ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode34 水没した密林

リムルダールの2回目の防衛戦の後、くさったしたいを倒した所を見ると赤色の旅のとびらが落ちていた。これで、また新しい場所に行けるようになるな。

だが、くさったしたいが最期にあげた叫び声は何だったんだ?あれは確かに、ゲンローワのことを呼んでいた。

 

「一応ゲンローワに聞いてみるか」

 

気になるので、赤色の旅のとびらの探索の前に、ゲンローワに聞きにいったほうがいいな。俺は調合室に戻ったゲンローワに、くさったしたいの叫び声について話した。

 

「おい、ゲンローワ。あのくさったしたいがお前の名前を呼んでたんだが、どういう事なんだ」

 

だが、ゲンローワはその声を聞いていなかったようだ。

 

「何!?奴がそんなことを言っていた?そんな声、わしは聞いてはおらぬぞ。聞き間違いではないのか?」

 

俺には確かに聞こえたはずなのだが。戦いの途中だったから聞こえなかったのか、それとも話したくないのか。俺には分からなかった。

 

「それに、そんな声が聞こえていたとしても、魔物がわしらを騙そうとしているとは考えられぬか?」

 

確かに、魔物がゲンローワを自分たちの味方だと思わせるためにあの叫び声を上げたと言う可能性も考えられなくはない。だが、あの助けを求めるような叫びは、騙すためにあげたものだとはとても思えない。

 

「それは分からないが、確かに聞こえたんだ」

 

「そうか···わしも何故くさったしたいがそのような叫び声を上げたかは分からぬ」

 

ゲンローワも詳しくは分からないようなので、俺は外に出た。どうしてくさったしたいがゲンローワの名前を呼んだのか。俺はしばらく考えていた。

そして、色々考える内に、俺の脳裏に恐ろしい可能性が浮かんでくる。実はあのくさったしたいは、実は元は人間で何らかの理由で魔物に変異してしまったのではないかと。そして、薬師であるゲンローワなら、自分を助けてくれるのではないかと思い、あの叫び声を上げた。

 

「じゃあ、まさかあの3人は!?」

 

そこで、さらに恐ろしい可能性を思い付く。もしかしたら、エディ、ケン、イルマは、だんだん魔物へと変異しているんじゃないか?それなら、あの3人が魔物の気配を放っていることも納得できる。原因は不明だが、あいつらはいずれ魔物になってしまうのかもしれない。

 

「だが、そんな事ってあり得るのか?」

 

人間が魔物に変異するという話は、聞いたことがない。もしそうだとしても、必ず救う方法があるだろう。

 

「今はとりあえず、新しい旅のとびらの先を探索するか」

 

俺は彼らを助ける方法を見つけるためや、新しい患者や素材を見つけるために赤の旅のとびらを設置した。

 

「おお!雄也様!新しい旅のとびらが手に入ったのですね!」

 

その光を見たエルが、俺のところへ走ってくる。新しい病人が見つかるはずだからな、早く治療をしたいのだろう。

 

「ああ、これから探索に行くつもりだ」

 

「でしたら、そこに倒れている方々もこの町で治療できたらいいのですが···」

 

俺はもちろんだと返事をしようと思っていたが、急にエルは暗い表情になった。

 

「実は、雄也様···まだ病が癒えず、ずっと苦しんでいる患者様を見ていると、私はつい考えてしまうのです。長い苦しみが続くならいっそ、楽になれた方が幸せなのではないかと」

 

いつもは明るいエルなのに珍しいな。地球でも、病気で生きることを諦めて、安楽死を選ぶ人がいるからな、そう思っても仕方ないかもしれないが。

 

「確かにな。だが、諦めたくはないんだろ?お前がそんなことを考えていると病人まで暗い気持ちになるぞ」

 

俺がそう言うと、エルは元の表情に戻った。やはりエルは、人々を助けたいという気持ちの方が強いようだ。

 

「そうでした。こんな弱音をはいてしまって、申し訳ございません···」

 

「別に気にするな。誰だって暗い気持ちにはなるはずだ」

 

どんなに明るい人間でも、落ち込むことはあるだろう。

 

「はい、雄也様。旅のとびらの先で患者様を見つけたら、いつも通り診察いたしますね」

 

「ああ、頼むぞ」

 

俺はエルとの話を終えると、旅のとびらの中へ入っていった。今度はどんな場所に繋がっているのだろうか。

 

「ここは、谷底か?」

 

移動が完了すると、俺はメルキドの緑の旅のとびらの先と似たような場所にいた。だが、メルキドより崖は低く、谷底は水没していた。

 

「水没していて進みにくいな···」

 

水に濡れるのは嫌なので、俺は崖の上を移動することにした。崖まで土ブロックの足場を作り、つたを使って登っていく。

そして、つたを登っている途中に、2種類の初めて見る鉱石を見つけた。

 

「もしかしてこれ、銀かもしれないな。それに、この赤い宝石のような物もある」

 

俺がいしのおのを使い採掘すると、やはり片方は銀だった。触ってみた感じだと、この世界の銀は鉄よりも硬いようだ。もう片方の赤い宝石は、何なのかは分からなかった。

 

「強い武器を作れるかもしれないな。集めておくか」

 

俺はそれらの鉱石を集めながら、崖の上へ登っていった。崖の上は、青の旅のとびらの先と同じように、草原が広がっていた。

 

「ここなら、遠くも見渡せそうだな」

 

崖の上からなら、この地方を偵察出来るだろう。俺が谷底を見下ろすと、奥のほうに木が水没しているジャングルがあった。モンハン3に出てきたフィールド、水没林のような感じだ。それ以外にも、緑色の大きな葉が何枚かある植物や、オオオニバスのような植物があった。ここを探索するには、濡れるしかなさそうだ。

 

「もうしばらく、この崖の上を探索するか」

 

だが、まだ崖の上も調べ終わっていないので、俺はそこにいる敵のリリパットを避けながら探索を続けた。すると、メルキドでも見た黄色の植物があった。

 

「小麦か···リムルダールにもあったのか」

 

これまで枝豆やニガキノコ、魚ばかり食べていたが、小麦があればパンを食べられるようになるな。

小麦以外にも、ふとい枝や薬草がたくさんあった。それに、歩いていると通常の1.5倍くらいある土ブロックを見つけた。

 

「何だこの土ブロック?やたらと大きいな」

 

俺がその土ブロックをいしのおので叩いてみると、なんと動き出して、俺に襲いかかってきた。どうやら、モンスターが擬態していたようだ。土ブロックのモンスターは、形を変形させ、俺を押し潰そうとしてきた。

 

「モンスターだったのか···だが、そんなに強そうではないな」

 

そのモンスターは、動くのも変形するのにも時間がかかっていた。俺は元の形に戻る直前に、思い切り斧を振り回した。

 

「回転斬り!」

 

それだけでは倒せなかったが、さらに奴の頭にいしのおのを降り下ろし叩き斬った。土ブロックのモンスターは青い光を出して消えた。すると、何故か2メートル×2メートルの大きさガラス張りの窓を落とした。

 

「何でモンスターがガラス窓なんて持ってるんだ?」

 

ガラス窓を持っている理由は分からないが、窓があったら天井があっても外の光が入るので、持っていったほうがいいな。俺はガラス張りの窓をポーチにしまい、そろそろ下に降りようとした。

 

「さっきのところにはつたがあったし、そこで降りるか」

 

そろそろ水没した密林の探索を始めようと、崖の下を見ながら旅のとびらの近くに歩いていると、さっきは気づかなかったが、人が倒れているのを見つけた。ケッパーやエディのような、兵士の格好をした人だ。

 

「あいつを助けないといけないな」

 

俺はその人を助けるために、崖を降りていった。話しかけると、まだ意識はあるようだった。

 

「おい、大丈夫なのか?」

 

その兵士は女で、とてもやせ細っていた。

 

「あ、あたしミノリ···。あ、あなたは誰···ですか?」

 

ケンみたいに、日本人みたいな名前だな。リムルダールにそんな名前が多いのは何故なのだろうか?

 

「俺は影山雄也。雄也って呼んでくれ。こんなところで倒れて、どうしたんだ?」

 

ミノリからは、エディたちが発している禍々しいオーラは感じられなかった。だが、かなり弱っているようだ。

 

「あたし、お腹すいて···。もうだめ···みたいです」

 

腹が減っているだけで、病気ではないと言うことか?でも、エルに診てもらうか。それに、町にならたくさん食べ物があるし、連れて帰るか。

 

「これから食べ物のある場所に連れていくぞ」

 

「は、はい···ありがとうございます」

 

俺はミノリを背負って水没している谷底を歩き始めた。今はキメラのつばさがないので、歩いて戻るしかない。途中にいるぐんたいガニというカニのモンスターに見つからないようにして旅のとびらに入り、町へ戻った。

俺はさっそく、エルにミノリのことを伝えに行く。

 

「エル、倒れているミノリという人を見つけた。病気かは分からないが、一応診てくれ」

 

「はい。もし病気でしたら、雄也様にもお伝えしますね」

 

俺がミノリを病室のベッドに寝かせ、エルが診察を始める。俺が外で待っていると、10分くらいでエルが出てきた。

 

「どうだったんだ?ミノリの状態は」

 

「ミノリ様は、飢餓の病にかかっておられるようなのです」

 

飢餓の病?単なる飢餓とは違うのだろうか。

 

「普通に空腹なだけって訳じゃないのか?」

 

「はい。飢餓の病にかかると、物を少し食べただけでは全く栄養にならなくなるのです。枝豆やニガキノコなどでは、食べていないのと同じということです」

 

つまり、飢餓というよりも食べ物を栄養に変える働きが弱っているということか。だが、今はそれに効く薬はないな。

 

「どうすれば治せるんだ?」

 

「この病は、この地に蔓延している病の中では弱いほうで、豪華な食事を与えれば栄養がつき、自然に治っていくはずです」

 

特殊な薬はいらないってことか。でも、豪華な食事を作る必要があるって大変だな。

 

「今はそんなものは作れないぞ」

 

今日小麦を手に入れたが、パンくらいでは治らないだろう。

 

「そうでしたら、まずはイワシを食べさせるのはどうでしょうか?ノリン様が、魚は体にいいと言っておられました」

 

イワシも豪華だとはとても言えないが、少しでも栄養があるもののほうが良さそうだな。まだあったはずなので、今すぐ焼きにいくか。

 

「分かった。俺が焼いて食べさせてくる」

 

俺はエルと別れ、調理部屋に入った。そして、そこの収納箱に入っているイワシを焼き、病室にいるミノリに食べさせた。

 

「これ···さかな···おいしい。ありがとうございます···すこしお腹がいっぱいになった気がします···」

 

ミノリはイワシを食べたが、まだ治る気配はなかった。もっと栄養のある食べ物を与えないといけなさそうだな。

 

その日はもう夜になっていて、俺はミノリにイワシを食べさせた後、自分も夕食を食べて寝室で寝た。

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