ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記 作:seven river
メルキドに来て三日目、俺は朝早く起き、調理部屋でモモガキの実を食べていた。俺はこの世界に来てから早寝早起きの生活を送っており、地球にいた時よりも生活のリズムが保たれていた。今日は出かける予定はまだないし、町で1日を過ごそうかと思っているが、何か不穏な気配を感じていた。
「今日はなんか、嫌な事が起きる気がする」
俺が朝食を食べていると、ロロンドが起きてきて調理部屋に入って俺にあいさつをしてきた。
「おはよう雄也。ところで何か嫌な気配を感じるのだが何かあったのか?」
ロロンドも、不穏な気配を感じ取っていたようだ。今の所は何も起きていないので、ロロンドも朝食を食べる。
俺は先に食べ終わり、外に出ていた。すると、ピリンももう起きて、町の中を散歩していた。俺は何時も夜中起きて昼間はおそくまで寝ているのに、メルキドの朝は早い。だが俺はそれにもう適応できていた。
「ピリンも起きてたんだな。ん、あれは?」
ピリンに声をかけようとしていると、町の西側から謎の人影が5つこちらに向かって来ていた。
「誰だろあいつら?新しい住民か?」
新たな仲間だったら歓迎しないといけないと思ったが、姿がはっきり見えるようになると、それは人間ではないことが分かった。そこにいたのは、人の形をしているが肉や内臓がなく、骨だけあるという気味の悪い魔物、がいこつだった。
「なんだ、新しい住民じゃないの。一気に五人増えてくれたら町の復興も大きく進むはずなんだけどな」
でも、そこで気になることがあった。この草原には、がいこつは生息していない。それなのに確かにがいこつがいて、だんだん町にこの町に接近している。
「もしかして、俺たちが町を作っているのが気づかれて、潰そうとしている!?」
よく考えると、そうとしか考えられなかった。ゲームでも、ストーリーを少し進めると、町にモンスター、それもがいこつの群れが襲撃するイベントがあった。今はそれが、現実に起きているようだ。それなら、今すぐピリンやロロンドに伝えないといけない。俺は調理部屋の扉を開き、ロロンドに大声で言った。
「敵襲だ!がいこつの群れがこの町を潰そうとしている!迎え撃とう!」
「なに!?準備を整えて、襲撃に備えるぞ!」
ロロンドはがいこつがもう目の前に来ていることを知らないようだ。準備を整える時間はない。あと30秒も経たないうちにがいこつは町に到達する。
「時間がない!今すぐ迎え撃つぞ!」
ロロンドの装備を整えていなかったので、俺は棍棒、ロロンドはひのきのぼうで立ち向かうことになった。俺たちが出撃しようとしていると、ピリンが調理部屋に入ってきた。
「大変、魔物がきたよ!」
「分かってる。今からロロンドと俺で迎え撃つ!ピリンは調理部屋に隠れててくれ」
「分かった。雄也、負けないでね」
「もちろんだ!必ずメルキドの町を守り抜く」
俺とロロンドが、外に出ると、がいこつはもう光の範囲の中に入った。そこで、ルビスの声援も聞こえた。
「これが初めての本格的な戦いです。雄也、あなたたちの勝利を、信じていますよ」
「その期待には答えないといけないな、行くぞ!」
そして、メルキドの町の一度目の防衛戦が始まった。
がいこつたちの陣形は、前衛に二体、真ん中に二体、後ろに隊長というものだった。まず俺たちに前衛のがいこつが切りかかってきた。
「人間どもめ、お前らも町も滅ぼしてやる!」
そういえば、魔物の中には、しゃべることの出来る奴もいるのか。って今はそんなことはどうでもいい。俺はがいこつの攻撃をかわし、肋骨と頭蓋骨を殴った。
「お前もスライムやキメラと同格だな」
攻撃スピードも威力も、対して強くはなかった。最弱クラスの魔物と同じに扱われて怒ったがいこつは、剣を何度も振り回した。俺は棍棒で受け止めて、攻撃の手が止んだところに、もう一度攻撃を加えた。もう一撃で倒せそうだが、別のがいこつも攻撃してきたため、俺は一度攻撃の手を止める。それに隊長も俺に攻撃してきた。俺が二体同時でも戦えるということを知っているのだろうか。
「隊長はそう簡単には死なないはずだ。手下を先に一体ずつ倒していく!」
ロロンドも二体同時で戦っており、対応しきれず傷を負っていた。傷を負いながらもがいこつに攻撃はできているので、もう少し倒せそうだ。だが傷を負った人を連戦させるのはよくない。がいこつの隊長は俺が倒さないと。
「まずはコイツから!」
俺は弱ったがいこつに隊長の斬撃を避けながら棍棒を叩きつけ、倒した。がいこつは、ぼろぼろの布のような物をおとした。しかし、今は拾っている暇はない。
「ビルダー!お前は俺が倒す!」
隊長の攻撃は普通のがいこつとスピードはおなじだが、威力が高いので喰らうとまずい。隊長と1対1で戦いたいが、もう一体のがいこつが邪魔をしてきて、なかなか出来ない。そいつを倒そうとすると逆に隊長が邪魔をしている。ロロンドは、片方を倒せたようだが、まだ戦っているので、引き付けてもらうことは出来ない。
俺は一時的にがいこつをおとなしくさせるため、手下のがいこつを投げ飛ばして、その瞬間にしてきた隊長の攻撃を受け止めた。隊長の攻撃は受け止めてても腕が痛むくらいの威力で、棍棒も一部が欠けた。何度も受け止めていると武器が壊れてしまう。一方投げられたほうのがいこつはバラバラに砕け、動かなくなった。
「消えてないってことは、死んでないってことだろうけど、しばらくは動けないな」
今のうちに隊長を倒そうと、攻撃を避けながら何度か殴る。しかし、なかなか隊長は死なない。手下のがいこつは4回殴れば倒せたのに。
30秒くらい隊長と戦っていると、後ろから変な音がした。振り替えると、手下のがいこつがもう起き上がって、がいこつの隊長との戦いに集中している俺を切りつけた。
俺はそれをかわし、反射的にカウンター攻撃のようなものをがいこつの頭蓋骨に叩きつけた。二回も頭を強打したがいこつさすがに再生力が尽き、消えていった。しかし、隊長の方を向くと、素早い強力な攻撃を放ってきた。
「くそっ、かわしきれない!」
手下のがいこつを攻撃したせいで反応遅れ、俺は腕を切りつけられてしまった。かなり深く斬られ、その痛みで武器を落としそうになる、なんとか持ちこたえる。
「よくも俺の部下を!」
がいこつの隊長の怒りは頂点に達していた。だが、怒りのせいで判断力が鈍り行動が単純になり、動きが読みやすくなっていた。
「おおい!こっちは倒したぞ!」
俺と隊長との戦いが続いている時、ロロンドの声が聞こえた。ロロンドはかなり傷を負いながらもがいこつを倒し、俺を援護しにきたようだ。
「あんた怪我をしてるだろ。こいつは俺が倒すから、ロロンドは下がっててくれ」
俺はロロンドを引き下がらせようとするがロロンドは聞かず、ひのきのぼうを手に隊長を攻撃した。
「ここで引き下がることは出来ん!雄也よ、共にこいつを倒すぞ!」
ロロンドは平気そうなので、無理には止めずに一緒に戦うことにした。
「じゃあロロンド、こいつを倒すぞ」
ロロンドは隊長の後ろに回った。ロロンドが背後を狙っているのにすぐに気づいたがいこつの隊長は後ろを振り向いた。どが反対側からは俺が狙っている。がいこつの隊長は勝ち目がないと思ったのか逃げようとする。もちろん俺とロロンドは逃すわけにはいかないとがいこつの隊長の後頭部を強打する。
「逃がすわけにはいかない!」
追い詰められて逃げるのもやっとな状態のがいこつの隊長に棍棒を思い切りふり下ろした。遂にがいこつの隊長は力尽き、光になって消えた。
「やったぞ雄也!倒したぞ」
「俺たちで頑張ったおかげだな」
町を狙った骸骨は倒したが、俺とロロンドは怪我を負って、かなり苦戦した。これからはもっと強い武器が必要になるだろう。
「まずはこいつらが落とした物を回収するか」
骸骨軍団が落とした物の中に、武器の素材になるものがないか探した。しかし、布や骨など役にたたなそうなものばかりだった。
「使えるものはないな。でもこれは何だ?」
骸骨の隊長は手下とは違い、半分に割れた石板のような物を落とした。ゲームでは確かこれが旅のとびらという物になって、次のフィールドに行けるんだったな。体験版はそこで終わるので、もし別の場所に行けたとしたらそこは未知の世界だ。
「本当に旅のとびらか分からないし、ロロンドやピリンにも見せて来るか」
その前に、俺とロロンドの分の傷薬を作っておこう。ロロンドとピリンはそのあと寝室に入ったので、そこにいるはずだ。俺はまず自分に傷薬を塗り、もう一つをロロンドに渡しに行った。
「おい、ロロンド。傷薬を持ってきたぞ」
俺は寝室で傷薬を渡し、それを塗ったのを見てから謎の石板をピリンとロロンドに見せた。
「二人とも、この石板が何か分かるか?さっきのがいこつの隊長が落としたんだ。」
「なあに、その石板?」
ピリンは知らないようだが、ロロンドはその石板を見て驚いている。
「もしかしてこれは、旅のとびらかもしれん!メルキド録に書かれた物でな、他の場所に一瞬で移動することが出来るのだ。さらに旅のとびらと言うのは自分が必要とする物がある場所に繋がるそうだ。」
やはり、これは旅のとびらのようだ。自分が必要とする場所に繋がるってめちゃくちゃ便利だな。
「でもこれ、壊れてるぞ」
「いや、ビルダーであるお主なら、旅のとびらを修復できるはずだ」
そう言えばゲームでも自分で作れって言われたな。なぜモンスターは壊れた状態で落とすんだろうな?確か土と青い油で作れたはずだが、壊れていない状態で落としてほしい。また青い油が必要だな。スライムは棍棒なら速攻で倒せるし、怪我をしてる俺でも大丈夫なはずだ。俺は町の近くにいるスライムを10匹くらい倒した。
「旅のとびら修復には一個で良かったはずだけど、使う機会が多いのを考えると多く集めておいたほうがいいな」
俺は青い油を集めると石の作業台で旅のとびらを修復させた。そう言えば、ゲームでは旅のとびら·青って名前だったから、別の色もあるのかな?旅のとびら一個で世界全部に行ける訳が無いから、そう言うことなんだろうけど。俺は旅のとびらを修復し、町の一角においた。現実には拠点レベルなんて概念はないから、部屋の中に置く必要はない。
「おいロロンド!旅のとびらが開いたみたいだぞ」
ロロンドは傷を負っているのに、いつものテンションで走ってきた。
「よくやった雄也!これであらたな土地とこの拠点を行き来することが出来るようになるだろう。新しい地には新しい素材がある!新しい素材があれば、新しい物が作れるぞ!」
それは楽しみなので早く行きたいが、今日は戦いで疲れている。探索は明日からにしよう。
「早く行きたいけど、分からない場所に疲れた時に行くと危険だぞ。今日はゆっくり休もう」
ロロンドも無理に今日行こうとは言わなかった。ゲームと違って傷薬を塗ってすぐに怪我が治るわけでもないしな。
俺たちは明日からの探索に備え、早めに寝ることにした。