ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode221 創造の剣士と破壊の爆炎

俺から距離をとったアレフは、やはり呪文を使って攻撃して来ようとして来る。

俺はその前にアレフに接近しようと思ったが、奴の呪文の詠唱速度は非常に速く、発動を止めることは出来なかった。

 

「お前の負けは決まっている…ベギラゴン!」

 

奴のベギラゴンはエンダルゴのメラガイアーほどではないが、かなりの攻撃範囲を持つ。

俺は以前奴の呪文に翻弄されてまともに近づけず、ルビスを死なせてしまった。

だが、ここまで戦って今度こそ負けるわけにはいかないと、俺は足に力をこめて走って回避しようとしていく。

すると、腕輪と今までの戦いの経験のおかげで、身体を全く焼かれることなくベギラゴンをかわし、奴に少しずつ接近することが出来ていた。

 

「相変わらず凄い魔法だな…でも、今ならかわしながら近づけるぜ」

 

アレフの魔法の使用を止めることは出来なかったが、魔法にも対応することが出来るようになった。

これなら勝てると思い、俺はアレフとの距離をだんだん詰めていく。

 

「オレの呪文までもかわしきれるようになったか…だが、いつまでも持つはずはない…ドルモーア!」

 

アレフはそう言ってドルモーアの呪文を唱え、闇の力の爆発で俺を吹き飛ばそうとして来るが、ベギラゴンと同様に対処することが出来ていた。

アレフに接近するまでの間、俺はアサルトライフルでも奴にダメージを与えようとする。

サブマシンガンでもかなりのダメージを受けていたので、これなら大きく体力を削り取ることが出来るだろう。

 

「まだ結構な距離があるな…近づくまでの間は、これであいつの体力を削ろう」

 

俺は呪文をかわしながらポーチからアサルトライフルを取り出し、奴の頭や心臓を狙って連射していく。

攻撃を回避しながらの射撃にも慣れているので、かなりの確率で命中させることが出来ていた。

急所を撃ち抜かれてもやはり簡単には倒れないが、奴は苦しそうな表情を見せる。

 

「それはこの前も使った、遠距離を攻撃出来る武器か…しかもあの時より、強化されてるみたいだな」

 

「ああ。エンダルゴとあんたを倒すために、新しい作業台で作ったんだ」

 

弾もたくさん持ってきているので、さらにダメージを与えていくことが出来るだろう。

傷だらけになってきたアレフは、今までよりも声を強めて俺を攻撃して来た。

 

「ビルダーの力というのは、本当にどこまでも忌々しい…!だが、そんな力などなんの意味もないと、今度こそ分からせてやる!」

 

アレフの怒りが強まると同時に、呪文の攻撃範囲が今までよりも広くなる。

奴はさっきまでもかなりの力を使ったはずだが、まだ攻撃が弱まる様子はなかった。

だが、少しは接近が困難になったものの、以前のように全く距離を詰められないということにはならなかった。

アサルトライフルを撃ちながら、確実に奴のところに迫っていく。

アレフとの距離が残り少しになると、俺は再びビルダーズハンマーとふめつのつるぎに持ち替えていった。

 

「本当に強力な魔法だったけど、何とか近づけたぜ…あんたを倒して、みんなのところに生きて帰ってやる!」

 

「オレの呪文をあれだけ受けて、まだ避け続けるとはな…」

 

まだ攻撃速度は落ちていないものの、アレフは結構なダメージを受けているはずだ。

ここで再び近接攻撃で体力を削っていけば、奴にとどめをさすことが出来るだろう。

俺は両腕の武器を振り上げ、思い切り奴に叩きつけようとしていった。

だが、アレフも俺を倒すことを諦めず、自らも巻き込んで強力な魔法を放とうとする。

 

「ここで使ったらオレ自身も巻き込むが、お前を殺すためなら仕方ない…!闇の爆炎を受けて、灰になってしまえ!」

 

そう言うと、アレフはベギラゴンの炎とドルモーアの闇を同時に発生させてくる。

闇の爆炎…炎を呪文と闇の呪文を同時に唱え、超広範囲を焼き尽くす大技。

俺もルビスも闇の爆炎をかわしきることが出来ず、全身を焼き払われてしまった。

奴自身にも大ダメージは入るだろうが、何としてもかわしきらないといけないな。

今までの呪文より詠唱時間は長いので、俺はすぐに走り出してアレフと再び距離をとっていく。

この空間中を焼き尽くすほどの炎になる恐れもあるので、俺はまた通路のところに逃げ込んでいった。

 

「燃え尽きろ!お前の無駄な希望ごとな!」

 

闇の爆炎が発動するまでに、俺は奴と大きな距離をとることが出来た。

しかし、それでもかわしきれるか不安で、俺は全身の力を使って大きくジャンプする。

1度ジャンプした後もすぐに立ち上がり、もう1度跳んでさらなる距離を取っていった。

 

すると、魔物の楽園中を焼き尽くす闇の爆炎から何とか逃れることができ、俺はこの隙にまたアレフに近づいていった。

 

「やっぱりとんでもない炎だったけど、これもかわしきれたか…今のうちに近づいて、今度こそ剣とハンマーを叩きつけよう」

 

アレフは大量の魔力を使った上に、爆炎で自身も大ダメージを負ったことによってさっきの回転斬りの時よりも大きな隙を晒していた。

俺はこの隙に今度こそ近づいて両腕の武器で攻撃しようと、すぐにアレフの間に戻っていく。

闇の爆炎にも対処出来たのであれば、奴を倒せる可能性は大きく上がっただろう。

俺は一気に距離を詰めていき、奴に向かってビルダーズハンマーを振り下ろし、ふめつのつるぎを突き刺す。

 

「闇の爆炎も本当にすごい攻撃だったけど、あれくらいで負けるわけにはいかない…!」

 

「くっ…これほどまでオレと戦えるのは予想外だったな。だが、オレもお前を生かして返すつもりは無い!ルビスが残した世界の希望も、オレの手で消し去ってやる!」

 

アレフは伝説を超える武器での渾身の一撃を受けて、一瞬倒れ込んだ。

だがすぐに立ち上がって、今度はまた闇に染まったロトのつるぎで俺を斬り裂こうとして来る。

残った生命力は少ないはずだが、剣での攻撃速度もまだ落ちて来ない。

だが、さっきまでよりも強力な攻撃はなかったので、俺は今まで通り攻撃を続けてダメージを与えていった。

 

「まだ素早く攻撃して来るな…でも、このままいけばもう少しで倒せそうだぜ」

 

アレフの表情も、さっきまでより苦しそうな表情になっていた。

戦いの終わりは近いと思い、俺は攻撃の手を強めていく。

そうしていくと、アレフもついに力が尽きて来て、攻撃速度が落ち始める。

アレフの攻撃が弱まると、俺は奴の足に攻撃を集中させて、転倒させようとしていった。

 

「オレの幸せを全て奪っていった人間ども…!その人間どもの町を復活させたお前は、オレが絶対に殺してやる!」

 

「攻撃速度もついに落ちて来たな…転倒させて、飛天斬りでとどめをさしてやろう」

 

アレフも怒りをさらに強めて来るが、先ほどまでの素早い攻撃を放つ力はもうない。

それでも俺は油断せずに確実にダメージを与えていき、残った生命力を削りとっていく。

そして、弱っていたところで足に何度も攻撃を受けて、奴はついに倒れ込んで動けなくなっていった。

 

「くそっ…雄也…お前だけはオレが殺す…!」

 

「倒れ込んだな…これで終わらせる…!」

 

アレフが倒れ込んだのを見て、俺は身体中の力を両腕に溜め始める。

ここで二刀流での飛天斬りを放てば、奴の体力を削り切ることが出来るだろう。

アレフも俺を睨みつけて立ち上がろうとして来るが、身体になかなか力が入らないようだった。

俺は力が溜まりきると大きく飛び上がり、両腕の武器を垂直に奴に向けて叩きつけていった。

 

「飛天斬り!」

 

ふめつのつるぎから溢れ出る巨大な紅色の光の刃が奴の身体を引き裂き、さらにビルダーズハンマーが頭を叩き潰していく。

絶大な威力の攻撃が、アレフの残った体力を削りとっていった。

しかし、ここまでの攻撃を受けても、奴はまだ生き続けていた。

そこで俺は最後の一撃として、アレフの心臓に向かって思い切りふめつのつるぎを突き刺す。

 

「まだ生きてるか…でも、これで最後だ…!」

 

「うぐっ…!お前ごときに…オレは負けない…!」

 

アレフから感じられた禍々しい闇の力も、もうほとんど感じられなくなっていた。

奴は瀕死のところに心臓を突き刺されても死なず、再び立ち上がって攻撃して来ようとして来る。

俺は奴の体内を剣で引き裂いていき、さらなるダメージを与えていった。

アレフは再び倒れ込み、やっとの力で俺を睨みつけ、激しい怒りのこもった声で言う。

 

「くそっ…くそっ…!人間どもに勇者として持て囃された挙句、オレを救ってくれた竜王も魔物たちもみんな、みんな人間どもに殺されてしまった…!人間としても魔物としても、オレは幸せになれなかった…人間どものせいでな…!」

 

アレフは人々から勇者として…竜王を倒すための存在としてしか扱われず、だんだん人々を救う気を失い、最後には竜王に寝返ってしまった。

だが、世界から…人間たちから隔離された空間も失い、仲間になってくれた魔物たちもみんな殺されてしまい、人間としても魔物としても幸せな暮らしを続けることは出来なかった。

アレフはこの空間中に響く、憎しみと復讐心に満ちた叫び声を上げる。

 

「うあああああ!」

 

このままだとアレフは最期の時まで世界を憎み続けるだろうが、奴が人々にとって脅威になる以上、俺には倒すという選択肢しかない。

俺はアレフにとどめをさすために、奴の身体の中を斬り裂き続けていった。

 

だが、アレフの命が消えるその寸前に、ほとんどなくなっていたはずの禍々しい気配が、急に蘇って来る。

それどころか、俺が魔物の楽園に入った時よりも、アレフから感じられる闇の力が強くなって来ていた。

 

「どうせ幸せになれないと言うのなら…例えオレ自身の人格を失ったとしても、人間どもを皆殺しにしてやる…!」

 

アレフがそう言った瞬間、奴の姿は身体から溢れ出た闇の力に包まれていく。

俺はその闇の力に巻き込まれないよう、すぐにふめつのつるぎを抜いて、後ろに下がった。

闇の力の中で、アレフの姿はだんだん異形の者へと変わっていく。

今までは竜王の力を受けたものの人間に近い姿をしていたが、身体中から赤黒い翼が生えて、心臓の部分には真っ黒な核のようなものが見えて来た。

ロトの血筋の影響か、最後にはロトの盾に刻まれた紋章のような姿となり、少しの生気も感じられない顔が浮かんでいた。

声も若い青年の声から不気味な低い声に変わり、人間が憎いと言い続けている。

 

「ああ…なぜここにいるのかも分からない…何のために生きているのかも分からない。だが、オレは人間どもが憎い…人間どもを滅ぼしたいんだ…!」

 

しかし、この異形のアレフからは、今までの俺との戦いや、勇者として持て囃してきた人間たち、一緒に暮らした魔物たちの記憶は失われているようだった。

恐らくアレフが死の目前に、人間への復讐心から闇の力を暴走させたのだろう。

人間への憎しみが闇の力を増幅させたと奴は言っていたが、まさかここまでのことになるとはな。

暴走した闇の力は身体を異形に変えるだけでなく、奴の記憶や人格までも蝕んでいったみたいだな。

 

「オレはアレフ・ガルデス。まずはお前を滅ぼして、世界中の全ての人間を殺し尽くしてやる…!」

 

暴走した闇の力に飲み込まれたアレフは、自身をアレフ・ガルデスと言う。

アレフ・ガルデス…自身の人格と記憶を失い、憎しみと復讐心が独り歩きした姿。

かつて勇者と呼ばれた青年が、最後に行き着いた異形の存在。

奴をここで止めなければ、今まで作ってきたいくつもの町、そこに住む人々…それら全てが危ない。

 

「こんな姿になってしまうとはな…でも、俺もあんたに負けるつもりはない。あんたをここで倒して、これからも世界を作り続けてやる」

 

「人間1人がオレを食い止めることなど不可能だ…どれだけの抵抗を見せたとしても、滅びを与えてくれる!」

 

俺は特別な血筋の人間でも、勇者として選ばれた存在でもない…だが、それでも自分と自分が今まで作って来た物の力を信じて、戦い続けるしかない。

アレフ・ガルデスを倒せば、人類を滅ぼせる力を持つ存在はいなくなる…これが、アレフガルド復興のための、ひとまずのラストバトルとなるだろう。

俺とアレフ・ガルデスとの、最後の決戦が始まった。

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