ドラゴンクエストビルダーズ メタルギアファンの復興日記   作:seven river

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Episode57 砦の牢屋

マイラに来て4日目の朝、俺は今日も朝早くから起きて、作業部屋に向かっていた。

昨日の防衛戦では、なんとかどうのつるぎだけで勝つことが出来たが、あれ以上の大軍で来られたら対処しきれないだろう。

 

「マイラの魔物に立ち向かうのは、二刀流じゃないとキツそうなんだよな」

 

俺は何体の魔物に囲まれてもいいよう、常に剣とハンマーの二刀流にしておいたほうがよさそうだ。なので、俺はどうのかなづちを作るため、炉のところに向かった。

 

「どうのかなづちは、銅のインゴット2つで作れたはずだな」

 

俺は炉の中に銅のインゴットを2つ入れ、それから魔法をかける。すると、銅のインゴットが合わさって、ハンマーの形になった。

「ビルダーの魔法って、いつも使っているけど本当に便利だよな」

 

俺はどうのかなづちをポーチにしまってから、そんなことを思っていた。ビルダーの魔法の力を、これからも役立てていきたいな。

俺がどうのかなづちを作った後、作業部屋から出ようしていると、ガロンが入ってきて、一人言を言った。

 

「ベイパーもアネゴの居場所は知らなかったか。全く、早く助けに行きたいのによ···」

 

ガロンはまだ居場所も分からない、アネゴのことがとても心配のようだ。そう言えば、アネゴが大切な人であることは分かっているが、どうしてそうなったんだ?そこまでは、まだ聞いていなかったな。

 

「そう言えば、ガロンはどうしてアネゴのことを大切に思うようになったんだ?」

 

「雄也、アネゴってのは···すっごく厳しいが、それ以上に、めちゃめちゃ優しい人でな」

 

すごく優しい人ってことは、やはりガロンの恋人ってことなのか?そんなことを思いながら、ガロンの話を聞き続けた。

 

「そもそも昔のオレたちは、協力もせず、バラバラに竜王軍と戦っていた。そんなオレたちを一つにまとめて、導いてくれたのがアネゴなんだ!アネゴを失えば、オレたちはおしまいだ。アネゴは必ず助けなければならねえのさ!」

 

アネゴは恋人ではないかもしれないけど、チームの大切なリーダーと言ったところか。協力の大切さは俺はアレフガルドを復興させていくうちに分かったが、荒くれたちは、アネゴと言う人から教えられた。

ガロンとベイパーが仲がいいのも、アネゴのおかげなのかもな。その人がいれば、みんなの団結力も高まって、より魔物に対抗しやすくなる。さまざまな面で、アネゴは大切な人だな。

 

「雄也も、アネゴの救出に手を貸してくれるって言ったよな。改めて言うが、その時が来たら、頼むぜ」

 

「分かってる。居場所がわかったら、すぐにでも助けに向かう」

 

俺は改めてアネゴを救うと言い、ガロンと別れて作業部屋を出た。

 

「今日は調理部屋でも作るか」

 

俺のどうのかなづちは完成したが、今日はまだ始まったばかりだ。俺は昨日作ることが出来なかった、調理部屋を作ることにした。

 

「そこらで土を集めてそれで建物を作って、中に料理用たき火と収納箱を置けばいいな」

 

俺はまず、建物の壁を作るために土ブロックを取りに行った。町の外には、たくさんの土ブロックがあり、その中の50個ほどを壊して集める。

土ブロックが集まると、町に戻って作り始める。土ブロックで長方形の部屋を作り、その後必要なものを置く。

料理用たき火を最初に置いて、その後収納箱とわらのとびらを作り、収納箱を料理用たき火の近くに置く。

最後に、入り口にわらのとびらを置けば完成だ。

 

「これでマイラにも調理部屋が出来たな」

 

調理部屋は作業部屋ほどまでは作りたいとは思わないが、これまでの町にも作ったので、ここだけないと言うのはおかしいと思うんだよな。

俺は調理部屋が出来ると、そろそろ探索の続きに行こうかと思った。バリケードの先は、まだ調べきった訳ではないからな。

そう思って、町から出ようとしていると、ガロンが走って俺のところに来た。

 

「雄也!大変だぜ!オマエが料理の部屋を作っている間にベイパーの奴が魔物に連れ去られた仲間の居場所を思い出したらしいんだ!」

 

調理部屋を作っていたことは、ガロンも知っていたのか。

それにしても、何でベイパーは大切な仲間の居場所を忘れていたんだ?鉱山にいた時に起こした脱水症状で意識が朦朧として、記憶が飛んでしまったのかもしれないが。何にせよ、早めに救出に行かないといけないな。

 

「それで、魔物に捕まった仲間はどこにいるんだ?」

 

「ベイパーが言うにはその仲間はここから南西にある、魔物の砦にいるらしい!」

 

魔物の砦か···警備もかなり手厚いかもしれないな。アネゴ救出の前にも、潜入ミッションをすることになるようだ。

 

「今からすぐに向かえば、助かるかもしれねえ!ベイパーと一緒に見てきてくれねえか?」

 

ベイパーと一緒に?こいつらやっぱり、魔物を全員倒していく気だな。誰でも思い付く方法だが、難易度は高い。

 

「俺は一人で行くつもりなんだが。何でベイパーと一緒になんだ?」

 

「そのほうが、砦にいる魔物どもを倒しやすくなるだろ。一人で戦うより、二人で戦うほうがいい」

やっぱりか。筋肉、筋肉うるさいから、どうせそう言う作戦なんだろうと思っていたが、案の定だな。

俺は、魔物に見つからないように潜入する方法を提案した。

 

「それなら、一人で行って魔物に気づかれないよう助ければいいんじゃないか?」

 

「無理だな。これもベイパーの話だが、その砦はかなり小さくて、隠れる場所もない」

 

潜入は無理なのか···。それなら確かに、危険なことには変わりないが、ベイパーと一緒に戦ったほうが楽そうだな。

 

「それと、その砦の入り口は固い壁で覆われているらしい」

 

「固い壁ってことは、どうのかなづちを作っておいて良かったな」

砦の入り口は固い壁になっているのか。その壁を破壊して、中にいる魔物を倒し、仲間を救出すると言うのが、今回の頼みか。

でも、それならベイパーだけでなく、ガロンもこれば3人で戦えるのに、ガロンは自分は行こうとしない。

 

「ガロン、ベイパーと行けって言うなら、あんたも来ればいいじゃないか」

 

俺がそう言うと、仲間がピンチだと言うのにガロンはまた仮病を使った。

 

「オレはこのアジトから出ると、じんましんが出る奇病なんだ」

 

アジトから出るとじんましんが出ると言われても、俺がここに来る前は外にいたはずだ。

全く、こんな臆病者が荒くれのメンバーだとは、全く思えないぜ。俺はガロンを殴り付けたくなったが、なんとかベイパーに協力を頼みに行った。

「ベイパー、あんたが仲間の居場所を思い出したという話をガロンから聞いたんだが、本当か?」

 

「もちろん本当だぞ。ワシも、これから助けにいこうと思っていたところだ」

 

ベイパーもその仲間を救出しに行こうとしているってことは、協力してくれそうだな。

 

「それなら、俺と一緒に来ないか。二人で戦ったほうが魔物を倒しやすい」

 

「お主が協力してくれるならありがたい。では行くぞ」

 

俺もベイパーも準備は完了していたので、すぐに町の外に出た。今日は探索のためにバリケードの先に行こうと思っていたが、仲間の救出のために行くことになるとは、思ってもいなかった。

バリケードの反対側に着くと、敵に見つからないよう、ベイパーに砂漠の箱を渡した。

 

「ベイパー、これを使ってくれ」

 

「何だ?この箱のような物は?」

 

砂漠の箱は1つしか持っていないから、目立つ格好をしているベイパーが被るべきだな。

ベイパーは、砂漠の箱をどう使うかは、分かっていないようだが。

 

「それを被って進めば、魔物に見つかりにくくなる。一つしかないから、俺はあんたの後ろに隠れて進むぞ。どこに砦があるのか詳しくは知らないし」

 

「そういうものだったか。ワシが砦に案内する。付いてこい」

 

俺が説明すると、ベイパーは砂漠の箱を被って進み、俺はベイパーについていった。

ベイパーと一緒に進んでいると、この前は見なかったものがあった。荒野に、誰かが作ったと思われる線路があるのだ。荒くれたちも俺も、線路は作れないのに、誰が作ったんだろうな。

 

「なあ、ベイパー。この線路は誰が作ったんだ?」

 

「ワシにも分からん。ワシらが生まれた時からあったのだ」

 

ベイパーが生まれた時からあったと言われても、ドラクエ1の時点では線路なんてなかったはずだ。勇者が裏切ってから人々の物作りの力が失われるまでは、かなり時間があったのかもな。

物作りの力があっても、魔物の攻撃が激しい時にこんな物を作っている暇があるとは思えない。

 

「でも、線路があったら便利そうだな」

今は線路は所々で途切れているが、これを直せば、移動が楽になりそうだ。

俺は線路を見ながらいろいろ考えて、ベイパーと共に荒野の奥のほうに進んで行った。

荒野には、キメラがたくさんいるところもあった。俺はキメラのはねを集めて、キメラのつばさを作りたいが、今は仲間の救出に行かないといけないから、後でまた集めに来るか。

それ以外にも、キメラの場所の近くには、リムルダールでも見た土ブロックでできた高い塔が見えた。いろんな場所に建てられているけど、何なんだろうな。

それ以外には、特に気になることはなく、1時間くらいかかって、ベイパーに砦の近くまで来たと言われた。

 

「もうすぐ仲間が捕まっている砦に着くぞ。見えるか?」

砦までは50メートルくらいの距離で、俺たちは中にいる魔物に見えないところに隠れていた。

砦の中には、よろいのきしが一体と、まどうしが2体いて、奴らの後ろに宝箱と、仲間が囚われているであろう牢屋があった。

恐らくは宝箱の中に、牢屋の鍵が入っているのだろう。だが、ベイパーの情報の通り、砦はかなり狭く、気づかれずに救出は無理そうだった。

 

「行くぞ。魔物を全員倒して、仲間を救出する!」

 

「待て、ベイパー」

 

潜入は無理だが、一人に敵を引き付けてもらい、その間にもう一人が鍵を取って仲間を助け出す方法がある。

 

「どうしたのだ、雄也?早く助けに行こうではないか」

「全員倒さなくても、片方が魔物を引き付けて、もう片方が鍵を取る。その作戦はどうだ?」

 

問題は、どっちが引き付ける役になるかだな。全ての敵の攻撃が、その人に集中するから、とても危険だ。

だが、その役はベイパーが引き受けてくれるようだ。

 

「その方法なら、ワシが魔物を引き付けるぞ。筋肉のないお主にそれは任せられぬからな」

 

引き付け役をしてくれるのはありがたいが、また筋肉がないと言われた。ここまで言われると、言い返す気もなくなるな。

 

「余計な一言は言わないでくれ。とりあえず、始めるぞ」

 

俺がそう言うと、ベイパーはどうのかなづちを持ち、砦に近づいて行った。

「ワシらの仲間を返してもらうぞ!」

 

ベイパーはどうのかなづちを持ち、入り口にある白い岩の障壁を破壊し、中の魔物に殴りかかった。

 

「愚かな人間め、捕まっている仲間と一緒に死ぬがいい!」

 

よろいのきしやその手下のまどうしが、ベイパーに攻撃をする。俺はその間に、こっそり砦へと入った。

ベイパーは魔物の視界に俺が入らないようにうまく引き付けてくれていて、俺は安心して宝箱に近づいた。

 

「鍵を手に入れて、こっそり牢屋を開ければいいな」

 

鍵はその宝箱に入っているのではなく、よろいのきしが持っている可能性がある。それでも、背後から近づいて喉を斬り裂けばよさそうだ。

だが、宝箱を開くと普通にかぎが入っていた。俺はそれを使って牢屋を開いて、中にいる人に話しかけた。

 

「おい、助けに来たぞ!」

 

中にいたのは、ガロンやベイパーより大きい荒くれ者だった。

 

「まあ···アタシを助けてくれるのかい?」

 

なんだこの人?どう見ても男なのに女みたいな喋りかたをしてるぞ。初めて見るが、これがオカマって奴なのか?

って、今はそんなことはどうでもいい。

 

「ああ、ベイパーと一緒に来たぞ」

 

「アタシは···ギエラ。見かけない顔だけど、アンタ、何者だい?」

 

いつもならここで、俺は影山雄也。ビルダーだと言っていたが、今はそんなことを言っている場合ではない。一刻も早く、ここから脱出しないと。

俺はギエラと一緒に牢屋から出て、ベイパーに声をかけた。

 

「ベイパー、仲間は助けた、逃げるぞ!」

 

「分かった。今すぐ行く」

 

俺の声に気付き、よろいのきしは斧を振り回してきて、まどうしはメラの呪文を唱えた。

 

「この野郎!いつの間にそいつを連れ出した!?まあいい、斬り刻んでやる!」

 

「燃え尽きろ、メラ!」

 

俺たちは砦から出て、3体の魔物から逃げ続ける。そして、追ってこなくなったところで一旦止まり、ギエラと話した。

 

「な、なんとか逃げ切ったわね···」

 

ギエラは助けた時と同じように、オカマ口調で話す。俺はそこで、ギエラに自分の名前を名乗った。一応ビルダーだと言うが、どうせ知らないだろうな。

 

「さっきは言えなかったけど、俺は影山雄也。普段は雄也って呼んでくれ。どうせ知らないだろうけど、この世界で伝説と言われている、ビルダーだ」

 

「伝説のビルダー···もちろん知ってるわよ。失われた、物を作る力を持つ者でしょ」

 

知っていたのか!?ガロンとベイパーは知らなかったから、荒くれはみんな知らないのかと思っていたぜ。

 

「本当に知ってるのか?良かった。ガロンもベイパーも知らないから、あんたも知らないと思ってた」

 

「アタシはそういうことには詳しいの。とりあえず、今はアジトに帰りましょう」

 

ギエラは結構頼りになりそうだな。続きは町で話すことにして、俺たちは歩いて帰っていった。

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