ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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飢餓の病の患者を治すところはかなり長くなったので、前編と後編に分けました。


Episode38 飢餓の治療(後編)

俺がリムルダールに来て14日目、起きるとすでに太陽がかなり高く上がっていた。昨日の疲れが原因で寝過ぎてしまったのだろう。

 

「今日もミノリとヘイザンのリクエクトを聞きにいくか」

 

俺は部屋を出ると、エルのいる病室に向かった。今日こそあの二人を治してやらないといけないな。俺が病室に入ると、いつも通りエルが病人たちの看病をしていた。彼女は飢餓の病の二人だけでなく、未だに禍々しいオーラをまとう3人の様子も見ている。彼らの放つ魔物の気配はだんだん強くなっていき、治る気配は全くなさそうだ。

俺がその3人を見ていろいろ考えていると、俺に気づいたエルが話しかけてきた。

「雄也様、どうなさいましたか?」

エルは俺が何か考えていることも気づいているようだ。俺もエルに3人のことを相談したかったが、今は治す手段の分かっているミノリとヘイザンの治療をしないと。

 

「いや、なんでもない。今日はその二人は何が食べたいって言ってたんだ?」

 

俺はエルに二人のリクエストを聞いた。今日はどんな料理を作らないといけないんだろうな。

 

「ミノリ様はもりもりサラダ、ヘイザン様はブイヤベースが食べたいそうです」

 

昨日よりもすごく豪華な料理だな。もりもりサラダは詳しくは分からないが、たくさんの野菜で作られたサラダのことだろう。ブイヤベースは確か、南フランスの魚介類がたくさん入った郷土料理だったはすだ。実際に食べたことはないが、料理の本で見たことがある。作るのは大変だろうが、これなら飢餓の病も治るかもしれない。

 

「たくさんの材料が必要だとは思いますが、患者様の治療のため、お願いします」

 

「ああ、分かってる」

 

今ある物だけで作れるかはわからないが、俺はもりもりサラダとブイヤベースを頭に思い浮かべ、作り方を調べる。

もりもりサラダ···じゃがいも2個、まめ2個、小麦2個、ハートフルーツ1個、ゆでガニ1個、くすりの葉1個 レンガ料理台

ブイヤベース···サケ1匹、カニの爪1個、小麦1個、ハートフルーツ1個、きれいな水1個、石炭1個 レンガ料理台

ひとつの料理に6つの材料を使うのか!?地球では珍しくないことだが、この世界に来てからは初めてだ。

まめや小麦、いもなどの作物は在庫がなくなっているな。ゲンローワが1日で育つと言っていたし、後で畑を見に行くか。両方に必要なハートフルーツという奴は、おそらく密林で見つけたハート型の植物だろう。そらなら20個くらい持っている。

足りない素材と言えば、カニの爪だな。ゆでガニもカニの爪から作る奴だし、カニの爪を2個取ってこないといけない。ぐんたいガニくらい、てつのおのなら楽勝だろう。それと、きれいな水と言うのは水のみ場で汲める水のことでいいのか?

予想通り、かなり作るのは大変そうだが、やるしかない。

 

「エル、なんとかこの二人の言っているものを作れそうだ」

 

俺は材料を揃えるために、病室から出ていった。病室からでた後、俺は昨日ゲンローワたちと種を植えた畑に向かった。病室とは反対の方向にあるが、町の広さがあまり大きくないのですぐにつくことができる。

畑を見ると、一日ではあり得ないほど成長していた。

 

「もう実がなっているな」

 

なんと、自然に生えているものと同じくらいにまで成長していた。これなら、今すぐ収穫できそうだ。

俺はまめといもをを2つ、小麦を3ついしのおので刈り取った。まだ成長するかもしれないので、残りのは刈り取らないでおこう。

 

「これで、必要な野菜は集まったな。あとはカニの爪か」

 

俺は収穫した野菜をポーチにしまい、旅のとびらがあるところに行った。するとその途中、ケーシーに話しかけられた。

「雄也。ちょっとアンタに相談があるんだ」

 

「これから出かけたいんだが···まあいい、どうしたんだ?」

 

ケーシーに話しかけられるのは久しぶりだな。何か大事な話があるのかと思ったが、ケーシーが言ったのは変な質問だった。

「ゲンローワとエルって、デキてんのかい?」

 

デキてる?つまり、恋人同士ってことか?急にそんなことを聞いてきてどうしたんだ?ケーシーもそういうことを気にしているのだろうか。

 

「別にそんなことはないと思うが···何でそんなことが気になったんだ?」

 

「いや、あいつらいつもはツンツンした雰囲気をかもし出してるくせに、たまに気持ち悪いくらいイチャイチャしだすことがあるんだよね」

 

確かに、あの二人からは単なる知り合いではない、強い繋がりが感じられる。だが、それが恋人同士かと言われると違う気がする。

 

「いや、あの二人には特別な繋がりがあるとは思うけど、恋人同士ではないと思うな」

 

「そうなのかい?まあ、恋愛に年齢は関係ないわけだし、別にいいんだけどさ」

 

いや、いくら恋愛に年齢は関係ないと言われても、さすがにあの二人は年齢差がありすぎると思う。俺の予想だが、あの二人は50歳くらい年齢差があるだろう。

大事な頼みごとがあるのかと思ったが、質問があっただけのようだ。

 

「あの二人のことはよく分からないな。とりあえず、素材集めに行ってくる」

 

俺は話を終えて、赤色の旅のとびらに入ろうとすると、再びケーシーが俺を呼び止めた。

 

「ちょっと待っておくれ。今のはどうでもいい話で、もう一つ相談があるんだ」

 

なんだ、本題は別にあったのか。先にそれを言えばいいと思うのだが。

「何だ、もう一つの話って?俺も早く出かけたいんだけどな」

 

「なかなか病人たちが治らないのは、やっぱり水のせいなんじゃないかって思うんだ」

 

そう言えば、今ある水飲み場を作ることを提案したのもケーシーだったな。ケーシーは本当に水が重要だと思っているようだ。だが、水飲み場の水で十分だと思うんだけどな。

 

「水飲み場の水じゃダメなのか?あれでも結構きれいだと思うが」

「いや、外の汚れた水よりもきれいだけど、病気を治すためにはもっときれいな水が必要だと思うんだ」

 

確かに水飲み場の水も、地球でいつも飲んでいる水に比べればおいしくないな。

 

「それで、あんたには水を浄化するための浄化装置を作ってほしいんだ」

 

浄化装置か···地球の水道水も、普通の水を浄化して、塩素で消毒しているんだったな。この世界では塩素で消毒は無理だろうけど、浄化装置は作れるのか。だが、浄化装置の形がまったく思い付かないな。

「その浄化装置は、どんな形がいいんだ?」

 

「あたいは、噴水のような形で、きれいな水が出てくるのがいいと思うよ」

 

噴水なら、見た目にもよさそうだな。俺は水の浄化をする噴水の作り方を魔法で調べた。

浄化のふんすい···石材5個、じゃり石5個、綿毛3個、密林の葉2個 木の作業台

どれも今持っている素材だな。密林の葉というのは赤の旅のとびらの先にあった緑色の大きな葉がある植物のことだろう。石材で噴水の形を作り、じゃり石や綿毛で不純物を取り除くんだろうな。密林の葉の役割はわからないが、消毒効果でもあるのだろうか。これなら、いますぐに作ることができる。

 

「今すぐ作れそうだ。ちょっと待っていてくれ」

 

俺はケーシーにそう言って、作業部屋に入っていった。そして、木の作業台を使い、素材を浄化のふんすいに変えていく。

 

「これが浄化のふんすいか」

 

出来上がった浄化のふんすいは石材を磨いて作られているため、とてもきれいな色をしていた。

 

「あとはこれで水がきれいになるかだな」

 

俺は浄化のふんすいを水飲み場へと持っていく。水飲み場では、浄化装置が出来上がるのを楽しみにケーシーが待っていた。

 

「おお、雄也!浄化装置が出来上がったのかい?」

 

「ああ、今そこに置く」

俺が浄化のふんすいを水の中に置くと、すぐにきれいな水があふれだした。ブイヤベースを作るのに必要なきれいな水というのは、このことなのかもしれない。

 

「ありがとう雄也!すごくきれいな水じゃないか!」

 

ケーシーは喜びを越えて、少し感動していたそして、病気で死んだ祖父のことを思い出しているようだった。

 

「こんなきれいな水、病気で死んだじいちゃんにも飲ませてあげたかったよ」

 

そういえば、ケーシーが水が重要だと言っているのも、祖父から教えられたからだったのか。どんな人だったんだろうな。

ケーシーは、しばらく祖父のことを思い出していたが、話を変えた。

 

「それはそうと、病人たちの治療で忙しいあんたたちのために、あたいたちが武器のアイディアを考えているんだ」

 

昨日ノリンが言ってたな。ヘルコンドルに対抗するための武器を作っているって。

 

「ノリンから聞いた。ヘルコンドルに対抗するための武器だろ?」

 

「ノリンからも聞いてたんだ。だったらわかると思うけど、空を飛ぶヘルコンドルに攻撃を当てるために、特別な武器が必要だと思うんだ。だけど、あんたやエルは武器を考える時間がないだろうから、あたいたちが考えてるのさ。もう少しでアイディアがまとまりそうだから、その時は言うよ!」

 

もうすぐ武器ができる段階にまで来ているのか。ヘルコンドルとの戦いはいつになるかは分からないが、早く作っておくのに越したことはないからな。

 

「ああ、頼んだぞ」

 

俺はケーシーと話をした後きれいな水を汲み、水飲み場から出た。

 

「きれいな水が手に入ったし、あとはカニの爪だな」

 

そこから俺は旅のとびらがあるところに行き、密林に移動した。

俺はてつのつるぎやてつのおのの性能を試すのもついでに、ぐんたいガニに背後から斬りかかった。てつのおのの強力な攻撃で、ぐんたいガニの甲羅は砕け散る。

だが、ぐんたいガニはまだ死なず、ハサミで俺を攻撃してくる。

 

「まだ死なないか。それでも、これで終わりだ!」

 

俺は左手に持ったてつのつるぎでぐんたいガニのハサミを切り裂いた。そして、鉄の武器の連続攻撃に耐えられずカニの爪を落としてぐんたいガニは倒れた。

 

「これであと1個だな」

 

あと1個カニの爪が必要なので、俺は近くにいた別のぐんたいガニに近づき、回転斬りを放った。

 

「回転斬り!」

 

両手の武器を一回転させたため、ぐんたいガニは大ダメージを2回も追い、すぐに死んでいった。

鉄の武器があれば、そこらのモンスター相手だと簡単になるな。だが、当然敵もこのことを知るだろうから、次の防衛戦ではかなり強い奴が襲ってくるだろうな。

 

「今は、あいつらの病気を治すか」

 

魔物への対策も重要だが、今は治療のための料理を作らないとな。俺は2個のカニの爪を持ち、町に戻っていった。

 

 

 

「これで材料が揃ったな」

 

俺は町に戻ってすぐに調理部屋に入り、必要な料理を作っていく。まずゆでガニを作り、他の素材と合わせてもりもりサラダにする。その後、昨日釣ったサケを使ってブイヤベースを作った。

 

「あとはあの二人に食べさせないとな」

 

俺は完成したもりもりサラダとブイヤベースを病室に持っていった。

 

「エル!頼まれた料理を持ってきたぞ」

 

俺の声を聞くと、エルはすぐに振りかえる。

 

「おお、ありがとうございます!こんな豪華な料理であれば、患者様も完治するはずです。早く食べさせてあげましょう」

 

俺とエルは、ミノリにもりもりサラダを、ヘイザンにブイヤベースを食べさせた。

 

「エル、これで治りそうか?」

 

「はい!二人とも満腹になっていて、明日には起き上がれるようになるでしょう」

 

これで、飢餓の病の患者は治すことができたな。

だが、エディ、ケン、イルマの3人の容態はさらに悪化していて、幻覚などを見るようになってきていた。俺からみると、だんだん魔物になっていっているように感じられる。

このままでは、完全に魔物になり、メタルギアソリッド5の終盤のように自らの手で病人を殺さなければいけなくなる気がする。それだけは、絶対に避けないといけないな。何かあいつらを治すことができるすごい薬でもあればいいんだが。

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