ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode53 初日での襲撃

俺たちがマイラの温泉を修理し終えた頃、まだ夕方にはなっていなかったが、午後になっていた。

 

「新しい場所に来ていろいろ大変だったし、さっそく温泉に入ってくるか」

 

俺はさっき修理した温泉に入りに行くことにした。作業部屋や料理部屋も作らないといけないが、明日でも間に合うだろう。

俺が温泉に入ろうとすると、ガロンが呼び止めてきた。

 

「ちょっといいか、影山雄也?」

 

「別にいいけど、頼みたいことでもあるのか?それと、普段は雄也って呼んでくれ」

 

温泉を修理したけど、まだ頼みごとでもあるのだろうか。それに、呼ばれて気づいたけどいつもの雄也と呼んでくれと言うのを忘れていたな。ゆきのへたちは、希望のはたの近くで休んでいる。

「じゃあ、雄也。アネゴや仲間を失って身も心もボロボロのオレの願いを聞いてくれ」

 

そう言えば出会った時、オレたちのアジトって言ってたから、やっぱり仲間もいたんだな。それに、アネゴと言うのも言っていたけど、姉御って言い方から考えて、女の人だよな?

まあ、詳しくは後で教えて貰えばいいか。今はガロンの頼みを聞かないとな。

 

「それで、何をすればいいんだ?」

 

「オマエたちが直してくれた温泉をもうちょっといい感じにグレードアップしてくれ!」

 

また温泉のことなのか?本当にガロンは温泉が好きなんだな。だが、グレードアップしろって言われても、どうすればいいんだ?

「グレードアップって言われてもな、何を作ればいい?」

 

「体の汚れを流すたらいを2つと、カベかけタオルを3つ用意してくれ」

 

たらいとタオルか···地球にある温泉に行っても、必ず置いてあるよな。グレードアップと言うより、温泉に最低限必要な道具を揃えてほしいってことか。

 

「それなら簡単だな。待っててくれ」

 

俺はガロンに返事をしてから、カベかけタオルの作り方を調べた。カベかけタオルは、棒にタオルがかけられている物のはずだ。

カベかけタオル···ふとい枝1個、毛皮1個 鉄の作業台

毛皮でタオルを作って、ふとい枝で棒を作るってことか。毛皮を落とすブラウニーは崖の上にいたし、ふとい枝はそこら中にたくさん落ちている。

たらいを作るにはひもが必要だったはずだが、ひもの材料であるつたも崖にあり、ついでに取りに行ける。

 

「すぐに素材が集まりそうだな。行ってくるか」

 

俺はたらいとカベかけタオルの素材を手に入れるために、町からでた。

 

「まずはふとい枝だな。枯れ木の下に結構落ちてる」

 

ふとい枝は、そこらに生えている枯れ木の下にいくつか落ちていた。それに、枯れ木を壊してもふとい枝を手に入れられるはずだ。

俺はおおきづちを振り回し、下に落ちている枝や、枯れ木を壊してふとい枝を手に入れた。ふとい枝は7個必要だが、枝が5本落ちていて、枯れ木から一度に2個手に入ったので、これで足りるな。

「こんな荒野でも、ふとい枝はすぐに手に入るな」

 

また、その枯れ木の近くには、砂の草切れもたくさん生えていた。確か、砂の草切れが5個あれば砂漠地帯で姿を隠せる砂漠の箱が作れたな。ここは砂漠ではないが、少しは敵から見つかりにくくなるかもしれない。

 

「メルキドの時みたいに、砂漠の箱も作っておくか」

 

俺は砂の草切れを集めながら、マイラに到着した時にいた崖のところに向かった。

その崖には、つたがたくさんあるので、俺はまず最初に必要なさそうな場所に生えているつたを3つ刈り取り、別のつたを使って崖の上へ登ろうとした。

 

「マイラでも崖を登り降りすることになるとはな」

メルキドやリムルダールで慣れているとはいえ、崖を登るのはやはり緊張する。断崖絶壁というほどではないが、落ちる危険性がないわけではないからな。

俺はしっかりつたに掴まり、崖の上へたどり着いた。

 

「あとはブラウニーを倒して、毛皮を手に入れればいいな」

 

その崖の上には、かなりの数のブラウニーが生息している。ブラウニーは大して強い魔物ではないが、集団で囲まれたら危険だな。

 

「いつもみたいに、背後から叩き潰すか」

 

てつのつるぎ辺りを持っていたら、正面から戦っても楽勝だが、今はおおきづちくらいの武器しかないので、隠れるべきだな。

俺は敵がいるとも思っていないブラウニーの後ろに忍びより、頭を叩き潰した。思いきり頭を潰され、ブラウニーは青い光になって消えた。そして、毛皮を1つ落とした。

 

「あとは2つだな。このまま隠れながら行くか」

 

メルキドで最初にキメラと戦ったところと違い、高低差が多く隠れやすい地形だった。さっき俺かブラウニーを叩き潰した音に気づいて、大きなブラウニー1体、小さなブラウニー2体の群れが近づいてきたが、すぐに隠れた。

 

「仲間が潰された音がした。人間かもしれん、よく探すんだ!」

 

大きなブラウニーは、手下たちに指示を出したが、俺はかなり遠くに離れていたため見つかることはなかった。

そして、ブラウニーが諦めて帰っていこうとした時、俺は近づいておおきづちで回転斬り···ではなく回転殴りを放った。それでも、いつもの癖で回転斬り!と叫ぶが。

「回転斬り!」

 

強力な打撃を受け、手下のブラウニーは一撃で倒れ、大きなブラウニーも反撃してきた。

 

「よくも手下を!人間め、潰してやる!」

 

大きなブラウニーは俺を叩き潰そうとハンマーを振り回す。だが、自分の体の半分くらいもあるような大きさのハンマーを軽々と振り回せる訳もなく、俺は容易に回避することができた。

 

「これくらいのスピードなら、余裕でよけれるぜ」

 

俺は攻撃を避けると、次にハンマーを叩きつけられる前に後ろに周り、さっきのブラウニーと同様、頭を叩き潰して倒した。

 

「ブラウニーはやっぱりそんなに強くないな」

そのブラウニーは、メルキドの作業部屋の壁にかけてある袋を落とした。確か、あっちでも大きなブラウニーを倒したら手に入っていたな。

俺は毛皮と皮の袋をポーチにしまうと、崖を降りてマイラの町に戻っていった。

俺は町に戻ると、さっそく作業部屋に入り、鉄の作業台の前に立った。

 

「この鉄の作業台を使えば、2つとも作れるはずだ」

 

俺は手に入れた素材に魔法をかけ、最初にひもを作り、その後カベかけタオルとたらいに変化させる。

 

「あと、砂漠の箱も今のうちに作っておいたほうがいいな」

 

今度の探索から使うかもしれないので、砂の草切れ5個を使って砂漠の箱も作る。

砂漠の箱は今は使わないのでしまっておき、タオルとたらいを持って温泉の部屋に入った。

タオルは体を拭くのに取りやすいように入り口の近くの壁に設置し、たらいは石で作られている温泉のまわりの床に置いた。

 

「これで温泉の設備も整ったな。ガロンに教えてくるか」

 

俺はタオルとたらいを設置し終えて、外にいるガロンを呼んだ。

 

「ガロン、必要なものを作って温泉に置いたぞ」

 

「マジか!?すげえじゃねえか、雄也!そんな筋肉のねえ体で、よくやってくれたな」

 

すごいとほめているのは分かるが、何で筋肉の話を持ち出すんだ?確かに俺は地球にいるときほとんど運動していなかったが、筋肉がなくてもビルダーの力があれば物は作れるんだよな。

 

「いいか、雄也。温泉ってのはこのアジトの···マイラのシンボルなんだ。アネゴや仲間がここに帰ってきた時、温泉がしっかりしてねえとみんな悲しむだろ!」

 

筋肉の話の後、ガロンは温泉に対する思いを話し始めた。それに、ガロンだけでなく仲間もアネゴという人も温泉が好きなのか。早く帰ってくるといいな。

 

「仲間たちやアネゴっていう人は、どこにいるんだ?」

 

「オレたちはここをアジトにして魔物と戦っていたんだが、オマエが来る少し前竜王軍の総攻撃にあっちまったんだ」

 

竜王軍の総攻撃か···それだと仲間たちは帰ってくるどころか、生きてるかも分からない気がする。

「助かったのか?」

 

「まあな。だが、仲間たちはバラバラになって、アネゴは魔物たちに捕まっちまって···」

 

生きてはいるってことか。だが、魔物に捕まっていると言うのは、まずい状態だな。たくさんの魔物の前で、公開処刑でもするのだろうか。早く助けないといけないけど、場所が分からない。

 

「アネゴって人はどこに捕まったか分かるか?」

 

「オレには分からねえな。仲間なら知ってるかもしれねえが」

 

ガロンも居場所は分からないのか。荒くれの仲間たちを集めるのが先なんだな。

俺がガロンと話をしていると、いきなりゆきのへが走ってきた。

 

「おい、雄也。まずいぞ!」

 

こんな言い方からして、何かあったことは確実だな。

 

「どうしたんだ、急に?」

 

「ブラウニーとよろいのきしがここに近づいてきているんだ」

 

まさか、もう襲撃が来たのか?まだマイラの復興の初日だと言うのに。

 

「ここは魔物との戦いが激しい場所だ!気を抜いたら敵がバンバン攻めてくるぜ!」

 

ガロンの話にもあったけど、ここは俺たちが来る前から魔物との戦いがあったんだよな。こんなタイミングで来てもおかしくはないのか。

 

「分かった。ゆきのへ、ガロン、迎え撃とう」

 

このタイミングで来たとしても、俺たち3人がいるからな。

しかし、ガロンはこんなことを言った。

 

「オレはさっきから体の調子が悪いんだ。2人で戦ってくれ!」

 

体の調子が悪いって、さっきまでガロンは大声を出していたりしたので、そんな訳がない。誰でも思い付くような仮病だな。

ガロンは覆面を被っていて、筋肉もあると言うのに臆病者なのかよ。筋肉のないと言われた俺も戦ってるのにな。もしかしたら、ガロンだけ無事に町に来たのは、魔物が怖くて逃げたのかもしれない。

 

「お前荒くれなのに怖がりだったのかよ!?仕方ない、二人で迎え撃つぞ」

 

「そ、そんな訳ねえだろ!?本当に体の調子が悪いんだ」

 

ガロンは否定しているが、言い方から見ても明らかだ。俺とゆきのへはガロンを放っておき、迫り来る魔物におおきづちを構えた。町には、4体のブラウニーと1体のよろいのきしが近づいて来ていた。ブラウニーは大して強くない魔物だが、さっき戦った野生の奴らよりはいくらか強いはずなので、警戒は怠れないな。

マイラの町の1回目の防衛戦が始まった。

 

俺たちがおおきづちで奴らに殴りかかろうとすると、ブラウニーと同様、喋ることのできる魔物、よろいのきしが指示を出した。

 

「ブラウニーども!2体ずつに別れて人間を叩き潰せ!」

 

やっぱり、喋る魔物が隊長だと色々な指示を出したりして戦いにくいな。だが、2体同時に来ようが俺が勝てない強さではないはずだ。

俺のところには、左側にいたブラウニーがハンマーを振り回しながら襲いかかってきた。

 

「人間め!お前も町も壊してやる!」

 

「お前なんか簡単に倒せるぞ!」

 

本当にブラウニーはおおきづちと違って、竜王の味方に付き、人間を倒そうとしているんだな。もちろん、人間としては負ける訳にはいかない。

ブラウニーのハンマーは威力は高そうだったが、やはりスピードは遅かった。

 

「何が簡単に倒せるぞだ?このくらいで俺に勝てると思っているのか」

 

俺は2体の攻撃を後ろに飛んで避けた。かわせない時のために、こんぼうとおおきづちの二刀流で戦うことも考えていたが、その必要はなさそうだ。

俺はおおきづちを振り上げ、片方のブラウニーの頭に叩きつけた。一撃では倒れなかったが、頭が大きくへこんでいた。

 

「よくも仲間にこんなことを!」

 

俺がブラウニーの頭を叩き潰したことをもう片方のブラウニーが怒り、連続でハンマーを振り回す。

避けるのは簡単だが、動きを止めないといけない。俺はそのブラウニーに近づき、攻撃の瞬間にハンマーをおおきづちで弾き飛ばした。

「くっ、やっぱり威力は高いな」

 

強力な攻撃を受け止めて、俺の右腕にかなりの痛みがはしった。

しかし、その間にもブラウニーは体勢を立て直そうとしていた。弱っているはずなので、回転殴りで止めをさすか。

 

「とどめをさすぜ!回転殴り!」

 

今回はいつもと違って回転殴り!と叫んでみたが、やはり違和感を感じるな。さっきみたいにいつも通り、回転斬り!と叫んだほうがいい。

それはともかく、回転殴りによってブラウニー2体を倒すことができた。

 

「ブラウニーが倒されただと!?どうなってるんだ?」

 

それをよろいのきしの言葉を聞いて分かったがまだビルダーと伝説の鍛冶屋の子孫がこの地に来たことは分かっていないようだ。

ゆきのへもおおきづちをブラウニーの体を叩きつけ、なぎ倒していく。

 

「お前なんかにやられるかよ、ハゲ親父!」

 

ブラウニーはゆきのへに文句を言い、抵抗しようとするが、

 

「誰がハゲ親父だと!?ぶっ潰してやるぜ」

 

怒ったゆきのへによって体がグチャグチャになるまで潰された。ゆきのへは鍛冶屋の知識を伝えるために旅についてきたと言っているが、戦いの腕もとても強い。もしゆきのへがいなかったら、俺はリムルダールでもマイラでも魔物に負けていたかもな。

俺とゆきのへによってブラウニーたちが次々と倒されていくのを見て、よろいのきしは驚くどころか、恐れていた。

「お前たち、何者なんだ?ここには生き残りの荒くれ者しかいなかったはずだ」

 

生き残りの荒くれ者···ガロンのことか。確かに昨日まではそうだったが、今日からは俺たちがいる。

 

「俺は影山雄也。ビルダーだ」

 

「わしはゆきのへ。伝説の鍛冶屋の子孫だ」

 

その名前を聞き、よろいのきしはさらに驚く。

 

「あの伝説のビルダーだと!?リムルダールのヘルコンドルを倒した話は聞いたが、ここに来ていたのか。それなら、なおさら倒す必要があるな」

 

よろいのきしは逃げて俺たちのことを報告するのだろうと思っていたが、俺たちを殺そうと斧を振り上げてきた。

「消え去れ!ビルダーめ!」

 

俺はとっさにおおきづちで受け止め、後ろに下がった。さすがにさっきのブラウニーのようにひたすら連続攻撃をすることはなく、俺が攻撃してくるのを待っているようだ。

しかし、後ろからはゆきのへがおえきづちを振り上げていた。

 

「クソッ!いい加減にしろ人間!」

 

よろいのきしはゆきのへと俺に同時に対応することはできないようで、ゆきのへの攻撃を止めている間に、俺はよろいのきしに接近した。

よろいのきしは俺の攻撃も止めようとしたが、ゆきのへに止められ、そのまま俺はよろいのきしの兜を叩き割るような攻撃を放った。

 

「ぐあっ!ビルダーめ···よくも!」

 

よろいのきしは俺の全力の打撃を受けて、大きく怯んだ。

 

「今のうちに叩くぜ、雄也!」

 

「ああ!行くぞ」

 

ゆきのへの合図で、俺たちはおおきづちで何度もよろいのきしを殴った。最後には鎧が原形を止めない形にまで壊れ、よろいのきしは倒れた。

 

「倒したか。そんなに強くなかったな」

 

でも、今回は俺たちがいることを魔物が知らなかったから楽に勝てただけだからな、次からは強い魔物が来ることになるだろう。

よろいのきしは旅のとびらを落とさなかったので、俺たちはそのまま町へと戻っていった。

 

戦いが終わった後、もう夜になる頃だったので、俺たちは寝室とわらベッドを5個作って寝た。リムルダールみたいに木のベッドで寝たいけど、綿毛がないから作れないんだよな。

明日は作業部屋と調理部屋を作ったり、ガロンの仲間を探したりするか。

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