ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode52 荒くれのアジト

ヘイザンに本を渡した後、部屋から出た俺は、ゆきのへとピリンと話をしていた。

 

「ヘイザンはまだ出てきていないようだが、何を見つけたんだ?」

 

「かなり昔、アレフガルドを冒険していたガンダルって人の本があったんだ。俺が読んだ後、今はヘイザンが読んでる」

 

3人は希望の旗のところに集まっているが、ヘイザンはまだ部屋の中だ。あの本はかなり分厚いし、時間もかかるだろう。

 

「その本は、どんな内容だったの?」

 

「ガンダルがマイラを訪れた時に発見したことや思ったことが書かれている。それで、マイラはマグマが活性化して、火山地帯になっているって書いてあった」

 

まだマグマのあるところは見たことがないが、嘘を書いたりはしていないはずだ。マグマに落ちたら死ぬだろうから、気をつけないといけない。

 

「マグマか···これまで以上に大変な戦いになりそうだな。だが、火山には鉱脈がたくさん眠っているんだぜ」

 

確かに、火山は危険ではあるけれど、そういう武器の原料になるような鉱石が埋まっていそうだ。モンハンでも、火山はレアな鉱石がたくさん取れる。

 

「それなら、武器を強化して魔物に対抗できそうだな」

 

メルキドでよく使っていたはがねのつるぎやウォーハンマーも作れるかもしれない。

 

「もし火山地帯を見つけたら、ワシも採掘を手伝うぜ」

それに、ここには鍛冶屋が二人もいる。とても心強いことだな。

俺たちが話を初めてしばらく経って、ようやく部屋からヘイザンが出てきた。

 

「おお、みんなもう集まっていたのか」

 

「本を読み終えたのか。そろそろ、町を作り始めるか」

 

これで一通りこの町の跡地に何があるか分かったし、全員が調べ終えたので、そろそろ町の復興を始めたほうがいいだろう。

そんな時だった、俺たちの町に向かって、一人の人影が近づいてきていた。

 

「ねえ雄也。あの人ってだあれ?何か、変な格好をしてるけど」

 

ピリンもその人影に気づいたようだ。

その人をよく見ると、覆面マスクを被った男で、ドラクエシリーズでよく見る荒くれ者の姿をしていた。

「荒くれ者っぽいけど、この近くに住んでるんじゃないか?」

 

荒くれ者は少し怖いイメージがあるが、この人とも協力しなければいけないだろう。

その荒くれ者は、町の光の範囲に入ると、いきなり叫んできた。

 

「おいおい!なんだよこの旗!なんだよこの光は!」

 

これまで最初に出会った人は、みんな旗や光のことを不思議に思っていたが、この人も例外ではないようだ。

荒くれ者は、俺たち4人の近くまで走り、話を続けた。

 

「でもって、オマエたちは誰だ!?人サマのアジトで、勝手に何やってやがる!」

 

え!?この町は荒くれ者のアジトになっていたのか。これまでの地域に比べると建物がしっかりしていたのは、そう言う理由だったんだな。

 

「俺は影山雄也、ルビスから遣わされた、ビルダーって奴だ」

 

俺はまず、自分の名前を名乗り、自分がビルダーであることを伝えた。さすがにビルダーを知らない訳はないだろう。

 

「なに!ビルダーだと!?おお!ってことはオマエはあの伝説の···」

 

やっぱり、ビルダーのことは知っているんだな。

だが、次の瞬間荒くれ者は衝撃の発言をした。

 

「ってバカヤロウ!いったい何のことだよビルダーって?」

 

「は!?本当に知らないのか?」

 

これまで出会った全員が知っていたんだぞ?脳まで筋肉で出来ていそうな奴だけど、まさかここまでとはな。

 

「知らねえに決まってんだろ。オマエなあ···ちょっと得意気な顔でワケ分からねえこと言ってんじゃねーぞ!」

 

俺が今まで思っていたより、荒くれ者と協力するのは難しそうだ。

 

「全く···竜王軍の魔物に吹っ飛ばされて、やっとの思いでアジトに帰ってきてたら、妙な旗は立ってるし、おかしな奴はいるし、いったいぜんたいどうなってやがんだ!うおおおーーー!アネゴオオーーー!助けてください!アネゴオオオーーー!」

 

いくら無知だとは言え、この地を救いに来ているのに、おかしな奴扱いはイラつくな。それに、アネゴって誰なんだ?本当に、訳の分からない奴だな。

しかも、その荒くれ者は、さらに俺をイラだたせることを言った。

「オラオラ!オマエ達は早くどっかに消えな!もう二度と話しかけてくんじゃねーぞ!」

 

早く消えなとか、話しかけて来るなとか言われると、こっちから去って行きたくなる。

 

「何か、感じのよくない人だね」

 

「こんな腹が立つ奴に出会ったのは初めてだ」

 

みんなも、その荒くれ者の態度には腹が立っているようだった。

だが、このまま放っておけば、荒くれ者は一人で魔物と戦わなくてはいけなくなってしまう。

話を続けて協力しなければ、俺たちよりも彼のほうが危険な状況になる。

 

「ちょっと待てよ」

 

「出ていけって言ってんじゃねーか!···ちなみに、オレの名前はガロンだ。二度と話しかけんじゃねーぞ!」

こいつ、ガロンって名前だったのか。それにしても、協力しようとしているのにまた出ていけとか行ってくる。

 

「こんな奴と協力するなんて、無理じゃねえか?」

 

ゆきのへは、強い怒りの表情を浮かべていた。俺も、イライラが限界に達して、ガロンを怒鳴りつけた。

 

「いい加減にしろ、ガロン!別に俺たちは出ていってもいい。だけど、お前は一人で魔物と戦わないといけなくなるぞ。それでもいいのか!?」

 

この世界に来てから、こんなに腹が立つ奴と出会ったのは初めてだな。この先やっていけるか不安だな。

ガロンは少し考えた後、返事をした。

 

「わ、分かったよ。そんなに言うなら協力してやってもいいぜ」

 

なんとか協力する気になってくれたか。どんな嫌な奴だったとしても、ビルダーとして見捨てる訳にはいかないからな。

 

「だが、やっぱり見知らぬ奴をアジトに簡単には入れねえ!どうしてもお近づきになりたいってえなら、ひとつ、条件がある!」

 

せっかく協力しようと思っていたのに、何なんだこいつは?見捨てる訳にはいかないと思ったが、前言撤回したくなってくる。

俺はマジギレする寸前だったが、何とか自分を落ち着けて、ガロンの言った条件とやらを聞く。

 

「それで、何なんだ?その条件って言うのは」

 

見捨てるぞ!とかぶん殴るぞ!とか言って、脅して言うことを聞かせたくなるが、そうすると心から協力することは出来なくなるからな。

ここはひとまず、ガロンの頼みを聞いておこう。

俺が聞くと、ガロンはさっきピリンと俺で調べた、温泉の部屋を指差した。

 

「あそこに湯気の立つ水場が見えんだろ?あれは、魔物に壊されちまった温泉でな」

 

あの温泉も、魔物に破壊されてあんな状態になったのか。前からガロンは、温泉を使っていたが、魔物の襲撃を受けて逃げ出したのかもしれない。

 

「それを修理しろってことか?」

 

「その通りだ。あのぶっ壊れた温泉を修理してくれたら、まあ···ダチくれえには、なってやってもいいぜ?」

 

元々俺たちも温泉を修理しようと思っていたから、丁度いいな。ピリンたちにも手伝って貰えば、すぐに作業も終わるはずだ。

「分かった。すぐに修理してくる」

 

「おう!頼んだぜ」

 

俺はガロンの頼みを受けると、さっそくそのことを3人に話した。

 

「ガロンは温泉を修理したら町作りに協力してくれるらしい。俺も温泉に入りたいし、手伝ってくれ」

 

「うん!わたしも、早く温泉に入ってみたい」

 

みんなと仲良くしたいと思っているピリンはもちろん協力してくれるようで、さっき怒っていたゆきのへたちも、仕方なく手伝うようだ。

 

「あいつのことは気に入らんが、仕方ねえな」

 

「師匠がそう言うのなら、ワタシも手伝うぞ」

 

俺たち4人は、温泉のある部屋に入って行った。

温泉は本当は16平方メートルの広さのようだが、ほとんど土に埋もれていた。

 

「まずは、この土をどかさないといけない。ゆきのへもおおきづちを使って壊してくれ」

 

素手でブロックを破壊するのは大変だから、武器を持っている俺とゆきのへで壊せばいいな。

 

「もちろん手伝うぜ」

 

俺たちはおおきづちを叩きつけ、多くの土ブロックを破壊していった。土ブロックを全て壊すと、お湯にオレンジ色の不思議なブロックが1個だけ入っているのが見えた。

 

「なんだ?この変わったブロックは?」

 

ゆきのへも、その謎のブロックは見たことがないようだ。だが、リムルダールでも似たようなブロックがあったな。確かあれは、きれいな水がわきだしてきたはずだ。お湯の中に入ってるってことは、温泉を発生させる岩なのだろうか。

「多分、リムルダールにあった水を発生させるブロックみたいに、お湯を発生させるブロックなんだろうな」

 

「そう言えば、そんな物があったな。すでに温泉があるから、必要なさそうだけどな」

 

「でも、結構きれいな色をしているし、壊さないでおくか」

 

ゆきのへの言う通り、このブロックは必要ないが、見た目明るいオレンジ色なので、明るい雰囲気の温泉になりそうだ。

 

これで、温泉を治すことはできたから、後は部屋の壁を作らないといけない。温泉を埋めていた土ブロックを使えば、他から調達してこなくて済みそうだ。

 

「ピリンとヘイザンも、俺とゆきのへが今手に入れた土ブロックで壁を修理してくれ」

 

「わたしに手伝えるんだったら、もちろんするよ!」

 

「ワタシはブロック積みは初めてなのだが、やるしかないな」

 

ピリンとヘイザンも手伝ってくれて、あっという間に温泉の建物の壁は直っていった。露天風呂だけど、まわりから覗かれないために、壁は必要なんだよな。

 

「これで直ったか。すぐに終わったな」

 

作業を初めて2分くらいで、温泉の修理を終えることができた。あとは、これをガロンに伝えればいいな。

 

「おい、ガロン!温泉を修理できたぞ!」

 

俺の声を聞くと、すぐにガロンは大声を上げて温泉の部屋に駆けつけてきた。

 

「うおおおおおおおーーー!すげえっ!温泉を修理してくれたんだな!」

 

温泉が直って嬉しいのは分かるが、ここまで大声で言う人なんてあまりいなさそうだ。ガロンは結構変わった奴だな。

 

「もちろんだ。このくらい簡単だぜ」

 

「心の距離を縮めるには、やっぱり温泉だ!裸でぶつかり合えば、友情を越えた感情が···」

 

裸でぶつかり合って、友情を越えた感情だと?この話を聞いて思ったが、ガロンはホモなのか?

 

「何言ってるんだ?俺は別にホモな訳じゃねえよ」

 

「まあ、そんなことは気にすんな。とにかく、温泉の修理、ありがとな!たった今からオマエはオレのダチだぜ!」

 

ホモ発言をしていたし、ダチの関係のまま過ごせることを祈るしかないな。

 

こうして、俺たちと荒くれの復興活動が始まった。

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