ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode56 サソリの急襲

マイラに来て3日目の日の朝、俺は起きてすぐに、作業部屋に向かった。

 

「今日は昨日手に入れた素材で炉を作るか」

 

俺は、昨日ベイパーを救出した鉱山で手に入れた、銅や石炭で炉と金床を作ろうと思っていた。

炉があれば金属製の武器が作れるようになって、弱い魔物は簡単に切り裂くことができるし、強い魔物にも対抗できるようになる。確か、炉は石材8個、銅3個、石炭3個で作れるはずだ。

 

「銅はたくさんあるし、どうのつるぎも作っておこう」

 

俺はそれらの素材に魔法をかけ、炉と金床を作り出す。炉はリムルダールではなかったので、久しぶりに使うな。

炉が完成すると、俺はさっそく作業部屋の鉄の作業台の横に置いた。

そして、炉を作った後、余った銅を銅のインゴットに加工し、それから俺の分のどうのつるぎを作った。ゆきのへは剣は使わないし、ベイパーはどうやって戦うかわからないから、あとは一本でいいな。

 

「この武器を使えば、戦いも楽になるな」

 

どうのつるぎがあれば、いっかくうさぎやおおさそりなどのモンスターは倒せるだろうし、よろいのきしの攻撃も楽に弾き返せそうだ。さすがに、それより強いモンスターならてつのつるぎやはがねのつるぎが必要になるだろうけど、今は作れないんだよな。

さすがに最初から鉄製の武器は使えないか。

俺が作ったどうのつるぎをポーチにしまっていると、ベイパーが作業部屋に入ってきた。

「おお、雄也!何をしていたんだ?」

 

ベイパーには2つ聞きたいことがあった。魔物との戦いに何の武器を使うかと、アネゴという人の居場所についてだ。

 

「俺は炉を作ってたんだが、ちょうど良かった。あんたに聞きたいことがあるんだ」

 

「聞きたいこと?何だ?」

 

俺は最初に使う武器について聞いた。俺たちは作業部屋にいるし、今のうちに作っておきたい。

 

「あんたは魔物との戦いの時、何の武器を使ってるんだ。必要なら、今すぐ作るぞ」

 

「ワシはいつも大きなハンマーを振り回して戦っておるぞ。作れるか?」

 

ハンマーか···それなら、鉄製のおおかなづちはまだ作れないんだよな。だが、金属製の武器じゃないと厳しい。ゆきのへからは教えられなかったけど、銅でもハンマーが作れるかもしれない。俺は、銅製のハンマーの作り方を調べた。

どうのかなづち···銅のインゴット2個 炉と金床

おおかなづちよりは威力が低そうだが、作ったほうがいい。

 

「作れそうだ。少し待っててくれ」

 

俺は炉の中に銅のインゴットを入れ、魔法をかけてハンマーの形に変化させる。ゆきのへの分も必要だろうから、2個作って、片方をベイパーに渡した。

 

「これで出来たぞ。今度モンスターが襲ってきたら、これで潰してやろう」

 

「おお、お主も頼んだぞ」

 

ベイパーはどうのかなづちを受け取ると、軽々と手に持った。俺は筋肉には興味がないが、すごいと思ってしまう。

武器を作ったので、今度はベイパーにアネゴの居場所について尋ねた。

「あと、もう一つ聞きたいことなんだが、ガロンの言ってたアネゴと言う人の居場所は分かるか?ガロンはあんたが知ってるかもしれないって言ってたぞ」

 

「すまぬが···ワシも知らぬ」

 

ベイパーもアネゴの居場所は分からないか。居場所さえ分かれば、助けに行けると言うのに。

だが、ベイパーはアネゴに関する情報を少しは持っていた。

 

「だが、ワシは魔物との戦いの後、傷ついたアネゴを連れ去る魔物の姿を見たのだ。なんとかして、アネゴの居場所を探し、アネゴを連れ戻さねばならぬっ!」

 

「まだ他の仲間もいるかもしれないし、そいつらに聞くしかないか」

 

魔物に連れ去られたってことは、魔物の拠点に捕まっているとみてやはり間違いないな。俺はメタルギアファンだが、メタルギアらしい潜入はまだしたことがなかった。

魔物の拠点に見つからないよう潜入して、必ずアネゴを助けてやる。

 

「それはそうと、アネゴ救出にはより多くの筋肉がいる。そこで雄也、お主に頼みがあるのだ!」

 

俺が話を聞き終えると、今度はベイパーが俺に頼み事をしてきた。

それにしても、アネゴ救出に筋肉がいるとか、こいつらは魔物の群れに突っ込んでいく気なのか?

それは自滅だろと言いたいが、とりあえずはベイパーの頼みを聞くことにした。

 

「でも、どうやって筋肉を増やすのを手伝えって言うんだ?」

 

「筋肉作りに欠かせない栄養を多く含んだ料理を、ワシに作ってほしいのた」

 

筋肉作りに欠かせない栄養と言うことは、肉料理か何かか?いっかくうさぎを狩れば、確か肉が手に入ったはずだから、町の近くで狩りにいけばよさそうだ。それと料理用たき火を作るのに、あおい油がいるから、ついでに取りに行くか。

 

「分かった、それなら簡単だな。その辺のいっかくうさぎを倒せば肉が手に入るし」

 

俺がいっかくうさぎやスライムを狩りに行くために町の外に出ようとすると、ベイパーが追いかけて呼び止めた。

 

「待ってくれ。実はワシはベジタリアンでな。今まで満足感のあるメシを食ったことがない」

え?荒くれなのにベジタリアンなのか?荒くれ者と言うのは、肉が大好物なイメージがあったが、必ずそうでもないのか。

だが、それなら何を作ればいいんだ?

 

「でも、肉料理以外で筋肉が付きそうなものなんて、思い付かないぞ」

 

「ワシは、バリケードの向こうにある柱型のサボテンを焼いて食べるとよいと思うぞ」

 

柱型のサボテンをスライスした物は持ってるけど、あれってそんなに栄養があったのか。

料理用たき火さえあれば、作ることが出来そうだ。

 

「柱型のサボテンか···ちょっと待っててくれ。料理用のたき火を作る材料を取りに行ってくる」

 

俺はそう言って、町の外に出た。またバリケードの先まで行かないといけないのは大変だが、仕方ない。

「何でマイラには、すぐ近くにスライムがいないんだろうな」

 

俺はそんなことを思いながら、バリケードに向かって歩いて行った。

バリケードまでは、いつものように15分くらいで着く。俺は、そこから先の荒野に行き、スライムを探した。

スライムはたくさん生息しており、すぐに見つけることが出来たので、俺は後ろに忍び寄り、どうのつるぎを降り下ろした。

スライムは悲鳴を上げる暇もなく真っ二つに斬り裂かれ、光を放って消えると同時にあおい油を落とした。

 

「これで手に入ったな。ついでにサボテンもいくつか集めておくか」

 

俺はポーチにあおい油をしまい、帰る途中に、他のスライムを狩ったり、サボテンフルーツや柱型のサボテンを集めたりしながら、また歩いていった。

町に戻ると俺は、さっそく料理用たき火を作りに、作業部屋に入った。

 

「料理用たき火を作るから、調理部屋も作っておいた方がよさそうだな」

 

料理用たき火を作ったら、これまでの町にもあった調理部屋を作るか。毎朝そこに集まって、朝食を食べるのもよさそうだ。

だが、料理用たき火の材料の一つである、たき火を作ろうとしたのだが、なぜかふとい枝とあおい油が合体しなかった。

 

「あれ?何で作れないんだ?」

 

俺はおかしいなと思い、たき火の作り方を調べ直した。

たき火···ふとい枝2個、あおい油1個 石の作業台 木の作業台

    ふとい枝2個、あかい油1個 鉄の作業台

そういうことか!鉄の作業台を使う場合は、あかい油でたき火を作るのか。ゲームでは作業台をいじればレシピが表示されるけど、現実ではそれはないからな。こういったこともあり得る。

 

「スライムベスならすぐ近くにいるし、また行ってくるか」

 

俺は町から出て、すぐ近くにいるスライムベスをどうのつるぎで倒し、あかい油を手に入れる。それ以外に、料理用たき火を作るのに必要そうな砂の草切れも集めて、町に戻った。

これまで料理用たき火を作るには、メルキドではじょうぶな草、リムルダールではしっかりした草と言った草の素材が3つ必要だった。マイラでは、砂の草切れが必要なのだろう。

俺は作業部屋に再び入り、まずたき火を作って、それから料理用たき火にする。

「やっと料理用たき火が出来たか。早くベイパーにサボテンを持っていかないとな」

 

俺は完成した料理用たき火を地面に起き、サボテンのスライスした物を焼いた。特に味付けはしていないが、美味しそうなにおいがしてくる。

ちょうどいいくらいに焼くと、ベイパーのところに持っていった。

 

「ベイパー、焼いたサボテンを持ってきたぞ。食ってくれ」

 

それを見ると、ものすごい勢いでベイパーは俺の手からサボテン焼きを取り、食べ始める。

 

「ぬおおおおお!よくやったぞ、雄也!」

 

ベイパーはそんなにお腹が空いていたのか。まあ、昨日食べたのはサボテンフルーツだけだから、仕方ないけど。

 

「うまいぞおおおお!これなら、アネゴを助けるための筋肉もつけられそうだ!」

 

そんなにうまいのか。俺も後で食べてみようかな。

ベイパーがサボテン焼きを食べている途中に、俺はまた、アネゴのことについて聞いていた。なぜ魔物は、アネゴを殺さずに連れ去ったんだ?

 

「ベイパー、アネゴはどうして魔物に殺されず、捕まったんだ?」

 

「アネゴがどうして魔物にさらわれたのかだと?うむ、魔物たちはアネゴから何かを聞き出そうとしておったようでな。断固口を開かないアネゴに業を煮やし、魔物たちはアネゴを連れ去って行ったのだ」

 

魔物がアネゴに聞きたいことがある?アネゴは魔物にとって必要な情報を持っているのか。どんな情報なんだろうな?

「じゃあ、魔物はアネゴから何を聞き出そうとしていたんだ?」

 

「そこまでは分からぬ」

 

ベイパーもその情報については知らないか。情報を聞き出すと言うことは、すぐに殺されたりする心配はないけど、それでも早めに助けないといけないことに、変わりはない。

 

「とにかく、よくやってくれた、雄也!ワシはこの料理で、アネゴ救出のためのより強い筋肉を作り上げるぞ!」

 

やっぱり荒くれ達は、危険なのに魔物の群れに突っ込んで行きたいようだ。

それも一つの作戦だが、俺は潜入のほうがいいと思う。

俺がベイパーにそのことを伝えようとした、その時だった。ガロンがいきなり作業部屋に入り、

 

「雄也、ベイパー!大変だ!大変だぜえええーー!」

 

ただならぬ表情で、何かが起きていることを伝えた。

 

「どうしたんだ、そんなに慌てて?」

 

「またしても魔物たちが攻めて来やがったんだ!」

 

また魔物の襲撃!?2日前にも襲撃があったばかりだの言うのに、マイラは本当に魔物の活動が激しいな。

俺が外に出て見てみると、町の南から、おおさそりとてつのさそりが2体に、隊長のよろいのきしが1体で合計5体の魔物が、この町に接近してきていた。

俺は、魔物の襲撃が来たと町中に伝わる声で叫んだ。

 

「みんな、また魔物が攻めてきたぞ」

 

それを聞いて、ピリンとヘイザンは建物に隠れ、ゆきのへはおおきづちを持って出てきた。

ベイパーも、どうのかなづちを持って戦いに備える。だが、ガロンは前のように仮病を使って戦いに参加しようとしなかった。

 

「こんな時に、急な腹痛がっ!すまん、あとは頼んだぜ!」

 

こんな時にふざけんな!と怒鳴りつけたかったが、そんなことをしている時間はない。こんな奴がいて、ベイパーや他の荒くれはどう思っているのだろう。

俺たちは臆病なガロンは放っておいて、魔物の群れに近づいて行った。ゆきのへには、さっき作ったどうのかなづちを渡す。

 

「銅で金槌を作っておいた。使ってくれ」

「お前さん、もう炉も作っていたのか。分かった、これで魔物共をぶっ潰すぜ!」

 

ゆきのへはどうのかなづちを受け取り、魔物たちに向ける。マイラの町の、2度目の防衛戦の始まりだ。

 

「この前はよくも我らの仲間を殺してくれたな!やれ、お前ら!」

 

今回の襲撃は、2日前俺たちが倒した魔物の敵討ちのためにも来たようだ。

この前と同じように、よろいのきしが手下たちに指示を出す。すると、おおさそりとてつのさそりが、俺たちのところに向かって襲いかかってくる。

 

「てつのさそりは、戦いなれているけど、固いんだよな」

 

俺のところには、てつのさそりが、ゆきのへとベイパーのところにはおおさそりが来た。

てつのさそりは戦い慣れているし、知能も低いので、俺はハサミでの攻撃を簡単に避け、どうのつるぎで一体の脚を斬りつける。

脚を斬られたてつのさそりは、もう片方のてつのさそりと俺を挟み撃ちにしようとしてくる。

 

「俺をそう簡単に挟み撃ちに出来ると思うなよ」

 

俺はてつのさそりを引き付けて、右腕に力を溜めた。そして、ハサミが降り下ろされる瞬間に俺は力を解き放ち、奴らのハサミと顔を引き裂く。

 

「回転斬り!」

 

奴らの体に、大きな傷がついた。だが、てつのさそりはそれだけでは死なず、体に力を溜めるために動きを止めた。

 

「クソッ、回転攻撃が来る」

俺は元々、てつのさそりの回転攻撃を見て回転斬りを覚えた。その回転攻撃を目の前のてつのさそりがしようとしている。

俺は避けるのは間に合わないと思い、どうのつるぎで攻撃を受け止めた。

 

「くっ!」

 

俺はメルキドのてつのさそりの時のように、吹き飛ばされはしなかったが、大きく体勢を崩してしまう。そこで、ハサミで俺を攻撃しようとてつのさそりはハサミを振り上げた。

俺は起き上がれないまま、そのハサミを弾き返すが、てつのさそりは2体いるため、すぐに別のてつのさそりが俺にハサミを降り下ろした。

立ち上がる時間もなく、俺はその攻撃を受けそうになる。

 

「雄也!ワシが助けるぞ!」

そこに、ベイパーが走って駆けつけてきた。ベイパーのどうのかなづちでの一撃で、てつのさそりのハサミは砕かれる。

しかし、そのベイパーの後ろに、彼と戦っていて大きな傷を負っているおおさそりが追いかけてきていた。

 

「お前に邪魔はさせるか!」

 

このままだと、ベイパーは3体の魔物に囲まれてしまう。俺はどうのつるぎを振り上げ、おおさそりを叩き斬る。

おおさそりはそこまで固くはなく、俺の攻撃で力が尽き、青い光を放って消えていった。

ゆきのへもおおさそりと戦っているが、こちらもおおさそりはボロボロになっていて、もう少しで倒せそうだ。

だが、ベイパーは俺を助けた後、てつのさそりと戦っていて、かなり苦戦していた。

「ワシの筋肉の強さを見せつけてやるぞ!」

 

自慢の筋肉を使い、ベイパーはてつのさそりにダメージを与えてはいるが、さっきの俺のよう2体同時の攻撃には対応しきれず、次第に追い詰められていく。

俺はベイパーに助けられたので、俺もベイパーを助けに行こうとするが、その前によろいのきしが立ち塞がる。

 

「人間め···よくも仲間を殺してくれたな。我はお前を許さぬぞ!」

 

よろいのきしは、おおさそりが倒されたことに怒っていて、俺に斬りかかってくる。

 

「俺もお前たちを倒して、この町を守って見せる!」

 

俺はどうのつるぎで斧を受け止め、そのまま弾き返す。よろいのきしも倒さないといけないが、まずはベイパーの援護に行かないと。

よろいのきしもそうはさせまいと、俺の動きを止めようとしてくる。

 

「お前も荒くれも、ここで死んでもらうぞ」

 

このままでは、この前と同じようにひたすら敵の攻撃を受け止めるだけになってしまう。今はどうのつるぎしかないので、二刀流にすることもできない。

なので俺は、攻撃を避けるのも兼ねて少し後ろに下がり、気づかれないように剣に力を溜めた。

 

「避けても無駄だぞ、人間」

 

よろいのきしは俺が力を溜めていることに気づかず、近づいてくる。そして、斧を降り下ろしたと同時に、俺は今日2回目の回転斬りを放った。

 

「喰らえ、回転斬り!」

 

「何っ!?」

 

俺の強力な一撃がよろいのきしの斧を吹き飛ばして、体勢も崩させた。

今のうちだと思い、俺はベイパーのところに行き、片方のてつのさそりの尻尾にどうのつるぎを突き刺した。

突然背後から剣で刺され、大きく怯んだてつのさそりの胴体に、俺は思いきり剣を降り下ろした。

 

「これで一体倒したぞ!」

 

追い詰められていたベイパーも、どうのかなづちを持ち直した。

 

「ありがとうな、雄也。助かったぞ!」

 

「そっちこそありがとうな。もう一体も倒すぞ!」

 

俺がハサミや尻尾での攻撃を受け止めている間に、ベイパーはてつのさそりの背中に、思いきりどうのかなづちを降り下ろす。

いくら固い甲殻を持っていたとしても、ベイパーの本気の一撃を受けては耐えられない。

てつのさそりはこれで2体とも倒れ、ウォーハンマーの材料であるさそりの角を落とした。

ゆきのへも、おおさそりに止めをさし、残りは俺が動きを止めたよろいのきしだけだ。

 

「よくもやったな!このクソ人間が!」

 

よろいのきしは俺とベイパーのところへ斧を振り回してくる。だが、2人同時を攻撃することは出来ない。俺はさっきと同じようによろいのきしの攻撃を防ぎ、その間にどうのかなづちを持つ二人は、鎧を砕くほどの威力でよろいのきしを殴り付けていく。

 

「思い知ったか!ワシに敵うとは思うなよ」

「二度とこの町を攻めて来るなよ」

 

よろいのきしは抵抗しようとするが、俺にそれを防がれる。よろいのきしが倒れた時には、鎧がこの前の襲撃の時以上に変形していた。

 

「今回も町を守り抜けたな」

 

俺たちは2回目の防衛戦に勝つことができたが、まだ旅のとびらは手に入らなかった。

 

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