ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
俺がリムルダールに来てから13日目の朝、昨日の探索の続きをしようと旅のとびらのところに向かうと、ゲンローワが話しかけてきた。また病の感染源を見つけてきてほしいのだろうか。
「雄也よ、ちょっといいかの?」
「どうしたんだ?」
「今この町には飢餓の病の患者が二人いるじゃろ。」
どうやら、ゲンローワは飢餓の病にかかっているミノリとヘイザンの治療について相談があるらしい。
「二人の治療のために、新しい地でお主に探してきてほしいものがあるのじゃ」
探してきてほしい物か…今行ける場所にあるかは分からないな。
「何を探してきてほしいんだ?」
「この地方にある密林の奥に進めば、とある遺跡にたどり着くのじゃ」
密林と言うことは、赤いとびらの先のことかもしれないな。探しに行って来るか。
「その密林なら赤の旅のとびらから行けるぞ」
ゲンローワはその場所に行けるか不安だったようだが、俺の話を聞いて安心の顔をした。
「それならよかった。その遺跡は、探求者タルバなる人物が住んでいた宮殿の跡地なのじゃ」
確か探求者タルバっていうのは、拠点の近くの丘の上にクイズを書いていた人だな。宮殿に住んでいたってことは、結構金持ちだったのかもしれない。
それで、その宮殿に何があるのだろうか。
「そいつの宮殿でなにを探してきてほしいんだ?」
「噂ではその遺跡には農業の記録なる物がまつられていて、その記録を知れば作物を一から育てられるようになるという」
この世界にも農業があったのか。確かに、作物を育てることができれば食料に困ることはなくなるな。だが、作物が育つには何ヵ月も必要だろうから、今いる患者の治療には役立たない気がする。
「でも、育つのにはかなりの時間がかかるだろ?」
「普通の場所ならそうじゃ。じゃが、精霊ルビスの加護を受けたこの地なら1~2日で育つじゃろう」
そんなに早く育つのか!?確かにそれなら二人の治療にも役立つな。前も思ったが、ルビスは本当にすごいな。
「じゃからの、雄也よ。赤い旅のとびらの先で移籍を探し、農業の記録を見つけてきてくれ」
「ああ、わかった。患者だけじゃなくて、俺たちの食料も作れるからな」
毎日ノリンがイワシを釣りにいっているが、すぐに食べきってしまうし、野菜も食べる必要がある。
患者の治療や俺たちの食料難を解決するためにも必ず見つけて来ないとな。俺は朝食に残り少ないイワシを食べて、赤い旅のとびらに入った。
「ゲンローワの言ってた遺跡は、ヘイザンが捕まってたところより奥だろうな」
俺はまず、昨日行ったところへ向かった。そこまでは500メートルくらいの距離なので、10分くらいでたどり着いた。
「ここから先に行くのは初めてだな」
そして、昨日じんめんじゅと戦ったところから、さらに奥へと進んで行った。
途中、ハートの形をした実がなっている奇妙な植物を見つけた。
「地球にはない形をした果物だな。食えそうだし取っていくか」
モモガキの実と同じくらいの大きさだが、かなりうまそうだ。俺はその実をいくつか集めて、密林の中を歩いていった。
密林の中には、じんめんじゅや緑色のカニのモンスター、じごくのハサミがいたが、俺は木の裏に隠れたりして、見つからないようにして進んでいった。やがて密林を抜けると、レンガで出来た遺跡のようなものがあった。所々につたが生えており、長い時間放置されたのだろう
「これがゲンローワの言ってた遺跡か?」
遺跡の中には木のいすやテーブル、酒タルなどが置かれてあり、人が住んでいた形跡もあった。
ゲンローワは探求者タルバが住んでいた場所と言っていたので、ここの可能性が高い。
「だが、農業の記録はどこにあるんだ?」
俺はその遺跡に農業の記録が書かれている紙などがないか調べたが、見つからなかった。
遺跡の屋根に宝箱があり、登って開けてみたが、入っていたのは変わった形の木の実だった。
「これは、いのちのきのみか?」
ドラクエシリーズに登場するHPを増やすアイテム、いのちのきのみのようだな。だが、現実にはHPゲージなんてないので食べても意味はないだろう。
俺は一応いのちのきのみをポーチにしまったが、使う機会はなさそうだ。
「ここには農業の記録はないのか?」
いのちのきのみを手に入れた後、俺はもうしばらく遺跡を調べたが、農業の記録らしき物はなかった。
ここにないと言うことは、この遺跡以外にも建物があるのかもしれない。
「もっと奥にも行ってみるか」
俺は遺跡を調べ終えると、反対側の方の入り口から出た。遺跡の反対側は、地面がレンガになっている場所が多かった。これも、人間が住んでいた形跡だな。土が勝手にレンガに変化するとは思えない。それ以外にも、レンガで作られた建造物がいくつかあった。
「やっぱりこの近くにあるはずだよな」
俺はレンガで作られた建造物を調べようと歩き始めた。進んでいくと、メルキドでも見た強力な魔物が生息していた。
「しりょうやまほうつかいか…気を付けないといけないな」
しりょうとその上位種のしりょうのきしや、まほうつかいと言った奴らだ。俺は見つからないように歩いていたが、役に立つ素材が手に入るかもしれない。
「こいつらも倒していくか」
メルキドでは鋼の武器を使わないと倒せなかった敵なので、正面から向かわないほうがいいな。
俺はレンガブロックに隠れながらしりょうに後ろから近づき、いしのおので頭蓋骨を叩き割る。反撃の機会を与えないように、攻撃を受けてこちらを振り向いたしりょうに、回転斬りを放った。
「喰らえ!回転斬り!」
しりょうはバラバラに砕け散り、青い光を放って消滅した。そして、茶色に風化した金属を落とした。
「何だこれ?すごくさびてるな」
そのさびた金属は鉄のようだが、武器や防具に加工するのは難しそうだな。もしてつのつるぎやおおかなづちを作れたらヘルコンドルや手下の魔物たちにかなり対抗しやすくなるはずだ。
俺はそれらの装備がさびた鉄から作れないか魔法で調べた。
てつのつるぎ···鉄のインゴット1個 炉と金床
さびた金属1個 仕立て台
おおかなづち···鉄のインゴット2個 炉と金床
「てつのつるぎはこれからも作れるのか。おおかなづちは無理みたいだけど」
てつのつるぎはさびた金属から作れるようだが、おおかなづちは炉がないとダメなようだ。
「おおかなづちは結構便利なんだけどな」
攻撃力の高いおおかなづちがあれば採掘や戦闘が楽になるんだが。だが、おおかなづちに変わる武器を思い付いた。
「もしかして、斧なら作れるか?」
おおかなづちは作れないが、てつのおのが作れるかもしれない。斧もハンマーと同じくらい便利な武器だ。いしのおのが仕立て台で作れるので、てつのおのも作れるだろう。
俺は、てつのおのの作り方を調べた。
てつのおの···さびた金属1個、木材1個 仕立て台
案の定、てつのおのは仕立て台で作れるようだ。さびた金属のさびを落とし、斧の形に加工するということだろう。
「さびた金属も結構使えるんだな」
俺はさびた金属をしまい、遺跡の探索を続けた。遺跡には地面がレンガではなく、普通の土であるところもあり、そこにはじゃがいもがはえていた。
「いももあるのか。農業で増やすためにも持ち帰るか」
農業ができるようになればいもも作れるようになるだろうな。フライドポテトとかも食べれるようになるかもしれない。俺はじゃがいもを集めたり、魔物たちを倒したりしながら、遺跡の奥へと進んでいった。
しりょうのきしは3個のさびた金属を、まほうつかいは青色の宝石を落とした。青色の宝石からは魔力が感じられて、これも装備の作成に使えそうだ。
そして、いのちのきのみがあった場所から30分ほどたって、ついに大きな宮殿らしき建物を見つけた。
「間違いなくここだろうな」
さっきの建物の何倍もの大きさで、何かがありそうな雰囲気だった。
中に入ると、農業の記録が入っているであろう宝箱と、その前に立ち塞がる大きな目玉と触手を持つ魔物、メーダの姿かあった。
「メーダか、どんな動きをするんだろうな?」
戦わずに宝箱の中身だけを持ち帰れたらいいのだが、そうさせてはくれないだろう。俺はいしのおのを構え、メーダに近づいていく。やがて、メーダも俺に気付き、俺を威嚇してきた。
「お前を倒して農業の記録を手に入れてやる!」
俺がメーダに斬りかかると、メーダは目から青い光線を出して攻撃してきた。
その光線はとても高速で俺のところへ向かってくる。
「くっ!」
俺は光線をいしのおので防ぎ、さらにメーダに近づいた。だが、あと1メートルくらいでいしのおので斬りつけられるところまで近づいた時、メーダは光線をいくつも連射してきた。
そして、俺はその攻撃を防ぐのに必死でメーダに攻撃するどころではなくなった。
「くそっ!連射もできるのか!?」
ゲームではもっとゆっくりな攻撃頻度なのだろうが、現実ではそうはいかない。
こちらも銃でもあれば対抗できるんだけどな。だが、今は近接武器で対抗するしかない。
「二刀流にするか」
片手で光線を防ぎ、もう片方の手で攻撃できるかもしれないので、俺はおおきづちを取りだし、左手に持った。
そこでメーダはまずいと思ったのか、さらに攻撃を激しくする。
俺はなんとかいしのおので光線を防ぎながら、メーダに攻撃があたる位置まで動き、おおきづちを思いきり振り上げた。
「潰してやる!」
おおきづちで頭を殴ると、メーダは形が変形し、かなりのダメージを受けているようだった。
だが、メーダはすぐに体勢を立て直し、至近距離で俺に光線を放ってきた。
俺はおおきづちで防いだため無傷だったが、おおきづちが光線の熱で燃えてしまった。
油断していれば次の攻撃を食らってしまうので、光線が放たれた直後に俺はいしのおのでメーダの目玉をえぐった。
「これでもうビームは撃てないな」
メーダの光線は目から出ていたので、目を潰されてはもう撃つことはできないだろう。目を潰されたメーダは痛みに耐えながら触手で俺を付いてくる。
だが、目が見えないため俺が何をしているかわからないはずだ。
俺はメーダから少し距離をとり、いしのおのに力をためる。そして、体温か何かで俺を見つけて近づいてきたメーダにその力を解き放った。
「回転斬り!」
強力な回転斬りを食らい、メーダは青い光を放って死んでいった。
「また武器が壊れたな。結構強かったぜ」
強いモンスターだったが、なんとか倒すことができた。
正面の宝箱以外にもーメーダのいた場所の両側に牢屋の扉のようなものがあり、中に宝箱があったが、鍵がかかっていて入れなかった。
「この正面の宝箱に入ってるといいんだが」
俺はいま開けることのできる宝箱を開けた。すると、中にたくさんの文章や絵が書かれた紙が入っていた。
「これが農業の記録か」
そして、その紙の一番目立つところに、こう書かれていた。
人間が物を作る力を失ってからどのくらいの歳月が立つのであろう···。いつの日か現れるとされるビルダーのために、ここに農業の記録を残す。伝説のビルダーよ、どうかこの世界に再び光を···。
「この世界に再び光を···か」
長い時間がかかるだろうが、なんとしてもこの世界を復活させてやりたいと改めて俺は思った。
「とりあえず、これをゲンローワに見せるか」
俺は農業の記録を持って、キメラのつばさで町へと帰還した。町に着くと、さっそく調合室にいるゲンローワに、農業の記録を見せに行った。
「ゲンローワ!農業の記録が見つかったぞ」
「おお、まことか!?」
俺の話を聞くと、ゲンローワはすぐに調合室から飛び出してきた。そして、農業の記録を読み始める。
「ふむふむ、大昔の人々はこのようにして作物を育てておったのか!」
ゲンローワは農業の記録を見て、とても驚いている。この世界で農業は、数百年ぶりのことだからな。
「それで、何て書いてあったんだ?」
俺が聞くと、ゲンローワは詳しく説明を始めた。
「農業の記録によれば、くまでを使って土を耕し、そこに種を植えれば作物を育てられるようなのじゃ」
あれ?確かくまでって落ち葉とかを集める道具じゃなかったか?
アレフガルドと地球では同じ道具でも用途が違うことがあるんだな。
俺がそんなことを思っていると、ゲンローワは種の作り方を話し始める。
「その種は調合ツボを使って魔法で作物を変化させて出来るようなのじゃが、この魔法は珍しくビルダー以外にも使えるようじゃ」
ビルダー以外も使えるって本当に珍しいな。この世界の人々は魔法の力も奪われているようだが、ルビスの加護があるこの場所ならそれくらいの魔法は使えるのか。
まあ、ビルダー以外使えないのだったら、リムルダールから俺が去ったら一気に食料難になってしまうが。
そして、ゲンローワはその魔法を使うのに必要らしい呪文を教えてくれた。
「わしも農業に興味があっての、共に作物を育てていこうではないか」
ゲンローワも農業をしたかったのか。俺たちで作物を育て、リムルダールをさらに発展させていきたいな。
最近更新頻度が遅いですが、もうすぐ夏休みに入るのでまた一日一回は出せるようになると思います。