ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode30 マヒ花の牢獄

リムルダールに来て8日目、俺は朝起きるとまず、昨日連れてきた患者たちの様子を見に行った。

 

「少しは良くなってるといいんだが···」

 

だが、俺の期待は裏切られてしまった。病室の中にいたのは、昨日より症状が悪化して苦しむ3人と、それを見て必死に看病しているエルの姿だった。

 

「雄也様、患者様の様子なのですが···昨日より容態が悪化しています」

 

エルもそう見ているようだ。彼らは、全身がかゆいようでひたすらかきむしっていた。昨日はこんなことは無かったのに、どう言うことだ?

 

「ああ、俺にも分かる。どうしたらいいんだ?」

 

俺はそう聞いたが、エルも分からないようだ。なんとか助けられればいいんだが。

俺たちがそんなことを考えていると、寝ているイルマが少し起き上がり、話を始めた。どうしても伝えたいことがあるようだ。

 

「イルマ様、無理をしてはいけません」

 

エルは止めようとしたが、イルマはそれでも話す。とても大切な話のようだ。

 

「君たち、ザッコ見つけてくれた?」

 

雑魚?変な名前だが、イルマの仲間だろうか。

 

「ザッコ?誰だそれは。知り合いなのか?」

 

「ザッコ、おれの友達。ザッコ、マヒの薬探してあなぐら落ちた。助けて、助けてやってくれ···」

 

なんとかそのことを俺たちに伝え、イルマは再びベッドに寝た。友達があなぐらに落ちて出れないということだろうか。確かに心配だな。今日は本格的に旅のとびらの先を探索する予定なので、見つけたら救出しよう。

 

「もちろんだ。お前の友達も、必ず助けてやる」

 

俺は探索の準備をするために病室から出た。作業部屋に置いてあるいしのおのを取り、俺は旅のとびらに向かった。

 

「今日こそは旅のとびらの先を調べて、新しい素材を手に入れないとな」

 

俺は旅のとびらに入り、南国の草原を歩き始めた。かなりの数のスライムベスがいるが、いしのおのを持っていれば、返り討ちにできるだろう。草原を歩いていくと、昨日遠くから見たときよりも大きく見えるヤシの木があった。

 

「メルキドではブナの木を木材に出来たが、ここではヤシの木で木材を作れるのか?」

 

俺は試しにヤシの木をいしのおので斬り倒した。すると、ヤシの木の色をした2つのブロックに変化した。メルキドのものがブナ原木ならこちらはヤシ原木だろう。俺はヤシの木でも木材が作れるか魔法で調べた。最初に木材を作った時はルビスに教えてもらったからな。これまで木材の作り方を魔法で調べたことはない。

木材···ブナ原木 石の作業台

   ヤシ原木 木の作業台

   スギ原木 鉄の作業台

やはりヤシの木から木材を作れるようだ。大倉庫も作れるようになるかもしれない。スギからも作れるようだが、今のところスギの木は見たことがないな。俺はいくつかヤシの木を斬り倒していき、ヤシ原木を10個ほど集めた。

 

「木は集まったけど、まだ気になるものがあるな」

 

ヤシの木に次に新しく見つけたものは、白い石だった。灰色の小さい石は叩くとなにも残らなかったが、これはどうなんだろう?

いしのおので叩きわってみると、消滅せずに細かい砂利のような石になった。

 

「白いほうは素材になるのか」

 

小さい石なんて使い道が思い付かないが、一応俺はポーチにしまった。

それ以外にも、綿毛やふとい枝も落ちており、町の近くの場所より素材が豊富だった。新しい薬の原料になる素材もてに入るかもしれない。

しばらく進むと崖があり、つたがかかっていて上れるようになっていた。だがその崖には、明らかに人工物もかけられていた。

 

「なんだこれ?はしごか?」

 

崖の一ヶ所に、上まで登れるようにかけられているはしごがあったのだ。イルマの話もあったし、この先に人間がいるのかもしれない。つたよりはしごのほうが登りやすいので、俺ははしごで上まで行った。

 

「ここが崖の上か。見たことないモンスターまでいるな」

 

崖の上には、獣型のモンスター、リカントが生息していた。攻撃力が高そうだし、気を付けないといけないな。

それに、モンスターではないが黄色い花がたくさん咲いていた。

 

「黄色い花なんて初めて見たな。これは黄色い花びらになるのか?」

 

俺がその花を刈ってみようとその花に触れた時、いきなり俺の体は痺れて動かなくなった。

 

「な、なんだ!?こ、この花」

 

痺れている間にモンスターがこないか心配だったが、なんとか襲われることはなく再び動けるようになった。

 

「触ると痺れるのか。危険な花だな」

 

痺れても命にかかわることはないが、モンスターに襲われる危険は十分にあるからな。俺は触れないように気をつけてマヒの花を刈っていった。マヒの花は素材にはならず、消滅していった。

 

「これは刈ると消えるのか。取れたら敵を痺れさせる罠が作れそうなんだけどな」

 

モンハンのシビレ罠あたりが作れたら、戦いも楽になりそうだが。

崖の上を進んでいくと、町の近くで見つけたような廃屋があった。中に人はいないが、一冊の本が置かれていた。

 

「この人の本、メルキドでも見たな」

 

その本の著者は、冒険家ガンダルと書かれていた。メルキドのシェルターにも、ガンダルの本があった。

アレフガルド歴程というタイトルで、読んでみると彼の冒険の記録が書かれていた。これはガンダルがリムルダールにいるときに書いたようだ。

 

ああ、こんなおぞましい場所があのリムルダールだとは信じたくはない!リムルダールはかつて清らかな湖に浮かぶそれはそれは美しい島だったはずだ。

 

この人も、俺が最初にリムルダールに着いた時と同じようなことを考えていた。俺も、ここがリムルダールだとはとても思えなかったからな。そのことを思いだしながら、続きを読んでいった。

 

それが、今やどうであろう。草木は枯れ、湖は毒の沼となり、空気は淀んでいる。そして、住民たちの間に得体の知れない病が広がり初めている。リムルダールの人々は今、残された力で懸命に病と闘っている。しかし、人間が完全に物を作る力を失えば、病に抗うことが難しくなり、人間たちは病と闘う力があったことすら忘れてしまうだろう。人が物を作る力を失うことがここまで悲劇的だったとは、私はこのリムルダールの人々を見たときほど、竜王への恐れと怒りを感じたことはない!

 

物を作る力を失えば、人間は弱い存在。だからこそ竜王はその力を奪ったんだろうな。メルキドが滅びたのはどちらかといえば人間のせいだが、こちらは魔物たちに滅ぼされているようだ。

俺は本を読み終えると廃屋を出て、探索に戻った。崖の上を歩いていくと、看板が置いてある遺跡のようなものを見つけた。

 

「何だ?こんなところに看板があるな」

 

俺はその場所に近づき、看板を読んだ。どうやらこれは人間が書いたのではなく、魔物が書いた物のようだ。

 

この下に不届きな人間を閉じ込めた。森に入った罰としてここから出すな。

 

それはともかく、この下に人が囚われているようだ。これは遺跡ではなく、魔物が作った牢屋のようだ。

 

「早く助けないといけないな」

 

俺は地面を次々に壊していき、10メートル下くらいに空間があることを見つけた。その空間には、たくさんのマヒの花が生えていて、イルマと似たような格好をした男が倒れていた。

 

「この人が閉じ込められた人か。今すぐ助けるぞ」

 

俺はあたりのマヒの花を刈り尽くし、倒れている男性に近づいた。

 

「あああ、あんたなんだってこんな所に?オオオ、オイラはザッコ。こここ、この花はやばいべ···」

 

この人がイルマが言っていたザッコっていう奴か。彼はマヒの花の影響か病気なのかで、体が痺れて動けないようだ。

 

「動けないのか?俺が安全な場所に連れていくぞ」

 

俺はザッコをかついで立ち上がった。戻ろうとすると、ここにも看板があることを見つけた。

 

この先、抜け道あり。自分の手で道を切り開け。

 

この壁を壊していけば外に出られるようだが、時間が掛かりそうなのでさっきほった穴を階段状にして、崖の上に戻った。

 

「かついだまま崖を降りるのはキツいな。キメラのつばさを使うか」

 

俺はキメラのつばさを使い、リムルダールの町へと帰還した。病気の可能性もあるので、俺はザッコをエルに見せに行った。

 

「エル、倒れていたザッコって言う人を見つけたぞ。病気かもしれないから、診察してくれ」

 

俺はザッコを4個目のベッドに寝かせ、エルは彼の診察を始めた。ザッコからは禍々しいオーラは感じられないので、イルマたちとは違う病気だろう。

今回はエルも病気の原因が分かったようで、俺に伝えてきた。

 

「ザッコ様は、この地にある病の一つ、マヒの病のようです。それに効く薬はまだありませんが、昨日の患者様と違い、私の知っている病気です」

 

イルマはマヒの病に似ているけど別の病気で、ザッコは確実にマヒの病という訳か。なんとか薬を作れたらいいのだが。

とりあえず今は、栄養をとってもらうために、ニガキノコ焼きを食べさせた。あんな場所に閉じ込められていたのだから、腹も減っているはずだ。

 

「早くマヒの病を治せる薬を作れるといいな」

 

俺はザッコにニガキノコ焼きを与えると、看病をエルに任せて病室から出た。すると、ケーシーから話しかけられた。

 

「雄也、ちょっといいか?」

 

ケーシーは病気が治った後町の仲間として活躍しているが、何の相談だろう。

 

「もちろんだ。話してくれ」

 

「ピリンって子から聞いたけど、あんた、伝説のビルダーなんだって?」

 

ピリンはそんなことをみんなに教えていたのか。エルも言ってたけど、リムルダールでもビルダーは伝説なんだな。

 

「そうだが、どうしたんだ?」

 

「この前、あんたは病気のあたいに水を飲ませてくれただろう。だけど、あんまりおいしい水じゃなかったんだ」

 

この地方の水は汚染されてるし、少しでもキレイな水を使ったはずなんだけどな。メルキドに比べれば、それでも汚いが。

 

「あんたたちも、美味しい水が飲みたいだろうし、病気の治療にも必要だと思うんだ」

 

確かにキレイな水のほうが、衛生的にいいよな。でも、あれ以上キレイな水はこの地方にはないのだが。

 

「じゃあ、どうすればいいんだ?」

 

「あんたたちが使ってる水場に、青い石があっただろ?あれは新鮮な水がわき出る石なんだ」

 

リムルダールに来たとき気になったあの石は、そんな効果があったのか。

 

「それで、外の空気で水が汚染されないように室内の水飲み場を作って欲しいんだ」

 

確かに外の空気が原因で水が汚くなっているのはあるだろう。いつものように俺が中に置く物を作り、ケーシーに建物をくみたたてもらえば、作れるはずだ。

 

「分かった。ケーシーは建物を組み立ててくれ。俺が家具を作るから必要なものを教えてくれないか?」

 

「あたいは、ツボが2つと、クッション付きのいすと収納箱とたらいが一つずつがいいと思うんだ」

 

水を貯めて置くためのツボと汲むためのたらいと座るためのイスか。収納箱は魔法の道具なので水も入るだろうからこれも水を貯めるためだろうな。

 

「確かにそれがいいな。持ち運び収納箱と土ブロックを渡しておくから、そっちは頼んだぞ」

 

俺はケーシーに持ち運び収納箱と100個くらいの土ブロックを渡し、作業部屋に入った。

 

「今作り方が分からないのは、クッション付きのいすだけか」

 

クッションは何で作るのだろうか?俺は魔法でクッションいすの作り方を調べた。

クッションいす···木材1個、綿毛1個

木材でいすの足を作り、綿毛でクッションを作るという訳か。今ある物で作れるそうだな。

俺はヤシ原木を木材に加工し、それからクッションいすを作った。やわらかいクッションで、かなり座り安そうだ。メルキドで作った石のイスは一応毛皮をクッションにしていたがあまり座り心地はあまり良くなかった。

 

「あとは知ってるものだらけだな」

 

クッションいすが出来上がると、次に俺はツボやたらい、収納箱を作り、入り口につけるためのわらのとびらを作った。

 

「あとはケーシーが建物を組み立てるのを手伝うか」

 

作業部屋の外に出て見たが、ケーシーはまだ水飲み場の建物を作っている途中だった。3段目の壁が出来上がっていたところなので、俺は屋根をつけるのを手伝った。

完成させた後、中に入ると25平方メートルの大きさの部屋で、10平方メートルの水場があった。

 

「あとはこれを設置して出来上がりだな」

 

俺は水飲み場の中に作ってきた物を置き、最後に入り口に扉をつけた。俺はだいたい、扉は最後に設置する。

 

「ケーシー、これでお前が言ってた通りの水飲み場になったぞ」

 

水のことなんて気にしたこともなかったし、結構ケーシーは細かいことを気にするタイプなんだな。

 

「ありがとう雄也!立派な水飲み場じゃないか。病気で死んだじいちゃんがよく言ってたんだ。健康な体を作るには、美味しい水が一番だって」

 

確かに地球でもキレイな水は体にいいと言われるしな。そう考えると、大切なことなのかもしれないが。

 

「そうだな。これからは病人にはここのキレイな水を飲ませよう」

 

俺は水飲み場を作った後、ケーシーと別れて昼食を食べに調理部屋に入った。

その日の午後、俺たちはみんなで旅のとびらの先に行き、石炭などを発見したが、まだ全域を調べることは出来ず、薬の材料などは発見出来なかった。

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