。

ルミーラは奴の頭に、バルダスは奴の右脚に、ラグナーダは左脚に向かって攻撃をしていく。

 

「チョビと違ってちょっとしたら元に戻ると思うけど、それまでは一緒に戦うね」

 

「ああ、エンダルゴをみんなで追い詰めよう」

 

エンダルゴに接近したルミーラは、剣での攻撃をしながらそう俺に言う。

確かにさっきラグナーダも不完全だと言っていたし、チョビのようにずっと変身していることは出来ないのだろう。

だが、短い時間であっても戦力が増えれば、エンダルゴを倒し切れる可能性は高まるだろう。

俺はルミーラにそう返して、エンダルゴに伝説を超える武器を何度も叩きつけていった。

 

「バルダスたちも近づいて来れたし、ワシらも負けてられねえぜ」

 

「私達の全力を持って、エンダルゴを追い詰めるぞ!」

 

戦力が増えたことによって、ゆきのへやラスタンの士気も高まっていく。

全ての闇の集合体たるエンダルゴも、ラダトーム城のみんなの攻撃でかなり弱ってきていた。

 

「どこまでも抵抗を諦めぬ者共め…だが、人間が我を倒すことなど不可能だ!」

 

奴も爪と剣、杖での攻撃を続けてくるが、俺たちはまだ回避し続けることが出来ていた。

だが俺も、これでエンダルゴが倒せるとは思っていない。

追い詰められたエンダルゴは俺たちへの攻撃を一時止めて両腕を振り上げ、再び世界中に満ちる闇を吸収しようとしていた。

 

「再び世界に満ちる闇を取り込み、我が力としてくれよう!」

 

「こいつ…何をしようとしているんだ…?」

 

初めて見るエンダルゴの動きを見て、ゆきのへはそんなことを言った。

エンダルゴの間に向かって禍々しい風が吹き込み、奴が力を取り戻していく。

少しでも回復される量を減らそうと、俺はゆきのへたちに攻撃を続けるように言った。

 

「世界中の闇を吸収しようとしているんだ…!出来る限りの攻撃を叩き込んで、回復を抑えてくれ」

 

俺たちはエンダルゴの回復を止めるため、それぞれの全力を持って攻撃を行っていく。

先ほどより大きなダメージを受けていたので、エンダルゴはその分多くの闇を吸収していった。

世界中に満ちている闇の力も、かなり少なくなってきていることだろう。

だが、エンダルゴの闇の吸収速度はかなり早く、回復すること自体は止められなかった。

奴はだんだんと力を取り戻していき、戦い始めた時と同じくらいまで戻ってしまう。

しかし、とてつもない量の闇の力を使ったので、これ以上の吸収はほとんど出来ないだろう。

 

「なかなかの攻撃だが、その程度で我に勝てるとは思わぬ事だ。吸収した闇の力を持って、貴様らを滅ぼしてくれる」

 

「くっ…回復は防げなかったか…!」

 

「でも、かなりの量の魔力を使ったからこれ以上の吸収は出来ないはずだ。もう一度追い詰めれば、今度こそ倒せる」

 

もう一度追い詰めれば今度こそエンダルゴを倒せると思い、俺たちは攻撃を続けていく。

奴の攻撃速度はさっきより上がってしまっており、俺たちは何度か受けてしまった。

だが、痛みに耐えて攻撃を続けていき、再びエンダルゴを弱らせようとしていく。

7人の攻撃を受けて、エンダルゴは少しずつダメージを受けていっていた。

 

「まだ倒れぬようだが、時間の問題だ…!永遠に消えぬ絶望を叩き込んでやる!」

 

長い戦いの末に、俺たちも体力を相当消耗していた。

だが、何とかまだみんな攻撃を続けることが出来ており、エンダルゴを追い詰めていく。

追い詰められたエンダルゴは再び全身の力を溜めて、巨大な闇の刃を発生させて来た。

 

「俺たちもまだ戦えるし、このまま倒してやるぜ…!」

 

「そこまで抵抗をやめぬなら、再びこの闇の刃を持って、貴様らを斬り裂いてくれる!」

 

ここで遠くまで離れてしまえば、弱った身体でエンダルゴに再び接近しなければならなくなる。

またブロックで衝撃を軽減し、両腕の武器で防ぐしかなさそうだ。

俺は自身の前に砦のカベを置いて武器を構えると、みんなにも指示を出した。

 

「みんな、またあの闇の刃が来る。ブロックで衝撃を軽減して、武器で受け止めてくれ」

 

「分かったぜ。必ずあいつの攻撃をしのいで、このまま弱らせてやる」

 

「すごい攻撃だと思うけど、ボクも受け止めてやるんだ!」

 

ここまで戦ってきたみんななら、必ず受け止めて反撃することが出来るはずだ。

バルダスたちもそれぞれが持つ持ち運び式収納箱からブロックを取り出し、自身とエンダルゴとの間に置いていた。

みんなブロックを置くと、全身の力を腕にこめて闇の刃の衝撃を受け切ろうとする。

 

「何をしたところで無駄だ…滅びろ、その無駄な復興の意志ごとな…!」

 

エンダルゴが右腕を振った瞬間、闇の刃がこちらに向かって放たれる。

闇の刃はやはり凄まじい威力であり、俺たちが置いたブロックを一瞬で破壊していた。

だが、そのブロックを破壊したことによって威力はかなり軽減され、俺たちは両腕の力でその刃を受け止めていく。

俺もみんなもさっきより弱っており倒れ込みそうになっていたが、踏ん張って耐えていた。

 

「やっぱりとんでもない攻撃だな…でも、これを防げないようじゃアレフも倒せない…!」

 

だが、この闇の刃も受け止められないようでは、元勇者であるアレフを倒すことは出来ないだろう。

俺はそう思って必死に耐えて、エンダルゴの闇の刃を防ぎきっていった。

ゆきのへたちも耐えしのぎ、奴に向かって反撃しようとしていく。

しかし、ルミーラたち3人はしばらくの間人間に変身していた上に、これで力を使い果たしたことで、魔物の姿に戻ってしまっていた。

 

「耐えられたが、元の姿に戻ってしまったか…。やはり、わしらの変身は不完全だったな」

 

「でも、これでエンダルゴの攻撃は防げた。今のうちに弱らせるんだ!」

 

バルダスとラグナーダは元の姿に戻りながらも、強力な攻撃の後に隙を晒しているエンダルゴを攻撃していった。

俺やゆきのへたちもそれぞれの武器を使って、奴の残った力を削りとっていく。

エンダルゴはあまり時間をかけずに体勢を立て直すが、それでもかなりのダメージを与えることが出来ていた。

 

「まだ倒れぬか、人間と、人間に寝返った魔物どもめ…。ならば、また世界に満ちる闇を吸収してくれよう!」

 

エンダルゴは体勢を立て直すと、また両腕を振り上げて世界に満ちる闇の力を吸収し、回復しようとして来る。

だが、俺の予想通り世界に残っている闇の力は残り僅かであり、奴はほとんど回復出来ていなかった。

 

「ぐっ…もうほとんど闇の力は残っていなかったか。だが、それでも貴様ら人間に勝ち目などない。残った力だけでも、貴様らを滅ぼすことは容易だ!」

 

しかし、エンダルゴも戦いを諦めようとはせず、俺たちへの攻撃を続けてくる。

巨大な爪や剣、杖での攻撃速度も変わらず、弱って来た俺たちには厳しい戦いになっていた。

特に、元の姿に戻った上に今までかなりの傷を負っているラグナーダたちは、危険な状態に陥っている。

 

「俺も結構疲れて来たけど、ラグナーダたちはもっと危険になってるな…」

 

「ボクたちは、絶対に負けないんだ!」

 

「強がったところで意味はない…自分の無力さを悔いながら、死ぬがいい!」

 

バルダスはそう言うが、彼も他の二人もエンダルゴの攻撃を何度も受けて、もう瀕死と言えるような状態になっていた。

もう変身も出来なさそうなので、このままだと3人とも死んでしまうだろう。

今のうちに逃げてくれと、俺は3人に指示を出した。

 

「このままだと3人とも死んでしまう…ラグナーダたち、早くここから逃げるんだ!」

 

ラグナーダたちも、最後まで俺たちと一緒に戦い続けたいと思っているだろう。

だが、生きてラダトーム城に戻ることが最優先なので、今度は俺の指示を聞いてエンダルゴの間から逃げ出していく。

 

「生きて皆の元に戻らなければならぬからな…分かった。ルミーラ、バルダス、行くのだ!」

 

「戦い続けたいけど、仕方ないか…雄也たち、頑張るんだ!」

 

「わたしたちは、城の外の船のところで待ってるね。絶対に生きて戻ってきて!」

 

ルミーラとバルダスもエンダルゴの攻撃から逃げ出して、この空間から出ていく。

 

「ああ、必ず生きて戻るぞ!」

 

「逃げたところで無駄だ。焼き尽くしてやろう!」

 

エンダルゴは逃がすまいとメラガイアーの呪文を唱えていたが、ルミーラたちは残った力を振り絞って走り、戦線離脱していった。

俺は3人に大声で言うと、伝説を超える武器でエンダルゴの体力を削りとっていく。

ゆきのへたちも残った力を使って、エンダルゴを追い詰めていった。

 

「お前さんに傷つけられたみんなの分も、ワシが攻撃してやるぜ!」

 

「ラダトーム城の兵士として、魔物の力の集合体であるお前を許すことは出来ない!」

 

「コノ戦い二勝っテ、みんなノ所二帰りマス!」

 

残った4人の攻撃でも、エンダルゴはかなりのダメージを受けていた。

もう世界に満ちる闇の力による回復も出来ないので、このまま倒すことも出来るかもしれないな。

 

「魔物どもは逃げ延び、貴様ら人間もまだ攻撃を続けるか…。だが、我が負けることなどありえぬ!」

 

しかし、俺たち自身もエンダルゴと同じかそれ以上に弱っており、爪や剣での攻撃を何度も受けるようになっていた。

その度に痛みに耐えて動き続けて反撃を続けるが、限界が近づいて来ている。

 

「俺たちもそろそろ限界だな…でも、ここまで来て負けるわけにはいかない…」

 

だが、みんなの支援を受けてここまでうまく進んできた戦いなのに、ここで負けるわけにはいかない。

俺たちはそう言う思いで身体を動かし続け、エンダルゴを攻撃し続けていった。

しかし、体力が尽きてきた俺たちにとどめをさそうと、奴は炎と氷の呪文を同時に唱えてきた。

 

「どうやらここまでのようだな…炎と氷の融合による膨大なエネルギーで、貴様らを消し去ってくれる!」

 

がったいまじんが放ったメドローアですらマイラの町を半壊させるほどの威力だった…メラガイアーとマヒャデドスの融合であれば、さらなる絶大な威力になってしまうだろう。

こんな技を放てば奴自身にも相当なダメージだろうが、これを使えば俺たちにとどめをさせるだろうというタイミングなので、ついに使って来るみたいだな。

こればかりは剣やブロックで防ぐことは出来ないので、俺たちはゆきのへたちに指示を出して走って回避しようとする。

 

「ゆきのへたち、まずい攻撃が来る。今すぐエンダルゴから離れてくれ!」

 

「分かったぜ、雄也!」

 

奴自身にも大きなダメージが入るので、これを回避することが出来れば大きなチャンスになるだろう。

俺たちはすぐにエンダルゴから離れ、出来るだけ遠くにまで向かおうとする。

だが、弱っていた俺たちはあまり速く走ることは出来ず、距離を取る前にエンダルゴの呪文が炸裂してしまった。

 

「みんな、危ねえ…!」

 

エンダルゴの呪文の発動を見てゆきのへはそう叫び、俺もみんなも大きく跳ぶ。

だが、爆発の中心からは逃れられたがそれでも凄まじい爆風を受けてしまい、みんなは地面に叩きつけられた。

俺も腕輪の力を使ったが逃げ切ることは出来ず、強力な爆風を受けて大きく吹き飛ばされ、身体中に激痛が走って倒れ込んだ。

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