ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode54 白岩のバリケード

マイラに来て2日目の朝、今日は作業部屋を作る予定だったな。俺は寝室から出て、作業に取りかかろうと思った。だが、作業部屋の予定地に向かう途中、ガロンに呼び止められた。

 

「なあ、昨日は魔物を速攻で倒してたけど、オマエ···まさか本当に、伝説のボディビルダーって奴なのか?」

 

伝説のボディビルダー?ガロンは何を言ってるんだ?最初に俺は自分はビルダーだと言ったが、ボディビルダーの意味だと思ってしまったのか。

 

「けど、そんな緩みきった体で···」

 

「それは当たり前だ。俺はボディじゃない方のビルダーだからな」

 

ボディビルダーとビルダーでは、全く意味が違うのに、ガロンはよく分かっていないようだ。

「ボディビルダーじゃない?そんな細けえことはどうでもいい!」

 

「いや、全然意味が違うから!」

 

俺はそう言ったが、ガロンは気にせず話を続けた。

 

「なあ、雄也。オマエ、本当にここに町を作ってくれるんだな?一緒に竜王軍と戦ってくれるんだなっ!?」

 

「もちろんだ。俺はアレフガルド全域を復興させるつもりだからな」

 

ガロンの質問に、俺はもちろんだと返事をした。

俺は最初はルビスに言われて町を作っていたが、最近は町を作ることや、人々と協力することが楽しく思えるようになってきている。どんな困難があっても、必ずこの世界を救いたいな。

その返事を聞くと、ガロンは何故か泣き出していた。

 

「うっ、うっ、うっ···ありがてえ···。実はオレ···ひとりきりでどうしようかと···」

 

竜王軍の攻撃で仲間とはぐれて大変なことも結構あったんだろうな。仲間とはぐれた理由が、臆病だから逃げ出したという訳ではなければいいが。

 

「落ち着けよ、ガロン。協力するって言っただろ」

 

とりあえず今はガロンを信じて、そう言った。

 

「それじゃあ、早速だがな、雄也。オマエにひとつ頼みてえことがある」

 

ガロンは泣き止んで、俺に頼み事をしてきた。昨日は温泉を直せだのたらいやタオルを置けだの温泉に関する頼み事ばかりだったから、今日も温泉に関することなのか?

 

「また温泉のことなのか?」

 

「いや、ここから南に少し行くと竜王軍が作ったこのアジトを封鎖するためのバリケードがあるんだ」

 

アジトを封鎖するためのバリケードか。逃げ場をなくして一気に潰すという作戦だな。こちらから見れば、早く壊したほうがいい物だ。

 

「それを壊せってことか?」

 

「ああ、あれがあるとここから出られねえし、アネゴや仲間を助けに行くこともできねえ。南に抜けるルートを確保するためにも、そのバリケードをなんとかしてえんだ」

 

ガロンの話から考えるとそのバリケードを避けて通る方法がまったくないほど大きく強固なものなのかもしれない。俺一人で破壊できるか心配だな。

それと、方角がわからないから、南はどこになるんだ?

 

「南はどっちなんだ?」

 

俺が聞くと、ガロンは本が置いてある部屋があるほうを指で差した。

 

「あっちが南だ。しばらく進めば、バリケードにたどり着くはずだ。監視役の魔物をぶっ倒し、そこにあるバリケードもぶっ壊してきてくれ」

 

南の方角は分かったが、やっぱり監視役の魔物がいるのか。そう簡単に突破出来ないと言うことは、強力な魔物であると見て間違いない。

 

「かなり難しいかもしれないけど、分かった」

 

俺はガロンと別れ、町の南にあるバリケードへ行こうとした。しかし、作業部屋を作る予定もあったな。

「作業部屋を作ることを頼んでおくか」

 

俺は近くにいたピリンに、作業部屋を作ることを頼むことにした。

 

「なあ、ピリン。俺から頼みがある」

 

「どうしたの?雄也」

 

こうしてピリンに頼むのも久しぶりだな。できれば一緒に作りたいが、バリケードの破壊も大事だ。

 

「俺は出掛けないといけないから、鉄の作業台が置いてある部屋を修理して作業部屋を作ってくれ」

 

「もちろんいいよ!ゆきのへやヘイザンにも教えてくるね」

 

ピリンに頼むと、彼女は一緒に部屋の修理をするため鍛冶屋の二人を呼びに行った。

さて、俺は町の南に出発するか。おおきづちを持って、俺は町の外に出た。

「ガロンの言ってたバリケードって言うのは、どれなんだろうな」

 

町の南には、遠くに白い岩で出来た岩山が見える。あの岩山の下にあるのかもしれない。

俺はスライムベスやいっかくうさぎを避けながら町の南の岩山に進んで行った。途中に落ちている素材も確認したが、ふとい枝や砂の草切れと言った、まわりと同じ物だった。

 

「特に新しい素材はないんだな」

 

新しい素材ではなかったが、今後必要になるかもしれないので、俺はこんぼうを使って集めながら進んでいった。

15分ほどたって岩山にたどり着くと、目の前に変わったブロックが出来た建物が見えた。

 

「あれは、タルバのクイズの建物と同じブロックだな」

青い城の壁のブロックで関所のような形が作られていて、そのブロックがないところにも白い岩を網目状に配置し、侵入者を防ぐような形の建物だった。

 

「これがガロンの言ってたバリケードか」

 

この関所によって岩山の反対側に行く方法が岩山を登る以外になくなっている。しかも、そのバリケードには監視役と思われるよろいのきしがいた。

 

「よろいのきしもいるのか。こいつを倒さないといけないみたいだな」

 

俺が考えていたよりは弱いモンスターで、1体しかいないが、おおきづちとこんぼうしかない状態では十分な強敵だ。昨日もよろいのきしが襲ってきたけど、あれはゆきのへもいたから倒せた。一人では勝てるか分からない。

「正面から挑むのは厳しいけど、他に方法がないんだよな」

 

俺は岩山に登るのには慣れているので、岩山の反対側まで行くことは出来るが、登っているところを見られる可能性があるから、背後から襲うことは難しそうだ。

 

「遠回りすれば出来なくもないけど、どうせ一撃では倒せない」

 

ここから離れた所の岩山を登れば見つかる心配はないが、かなりの遠回りになるし、一撃では倒れないだろうから、どっちにしても戦わざるを得ない。

 

「結局戦わないといけないから、正面から行くか」

 

俺はバリケードに近づき、おおきづちを振り上げて白い岩を壊す。

それを見て、監視役のよろいのきしは斧を構えた。

「人間め、通しはせぬぞ!」

 

俺がバリケードの中に入ると同時に、よろいのきしは斧を降り下ろしてくる。かなり力が強いが、俺はそれをおおきづちで受け止め、なんとか弾き返した。

 

「お前なんかに負けるかよ」

 

そして、すぐに俺はおおきづちをよろいのきしに叩きつけようとしたが、よろいのきしは体勢を立て直し、俺の攻撃を受け止めた。

 

「そう簡単に倒せるとは思うなよ、人間」

 

とにかく攻撃を喰らわせないといけないので、俺は斧で防がれないように背後に回ろうとする。だが、よろいのきしも動きが早く、すぐに対応されてしまう。

 

「くそっ、やっぱり一人で戦うのはキツいぜ」

強い攻撃を何度も受け止め、俺の右腕も力の限界に達しそうだった。

だが、それでもまだ勝てる方法はある。俺は一瞬でポーチからこんぼうを取りだし、左手に持った。

マイラに来てから初めて二刀流を使ったな。これなら片手で攻撃を受け止め、もう片手で攻撃することができる。

 

「何をされようが、人間ごときが我を倒せるはずがない!」

 

俺が二刀流にしてもよろいのきしは構わず斧を叩きつけてきた。今度は、こんぼうを持った左手で攻撃を受け止める。

だが、よろいのきしの斧を受け止めて俺の左手は骨が折れそうなほど痛み、こんぼうもひびが入った。

だが、怯む訳にはいかないので、俺は右手に持つおおきづちで、よろいのきしの腹を思いきり殴り付ける。

「ぐはっ!人間のくせに、なんて力だ!」

 

よろいのきしは動きが止まり、俺はその隙にもう一撃叩き込んだ。

あと少しで倒せそうだが、よろいのきしはまた斧を振り回しだす。

 

「だが、人間ごときにやられてたまるか!」

 

よろいのきしは何としても俺を倒そうとしてくる。俺はこんぼうで攻撃を止めて、後ろにまわろうとした。

攻撃を受け止め続け、こんぼうはもうすぐ壊れそうだった。俺は砕けるのを覚悟で、よろいのきしにこんぼうを叩きつけた。

 

「これでも喰らえ!」

 

案の定こんぼうは砕けてしまったがよろいのきしは再び大きく怯んだ。これ以上反撃されると厳しいので、俺はおおきづちでよろいのきしの腕を殴り、斧を落とさせる。

「斧がなければ何も出来ないだろ。これで終わりだ!」

 

そして俺は、無抵抗になったよろいのきしの頭を叩き割り、とどめをさした。

 

「まさか、人間ごときに···」

 

よろいのきしはそう言い残し、青い光を放って消えていった。

 

「やっと倒したか。マイラに来てから一番大変だったぜ」

 

俺の思っていた通り、キツい戦いになったな。これまでは最初のフィールドでは大して強い敵がいなかったが、マイラの魔物は町の近くにも強力な奴がいる。これからも厳しい戦いが続きそうだな。

 

「あとは反対側の岩も壊せばいいな」

 

俺は反対側の岩も壊し、ガロンに教えるために一度町に戻った。

町に戻ると、ピリンたちに頼んだ作業部屋の修理が終わっていた。俺が作業部屋を見ていると、気づいたピリンが話しかけてきた。

 

「あっ、雄也!帰ってきたんだ!みんなと手伝って、お部屋を修理できたよ」

 

「ああ、ありがとうな。これでマイラの町にも作業部屋が出来た」

 

作業部屋はなくても別に構わないが、どうしても作りたくなってしまう。この後に行くであろうガライやラダトームの町でも、作業部屋は作るだろう。

作業部屋が完成したのを見たので、俺はガロンにバリケードを壊したことを伝えに行った。

 

「なあ、ガロン。あんたの言ってたバリケードを壊してきたぞ」

 

「本当か!?雄也」

 

「ああ、かなり強かったけど、そこにいたよろいのきしも倒した」

 

俺がそう言うと、ガロンは声を上げて大喜びする。

 

「うおおおお!よくやったぞ雄也!さすがだぜっ!筋肉はねえけど、さすがはオレのダチだっ!」

 

喜んでいるのはいいんだが、何でいちいち筋肉がないとか余計なことを言ってくるんだ?

こいつらにとってどれだけ筋肉は大切な物なのかは、俺には分からないな。

 

「さあ!雄也!ここからが本格的なマイラ復活計画のスタートだぜ!魔物にやられて行き倒れている仲間をアジトに連れてくること、そして魔物に捕まっちまってるいとしのアネゴを助けだすこと。この二つが、さしあたってのオレたちの目標だぜ!」

 

まずは、仲間を助けるのが優先ってことか。それと、毎回気になっているがアネゴって言うのはどんな人なんだ?

ガロンが大切な人のような言い方をしているが、恋人なのだろうか。

魔物に捕まっているってことは、危険な状況だし、早めに助け出したい。

俺はアネゴのことを聞こうと思ったがガロンは話を続けた。

 

「んでもって、全ての準備が終わったら、このマイラ地方を支配する魔物の親玉、ようがんまじんをぶっ倒す。これが、最終目標だ!」

ガロンから初めて聞いたが、マイラを支配しているのはようがんまじんなのか。だが、ヘルコンドルにしてもようがんまじんにしても、普通のモンスターであるはずなのに何故魔物の親玉になれるのだろうか。

まあ、ただのようがんまじんではないことは確実だな。十分に対策をして挑まないと勝てないだろう。

それに、リムルダールではヘルコンドル戦の後にマッドウルス戦があったりしたので、マイラでももう一体強大な魔物がいてもおかしくはない。マイラを復活させるのも、かなり大変そうだな。

 

「マイラを復興するのは、これまで以上に大変そうだな」

 

「ああ、このマイラの魔物はめちゃくちゃ強力だがオマエがいりゃあ何とかなりそうだな!」

俺はマイラを復興させるためにここに来たんだ。ガロンに言われた通り魔物は強いが、何とかしてみせないとな。

 

「改めてよろしくな、雄也!筋肉はねえけど頼りにしてるぞ!」

 

「一言余計なんだが···とりあえずよろしくな!」

 

また筋肉のことを言われながらも、俺は改めてガロンとあいさつをした。

これからついに、本格的にマイラの復興が始まるのか。

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