ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
リムルダールに来てから15日目の朝、俺が寝室の外に出ると、ミノリとヘイザンが希望のはたの台座に立っていた。ついにこの二人も病気が治り、動けるようになったようだな。豪華な料理を用意するのは結構大変だったが。
二人も、病気が治ったことを喜んでいた。
「ああ、今日はなんて素敵な日でしょう!」
「よかったあー!どうやら死なずに済んだみたいだな!」
そして、ミノリが俺に気づいて話しかけてきた。
「あっ、雄也さん。助けてくれてありがとうございました!」
そういえばミノリには出会った時に名前を名乗っていたな。彼女は嬉しそうな表情をして、俺に感謝の言葉を言う。
彼女は嬉しそうな表情をして、俺に感謝の言葉を言う。
「なんだかあたし、とてもお腹がすいて食べても食べてもいっぱいにならないし、お腹は減るのにお腹はどんどんふくらんでいって、もうダメだと思ってたんです」
お腹がずっと空いているというのも十分苦しい症状だが、お腹がふくらむっていうのも怖いな。人間の体は飢餓状態になると脂肪をたくわえようとするんだったか?
それはともかく、本当に助けられてよかった。
「助けられて良かった。これからどうするんだ?」
「あたし、武器や防具の知識ならありますよ!恩返しのためにも、この町に住ませてください!」
ミノリもこの町の住民になってくれるようだな。兵士だから戦うこともできるだろう。俺はもちろん歓迎の返事をした。
「もちろん歓迎するぞ。よろしくな、ミノリ」
「はい、よろしくお願いします!」
ミノリは喜んであいさつをして、俺たちの町を見に行った。気に入ってくれるといいな。
ミノリとのあいさつを済ませた俺に、今度はヘイザンが話しかけてきた。
「いい遅れたが、おかげで助かったぞ!ありがとう!」
ヘイザンはこんな美女なのに男みたいなしゃべり方なのか。それでも結構かわいいんだがな。
「かなり苦しそうな表情をしていたからな、助けられてよかったな」
それと、ヘイザンはまだ治らない3人のことも見ていたようだ。
「だけど、病室の他の患者たちは全身が土気色で目は血走り、そのうえ、幻覚まで見て一日中うめき続けて···ワタシもああなるもんだと思っていたよ」
ヘイザンの言う通り、あの3人は誰から見ても異常な状態になっていた。治療法も分からないまま、時間が過ぎていく。
「あの患者たち、恐ろしい気配がするし何かヤバそうだ。せいぜい気をつけて看病するんだね」
「ああ、分かってる」
エディたちについては、今は何もできないので、ヘイザンは話題を変えた。
「それにしてもだ!君たちには病気に立ち向かう知恵と勇気があるんだね!素晴らしいよ!ぜひワタシもここの仲間に入れてほしい」
「もちろんだ。俺は影山雄也、普段は雄也って呼んでくれ」
この自己紹介も10回以上しているな。ヘイザンも町に住んでくれるのか。今気づいたが、この町はメルキドより女性の住民が多いな。まあ、エディたちが治れば男の割合のほうが高くなるんだが。
ヘイザンは、ゆきのへから教わった鍛冶屋の知識の話もしてくれた。
「ワタシは以前、旅の途中に出会った伝説の鍛冶屋の子孫のいかつい男に弟子入りしたことがあってな、金属の加工に関する知識があるんだ」
俺はヘイザンにその鍛冶屋がここにいることを教える。それを聞くとヘイザンは、とても驚いた顔をした。
「その男ならここに住んでるぞ。メルキドから一緒にここに来たんだ」
「それは本当か!?どこにいるんだ?」
「多分そこの作業部屋にいる。会ってこればいい」
俺が作業部屋にいると言うと、すぐにヘイザンはそこへ走っていった。久しぶりの再会だし、嬉しいに決まってるよな。
俺が二人との話を終えると、今まで病室にいたエルが出てきて話しかけてきた。
「おお、雄也様!ありがとうございます!飢餓の病の患者様の治療が終わったのですね」
エルも二人のようにとても喜んでいる。病人が元気になる時は、いつ見てもそう思うのだろう。
「この病が治せたのも雄也様が栄養価の高い食事を作ってくださったからです」
別に俺のおかげだけでもないと思うけどな。病人自身の力と、エルの看病があったからだと思う。
これからはミノリとヘイザンも、この町のために活躍することになるだろう。だが、エルはすぐに暗い表情へと変わっていった。
「しかし···、以前の患者様は未だに眠ったまま、病の原因もその方法も分かってはいません。今の私にはもうなすすべがないのです。あとはただ、よりそうことくらいしか···」
やはりエルもあの治らない3人のことが心配なようだ。だんだんエルも、諦めかけているような気もした。
「おお!この地から病がなくせるのなら私は自分の身などどうなってもかまいません!神よ、もしもそこにおわすならどうか患者様をお救いください。げほっ、げぼっ」
困った時の神頼みという奴か···諦めかけてはいるが、それでも病人を救いたいという気持ちのほうが強いようだ。
それに、少し咳をしていたが最近エルは無理をしすぎている気もするな。治療法を見つけられればいいんだが。
しかし、俺たちが悩んでいるその時、今まで2回聞いたことのある鳥の羽ばたく音が、またしても聞こえた。
まさかと思い空を見ると、そこにはやはりリムルダールの魔物の親玉、ヘルコンドルがいた。俺は、エルにすぐにそれを知らせる。
「エル、今はそんなことを言っている場合じゃないようだ。ヘルコンドルがまたしても手下の魔物を呼び出そうとしている」
すると、エルこの前の襲撃の時の用に、魔物への憎しみを見せる。
「ヘルコンドルはこの地に見え隠れしているほんのわずかな希望の光すら邪魔なのでしょう。病を振り撒くだけでなく、私たちの町を破壊しようとするなんて、なんと、なんと憎らしい!皆さまにそのことを伝えて、魔物を迎えうちましょう」
ヘルコンドルにとっては希望は目障りなものなのだろうが、俺たちも負けることは許されない。俺は町のみんなに、魔物が来ることを伝えた。
「みんな、ヘルコンドルの手下が攻めてくるぞ!」
俺の声を聞いて、ピリンとノリン、ヘイザンを除くみんなが集まってきた。
みんなが集まったと同時に、ヘルコンドルは雄叫びを上げ、魔物を呼び出した。
「キュオーーーーー!」
ヘルコンドルの叫びと同時に町の東側に多数のじんめんじゅとくさったしたい、それらの隊長と思われる紫色の木のモンスター、ウドラーが現れた。
「また魔物が現れたのじゃな!?」
「迎え討たねえとな」
「あたしも戦いますよ!」
やっぱりミノリも戦えるようだな。俺はてつのつるぎをミノリに渡し、てつのおので戦うことになった。
そして、俺とゆきのへはてつのおの、ミノリとゲンローワはてつのつるぎ、エルとケーシーとザッコは石を持ち魔物を迎え討つ。リムルダールの3回目の防衛戦が始まった。
二刀流で戦えないのは困ったが、てつのおのだけでもなんとかなるだろう。俺たちはまず、前衛にいるじんめんじゅに斬りかかった。「この町は壊させねえよ」
てつのおのはじんめんじゅに突き刺さったが、生命力が高いため倒すことはできなかった。
密林にいた奴らよりもかなり強いようだ。野生のモンスターとは違い、訓練されているのだろう。
体に大きな傷を負ったじんめんじゅは俺に枝を叩きつける。まともに食らったらとても痛いだろう。俺はすかさずてつのおので枝を受け止め、そのまま枝を斬り捨てた。じんめんじゅにとって枝を斬られることは腕を斬り落とされるのと同じことなようで、激痛を感じて動きを止めた。
「これで終わりだな」
俺は動きが止まっているうちにてつのおのでじんめんじゅを頭から真っ二つにした。
ミノリやゲンーローワもじんめんじゅの枝を斬り落としてからとどめをさしていた。
「お主らなどにこの町は壊させぬのじゃ!」
「あたしがここを守って見せます!」
ゆきのへは敵の攻撃をかわしながら後ろにまわり、てつのおのを降り下ろした。彼の強力な一撃でじんめんじゅは消えていく。
これで4体のじんめんじゅを倒すことができたが、俺たちのもとに他のじんめんじゅやくさったしたいが迫ってくる。
「私が魔物たちを足止めします!」
それに気づいたエルたちは石を投げつける。しかし、じんめんじゅの固い樹皮には効果がなく、くさったしたいはそもそも痛覚がないため怯むことがなく、どちらにも効かなかった。
「石投げは効果がないか···」
そろそろもっと強い遠距離武器が必要そうだが、今は作ることができない。
次々に迫ってくる魔物たちを俺は攻撃される前に倒すため、てつのおのに力をためた。
それに気づいたのか、じんめんじゅは俺を狙うのをやめ、ゆきのへたちのところへ向かった。今3人は多くの魔物に囲まれて苦戦していた。これ以上多くの敵が来たら危ないだろう。
俺は力をまだためていたので、みんなのところに向かう魔物に解き放つ。
「回転斬り!」
じんめんじゅは死んだが、くさったしたいな腹に大きな傷を負っただけだった。そのくさったしたいは、この前の防衛戦で来た奴のように俺を殴り付けてくる。こいつもスピードは遅いので、かわすのは容易であった。
「たいして早くないな。くさったしたいは耐久力だけは高いんだよな」
俺は殴ってきた隙にくさったしたいの右腕を斬り落とす。すると、痛みは感じないため、怯むことなく左腕で殴りかかる。
俺はその左腕も斬り落とし、最後に無力化したくさったしたいの胴体を両断した。
これでくさったしたいを1体倒せたが、あと何体もいる。奴らのせいで、ゆきのへ、ゲンローワ、ミノリは少し傷を負っていた。
「くそっ、囲まれたな」
俺はその中でも一番多くの敵に囲まれているゆきのへのところへ向かい、背後からじんめんじゅを斬り倒していく。
「助かったぜ、雄也!」
ゆきのへも体勢を立て直し、てつのおので敵を攻撃していく。
次にゲンローワとミノリを助けようとしたが、隊長のウドラーが立ちはだかった。だが、今すぐ二人を助けに向かわないとまずい。
「隊長のウドラーは俺が倒す。ゆきのへはゲンローワたちと一緒に手下を倒してくれ」
「ああ、分かったぜ」
俺はゆきのへにそう言って、目の前にいるウドラーにてつのおのを降り下ろした。普通のじんめんじゅには突き刺さったが、ウドラーはそいつらよりも固く、少し傷をつけられる程度だった。
「てつのおのでも斬れないか···」
俺はすぐに次の攻撃をしようと思ったが、ウドラーが両方の枝を叩きつけてきた。俺はとっさにてつのおので攻撃を防いだが、枝を斬り落とすことはできなかった。
それどころか、次々に枝を振り回してきて、反撃の機会がない。回転斬りを使えば攻撃できるだろうが、近づかないといけないため、自分も傷を負うことになるだろう。
みんなの様子も見てみるが、まだ手下のじんめんじゅやくさったしたいと戦っている途中だった。エルたちの投石もこの固い樹皮の前では何の意味もなさそうだ。
俺はなんとか背後に回ろうとするが、ウドラーは移動速度も速く、俺の動きにすぐに対応してくる。俺はウドラーから距離をとって、隙ができるのを待った。
その機会は、すぐに訪れた。あまりに連続攻撃をしすぎたウドラーは疲れて動きが鈍くなってきていた。
「こいつも疲れてきているのか、今だな」
俺はウドラーに近づき、枝を弾き返した後、回転斬りを放った。
「回転斬り!」
すると、両方の枝を落とすことができ、胴体にも深い傷ができた。
さらに、そのウドラーの背中に、手下を倒し終えたゆきのへがてつのおのを持って斬りかかった。
「雄也、援護するぜ!」
「ああ、頼んだぞ」
枝を失ったウドラーは、ゆきのへに体当たりで攻撃した。巨体での体当たりは威力が高く、ゆきのへを突き飛ばした。
だが、そこにゲンローワとミノリが来て、ウドラーの前にたち塞がる。ウドラーは、その二人にも体当たりをしたが、そのせいでてつのつるぎが体に刺さってしまい、大ダメージを負う。
刺さった剣を抜こうとするが、枝がなくなったためできなかった。
「そろそろとどめだな」
俺はゆきのへがつけた大きな傷にてつのおのを突き刺し、その状態で回転斬りを放った。そして、ウドラーは内臓を裂かれてついに倒れる。
これで、町を襲ってきたモンスターは全部倒したな。
だが、安心して町に戻ろうとした時、俺の耳におぞましい声が聞こえた。
「ダレダ···ダレダ、ダレカガココニ、キボウヲフリマイテイル···」