ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode42 対空の大弓

竜王の影が去っていった後、俺はキメラのつばさで町に戻り、ゲンローワにウルスのことを話しにいった。

 

「ゲンローワ、ウルスと話してきたぞ」

 

俺のその声を聞いて、ゲンローワは調合室から出てくる。

 

「戻ったか、雄也。ウルスは、連れてこなかったのか?」

 

本当は俺は連れて帰りたかったが、目の前で魔物になるという想定外の事態が起きたからな。

 

「ああ、ウルスは魔物になった。自分で作った病気が原因でな」

 

ただのくさったしたいではなく強大なマッドウルスになったのは竜王の影の影響もあるかもしれないが、元々の原因は魔物化の病だろう。

「···そうか、ウルスが。」

 

俺がそう言うと、ゲンローワはショックを受けたような顔をする。

やはり、自分の弟子が恐ろしい研究をしていたり、魔物になったとは信じたくないのだろう。これまで黙っていたのも、そういう理由だったのか。

 

「ウルスのことは分かった。じゃが、少し前に空が暗くなったのは何なのじゃ?」

 

それと、ゲンローワは竜王の影によって空が暗くなったことも心配しているようだ。

 

 

「さっきウルスの研究所にいた時、竜王の影っていう強いモンスターが現れたんだ。そいつの影響だ」

 

「そのようなモンスターがいるとは···雄也よ、大丈夫だったのか?」

 

「洞窟に隠れてやりすごした。二時間くらい俺のことを探していたぜ」

 

これまで2回とも見つからずに済んで、戦うことはなかったが、いつか戦うことになるんだろうな。

 

「助かってよかったのう。雄也よ、ウルスを助けられなかったのは残念じゃが、助かったぞ」

 

俺からも、ゲンローワに聞きたいことがあった。ウルスは、なぜゲンローワと離れることになったんだ?確かにウルスは悪いことをしているが、ゲンローワは止めなかったのだろうか。

 

「俺からも聞きたいことがある。いつからウルスは魔物化の研究を始めたんだ?」

 

「かなり前のことじゃ、わしとウルスはこの地の病を根絶すべく、研究に明け暮れておっての。」

 

やっぱり、最初は同じ目的で研究を始めてたんだな。

 

「しかし、物を作る力を持たぬわしらでは、何をやっても上手くはいかなかった。そして、ウルスは魔物になるかわりに、死そのものをなくす恐ろしい研究を始めたのじゃ。」

 

魔物になる研究、それを巡ってウルスとゲンローワは対立したってことか。

 

「あの異形の病は、人のおごりが生み出した負の産物なのじゃ」

 

最初は魔物が振り撒いた病が原因とはいえ、人間のほうが何倍も恐ろしいことをしてるんだな。そう考えると、ヘルコンドルよりウルスが危険に思えてくる。

 

「ウルスを止めなかったのか?」

 

「もちろん説得して、止めさせそうとした。じゃが、ウルスは何を言っても聞いてはくれなかった。ついにはわしの元を離れ、一人で研究をするようになった」

 

止めても無駄だったと言うことか。そして、ウルスはその研究を完成させてしまった。

これで、ゲンローワとウルスの過去のことが分かったな。

 

「そうだったのか。そういえば、ウルスからメモを預かってきている」

 

俺は話を聞いた後、ウルスのメモをゲンローワに渡した。ウルスの話によると、この地の病をなくす手がかりが書かれているはずだ。

 

「これは、ウルスの薬の開発記録か···」

 

ゲンローワはその紙を受け取って読み始める。

 

「じゃが、しょせん人間が病と戦うなど、やはり間違っておるのではないか?病や死から逃れようとするなど、人間の領分を超えることなのではないか?」

 

またゲンローワが暗いことを言い出したな。まあ、病に抗った結果が魔物化という話を聞いた今なら、分からない話ではないが。

 

「せっかくじゃ、ウルスの手がかりはわしが解析してみる。それが本当に正しいことなのかは分からぬがの···」

 

ゲンローワは悩みながら、ウルスのメモの解析を始めた。

俺はゲンローワと別れ、何をしようかと考えていると、ミノリが話しかけてきた。

 

「雄也さん、この町のみなさんはいい人ばかりですね」

いい人ばかりか···この町の住民は共に町を発展させ、魔物に立ち向かい、苦労を共にした大切な仲間だからな。でも、急にそんなことを言ってきてどうしたんだろう。

 

「確かに俺もそう思うけど、急にどうしたんだ?」

 

「あたしは、ノリンさん、ケーシーさん、そしてザッコさんに相談を受けました。」

 

あの3人に相談を受けたってことは、この前言ってたヘルコンドルに対抗するための武器の話だろうな。

 

「ヘルコンドルに対抗するための武器のことか?」

 

「はい、病と闘うことや町を作ることに忙しい雄也さんのかわりに、ヘルコンドルを倒す武器を開発したい、と」

 

やっぱりその話だったか。ヘルコンドルだけでなく、手下の魔物やマッドウルスにも使えるかもしれないし、必ず作る必要があるな。

 

「それで、相談を受けてから町のみなさんと一緒にいろんな武器のアイディアを考えてみました。ヘルコンドルは空飛ぶ鳥です。普通の攻撃は当たらないでしょう」

 

ヘルコンドルのはゴーレムより弱そうだが空を飛べるのが厄介なんだよな。何らかの対空兵器を作って撃ち落とさないといけない。

 

「ああ、撃ち落として攻撃する必要がある」

 

「そこで、あたしたちはリリパットが持つ武器を見て思い付いたんです!」

 

リリパットが持っている武器ってことは、弓か。確かに空中にいる敵にも攻撃当てられるな。

俺は銃を使うアクションゲームばかりしていたので、遠距離に攻撃できる武器は銃しかないと思っていた。

 

「あたしたちが考えたのは、固定型の大きな弓からヘルコンドルに突き刺さるような大きな矢を放つ武器です。雄也さん、あとはどうかあたしたちのアイディアを形にしてください」

 

固定型の大きな弓ってことは、モンハンのバリスタみたいな感じか。それと、大きな矢も作らないとな。俺は大きな弓と矢の作り方を調べる。

大弓···木材5個、ひも3個、さびた金属1個

鉄の矢···木材1個、さびた金属1個

どちらにも木材とさびた金属がいるな。大弓はいくつか設置しないといけなさそうだし、木材の数が足りないな。

 

「分かった。素材を揃えたら作ってみる」

 

俺はミノリにそう言って、旅のとびらに向かった。矢はいくつか同時にできると思うが、それでも何回か作っておいいたほうがいい。

 

「木材を集めるのとついでに、まだ行ったことがない場所に行ってみるか」

 

俺は青の旅のとびらに入ったところにある草原の右にある山や、赤の旅のとびらの先にある宮殿の裏の山には登ったことがなかった。山を登るのは結構大変だからな。だが、そこに何かあるかもしれないし、木材を集めるついでに行っておくか。

俺はまず、青の旅のとびらに入り、南国の草原に出た。

 

「ここに来るのも久しぶりだな」

最近はずっと密林に行っていたので、何日かぶりにここに来ることになる。

 

「右の山に登って何かないか調べてみるか」

 

俺はスライムベスやキャタピラーを避け、途中にあったヤシの木をてつのおので叩いて原木を入手しながら、草原を歩いていった。

15分くらいでその山にたどり着くことができた。その山の上にも、たくさんのヤシの木が生えている。

 

「この山で木材を30個くらい取るか」

 

大弓はヘルコンドルに当たる確率を上げるために5個以上設置したほうがいいだろう。大弓を5つ作るのに25個必要になる。矢を作ることを考えれば、30は必要だ。

幸いその山にはツタがあったので、俺はそれを登った。

山の上は、赤の旅のとびらの先の崖の上に似たような感じで、土ブロックに擬態しているモンスターもいた。だが、俺はすぐに擬態していることが分かる。

 

「あんなに分かりやすいのに擬態したつもりなのか?」

 

地面は草が生えていて緑色なのに、そのモンスターは茶色なのですぐに見分けられる。戦う必要はないので、俺は攻撃しないように木を切りながら進んでいった。

そして、原木を大量に集め、山の反対側まで行くと、目の前に青い城の壁でできた建物が見えた。

 

「こんな建物、町の近くにもあったな」

 

毒の病原体を入手した後町に帰る途中に見つけたはずだ。あの建物の中にあった石碑にはクイズが書かれていた。この建物にもあるのかもしれない。

俺が中に入ってみると、石碑と封じられた宝箱や、小さなヤシの木と大きなヤシの木があった。

 

「これも探求者タルバだったかが作ったクイズか」

 

本当にタルバと言う人はクイズが好きなんだな。俺はその石碑に書かれた文章を読む。

 

私は探求者タルバ。知性あるものよ、そなたの輝きをここに示すがよい。人は進化する生き物である。しかし、進化するのは人間だけではない。ここに不完全な進化がある。そなたの力でその進化を完成させるのだ。

 

進化の謎か···目の前には左に小さなヤシの木、右に大きなヤシの木が植えられている。小さな方は成長の途中ということだろう。だが、小さなヤシの木のさらに左に、土があるのに何も植えられていない場所があった。

「これは、右にいくほど大きくなるってことだな。ってことは、あれより成長前のヤシの木を植えればいいのか」

 

進化の謎と書いてあるくらいだし、そういうことだろう。俺は切り株から入手したヤシの木の苗を植えてみる。

すると、手前にあった2つの宝箱が光を放ち、封印が解除された。

 

「これで正解だったな。開けてみるか」

 

俺は早速宝箱を開けてみる。すると、片方には金が1個入っていた。

 

「金が入ってたか。きれいだし、何かに使えそうだな」

 

金は金属の中ではやわらかいので敵を斬ることには使えなさそうだが、武器の装飾などに使うかもしれない。

もう片方の宝箱には、青一色の変なブロックが入っていた。

 

「そういえばこの前のクイズでも白いブロックが入ってたな」

 

タルバはなんでこんなブロックを宝箱に入れたんだ?よく分からなかったが、俺は金と青いブロックをポーチに入れた。

クイズの建物から外にでると、もう夕方になっていた。この山はまだ探索しきれていないが、帰らないといけない。俺はキメラのつばさで飛び上がり、町に戻った。

木材を集めることができたので、大弓を作りに作業部屋に入った。

 

「まずは大弓を5個作るか。その後に矢だな」

 

俺は木材とひも、さびた金属に魔法をかけ、大弓を作っていく。5つ完成すると、次に矢を作った。

「いくつ同時にできるんだろうな?」

 

そう考えて作っていると、10本の矢が出来上がった。

 

「一回に10個も作れるのか。なら、50個はできるな」

 

俺は次々に矢を作っていき、50本の矢ができた。ヘルコンドルは動きが早いから、全部当てることは無理だろうけど。

大弓と矢が完成した後、俺はミノリにそのことを教えに行った。

 

「ミノリ!大弓を作ってきたぞ」

 

俺はミノリに、作った大弓を見せる。恐らく、みんなのアイディア通りのものになっただろう。

 

「ありがとうございます、雄也さん!ヘルコンドルに対抗するための大弓を完成させてくれたんですね!」

ミノリは、俺の作った大弓をよく見て話を続ける。

 

「うん!これなら空中のヘルコンドルにも攻撃を当てることが出来そうです!」

 

どうやらうまく作れたってことだな。武器に詳しいって言ってたミノリが言うんだから間違いない。

武器が完成した事を確認すると、ミノリは話を変えた。

 

「それと、雄也さん···あたしはこの町に来たばかりで詳しいことは分かりません。ただ、あのゲンローワさんの言う、病と闘うことがいいとか悪いとか、病の原因がああだとかこうだとか、ハッキリ言っていろいろこじらせてるおじいちゃんのボヤキにしか聞こえません!」

 

ミノリは言いたいことははっきり言うんだな。ゲンローワは昔いろいろあったとはいえ、ミノリの言いたいことも分からなくはない。

「これまでがどうであれ、ヘルコンドルがもともとの病を振り撒いたのは事実のはずだし、ヘルコンドルを倒せば空の闇が晴れるのもきっと間違いないはずなんです!」

 

確かにゴーレムのように、ヘルコンドルも空の闇を晴らす伝説のアイテムを持っていると考えられる。

 

「そうだな。必ずヘルコンドルを倒して、空の闇を晴らそう」

 

「はい!決戦のために一緒に準備を進めていきましょうね!」

 

大弓が完成したことだし、ヘルコンドルとの決戦も近いだろう。

俺はミノリとの話の後、作った大弓を作業部屋、調理部屋、調合室、病室、仕立て部屋の屋根に設置し、屋根に登るための階段もつけた。高いところにおいたほうが当てやすいからな。

設置した時にすでに夜になっていたので、俺たちは夕食を食べた後、寝ることにした。明日には、病室にいる3人も治っているだろう。

 

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